水に眠る (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2020年2月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167914394

作品紹介・あらすじ

―短編ミステリーの名手が挑む愛情物語―



儚い愛がつまった美しい短編集です。

同僚への秘めた想い、途切れてしまった父娘の愛、義兄妹の許されぬ感情…。

人と人の、《と》に重きを置いて書かれた物語(あとがきより)は、人の数だけ愛があるということを感じさせます。

一編に一つずつの解説という、豪華な解説付き。

みんなの感想まとめ

人と人との愛の形を描いた短編集で、淡く切ない物語が織りなす情景は、時に不思議で、時にブラックな側面を持ち合わせています。短いながらも深いテーマが詰まっており、さまざまな愛の形—同僚への秘めた想いや途切...

感想・レビュー・書評

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  • これを読んだ人が身近にいて、良かったと言っていたので、読んでみたくなって読んだ。とても素敵だった。
    北村薫は、時と人の3部作しか読んだことがなかったが、こういうものも書けるのだな。

    それぞれのお話の、人と人のかたちは愛しいし、切ないし、胸の奥がきゅっとするんだけど、恋愛だけじゃなくて、親子間の愛情とかそういうものについての話もある。他とはちょっとテイストの違う、パラレルワールド、みたいな感じのお話もある。

    この本の前に読んだものでも、色んな愛の形や人間関係が描かれていたが、何でこういうものを読むと切なくて、ちょっと寂しい気持ちになるんだろう。


    表題作について。
    とっっっっっっても素敵だった。あの雰囲気。そしてウィスキーの水割り。あんまり上手く言葉に出来ないのが悔しい。これは是非読んでみて欲しい。


    また、解説が贅沢。
    私が今まで読んだ本の中で、一番贅沢だなと思った解説は、新潮文庫から出ている、川端康成の眠れる美女。他に片腕と散りぬるをが収録されているだけでなく、解説が三島由紀夫なのだ。豪華過ぎる…!と思ったが、これも贅沢。
    あまりミステリを読まない私でも読んだことがある作家も解説を書いている。
    本編はもちろん、そちらも是非読んで欲しい。

  • 久しぶりに読む北村薫さんで、短編集は初読。
    不思議な話ばかりで、情景を理解するのに時間がかかる。短い通勤時間に細切れに読むのでなおさら。

  • ミステリ作家北村薫が描く短編集。淡くて切なくてちょっぴりブラックな愛の形。
    30年近く前の作品で文化の端々には時代を感じるけれど、色褪せないな。
    SFちっくなお話もよかった。


    ・植物採集
    竜胆色の、忘れな草色のネクタイ。

    ・くらげ
    究極の個人主義を助ける個人空調装置『くらげ』。

    ・矢が三つ
    このお話が1番すき。男女の出生比率が2:1になった世界では、二夫一妻制が一般的になった。第一パパと、ママと私と、新しくやってきた若い第二パパ。


    そして「贅沢な解説」が本当に贅沢。

  • ミステリ短編集だと思って購入したんですが、いささか違うようですね。幻想作品集と言ったほうが似合うのかもしれない。
    「恋愛小説」は近作の『ターン』を想起させられました。電話を通しての交流って不思議なものですね。心理描写が秀逸であります。聞こえるのがピアノの音っていうのがいかにも北村薫らしいような気がします。
    表題作「水に眠る」はまことに不可思議な作品。でもこの調子でやられると、この世には不可思議なことなんてないんじゃないかとも思ってしまいますね。思わず自分でも試してみようかと思ってしまいました。
    いちばん気に入ったのは「植物採集」。これはすべてのシーンが浮かんでくるかのようです。ちょっと気になる男性のネクタイを通してのエピソードなんですが、なるほどこういう結末になるのか。せつない作品ですね。
    「矢が三つ」というのも面白い。出生率が変化したため二夫一妻になった世界で、妻が二番目の夫を迎えるという話。うまいなあ。この夫婦の中学生になる娘の視点で描くとうのもよい。村田基の『フェミニズムの帝国』みたいに悲壮なことにならず、あくまでこれが日常なのが秀逸。
    それから「ものがたり」。これ何なんだろう。受験のために家に泊まっている奥さんの妹が語る物語。どこに話が転じていくのだろうと不思議に思っていると、あの結末。思わず凝然としてしまい、二度三度読み返してしまった。わからない、わからないぞ。とりようによってはどうとでもとれる結末なんだけど、考え込んでしまいました。

  • ショウケースのように色とりどりの作品が並ぶ。『くらげ』は、初めて読む北村薫のSFかな。

  • 恋愛短編集。
    不思議な雰囲気で印象に残ったのが表題作『水に眠る』。
    二夫一妻制が認められている話『矢が三つ』。夫婦における男女の立場が入れ替わっていることがおかしくもあり、このまま少子化が進めばいずれそんな話もてでくるかも、と思ったり…。
    恋愛小説としては『植物採集』が一番しっくりきたというか、恋愛小説らしかった気がします。

    あとは解説陣が豪華で、そちらにびっくりしました(笑)。

  • 好きな作家、北村薫さんの短編。随所に光る瑞々しい言葉がいい。

  • 母親の本棚にあって、擦り切れるほど読んだ本。
    新装版になったこともあり、このたび購入して再読。
    色や手触りの描写が鮮やかで、登場人物の切ない一瞬が、自分のことのように感じられる。
    文章のリズムも素晴らしい。
    一生読み返したい作品の一つ。

  • 北村氏には珍しい恋愛関係の短編集。
    いろいろなトーンがあり、どギツくはない上質な作品をゆったり味わうことができました。

  • 意識していても気づけない、瑞々しい一瞬を掬い取って味わわせてくれる作品集

  • ひとつずつ趣きの異なる珠玉の短編集。さらにまさしく贅沢すぎる解説。こんな風によんでいるんだなと、それも面白い。

  • 【さまざまな愛を描いた短編集】同僚への秘めた思い、途切れた父娘の愛、義兄妹の許されぬ感情……。人の数だけ、愛はある。短編ミステリーの名手が挑む愛の物語。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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