ネメシスの使者 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2020年2月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784167914363

作品紹介・あらすじ

死刑判決を免れた殺人犯たちの家族が殺される事件が起きた――。

殺害現場に残された“ネメシス”のメッセージの謎とは?
ネメシスとはギリシャ神話に登場する「義憤」の女神。

事件は遺族による加害者への復讐か、
はたまた司法制度へのテロか?
ネメシスの真の狙いとはいったい……?

ドンデン返しの帝王が本書で挑むのは「死刑制度」。
『テミスの剣』の渡瀬刑事が追う社会派ミステリー最新作。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

死刑制度をテーマにした本作は、司法制度の矛盾や被害者の怒り、執念を深く掘り下げた社会派ミステリーです。物語は、死刑判決を免れた殺人犯の家族が次々と殺されるという衝撃的な事件から始まります。現場に残され...

感想・レビュー・書評

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  • ある意味、テミスの対になるネメシスがタイトルなのがあまりにかっこいい☆
    そして、テミスの剣もネメシスの使者もタイトル通りの内容(当たり前かw)!
    作中は刑務所や裁判の仕組み?や難しい言葉やことわざなどが度々あるのでネットで調べながら勉強になる部分も…。
    当たり前の話だけどテミスの剣から読まれる事をおすすめします。
    あー、まだまだ中山七里さんの作品を読みたい!

  • 死刑判決を逃れた殺人犯の家族が殺される〜
    (殺人犯当人は、塀の中で手出し出来ない)
    これが、個人的な私怨なら、まだ良いが、何も関係ない人が正義の名を振りかざしてなら…
    誰が犯人かの特定は難しいし、特定しても、また、別の人がするってなると…
    これは、司法制度が!
    極刑=死刑ではないという考え方は一理あるのかもしれん。なら、終身刑というヤツになるのか。
    被害者からしたら、一瞬で終わる死刑より、一生続く終身刑の方が、加害者をより苦しむと…これには、人道的でないとかの批判もあるみたいやけど、賛成反対言ってる人に、自身が被害者の人がいてるんか?
    改善はされて来てるんやろうけど、加害者の権利ばかりが守られるのはねぇ…
    でも、加害者の家族は守ってあげて欲しい。
    守るべき人は守って〜

    今回も色んなシリーズで常連さんの渡瀬警部、岬検事と活躍してる。岬検事は大丈夫かと心配になる。
    相変わらずの大どんでん返しは、そう来るか!
    う〜ん…やっぱり、岬検事が心配や〜

    楽しませて貰いました(^_^)v

  • ずっと気になっていた作品を読了!

    中盤中弛みし、読むのに時間を要しましたが、最後に犯人が分かってからは一気読みでした!

    犯人が分かってからもページが結構あったので、誰かを庇っている?何かまだある?と読み進めるうちにあっという間に読み終わり…「そういうことか!」とやられました。

    中山七里さんの作品は「護られなかった者たちへ」を読んだ時も中弛みし、読むのに時間を要したのでもしかして合わない…?と思いつつ、最後まで読むと面白いー!と思うので、また違う作品も読み進めたいです。

  • テミスの剣シリーズと知らずに読み始めて渡瀬、
    古手川コンビ登場でテンションあがりました。

    今回のテーマは死刑判決の是非。
    加害者、被害者家族への世間の目、
    警察組織の保身、自分たちの正義を振りかざす
    マスコミ、SNSの投稿者。
    いつもながら日本の問題点を突いてくる
    中山七里さんの世界は痛快です。

    犯人逮捕からラストの流れは予想できましたが
    それ以上に渋沢判事の最後の言葉に人間の怖さを
    感じました。

    それにしても渡瀬刑事の一貫した考え、行動は
    かっこいいですね。

  • テーマは死刑制度
    死刑と無期懲役、日本の司法制度と被害者の想い、怒り、執念が深く語られた骨太の社会派ミステリー
    このメッセージはぐっと心に刺さります。この手の物語は大好きです。

    ストーリとしては
    死刑相当の凶行を行いながらも、死刑判決を免れた殺人犯の家族が次々と殺される事件が発生。現場には「ネメシス」の血文字のメッセージ。

    岬次席検事と渡瀬がその事件の捜査にあたります。

    被害者による復讐なのか?
    司法に不満を持つ人間のテロなのか?
    ネメシスは誰なのか?

