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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167914868
作品紹介・あらすじ
現代のロンドン。日本からビクトリア・アルバート美術館に派遣されている客員学芸員の甲斐祐也は、ロンドン大学のジェーン・マクノイアから、未発表版「サロメ」についての相談を受ける。
このオスカー・ワイルドの戯曲は、そのセンセーショナルな内容もさることながら、ある一人の画家を世に送り出したことでも有名だ。彼の名は、オーブリー・ビアズリー。
マクノイア曰く、「とにかく、世界は知ったわけだ。あのオスカー・ワイルドを蹴散らすほどの強烈な個性をもった若い画家が存在するということを」。
保険会社に勤める病弱な青年・ビアズリーは、1890年、18歳のときに本格的に絵を描き始め、ワイルドに見出されて「サロメ」の挿絵で一躍有名になるが、その後、肺結核のため25歳で早逝。
フランス語で出版された「サロメ」の、英語訳出版の裏には、彼の姉で女優のメイベル、男色家としても知られたワイルドとその恋人のアルフレッド・ダグラスの、四つどもえの愛憎関係があった……。
退廃とデカダンスに彩られた、時代の寵児と夭折の天才画家、美術史の驚くべき謎に迫る傑作長篇。
感想・レビュー・書評
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「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」 読後、このニーチェの言葉が頭に浮かんだ。
「魔性の女」「運命の女(ファム・ファタル)」は 時折耳にする。
果たしてそれは魔性の女として生まれるのか。はたまた魔性の女に成るのか。この物語でひとつの答えを見た。
オスカー・ワイルド執筆の『サロメ』に魅入られたビアズリー姉弟の<もうひとつの『サロメ』>。
稀代の文士。<トリックスター>オスカー・ワイルド。
彼に惹かれ、罪深き世界に堕ちていく天才挿絵画家の弟、オーブリー・ビアズリー。
弟への異常な執着を持つ姉、メイベル・ビアズリー。
3人が出会うことで、運命が動き出す。
19世紀末のロンドン、パリで繰り広げられる退廃的で淫靡な物語。俗っぽくいえば、昼ドラ的な。
聖書の「聖人殺害」を名戯曲に翻案したオスカー・ワイルドの『サロメ』。それをこの物語に昇華した作者。
原田マハさんのイマジネーションに唸らされた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戯曲「サロメ」の作家オスカー・ワイルド、その挿絵で有名画家となったビアズリー、そしてその姉メイベル、さらにワイルドの同性の恋人の4人が織りなす物語。
ワイルドもビアズリーもそもそも「サロメ」という物語もその絵も初めて知りました(笑)
Googleでビアズリーの絵を探しながら、読み進めました。
そもそも「サロメ」という物語がぶっ飛び!
預言者のヨカナーンを好きになったサロメ。
妖艶な「7つのヴェイルの踊り」をヘデロ王の前で踊り、ヘデロ王から褒美を取らせるということで、ヨカナーンの首を所望。躊躇するも、結局処刑されたヨカナーン。さらにその生首にサロメの前にもたらされると、その生首にサロメはキスをする。
ひょえーーー
なんという物語。
そして、そんなサロメのような印象を持つビアズリーの姉のメイベルの視点で本書は語られていきます。
メイベルの生き様がサロメ同様恐ろしい!
