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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167914257
作品紹介・あらすじ
とてつもなく過激で痛快、そして悲惨――とにかく無類に面白い。
ページをめくる手が止まらない傑作長篇!
原子力発電所が爆発し、臨界事故が続発するようになった世界。そこでは、放射能汚染による精子の減少と劣悪化が深刻な問題となっていた。
優良精子保有者である「種馬」の精子は民間の精子バンクが高額で買い上げ、その一家には一生遊んで暮らせる大金が転がり込んでくる。一方で、第二次性徴期を迎えても、生殖器が大きくならず、セックスのできない不幸な子どもたちは「小便小僧」と呼ばれていた。
「小便小僧」として生まれたウマソーは高校を卒業後、警備保障会社に就職をするが、市長の娘に恋をした罰として、使用済みの核燃料や放射性廃棄物で溢れる、廃炉になった原発を警備することになる。やがてウマソーの性器は徐々に失われ……。
超格差社会の最底辺を生きるウマソーは、次々と襲いかかる悪夢にどう立ち向かっていくのか。
岩井俊二が全身全霊を込めて書ききった、壮大で豊饒なエンタテインメント。
解説・金原瑞人
みんなの感想まとめ
過激で痛快な近未来の物語が展開され、読者を引き込む魅力があります。放射能汚染が進む中で、精子の価値が異常に高まった社会を描き、さまざまな愛の形や人間の醜さがカオスに表現されています。主人公ウマソーは、...
感想・レビュー・書評
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非常に読みやすく
面白かったが…なんて言ったら良いか…
人間の醜さ、なくなった秩序、色々な愛の形をカオスに表現してる作品
読者によって好き嫌いハッキリ分かれそうですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
岩井俊二氏独特の近未来世界観を感じられる。スワロウテイルの円都のような。
最近こういう暴力的な小説あんまり読んでなかった。
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岩井俊二『番犬は庭を守る』文春文庫。
久し振りに岩井俊二作品を読んでみようと手に取ったが、原発事故の被災者の気持ちを踏みにじるかのような醜悪な内容に嫌気がした。
本体価格740円
★ -
映画監督だと思うのだが岩井俊二による小説で、おそらく放射能で汚染された世界を舞台にした連続短篇集。はじめは反原発思想の作品かなと思ってしまったが、なんだろう、ちょっと変な舞台設定のファンタジーと言うか、快作と言っていいだろう。最後まで楽しめた。
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一文ごとの長さが短いので、シンプルで読みやすかった。
↓以下ネタバレです
放射能に汚染された、未来の話
生殖能力を失った男性が大勢いて、
精子が高値で取引される世の中。
汚染された内臓を取り替える手術
そのためのクローン豚。
何のアドバンテージも与えられていない主人公ウマソーは
自分の頭で考え抜き、自分の人生を切り開いていく。
本当によく頑張ったと思う。
美少年を殺したのが唯一の汚点かな。でも。
最後、多分放射能で白血病を発症した様子だった。
ささやかな幸せを手に入れて、残りの人生を過ごしてほしい。 -
人生コテンパンにされた先にある希望、リップヴァンウィンクルの花嫁でも感じた希望
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なんでこんな評価低いの?!個人的には90点超え。人間の醜さをよく表してる本だった。展開もコロコロ変わって飽きさせない。面白い。
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かと言って重苦しさもない。痛快、って言葉がぴったり。続きが気になってしまいすぐ読み終わってしまった。読みやすかった。かと言って重苦しさもない。痛快、って言葉がぴったり。続きが気になってしまいすぐ読み終わってしまった。読みやすかった。2023/10/26
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沼正三「家畜人ヤプー」並の奇書です。
(と、これぐらいの事を書いておかないと、迂闊に手に取った人に怒られそうなので、大げさに書いておきます。)
近未来を描いたSFです。
「「ラストレター」に感動したから、岩井俊二の近作を」
と思い立ったのなら、別の小説が良いです。
(その場合は、「少年たちは花火を横から見たかった」KADOKAWA文庫2017/6/25が良いです。
さりとて、岩井俊二作品のSF奇書としては、以前にも
「ウォーレスの人魚」2000/10/25角川文庫
「ヴァンパイア」2012/8/25幻冬舎
という流れもあり、空想に夢だけを見る人とは異なる、岩井俊二の冷徹な現実認識を投影した警告の書と言えるかもしれません。
「ウォーレスの人魚」がかなりサイエンス・フィクションとして徹底して「その進化はあるかも。」と思わせるサイエンス寄りだった内容に対し、
「ヴァンパイア」、本作「番犬は庭を守る」の順番にファンタジーの要素が増して、現実離れした世界観になっていきます。
エンターテインメントとしての面白さは、どの作品にも共通してあり、興味尽きることなくのめり込みながら読み進む事ができます。
これに加えて(文庫の解説で金原瑞人も書いているけれど)読んだ僕が「この面白さに乗せて、著者は、本当は別のメッセージを忍ばせているのではないか。」と思わせるモノがあります。そして、おそらく僕以外の読者も
「俺は、岩井俊二が、忍ばせたメッセージを受け取ったぜ。」
と思う仕組みがあるのだと思いました。
これを具体的に書くのは恥ずかしいので、ここでは「希望」と言っておきましょう。
そういう意味では「零の晩夏」でも、メインストーリーの面白さとは別に「希望」が描かれていると思ったし、
「ラストレター」も絶望的な状況を生きる主人公の儚い人生にも救い、というか「希望」があったと思います。
悲惨で絶望的だ、と自分の人生を呪いたくなったとき、
どれでも良いから岩井俊二の作品を読むと良いかも。
今後の僕に訪れるかも知れない絶望の時に備えて、これを覚えておこうと思う。 -
原発事故で汚染された近未来のディストピア.たまたま「種馬」として生まれたものだけが豊に暮らせる超格差社会のなで,その中でも劣等な部類に生まれついてしまったウマソーの人生が物語られる.
暴力的で猥雑で醜悪だが,最後の一文がうまい.画竜点睛,この一文でうまく作品が仕上がっている. -
設定には面白みとアイデアは感じるが、ストーリーそのものに面白味はない。優れた映画作家であっても小説表現は作品によって優劣がはっきりしている。映画ありきの小説化作品は良い印象がある。
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難しい。
破滅後の退廃的な世界。
希望がない世界に希望を探す主人公たち。
主観的な感情なので、
希望なくても希望って産まれてくるのね。 -
【岩井俊二にしか書けない、豊饒なエンタテインメント】原子力崩壊後の世界―青年ウマソーは警備保障会社に就職をするが、市長の娘に恋をした罰で、廃炉の職場に飛ばされる…傑作長篇小説。
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