    犯人は意外な人物なわけですが、そこで終わらないところが深い

    死刑制度について考えさせられる物語です

    とってもお勧め

  • なんとも言えない感情になるテーマだった。
    犯人のやり遂げる覚悟がものすごい。
    でも日本は加害者に甘く、被害者に塩を塗る国だなぁとしみじみ思う。
    被害者家族の悲しみははかりしれず。
    問題は加害者家族。
    自分は確かに悪い事してない。
    でも家族が殺人を犯したら…
    世間は普通に生活することを許してくれないんだよねぇ。
    もう、本当に難しい!!
    胸が苦しくなりながらそうだよねぇ、と思いながら読んだ。

    渡瀬刑事シリーズは続くのかな。
    続き楽しみにしています★

  • シリーズ物という訳ではないが「テミスの剣」の続編と言ってよい作品。主人公は埼玉県警捜査一課の渡瀬でコンビを組む部下は古手川。また重要な登場人物として岬洋介の父親である岬恭平検事も出てくる。
    「テミスの剣」と本作「ネメシスの使者」の2作で共通して描かれているのは「被害者遺族の苦しみ」と「現行司法制度の抱える問題」について。
    ネメシスは復讐の女神と言われるが正しくは「義憤」を意味する。本作では死刑判決を免れた殺人犯の家族が次々と殺されていくが、果たして犯人は被害者遺族なのかそれとも義憤に駆られた人物なのか。後者の場合は司法制度への挑戦となるため警察、検察、司法省が慌ただしく揺れ動く。
    現代は仇討ちによる復讐は認められていない。しかし殺された被害者遺族の積もりに積もった恨みは他人には窺い知れないほど深く、殺人犯への復讐をしたくなる気持ちは理解できる(表面的な理解かもしれないが)。他の作品でも中山七里は何度も書いているが、「殺人を犯した人間が刑務所という3食つきで安全な寝場所を税金で供給されている」という現状は、被害者遺族でなくとも理不尽だと思わざるを得ない。死刑廃止論者や加害者の更生を擁護する人たちに、私はやはりこう聞いてみたい。「あなたの子供や妻が殺されても同じことを言えますか」と。
    本作で「温情判事」と揶揄される裁判官が上記の問いに対して驚くべき答えを出すのも重要な場面の一つだし、さすが中山七里と唸らせる最後のどんでん返しも見事だ。「テミスの剣」とセットで読むべき名作。

  • 「連続殺人鬼カエル男」シリーズで著者の作品と出会い本作が3冊目の読了となりました。

    社会派ミステリーの醍醐味を堪能することが出来ました。

    社会派:死刑判決を免れた殺人犯。
    「死刑制度」自体に斬り込んだテーマであり、司法という権力に潜む闇に焦点を当てた作品。

    ミステリー:どんでん返し。
    まさかまさかのどんでん返しが待っていましました。



    説明
    内容紹介
    死刑判決を免れた殺人犯たちの家族が殺される事件が起きた――。

    殺害現場に残された“ネメシス”のメッセージの謎とは?
    ネメシスとはギリシャ神話に登場する「義憤」の女神。

    事件は遺族による加害者への復讐か、
    はたまた司法制度へのテロか?
    ネメシスの真の狙いとはいったい……?