ドロドロっとした世界観が好きな人にお勧め -
「お前の口に口づけしたよ、ヨカナーン」
恐ろしくも惹きつけられるオスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」の世界観。
またオーブリー・ビアズリーのグロテスクでエロチックな強烈な挿画。
この世界観が好きかどうかよく分からないけれど、聖書に登場する「サロメ」の逸話は、この二人のお陰で興味が増す。その逆も然り。
そして本書・原田マハ作「サロメ」は、ワイルド、ビアズリー、その姉で女優のメイベル、ワイルドの同性の恋人を巻き込む4人の愛憎物語でフィクション。
また「サロメ」への興味が増した。面白かった。
──「サロメ」が舞台になった時、主役を演じるのはこの私よ。
そして「サロメ」が本になる時、その挿絵を描くことができるのは……オーブリー・ビアズリー以外にはいない
そのためにならば、あいつ(ワイルド)の情婦になることも厭わない──
そう企てる姉メイベルの、弟への執着が、自らを破滅へと導いていったように思う。まるで「サロメ」のように……。
ワイルドの戯曲「サロメ」や、ビアズリーの絵が好きな方が読むと面白いと思う。
また19世紀末期の英国の様子が垣間見えて良かったし勉強になった。馬車も行き交うけれど、もうこの頃には地下鉄も通っていたのですね。
それにしても表紙の絵をよく使用許可されたなと感心してしまう。
この絵はビアズリー画「舞姫の褒美」。原作では、サロメが預言者ヨカナーンの首を手にする、ハイライトシーン。本書のビアズリーによれば、「サロメは美姫なんかじゃない。…化け物だよ」と。恐ろしい…。-
早速、作品にいいね!してもらってありがとうございますm(_ _)m
昔に読んだので全くレビューを書いてなくてすみません(^_^;)早速、作品にいいね!してもらってありがとうございますm(_ _)m
昔に読んだので全くレビューを書いてなくてすみません(^_^;)2023/03/26 -
いえいえ〜〜
私も未レビューはたくさんあります^^;
オススメしていただいた本にいいね!は当たり前ですよ(๑•̀ㅂ•́)و グッ!
さてと...いえいえ〜〜
私も未レビューはたくさんあります^^;
オススメしていただいた本にいいね!は当たり前ですよ(๑•̀ㅂ•́)و グッ!
さてと!何から読みますかな。楽しみになってきました。2023/03/26 -
まぁ、レビューを書いてても私のレビューはあてになりませんけどね〜www
マハさん楽しんでくださいね(≧∇≦)bまぁ、レビューを書いてても私のレビューはあてになりませんけどね〜www
マハさん楽しんでくださいね(≧∇≦)b2023/03/26
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この度、オペラ「サロメ」を観に行くことなったので再読。
私は原田マハさんの本で、画家を知るのですが今回のオーブリービアズリー はまた異質。一度知ってしまうと目を離すことが出来ない恐怖、禁忌、淫靡そして罪。癒されもしないし心が穏やかにも全くならない芸術。なのに、強烈な中毒性。
そしてビアズリーに深く関わっているオスカーワイルドとの唯ならぬ関係。
当時の世界を旅しながら、サロメの物語とともに進む内容はビアズリーの挿絵同様、仄暗くガスがかかって先が見えない、でも知りたい…そんな毒味の効いたいつもの感じとは少し違う趣向の作品でした。
これを踏まえた上でのシュトラウスの「サロメ」楽しみすぎる!!
私も地獄に堕ちます、オスカー先生!-
shukawabestさん
コメントありがとうございます♪
わかります!!好きだけど、好きだからこそ読み尽くしてしまわないように時間をかけ...shukawabestさん
コメントありがとうございます♪
わかります!!好きだけど、好きだからこそ読み尽くしてしまわないように時間をかけて、他の本を挟みながら楽しみに楽しみにしている気持ち!!
あぁ、すごくわかります。。
原田マハさんは、私はまだ美術関連の本しか読めていないので違う分野も読んでみたいと思います。2023/06/15 -
ありがとうございます。僕は逆に、美術に関することはあまり知らないのですが、原田マハさんを通じて、面白いと感じるものが見つかればと思っています...ありがとうございます。僕は逆に、美術に関することはあまり知らないのですが、原田マハさんを通じて、面白いと感じるものが見つかればと思っています。
よろしくお願いします。2023/06/17 -
コメントありがとうございます♪
私、絵画とか全然わからなかったのですが、原田マハさんの本を読むようになって美術館に行くようになりました。と...コメントありがとうございます♪
私、絵画とか全然わからなかったのですが、原田マハさんの本を読むようになって美術館に行くようになりました。と、いっても「わぁ〜キレイ〜」とか「あら、ピカソ先生!」とかくらいですけど笑
知らなかった事を知るのって楽しいなぁ、って思いました。
shukawabestさんのレビューを見て、新しい本とドキドキに出逢えるのを楽しみにしています!
