出会いなおし (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.55
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本棚登録 : 1326
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167914530

作品紹介・あらすじ

過ぎてゆく時間のなかで、再び「出会いなおし」ていく人々の物語。人生の大切な時間を、鮮やかに、そして、深く描く、珠玉の短編集。森絵都さんが、時間をかけて、熟成してきた短編たちを編んだ本作は、年を重ねるということの意味を改めて実感できる表題作や、意外な視点のショートストーリーもあり、身近な人との絆を見つめなおしたくなるような、優しさと、確かな生の重みに満ちた作品を楽しめます。

感想・レビュー・書評

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  • 《図書館本》2021/1/1読了。本のタイトルにもなっている「出会いなおし」はタイトルにぴったりなお話で、面白かった。「年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会いなおすということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる。」という言葉にじぃんとした。 「テールライト」は闘牛士と闘牛の話がついていけず、一度章ごと飛ばしたけど、全部読み終わった後に戻って読んでみた。切ない希望のお話でした。 「カブとセロリの塩昆布サラダ」は作り方をクックパッドで検索してみた。 その他のお話も面白かったです。

  • 30人31脚って流行ったけど、いつの間にか消えたなぁ。一視聴者としてしか見たことがなかったけど、舞台裏ではあんなことあったんだろうなと。
    自分が思う失敗とかって、自分ではいつまでも覚えているし、みんなも同じように覚えてるんだろうなと思ってしまいがちだけど、意外と周りの人達って忘れてしまっているし、自分が思ってるほど他人のことをいつまでも覚えてる人っていないんだよね。

  • 表題作も素晴らしいのですが、おすすめは『むすびめ』と『カブとセロリの塩昆布サラダ』です。

    『むすびめ』
    小学校のあるクラスにテレビ局が入って30人31脚をやることに。主人公はクラスで一番運動ができない女の子。
    運動神経の良さはクラスで下から数えた方が早かった…という経験を持つ全ての人に読んでほしい!30人31脚とか、大縄跳びとか、連帯責任発生する系の競技が大嫌いだった人、共感しまくりだと思います。
    子供の頃のトラウマや躓きがあっても、前を向いて生きていけるよ、大丈夫!と背中を押されるような読後感が心地よい。

    『カブとセロリの塩昆布サラダ』
    接客業を経験した人なら分かる、めちゃくちゃ忙しい時に飛び込んでくる苦情の辛さ…。
    苦情処理とは何か、自分の会社の商品を知るとはどういうことか…切々と、でも爽やかに描かれます。販売や接客やってると刺さる。勇気づけられもするので、同業の方是非読んで。

  • 一息に読んで、解説まで堪能したあと、ほぅ。っとため息がついて出た。今の年齢だからこそ愉しめる一冊かもしれないと思いつつ。

  • 題名は表題作と思ったけど、全ての作品の中に、出会いなおしが隠されてるのかも。

    そういう意味では、主題と変奏曲の短編集。

    なかなかに味わい深い作品ぞろいだけど、私の好みは表題作とママかな。
    ムーミンママに会ったことはないけど。

  • 軽やかなのに、読後感が残る。

    出会いなおしは「年を重ねるということは同じ相手に何回も出会い直すということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体になる。」という一文が物語を見事に集約してる。

    かぶとセロリと塩昆サラダは自分自身の仕事と置き換えて読んでしまって、最後の藤木さんの仕事への宣言がすごいと思う。

    むすびめは、小学校時代の経験ってその後の人生に影響するよね、という共感と、爽やかな乗り越えっぷりへの心地よさ。
    テールライト、世界観が具体的に書かれていなくて、読み進めていくなかであぁそういうことなのかと察して、余計に胸がしめつけられる。どうか、どうか、どうかという祈りが切ない。
    青空は、テールライトのあとに読むと、喪失からの再生が爽やかに描かれていて心地よい。

  • 請求記号 913.6/Mo 45

  • 同じ人生をだれかとずっと一緒に歩むことはない。親も友だちも、自分の子どもも、いつも一緒にいるわけではないし、いつかは離れたり、またくっついたりする。離れている時間に自分も相手も変わっていくけれど、その変化を楽しんだり受け容れたりできるおおらかな心をもちたい。

  • 中学の友人の変化を受け入れられずにいて、焦る自分にずっと戸惑っていた。しかし、この本を読んで「年を重ねるということは、おなじ相手に、何回も、出会いなおすということだ。」という言葉に出会い、人は年と共にまるで別人のように変わることを感じた。自分と友人を比べるのではなくその変化を楽しめるようになりたい。

  • この作家、私にしてみれば結構当たり外れの振れが大きいのだけど、今度はこの一冊の中でそんな感じ。

    良かったのは、次の3つ。
    「出会いなおし」…ずっと無邪気に無防備に人の温かさにも気づかずそれを当たり前と思って生きてきてしまい、漸く今となって他人がどう思うのかを気になり出したりしているもんで、若い時から“敵から身を守るような目”で生きていかざるを得なかった人が『年をとるって、面白い』って言うのを聞くのはなかなか羨ましかったのでした。
    「カブとセロリの塩昆布サラダ」…ひとつ間違えば少しずれたおばさんの話になるところを藤木くんが二切れ目を食べてくれたお蔭でいい話になった。
    「むすびめ」…30人31脚、あったよねぇ。15年振りに話が出来て良かったねぇ。

    「テールライト」…個々の話は別に悪くないのだけど、4つの話がひとつのタイトルの下に並べられると???ていう感じ。
    「ママ」とか「青空」は何となく苦手。

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著者プロフィール

森 絵都(もり えと)
1968年、東京都生まれの小説家、翻訳家。早稲田大学第二文学部文学言語系専修卒業。
1990年、『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞し、同作は2008年に映画化もされた。2006年、短編集『風に舞いあがるビニールシート』で、第135回直木賞を受賞。
その後も活躍を続けており、2017年『みかづき』で第12回中央公論文芸賞を受賞、2017年本屋大賞2位。同作は2019年にNHKでドラマ化された。それ以外にも、多数の文学賞を受賞している。

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