ふたご (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2020年9月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167915582

作品紹介・あらすじ

「お前の居場所は、俺が作るから。泣くな」
ピアノだけが友達の孤独な少女の夏子は、異彩の少年・月島と出会い、振り回され、傷
付きながらもその側にいようとする。
やがて月島は唐突に「バンドをやる」と言い出した。
彼は、夏子の人生の破壊者でも創造者でもあった。

大切な人を大切にすることが、こんなに苦しいなんて--。
異彩の少年に導かれた孤独な少女。その苦悩の先に見つけた確かな光。
直木賞候補となった鮮烈なデビュー小説。

「生生しくて、切なくて、痛くて、何度も胸を揺さぶられた。この小説が好きだ。好きだ、と叫び出したくなる」
宮下奈都(解説より)

【藤崎彩織】
1986年大阪府生まれ。2010年、突如音楽シーンに現れ、圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感で「セカオワ現象」と呼ばれるほどの認知を得た四人組バンド「SEKAI NO OWARI」でピアノ演奏とライブ演出、作詞、作曲などを担当。研ぎ澄まされた感性を最大限に生かした演奏はデビュー以来絶大な支持を得ている。2017年に発売された初小説『ふたご』は直木賞の候補となるなど、大きな話題となった。他の著書に『読書間奏文』がある。

みんなの感想まとめ

孤独な少女と異彩の少年の出会いが描かれるこの物語は、互いに傷つけ合いながらも支え合う関係性を通じて、大切な人を守ることの苦悩を浮き彫りにします。主人公の夏子は、音楽を通じて自己を見つけようと奮闘し、彼...

感想・レビュー・書評

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  • すごい。すごかった。どこまでがフィクションでどこまでがノンフィクションなのかはわからないけど、作者が血を流しながら書いている。そういう力をとても感じる作品だった。

    たまたま手に取って、解説が宮下さんだからこれはおもしろそう!と思いレジに向かった。
    読もうとして著者紹介を見てびっくり。見たことある名前だと思ったら、見たことあった。
    でも何も知らずに読みたい。先入観なく、夏子と共に血を流したい。

    友だちに「なっちゃん」がいる。元彼はADHDだった。名前も相まって関係性が似ていて驚いた。きっと彼女に読ませたら苦しくておかしくなってしまうだろうと思う。

    セカオワのことを好きにならずにはいられない。Saoriちゃんの才能がうらやましい。と言いたいけど、なっちゃんの苦しくて苦しくて、ほんの一瞬の喜びを糧に深くて暗い海に潜り続けている様子を見てしまったら、努力もしないでうらやましいなんておこがましいとも思う。

    明るい話ではないので、暗い気分の時に読まないで!週末のたのしい予定を考えて明るい気分だったはずなのに、だいぶ暗い数日を味わったよ〜

  • ふたごのような存在の少年と少女。
    正反対の性格で、振り回されてばかりだし、傷つけられもしたのに、でもなぜかずっと一緒にいる。
    こういうのを腐れ縁というのかなと感じました。

    大人の目線で見たら、早く縁を切ればいいのにと思う瞬間も正直ありましたが。
    きっとそう思い悩む時間も少なくはなかったんだろうなと。
    日常のほとんどを、彼に埋められているような生活。
    それはちょっと狂気的な感じもして、執着のようにも思えて。

    これがすべてフィクションなのかどうかはわかりませんが、どうしてもセカオワメンバーに重ねて見ちゃう部分はありますね。

  • セカオワのSaoriさんだと知らずに読んで途中であれ?どっかで聞いたような話だと思い気づいた。


  • セカオワを重ねて読んで、おもしろい。

  • 2人は傷つけあいながら時に支え合いながらの関係性
    夏子自身も月島に振り回されて困っているが、実は彼女もどこかに居場所を探していたのではないか
    月島もやりたいことを見つけられて楽しそうに過ごしている様子が描写されて明るい着地で終わって良い小説だった
    これからセカイノオワリの見方が少し変わりそうだ