今後とも、よろしくお願いします。2023/06/17
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「サロメ」って知ってますか?読書はまだ半年の若葉マークの私ですが、R.シュトラウスのオペラとしては以前から知っていました。とにかく暗いこの作品。たまらなく暗いです。そして、原田さんのこの作品は、そんな「サロメ」の誕生の裏にある物語を描いていくのですが、これが輪をかけてとても沈鬱。なので、今日は気分を変えて明るくいきたいと思います。そう、無理して明るいモードに切り替えましょう!レッツ・ゴー!
ということで、まずはこの「サロメ」という戯曲がどんなお話なのかというのを『さてさて流』でわかりやすくまとめてみたいと思います!こんなお話なのですよ、これは。はい。
むか~し、むかし、西暦30年頃のとんでもない大昔のこと、今のイスラエルのあたりにユダヤの国がございました。その国のヘロデという王様は、なんとまあ自分のお兄さんを殺してその奥さんだったヘロディアスを妻にしてしまいます。なんと大胆なことをするんでしょうか!ヘロデ王はさらに、その娘にさえふしだらな目を向けるエロ親父だったりもします。義父とはいえエロ親父なんて娘としては嫌ですよね。だから『ざけんなよ、くそ親父!』とテラスに逃げます。そうしたところ古井戸から不気味な声が聞こえてくるのに気づきました。<<ちょっと早送り>> そして、色々と頑張ったサロメは、井戸の中に閉じ込められていた預言者ヨハナーンを外に連れ出してあげました。そこで、まさかの一目惚れ!をしたサロメ(昔の話ってこういうの多いよね)。でもヨハナーンは、お母さんの近親婚を責めるばかりでサロメの気持ちに気づいてくれません。『ああ、助けて損した、こういう時愛って冷めるのよね、愛も憎しみに変わるっていうじゃない、これってお決まりよね』と冷血モードに変身するサロメ。でも、エロ親父の目は相変わらずウザイまま。そんなある日、エロ親父はサロメに『何でも欲しいものあげるからさ、ちょっとパパの前で踊ってよ、妖艶な踊りをさ!』と話しかけてきました。そして、サロメは『七つのヴェールの踊り』という妖艶な踊りをエロ親父に披露してあげちゃいました。踊り終わったサロメは『踊ったんだからさあ、なんでもくれるんでしょ。ヨハナーンの生首をくれよ、エロ親父!』と突然切れるサロメ!『預言者を殺したら祟られるよーボクぅ、でもサロメ怖いし、どうしよう』と急に弱気になるエロ親父。『はよせんかい!』というサロメ。やむなく部下にヨハナーンの処刑を命じます。そして、じゃじゃ~ん、と届いたのは『銀のお盆に載せられたヨハナーンの生首!』。サロメは、生首を持ち上げて、ブチュッ!といきなり口づけをするのでした。『いや、あかん、そりゃあかんわ、そんなことしたらあかんで~!』とヘロデ王はそんなサロメを殺すよう部下に命じます。敢えなく息絶えたサロメ。嗚呼。めでたくないめでたくない。
どう?なんとなくわかったでしょ。もうとんでもない物語だよね、これ。ありえないよ。よくこんな話思いつくもんだ。130年も前にさ。どんな人が書いたんだろうね、こんな話をさ。知りたくなるよね。そう、原田さん、よろしく!
