- 文藝春秋 (2020年4月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167914691
作品紹介・あらすじ
舞台は文政13年(1830年)の京都。年若くして活花の名手と評判の高い少年僧・胤舜(いんしゅん)は、ある理由から父母と別れ、大覚寺で修行に励む。
「昔を忘れる花を活けてほしい」「亡くなった弟のような花を」「闇の中で花を活けよ」……次から次へと出される難題に、胤舜は、少年のまっすぐな心で挑んでいく。
歴史、能、和歌にまつわる、あるいは生まれたままの、さまざまな花の姿を追い求め、繊細な感受性を持つ少年僧が、母を想い、父と対決していくうちに成長をとげていく、美しい物語。
みんなの感想まとめ
華道を通じて成長する少年僧の物語は、感情の深さと人間関係の複雑さを描き出します。10篇の短編から成るこの作品では、胤舜が様々な花を活ける中で直面する哀しみや温かい想いが、彼の成長に寄与します。彼は母を...
感想・レビュー・書評
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京都・大覚寺の胤舜は、感情を上手に表す事ができない少年僧であった。
師であり、未生流二代目である不濁斎広甫は、他者の為にはなを活ける修行を課す。
胤舜は、二年前に母親に去られた過去があった。
しかも、父親は、西ノ丸老中・水野忠邦。生まれたすぐに、父親からは、捨てられた。
父親の愛情を知らず育った胤舜。
「昔を忘れる花」
「弟の一周忌に、心の裡にある弟のような花」
「暗闇に咲く花」
「西行法師の桜」
「母上を守る花」
数々の課題を通じて、自身を取り巻く、世の悲喜交々を感じ受け止め、成長していく姿を描いた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった
少年僧 胤舜が花を活けることを通して成長していく短編連作ストーリ
10作の短編からなり、それぞれの章で華道のお題が出されます。そこで明らかになる哀しい事実だったり、暖かい想いだったり..そんな経験を通して、胤舜が成長していきます。
さらに、胤舜の生まれにかかわる事件に巻き込まれる中、周りの人にも助けられ、母を想い、父と対決していく姿に心打たれます。
ぶっちゃけドラマ(実写)で見てみたい(笑)
お勧め -
活花の名手と評される大覚寺の少年僧胤舜が、華道の修業を通じて成長していく時代小説。
10篇からなり、それぞれに様々な花が生けられる。
白椿、蝋梅、山桜、山梔、萩、朝顔、酔芙蓉等々。
しかし、請われて活花を行ったがその人の命を救えず、師の広甫に「生きることに、たんと苦しめ。苦しんだことが心の滋養となって、心の花が咲く。自らの心に花を咲かせずして、ひとの心を打つ花は活けられぬ」と、未熟さを諭され、さらに精進する。
静かに活花の話が続くと思いきや、彼が老中水野忠邦の隠し子であることから、一転不穏な動きが蠢き始める。
史実とフィクションが融合されたこの小説は、著者が京都に居を移したその時期に書かれたとのことで、随所に京の四季折々の風景が挿入され、風雅な小説となっている。 -
言葉の美しい本でした。僧であり活け花で人の生き方や人生を表す胤舜の感性が伝わるような作品でした。活け花の深さを知る作品と同時にこの時代の人の心のありようが分かるような気がした。また、母である萩野と父である水野忠邦と難しい時代の家族のあり方のように思うと現代はどれほど自由な時代かを感じた。
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涙が止まらず、電車の中で困りました
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通勤時間を利用しても、読むのに二ヶ月以上かかってしまった。
個人的にこの時代があまり好みでないことと、優しく静かに過ぎる描写でどんどんと読み進められなかった。
ただ、主人公『胤舜』が活ける活花の描写について、表現力が誠実で活花っていいな、と興味を持てた。
あとは、胤舜の様々な状況での活花を通した成長も良かったかな。 -
主人公の成長を感じさせる、花を描く小品10作
人の成長をこれほど上手く描ける作者は素晴らしい
それとともに、作品から花が目の前に浮かんでくる -