    ドンデン返しの帝王が本書で挑むのは「死刑制度」。
    『テミスの剣』の渡瀬刑事が追う社会派ミステリー最新作。

    内容(「BOOK」データベースより)
    死刑判決を免れた殺人犯たちの家族が、次々に殺される事件が起きた―。現場に残されていたのは、ギリシア神話に登場する「義憤」の女神を意味する「ネメシス」という血文字。事件は遺族による加害者家族への復讐か、それとも司法に対する挑戦か?司法システムと死刑制度を正面から取り上げた社会派ミステリ。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    中山/七里
    1961(昭和36)年、岐阜県生まれ。会社員生活のかたわら、2009年、『さよならドビュッシー』で、第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、翌年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • だいどんでん返しくるとはわかっていたのですが、見事。読みながら予想していた人ではなかったです。

  • 復讐か義憤か
    警察官や検察官のやりとりに含まれる腹の探り合いがリアル。
    「信用出来なくても信頼はしておけ」
    なにより渡瀬警部のクールな言葉が秀逸で自組織を客観的に捉え、呆れている部分とどこか多少なりの愛着を抱えている感じが人間くさい
    信頼できる人間ってこんな人なんだなー

  • 義憤・復讐を司るというギリシャ神話の女神〈ネメシス〉。

    死刑となるはずの極悪な殺人犯が、〈温情判事〉によって懲役刑へと減刑されていく。残された遺族は悲憤を募らせるが、犯人は塀の中に居て手出し出来ない。しかも、彼らの人格には根本的な問題があるため、服役しても更正は到底見込めない。

    そんな受刑者の家族達が(受刑者と同じ犯行手口で)殺害され、現場に〈ネメシス〉の血文字が残される、という事件が連続する。司法システムに対するテロリズムと騒ぎ慌てる法務省・検察幹部。果たして、〈ネメシス〉は被害者家族の復讐劇なのか、義憤に駆られた第3者の犯行なのか。渡瀬警部と岬次席検事がタッグを組んで真相に迫る。

    「死刑」の是非、という問題を扱った重めの司法小説。死刑を出し渋る裁判所、死刑執行を躊躇する法務大臣の背景には、冤罪事件の存在がある。司法の存在意義・役割を問い直すという意味からも、本作は冤罪事件の扱った「テミスの剣」と対を成す作品だ。

    意外なオチは全く予想出来なかった。「テミスの剣」同様、深みのある作品だった。

  • 死刑制度について考えさせられる作品
    先進国で死刑制度が存続してるのは日本を含めて僅かな国だけなんですよね。
    被害者感情からやむなしという考え方が多い日本。私もどちらかというとその考え。
    でもそもそもそれについての議論は進んでいるのか。されているのか。

    さて、本の感想ですがどんでん返しはやはりありましたね。
    中山七里さんのことですから最後に何かがあるんだと思ってたらやっぱりありました。そこがなかったら死刑制度について問われているだけの小説といった感じでしたが、最後にストンと落とされた感じです。

  • 『テミスの剣』続編。

    女性2人の通り魔殺人を犯しながら、無期懲役となった軽部亮一の母親が惨殺された…
    現場に残された『ネメシス』…

    埼玉県警捜査1課・渡瀬は捜査を進めるが、犯人の手がかりすらつかめない…

    そんな中、ストーカー殺人を犯しながら、同じく無期懲役となった二宮圭吾の父も惨殺され、現場には『ネメシス』と…

    加害者家族を狙った復讐なのか…

    最後の最後まで、犯人の姿が見えない、
    え、なぜ、そんなにあっさりと…
    渋沢判事の案件ではないのでは⁇
    本当の目的はそうだったのか…
    長くて、手間のかかる復讐劇だった…

    死刑は廃止されるべきなんだろうか…
    死刑を廃止するなら、終身刑とするべきではないだろうか。
    無期懲役といっても、模範囚となれば、有期で出所できるわけで…
    再犯の可能性を考えると、殺人のような重大な犯罪は終身刑とするべきであろう。

    被害者家族からすると、死刑は当然である。
    ましてや無期懲役で、模範囚でとなれば…
    やりきれない。

    死刑制度について、深く考えさせられる。

  • 「ネメシスの使者」中山七里さん

    1.まとめ
    問題提起 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
    テンポ  ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
    ミステリー⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

    2.ネメシスの使者 概要。
    第一、第二の殺人事件が起きます。
    共通点は、被害者が過去の殺人事件の犯人/加害者家族であること、さらに現場に「ネメシス」なる血痕が残されていたこと。

    ネメシスの語源は「義憤」です。

    犯人は、過去の被害者/遺族の仇討ちが目的なのか?はたまた、その他が動機なのか?