というのが、戯曲「サロメ」で、130年前、1891年って昔にパリで出版されているんだけど、これを書いたのがオスカー・ワイルドっていう人なんだ。原田さんは『文学者というよりはむしろ芸術家「トリックスター」として、派手な言動とルックスで、当時その名を世界に轟かせていた』と書いているんだけど、ネットで写真とか見ると、何だか怪しいよ、この人っていう感じ。で、そこにもう一人重要な人物が出てくるんだよね。オーブリー・ビアズリーっていう人。この人、からだ弱くて、なんと25歳で結核で亡くなったっていう悲劇の主人公というか、まあこの時代のゲージュツ家の人って短命の人多いよね。時代なのかなぁ。原田さんは、『十九世紀末のイギリスに忽然と現れた、まさしく彗星のごとき画家である』って書かれてるけど、ちょっと早すぎるよね、亡くなるの。それでこの二人が共同っていうか、一緒に手掛けたのがさっき書いた「サロメ」ってわけ。そこに、メイベルって言うオーブリーのお姉さんが関わってくるんだけど、このメイベルっていう人が強烈っていうか、なんというか、弟思いなのかなんなのか意味不明な人なんだよね。というか、この作品って、もう登場人物ぜ〜んぶ個性の塊って人ばっかり。これじゃあ、誰にも感情移入できないから、読んでいても落ち着かないよね。ホント。こういう時ってどうすればいいんだろうっていつも思うんだけどさ。
でも、流石に原田さん凄いなって思ったのは都市の表現かな。ロンドンを『やわらかな霧雨がヴェールになってしめやかに街を覆っていた』、そしてパリを『凱旋門から続く大通りを縁取る街路樹、豊かに繁る葉をちらちらと日差しに輝かせるマロニエ。花咲き乱れるチュイルリー公園、リュクサンブールの緑陰』、ちょっとパリの方が長いけどこれだけでも二つの都市のイメージの違いが見事に浮かび上がってくる気がするよね。そして、物語もなんだかジメッと自由のきかないロンドンと、パッと自由闊達なパリという感じで見事に描き分けているところなんかも上手いなって思ったね。
それから、なんといっても原田さんだから、絵の表現は凄いよ。流石だよねって思う。例えば『暗い池の水面の上、ふわりと空中に浮かんだ妖しい女の姿。燃え上がるような黒髪と、天女の羽衣のごとき純白の帯が空中を漂う。男の首を掲げ、陶然とそれに語りかける妖女の邪悪な顔』。オーブリーの描いた「サロメ」の絵のことを文字で表現してるんだけど、普通にはありえない光景のはずなのになんだか妙にリアルだよね。書けないって、こんな風には。ネットで調べてもらうとわかるんだけど、「サロメ」の絵って、もうこの表現のままなんだよね。でも、もっと凄いのが次の表現かな。この「サロメ」ではヘロデ親父の前でのサロメの踊りも大きなポイントだと思うんだけど、『恋する男の生首を腕に掻き抱く、その恍惚の瞬間のためにこそ彼女は踊る。その舞を見つめるのは義理の父たる王、ヘロデ。そのまなざしに汚されることもいとわない。恋する男のくちびるに口づけする、ただそのためだけに舞い踊る』っていう表現の生々しさ、ゾッとするようなその場面、もうこれって狂気の世界だよね。想像しただけで、今晩トイレに行けなくなりそうだよ。怖いよ、この人たち。でも、そんな風に頭に思い描けるような表現が文字だけでできているってこと自体、このことがなんと言っても凄いよね。流石、原田さん。原田さんの作品ってこの感じを味わいたいから、読みたくなるんだよね。そう思わない?
ということで、そろそろまとめようか。最後ぐらい真面目モードに戻らないとね。こんな話し言葉、絶対に嫌いな人もいるからさ > いつもの自分、よろしく!
