ブルーネス (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 87
感想 : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (459ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167914738

作品紹介・あらすじ

はぐれ研究者たちの情熱溢れる理系エンタメ小説!「津波監視システムの実現に手を貸して欲しい」――。東日本大震災後、地震研究所を辞めた準平は、学界で異端視される武智に誘われる。武智のもとに集まったのは、海洋工学や観測機器などのエキスパートながら、個性が強すぎて組織に馴染めない〝はみ出し者〟たち……。前人未到のプロジェクト、はたして成功するのか!?「この作品は、私たち『変動帯の民』が覚悟を持って試練に備えることの大切さを説いている」――「解説」・巽好幸(神戸大学海洋底探査センター教授・センター長)

感想・レビュー・書評

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  • 東日本大震災の地震予知、津波観察の失敗を受け、実際に科学的根拠を持って書かれた小説。
    一秒でも速く津波情報を被災地に届けようとするシステムは、現在でも実際に進められているようだけど、やはり学会の派閥などの影響もありスムーズには進んでいないようだ。
    その辺も含め書かれているので、大変興味深くかつ面白く読めた。
    海底に張り巡らされたケーブルから津波情報を取得するシステムは、膨大な経費がかかる。
    この本では、ケーブル方式ではなく、海底に沈めた観測機から、会場に浮かべた発振器からの情報で予測するというもの。
    ただ、それには問題も多く、ひとつひとつ解決して行かねばならない。
    ケーブル推進派からは圧力や妨害もある。
    その辺の話が小説として面白かった。

  • 津波屋さんが、東北のあの、津波の事でそんなに批判されてたなんて知らなかった。
    つい最近では、水害の避難情報も頼りにならないとか容易く非難してしまいがちだけど…
    多くの科学者の方達の日々の研究のおかげで、助かった命も沢山あるんだと思う。
    コロナも批判したくなることもあるかもしれないけど、今出来ることをしっかりと考えて行動するようにしようと思った。
    そしてもし願いが叶うなら、もう少し正確なお天気アプリを開発していただきたい 笑
    私のアプリ、曇りや晴れと言ってて雨降ったらクレーム来るけど、雨って言っとけば、仮に晴れてもクレームにはならないと思ってる節が感じられて、降らないのに雨情報があまりにも多いんだけど…という批判 笑

  • 東日本大地震での辛く苦しい経験を色んな立場で味わった研究者たちが、その経験を二度と味わいたくない、という一心で、前例のない津波観測システムを、周囲のさまざまな圧力に耐えながら開発していくお話

    技術的な試行錯誤の話はほどほどに、それ以外の部分(組織内外のしがらみ、資金繰りなど)の試行錯誤に重きを置いた内容でした

    周囲の冷めた、非協力的な雰囲気にも屈することなく、自身のアイデア、信念を貫きながら、開発を進めていく開発チームの姿はとてもリアルで感動的でした

    リアル過ぎて本当にあったお話ではないかと読み進めていくうちに気になって仕方ありませんでしたが、「あとがき」にモデルとなったお話もちゃんと紹介されていて、やはりあり得る話なんだなと、より感動を覚えました

  • 2021/05/25 039

  • 専門知識なかったが読みやすかった
    津波予想大変

  • 地球科学科です。
    学んでいることに関係もありとても楽しく読めました。
    情熱ある人々は素晴らしい。

  • 津波、そして地震は島国日本が未来永劫付き合っていかなければいけない天災。
    この小説は、いずれ被災するであろう国民目線ではなく1秒でも早く、少しでも正確な地震・津波情報を伝えたい、という信念を持ち津波監視システムの実現に取り組む科学者の話です。

    津波監視システムには科学的考察や知識が取り入れられており、それだけでも興味深いのですが、私たちにとっては避けられない天災に対し、科学者目線でのアプローチや活動がフィクションであれ少しでも知ることができます。
    困難に立ち向かいながらも津波監視システムを実現する科学者の矜持を感じる熱い小説として、そして阪神淡路大震災や東日本大地震で感じたあの恐怖を風化させないための読み物としておすすめします。

  • 最後の神戸大学海洋底探査センターの教授であり、センター長の巽さんの解説も含め、おもしろく、興味深く、熱くなりました。
    読んだ小説をドラマ化すれるのは余り好きではありませんが、これはNHKあたりでドラマ、もしくはアニメ化されたらいいのになと思いました。

  • 【若き科学者たちの情熱がほとばしるエンタメ長編】津波のリアルタイム観測――。地震研究所を辞めた準平は、旧知の武智に誘われ、個性豊かな研究者とこの無謀な計画の実現に走り出す!

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著者プロフィール

著者紹介
1972)年大阪生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻。博士課程修了後、大学勤務を経て、2010年『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞。2019年『月まで三キロ』で新田次郎賞を受賞した。著書に『磁極反転の日』『蝶が舞ったら謎のち晴れ――気象予報士・蝶子の推理――』『博物館のファントム 箕作教授の事件簿』『ブルーネス』『ルカの方舟』『梟のシエスタ』など。

「2020年 『コンタミ 科学汚染』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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