  • セカオワのピアニスト作者に何となく惹かれて手に取った本。
    読了までとても時間を要した。途中で時間も空いてしまった。

    全体的に苦しくて、暗くて、切ない。私の苦手な雰囲気だったので、読む気が起きなかった。
    何もかも乱してくる月島を憎く、それでも離れない夏子をもどかしく思ってしまった。

    ただ、宮下さん解説を読みなるほどなとも少し思った。藤崎さんの文章力があるから、私も「ふたご」の世界に身を投げ入れ、登場人物に感情移入したことは、藤崎さんの小説の力なのかもしれない。

  • 最初は可愛い表紙を手に取っただけ。でも、読み進める中で不思議と月島に惹かれるものがあった。現実にいたら振り回されるような男なのに。。
    お互いなぜそこまでお互いにこだわるのか、理解しがたいような、できるような。

    個人的に出会えてよかったと思う作品。
    続編がどうこうではなく、単純に彼らの未来が気になるところ。

  • 実際の経験をもとにかいた作品とのことで「ああ、あのことか」と思いながら読み進めることができました。どこがフィクションなのか分からないほどリアルでしたが、夏子の気持ちに対し理解が困難な部分も。再読があるかわからないので☆3です。

  • 生きるの苦手そうな二人が生々しい筆致で描かれている。生々し過ぎて痛くて辛い。二人の依存も凄過ぎて慄く。幼児が母に依存してるくらいの重さで、リアルに伝わってくるその重みで潰されそう。二人一緒にいることが狂気じみているので別れなよとしか思えなくなってくる。

  • 「野生の獣のように、月島は美しかった。」
    沙織さんの、この表現力が心を震わせた。

    SEKAI NO OWARIというバンドが好きだったから、興味本位で読んだ。
    だが、興味本位で読むものでは、なかった。

    読み進める度、最初の方はとても苦しく、ページをめくる指はとても重かった。出来れば、もう読みたくないと感じるほど、私の心は、揺らされていた。

    夏子は、良くも悪くも月島に依存していたのではないか。月島も、そうだ。
    この、ふたりの名前の無い関係。
    振り回され、傷つけ、傷つけられ。
    悲しかった。苦しかった。でも、素敵な物語だった。


    素晴らしかった。

  • 2020/09/27
    SEKAI NO OWARIのピアノを担当しているSaoriさんこと藤崎彩織さんの書いた小説。豪華にも解説は宮下奈都さんが書いているから気合の入れようが違うなと感じました。
    もともとセカオワ自体もすごく有名だからころバンドの人間が書く小説というのにもとっても興味があってちょうど文庫化していたので買って読んでみました。
    どうしてもさおりさんが有名であることで、あーセカオワってこうやって出来上がって今の形になっていったんだなぁと結成までの背景的な感じで読むこともできますが、それを全く知らなかったとしても1つの物語として出来上がっているなと感じます。
    何より言葉選びが多彩で色々な表現にあふれていて驚いたとともに、さおりさんが他の小説とか書いたらどうなるんだろう…とも思ってしまうような、その小説の情景がありありとわかるような構成になっていると思います。
    かなりの部分が実体験に基づいて描かれているのだろうということは予測できますが、それを抜きにしても十分面白いのではないかと思います。

  • 文庫化された事に際して手にとってみました。

    逃げの感想になりますが、宮下さんが解説に書いていたそのままそっくりの気持ちになりました。

    良くも悪くも名の知れた人が書いた小説。しかも読めば読むほど、知っていれば知っているほど私小説じゃないかと感じてしまう気持ち悪さはありました。何処までが真実なのかは著者のみぞ知るですが、頭の中では全てが彼女達に置き換わってしまいました。その分の気持ち悪さはあったかも知れません。