『男色、近親相姦、少女愛、聖人を殺害してその首にくちづけするという究極の残忍性とエロス』という表現そのままに圧倒的な存在感を十九世紀のイギリスに示した「サロメ」。その作品の舞台裏にはわずか25歳で夭折したオーブリーの苦悩の人生がありました。『「サロメ」があったからこそ、オーブリーはその名を広く知られることになった。彼の作品には永遠の命が与えられた』という見方があるなら『オーブリーの挿絵があったからこそ、「サロメ」は永遠に人々の記憶に残るものとなった』という逆の見方もできると原田さんは語ります。「サロメ」は、現代でもその内容に強い衝撃を持って受け止めざるをえない時代を超越した作品だと思います。その作品を思う時『誰の心にも潜んでいる罪深いものへの興味、怖いもの見たさ』という感情、その『人間の原初的な感覚』に、我々は今も心を囚われてしまいます。そして、そんな「サロメ」を生み出したオーブリーの『描くことへの激しい希求。新しい表現を見出すことへの欲望。自分にしか創りえないものに注ぎ込む情熱』を見事に描き出したこの作品。
サロメの化身かと思われるかのようなオーブリーの姉・メイベルの生き様が、読後も不気味に頭の中で踊り続ける、そんな印象も持ったとてもインパクトの強い、濃い、そして深い作品でした。 -
強烈なインパクトでした。読み終えてすぐにまた読み直してしまいました。この世界観。今までの読書では味わえなかったです。ありがとうございます。
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道徳的にタブー視されている聖書中の逸話を題材とし、男色、近親相姦、少女愛、聖人殺害、生首への接吻などを盛り込んだエロチックかつグロテスクな戯曲「サロメ」は、19世紀末のオスカー・ワイルドの代表作。その問題作に、恐ろしいほど不気味で蠱惑的な挿絵を提供し、戯曲本編以上のセンセーションを巻き起こした短命の挿絵画家、オーブリー・ビアスリー。
本作は、「サロメ」さながらに、ワイルドと泥沼のような性的関係に陥る病弱な天才画家ビアズリーと、そのビアズリーを溺愛し、二人の仲を裂きかつ女優として栄光を掴もうと立ち回る姉メイベルの心の闇を描いている。オスカー・ワイルドこそが弟を禁断の世界に引き込む魔性の人物と思わせつつ、実は全てを破滅に導いたメイベルの闇が最も深かった、というグロテスクさ。
スッキリしない読後感だが、このモヤモヤした感じが「サロメ」の世界そのものなんだろうな。現代に戻ってのエピローグ、ちょっと呆気なかった。 -
ゴッホやモネなど印象派の画家を取り扱った著作の多い原田マハさんのまた新たな長編美術小説を堪能した。舞台は19世紀末ロンドン。オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』の英訳版の挿絵を担当した「オーブリー・ビアズリー」という絵描きとその姉を中心とした物語。ビアズリーに自ら挿絵を依頼したというオスカー・ワイルドも要の登場人物。フィクションの要素もあるものの、いずれもかなりエキセントリックな人物である様子が窺え、実在していたことが信じられない。『サロメ』のあらすじの異常性も相まって、非常に吸引力の高い人たちだと感じた。晩年はいずれも幸せな終わり方ではなかったようだが、それこそ小説の題材となるような、とても濃厚な人生だったことは想像に難くない。20世紀の幕開け直前の英国社会の様子も垣間見ることができ、原田マハさんの守備範囲の広さに改めて感心してしまった。
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東京三菱一号館美術館で行われていた、ビアズリー展の購買コーナーで売っていたので購入。
展示会に行ったからこその出会いだと思った。あっという間に読み終わった。フィクションとノンフィクションの淡いを描くのが上手い原田マハ、作家を知らなくても楽しいし、知った上で見てもフィクションへの乗せ方に感動する。やはりある程度の教養があることが大事だと思った。 -
ビアズリー展に行く前の予習で読みました。
原田マハ作品は史実とフィクションのハイブリッド型ですが、根底にアーティストへのリスペクトがあり、物語として本当に面白い!