活花の天賦の才能を持ち、幕閣の重鎮の落とし胤という複雑な生い立ちのまだ年若い僧胤舜が、花を生ける事で成長していく姿を描いた一冊。
京都の寺院を舞台に、静かで凛とした雰囲気で描かれた物語はとても心地よく、いい読書時間でした。 -
2025.8.31-9.28
(きっかけ)
奥さんが持っていたので読んでみた。
(感想)
「蜩ノ記」に続く2冊目の葉室麟。
正直、少々読み進めるのが苦しかった。
華道に興味が無く、ドラマも落ち着いていてドーパミンが出るような展開もなく…。
やはり私はもう少しハラハラドキドキの展開が無いとワクワクしないのかも、、。
「国宝」は歌舞伎に興味なくても面白く感じたのですが。
ただ、バックグラウンドの水野忠邦の話は面白かった。歴史が好きなので、「こんな背景のある人物なんだ~」と興味深く読みました。 -
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江戸時代後期の京都を舞台に、古刹・大覚寺の少年僧にして、水野忠邦の落胤である胤舜が、類稀なる才でもって華道の道を究める様を描いた、連作時代小説。
寺での静かな暮らしから少しずつ世間を知り、人情の機微を学び、他人と交流し、誰かの心に添うためにこそ、花を活ける修行を通して、胤舜は成長してゆく。
全編、清しく静寂に満ちた雰囲気で、穏やかな胤舜の佇まいと、花の美しさが相俟って、品位を伴う筆致で描かれている。 -
なんという凛とした物語でしょう。花本来の美しさが目の前に映像として現れるようでした
胤舜だけでなく全ての人に物語があり人生があるのです
表現こそ違えど皆人を思いやる心を持っていることに気付かされました
胤舜がこれから歳を重ねどんな人の想いをどんな風に生けるのかもっと見てみたいと思った -
ひとは、なにをするにもそこに自分を見出せるほどの静かな情熱や想いが必要だと。
それは周りの成長をも促すものだと思いました。
良い本です。 -
読了後、爽やかとかではなく清らかな心持ちになった、という印象を受けた。派手さはないが坦々と訴えられるものがあった。
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恥ずかしながら葉室麟さんの著作は今作が初めて。
どこかの書評がよかったので読んでみた。
史実とフィクションの裂け目が見えないうまさ。
活け花の奥深さを教えられた感じがした。
もう少し母子関係と父子関係を踏み込んで描かれていれば親切だったろう。
葉室さんの他の本も読んでみたくなった。 -
主人公の気持ちを感じた気がして泣きました。
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大覚寺に住む少年僧 胤舜 が花を生けることに向き合うことを通して自分の行き方に向き合っていく成長譚。生け花の祖は仏に手向ける花から野に咲く花に人の手を加えていった。手をくわえることで表現される心をこの少年僧は師から磨くように言われる。
そこにさまざまな人物がそこここに現れるのも歴史小説のおもしろいところ。
この本を呼び水にして「蓮月尼」を書いた杉本秀太郎氏の本を読んでみたくなった。 -
活け花を通して少年僧が成長してゆく物語です。
日本独自の文化である活け花は多分、四季折々の自然の表情が外国に比べ繊細で豊かだから生まれたものなんだろうななんて考えてしまいました。それにしても新しい葉室作品が読めないことが残念でなりません。
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内容(「BOOK」データベースより)
物語の舞台は、文政13年(1830)の京都。活花の名手と評判の少年僧・胤舜は、ある理由から父母と別れ、大覚寺で華道の厳しい修行に励む。「昔を忘れる花を活けよ」「闇の中で花を活けよ」…次々と出される難題に、胤舜はまっすぐな心で挑んでいく。歴史、和歌、能の知識と著者特有の陰影を帯びた美しい物語。
令和2年4月18日~22日 -
【私はまだ、悲しみも喜びも知らない……少年は花を活け、生きることを学ぶ】若くして活花の名手と評判の高い少年僧・胤舜は、ある理由から父母と別れ、京都大覚寺で華の道、人の道を学びつつ成長を遂げていく。
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著者プロフィール
葉室麟の作品
