野ばら (文春文庫 は 3-59)

著者 :
  • 文藝春秋
3.12
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本棚登録 : 204
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167915803

作品紹介・あらすじ

「私たちって、ずうっと不幸にならないような気がしない?」。宝塚の娘役・千花は歌舞伎界の御曹子・路之介との恋に浮かれ、親友でライターの萌は年上の映画評論家・三ツ岡との贅沢な不倫に溺れている。二人の美しい娘たちの前には、甘やかな未来しか広がっていないかに見えたが……上流社会を舞台に、幸福の絶頂とその翳(かげ)りを描き切った傑作恋愛長編。解説・酒井順子


宝塚の娘役・千花
名門一族出身のライター・萌

花の盛りのように美しい娘たちに忍び寄る、翳りの季節

絢爛と頽廃。林真理子文学の名作!

路之介と結婚するためには、どんな小さな小石も今から取り除いておきたいと思う。そしてその時、千花は大切な事実に気づき、ため息をつく。自分はまだ路之介からきちんとプロポーズされていないのである。(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 林真理子さんのエッセイ、ここ数年単行本になったものは
    全部読んでいます。

    最近読んだ『美女ステイホーム』では
    最高体重を記録されたとありました。
    「林真理子さんが太るのは職業病だ」と思った私です。

    だって京都や都心で、文化人や芸能界の人たちと
    しょっちゅう「なかなか予約できない店」でお食事しているんだもの。
    でもこの本を読むと、その経験をいかしているので
    「やっぱり職業柄、仕方ないよね」と思ってしまいます。

    ちなみに私はあまり外食しない人なんですが
    先週珍しく5回も外食してしまったら、
    舌に口内炎ができて物が食べられず
    昨日今日と「味噌汁、牛乳、ビール」だけで暮らしています。
    「おいしいもの食べに行こう」が登場人物の口癖である、真理子さんの小説。
    私には彼女みたいな仕事は無理。
    (いえ、それ以前に文才がないですが。)

    そして、この間読んだ小説『ウェイティングバー』と同じく
    酒井順子さんの解説も面白いです。
    林真理子さんも酒井順子さんも、さすがです。

  • お嬢様を書くことが上手な作家。
    贅沢がいけないものであると書いてるわけではないけど、お金持ちでも哀れというか、そういうハズレくじを引くことだって多々あるのよね。

    不倫だったり、結婚したいと思ってた人があっさり他の人と結婚したりとか。

    奇跡を読んでからだったので、なんかだれかの歌舞伎役者のことをイライラして書いてる節でもあるのかな?とか思ったり。。

  • こういう「お金持ち」の世界を描写することにかけては筆者は他の方より一枚上手だとつくづく思う。これを記している2022年9月は、原田さんの「3,000円の使いかた」のような、より大衆向けの著作がもてはやされていることを考えるとなおさらその感が強い。
    まず、キャラクターがそれぞれ確立されている。そして、女と男の関係性が、やはりうまく描かれている。
    この作品を読み、男性の女性に対する扱いも「お金のある人」「女性との出会いに恵まれた人」は、私のような庶民とは異なるのだなあと痛感させられる。

  • 恋をして女性は強くなっていく!
    と感じさせられた一冊。

    キラキラとドロドロ。
    似てないようで似てるんだなぁ。

  • 渡る世間は鬼ばかりと基本一緒  

    凄い良い意味でイライラする

    良い意味で人の嫌な部分を満足させてくれる作品

  • 初版が2004年なので20年前
    当時の20代前半、今なら港区女子やパリピと呼ばれそうなお金持ちのお嬢さん達のお話
    若さ最強!可愛いって最強!…だけど全てがうまくいくわけもなく
    それでも主人公2人がお互いを恨んだり陥れたりすることはなく、距離を保ちつつ仲が良いままなのは良かったし、リアルなのはさすが林真理子さん

  • 若くて美しいお嬢様たちの愚かな恋愛物語。全然誠実ではない歌舞伎役者に夢中になり、結婚を夢見て突然裏切られるタカラジェンヌと、父親ほどの年齢の男性に一目惚れして猛烈にアタックして不倫する若い雑誌記者。理解不能な世界を見せてくれた。

  • 宝塚の娘役の千花とフリーライターの萌。華やかな世界に生きる若く美しい親友同士は、それぞれ思い通りにならない恋に悩んでいた…。

  • トレンディな感じの話。お金持ちの家に生まれた若くて綺麗な女の子が主人公なので、おしゃれや恋の描写は楽しいけど、人生それだけじゃ幸せにはなれないんだな〜と痛感。

  • ※私が読んだのは文藝春秋から出版されたものです。

    梨園、宝塚、ブランドのパーティーと、華やかな世界満載。
    お嬢様育ちの2人の女性を主人公にした恋愛がメインテーマの小説です。

    想像はついていたけれど薄っぺらいお話です。
    林真理子は2作目ですが、嗜好が合わないみたいです。

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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