姉や男色家のオスカー・ワイルドとのドロドロとか、貴族の美青年との三角関係とか、不道徳の極み!ですが、この地獄の中で生み出される芸術の素晴らしさを堪能できました。
自分は芸術家って不幸であればあるほど魅力を感じるところがあって、その性癖をくすぐる物語でした。 -
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挿絵入り「サロメ」と出会った時の衝撃が蘇りました。モノトーンの絵が発する妖しい色気と退廃美が部屋の空気まで変えてしまうほどで、十代半ばの心臓は素手で掴まれたような息苦しさを覚えました。ビアズリーとワイルドの関係を姉メイベルの視点で語っていると読んでいたら、どんどんメイベルの存在が大きくなり、狂気まで宿ってきます。性行為こそありませんが、オーブリーを独占したいと願うメイベルの禁断の愛の物語ですね。ビクトリア朝末期の空気感も伝わり、原田さんが新境地を成功裡に描かれたことを嬉しく思います。
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原田マハの美術系小説。オスカー・ワイルド著・オーブリー・ビアズリー絵の戯曲「サロメ」にまつわる話を、ビアズリーの姉のメイベルを通してえがく。
19世紀末。結核を患い、今にもその若い命を終えようとしているオーブリー。彼のそばに付きそうメイベルは、二人がこのようになってしまった原因である“あの男”、ワイルドのことを忘れたことはなかった。ワイルドは当時禁忌とされてい男色家であった。彼をとりまくあらゆる欲望の渦に飲み込まれていく姉弟。
最初は、またこのパターンかよって思ったけど、現代部分は短く、最低限。知的好奇心をくすぐられ、原田マハをどっぷりと堪能しました。 -
ビアズリーまったく知らなかったけれど、表紙が素敵でジャケ買いしました。表現者の出世欲にまみれたぶつかり合い、血は流れないけど激しくて好きです。ワイルドの素行の悪さ、エグさをもっと読みたかったー
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ビアズリー展への行き帰りの電車の中での読み物として、本棚から持ち出して読んだ。
もう一回ビアズリー展に行きたくなった。 -
悪女。
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オスカーワイルドの話かと思ったらオーブリービアズリーの話でした。オーブリーはサロメの挿絵を描いた人物。この本を読むまで知りませんでした。恐ろしいほとの情熱と才能。それを惹きつけて止まないワイルド魅力。マタイ伝に出てくるサロメの話も知りませんでした。踊りを踊った褒美に預言者の首を持って来させる⁉︎。福音書にそんな恐ろしい話があったのか。こちらも恐ろしい愛憎。勉強にもなったし、人を愛することの怖さも感じました。さすがマハさん!
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すごいものを読んでしまった……という読後感。
オスカー・ワイルドの『サロメ』。恋する男の首を斬首させて口づけするという有名な場面を軸に物語は展開していく。『サロメ』に描かれた残忍性、妖艶さをオーブリーが表現するにいたる過程、ワイルドに翻弄されてしだいに狂気じみていく様子に鳥肌が立つ。
オーブリーの姉・メイベルが、弟を想うあまり策略家となり物語を展開させていく。ラストの幕切れの良さに思わず息を飲んだ。
冒頭は現在のロンドンにて、ワイルド研究者とオーブリー研究者が会話する場面のため、少々うんちくめいた文章がつづく。その方面に興味がなければ辟易するかもしれないが(正直いって私は少々面食らった)、そこで本を閉じずに読み進めて良かった。
謎を残したまま次の場面へ展開する手法が繰り返し使われており、どうしても読み進めてしまう。が、そんな技巧的なおもしろさにとどまらず、また細部まで行き渡った描写力もさることながら、オーブリーとメイベルの変化していく激しい感情にひきつけられる。原田マハさん初読みであるが、一言一句に神経を使っているのが伝わってくる美しい文章。選ばれた色彩で情景が浮かび上がる。
手元に置いて何度も読み返したくなる作品。 -
マハさんの作品を読むとその時代にタイムスリップした気持ちになって、登場人物の残した作品を見たくなる。
メイベルのオーブリーに向ける愛が凄まじかった。主人公たちの狂気とも呼べるそれぞれの誰かを求める行動がすごかった。
人々を魅了する作品は作者の唯ならぬ想いが詰まっていて、惹きつけられてしまうんだろうなと思う。 -
怖いお話ですね。
最初はとても善良そうだったメイベルが、弟を愛するが故に少しずつズル賢い女に変わっていく。そして最後には、とんでもなく奇っ怪な怪物に変貌を遂げていく。さながら、そう、サロメのように。
読み終わった後、思わず叫びたくなるような、不思議な感覚を覚えました。
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