    しかしそれと同時に物語の転じ方が想像できるから安心して先を読み進める事ができたのも事実です。さらにそう言った感情を抱く小説が中々ない事も事実。

    これが一点、誰が書いたのかを知らずに読んだとしたら衝撃的な名作だと感じたかもしれないし、最後まで読む気が起こらなかったかも知れません。

    また自分自身が「ふたご」なので、この単語がどう使われるのかも気になっていました。けどこれだけは理想を詰め込みすぎだなぁとも…笑



  • 再読♪
    とてもキレイな文章で、だいたいの読者がそうであったようにわたしもセカオワメンバーを重ねながら読んでしまった。
    どんなに相手に振り回されようが離れずに近くに居続けた夏子はすごい。わたしなら無理だw
    切っても(いや、切りたくても?)切れない縁はなぜ切れずにつながり続けていたのかな…その理由を第二部の「十六 君の夢」で見つけたような気がした。

  • セカオワが昔好きで、2人のことも好きだった(過去形。出版された当時も読みたかったけど、ちょっと避けてた。今になって読んでみて、現実と小説がいったりきたり。これはリアルなの?フェイクなの?体験談から導かれたものなのか、もしもリアルな要素が少しでもあるならば、辛すぎる。辛すぎる。こんなに辛い思いをしていたならば、フカセ幸せになってほしい。

  • セカオワファンでありながら、今まで読んだことがなかったが、書店でふと思い立ち手に取った。158回直木賞候補作でありながら、候補作の中で最も酷評された作品でもある。ファンとしての贔屓目もあるが、半ば自伝のようであり、良くも悪くも小説らしくない文章で、エッセイのような、心情描写の多い作品だった。それが、小説一本の道を通ってきた選考員にはあまり良く映らなかったようで、まるでブログのようだとする選評もあったが、言葉遊びというと聞こえは悪いが、Saoriの書く歌詞のような、どこか優しい雰囲気を感じる言葉選びで、デビュー作らしい、作家の色が強く出た良い作品であったと思う。
    登場人物をセカオワのメンバーに当てはめて読んでしまうのはファンの宿命であり、フィクションと現実の境目が分からずに、思考のリソースを余計なことに割いてしまい、正面から読むことができなかった。読了した今、一文学作品として、素直に読むことができたならと強く思う。

  • 読み進めていくうちにセカオワの話なのか?
    実話なのか?って思ったりして、ワクワク
    しながら読めた

  • 彩織ちゃんの書いた本と聞いてすぐ購入。
    読んでいてこれがNakajinなのかな、ラブさんかなと考えながら読むことができて楽しかった。
    どこまでがノンフィクションなのかはわからないけれど、ずっとあのピアノの才能が羨ましいと思っていたのがここまで苦しいことを乗り越えた実力と知り本当に尊敬する人だと感じた。
    好きなのかわからないけどその人がいなくなると自分の生活に穴が空いたようで全てが楽しくなくなってしまう感覚、今ちょうど味わっていたところなので共感して苦しかった。
    読むことで自分も成長できたように思えたいい本でした。

  • セカオワが好きだったからという理由で読んだ
    読み終わった後はもっと、彼ら彼女が大好きになった。

  • とても特別な関係のふたりについて書かれた物語。テーマはある意味普遍的なのに、私がリアルにも小説でもまだ体験したことのない感情がたくさん描かれてた。

    文章の密度がすごくて、つめこまれた想いもすごく濃く深いのが感じられた。

  • セカオワのSaoriの小説というのは知らなかった。
    なぜ夏子は月島にこうまでして執着するのか理解できず、読むのが辛かった。
    ADHDだという月島の行動、言動も分からないが、そこについていく仲間たちももっと分からない。お金もないのに倉庫を借りて、ただ音楽も演奏しないバンド活動を始めるとか、ただ集まっているだけとか、理解ができず、読み進めるのが苦痛。若ければもっと共感できるところがあったのかもしれないとは思う。

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著者プロフィール

藤崎彩織(ふじさき・さおり)
1986年東京都生まれ。2010年「セカオワ現象」と呼ばれるほどの認知を得た四人組バンド「SEKAI NO OWARI」でピアノ演奏とライブ演出を担当。2017年10月初の小説『ふたご』(文藝春秋)を刊行。『文學界』でエッセイ「読書間奏文」を連載中。2017年『ふたご』で第158回直木賞候補。

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