    警察そして検察側が調査を同時進行します。

    2.ネメシスの使者。問題提起とは?
    下記の視点です。
    ①事件の被害者遺族、加害者家族の視点。
    ②死刑、無期懲役の刑罰。

    ゆえに、ひとくちに、ミステリー、また、大どんでん返しの展開のみで総括するには、惜しすぎる小説かもしれません。

    3.ネメシスの使者より
    「人が住む世界の規範は一朝一夕には変わらない。
     歪んだ悦び、不健全な主義主張もいっときは
     もてはやせれる。
     しかし、やがて駆逐され、唾棄され歴史の中に
     消えていく。」


  • 久しぶりの中山七里さん。
    …ラストになって、あぁ!中山七里さんはこうだった!と嬉しくなってワクワクしながら読んだ。
    登場人物も懐かしい名前がいくつも。

    死刑の是非をテーマにした本は色々あるけど、どんな切り口からでも難しい。結局、誰も犯罪を犯さなければいいんだけど、それこそ絵空事。

  • 俗に言う「どんでん返し」のさらに奥のある作品

    死刑相当の事件を起こした懲役囚は何故生かされるのか
    加害者の家族は恨まれるべき相手なのか
    法で裁かれない相手に私刑を行う事は正義なのか

    警察・検察・裁判官・被害者家族・加害者家族
    それぞれの立場からの視点はどれも筋が通っていて、だからこそ人が法で捌くことの難しさを表していた
    正直、復讐にも大義はあると思ってしまうのにモヤモヤは残る
    読み物のとしての面白さと、法制度を考えるきっかけになる作品でした

  • 再読です

    『執念』の一言につきます
    このラストを迎えるための血の滲むような努力といったら…

  • またも、どんでん返しの仕掛けがあった!
    犯人が捕まったのに、まだ頁が残っている。何かと思っていたら、もうひとひねりが待っていた。さすが、「どんでん返しの帝王」。
    死刑制度の是非を問うとともに、加害者家族、被害者家族の問題にも焦点を当てた社会派ミステリー。
    特にネット社会での匿名性は、加害者家族への正義感ぶった攻撃が先鋭化する。
    そんな世論を味方につけた今回の犯罪=犯人にとって「神聖な犯罪」の裏の仕掛けに、あの渡瀬警部も乗せられてしまったか。
    それでもぶれずに、犯人の意図を見抜いた炯眼に渡瀬の逞しさを感じる。岬検事との絡みも楽しく、中山七里ミステリーを堪能できた。
    一方で最後、渡瀬と裁判官とが相対する場面での死刑と懲役刑との軽重問題は、読者にも突き付けられたテーマだろう。

  • 前作から引き続き中山七里先生の作品を読ませていただきました。物語の展開としては、前作で登場した刑事が違う問題にぶち当たり解決していくと言う流れです。裁判官や現在の司法システムの問題に直接取りかけるような物語に自分自身も考えさせられることが多くありました。他の作品も読んでみたいと思います。ありがとうございました!

  • 純粋にミステリ小説としても面白かったが、一方で日本の死刑制度や裁判制度の社会問題にも触れ、勉強になった。自分自身もいつ何時、被害者と同じ境遇になる可能性が全くないわけではない。また、ニーチェ の言葉「復讐の知能、人間が今までに一番頭を働かしたのは、この部分である。」を思い出した。実際の世の中でも復讐のために人生捧げる人はいる。簡単に他人事で済ませられないな、と。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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