出世商人(二) (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167915926

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  • 亡き養父が遺した店〈三川屋〉と体調の悪い養母を守るため、借金返済に励む文吉。
    医師・手塚良庵との出会いで彼が調薬した『元気丸』を売ることになった文吉だが、同業者から睨まれ次々嫌がらせを受ける…という第一作。

    第二作では更なる嫌がらせを受けている。
    『元気丸』は効かない、返って具合が悪くなったという嘘の悪評をばら蒔かれたり、『元気丸』を安く売る偽業者が現れたり、ポスターを破られたり落書きされたり、挙げ句に文吉の偽者が現れ『元気丸』と称して毒を混ぜた丸薬を売って具合を悪くする客が出てきたり。

    正直忍耐が続く第二作なのでなかなか読み進まなかった。
    大店の薬種問屋たちもこんなにお金と人手を掛けた嫌がらせを続けるくらいなら、自分たちの商売に身を入れれば良いのにと思ったり。

    ただ前作同様、下っ引きの宗助や〈遠州屋〉の女中・お邑など助けてくれる人もいる。
    中でもホームレスの熊は知恵袋で何かとアドバイスを受けに行っている。
    そして冤罪で殺人未遂罪に問われ拷問された文吉を救ったのはお邑と手塚だった。
    一方でこの件で幼馴染みのお藤の夫・貞吉の暗い心の内が明らかになる。

    今回はお邑の過去にも触れられ、それを知った文吉はお邑に今まで以上の思いを抱く。
    表紙絵からてっきり文吉とお邑が…と思ったら、そういう色っぽい話にはならなかった。

    最大のピンチは乗り切ったが、まだまだ嫌がらせは続きそうでゲンナリ。第三作はちょっと違う展開を期待したい。

    ※「出世商人(一)」レビュー
    https://booklog.jp/users/fuku2828/archives/1/416791574X

  • 出世商人シリーズ第2弾。
    前巻では続きが気になるところで終わっていたけど、今回はひとまず区切りの良いところで終わって良かった。
    元気丸を売る文吉たちへこれでもかと言うほど妨害が起きたけど、それでも最後は頑張ってきた文吉たちが報われて良かった。
    窮地を救ってくれたお邑さんや宗助には感謝。
    でもこれですべてが一件落着というわけではないから、次は何が起きるのかドキドキする。

  • 202208/シリーズ1~4巻まとめて。商人モノで、危機→解決→危機…というわかりやすい展開で面白く読めた。ただ、主人公文吉は頑張っていないわけじゃないしいいやつではあるんだけどちょっと必死感が薄いというか、すぐ人に頼り過ぎじゃない?すごいのはアドバイスくれる周囲の人達で。基本的に、飛び込みの聞き込みでみんなすぐペラペラ話してくれるので、それで色々わかり物事が進むという展開の仕方も物足りない。

  • 高田郁の「金と銀」のような話かな?と、思いながら、面白そうと、思って手にした本である。

    新薬の「元気丸」の商いをする文吉。
    滋養強壮の薬と、口から口の売り込みで、少しずつ商いが、出来るようになって来る。
    しかし、父親の借金もあり、その期限迄に、薬を売らなくては、いけないのに、嫌がらせてで、破落戸に襲われる。

    そんな中、引き札に「効かない薬・・・」と、殴り書きの物が貼られるようになってしまい悪質な妨害を受ける。
    しかし、それ以上に、今度は、文吉の贋物が、偽の薬を売るようになって来る。
    それも、偽物が、命に係わる毒芹の入った物が、売られるようになって、一時は、文吉は、大番屋へと連れていかれる。
    そして、拷問のような佐平次の竹刀叩きに、越前屋や福江屋が、裏に居る事を感じる。

    お邑の機転で、救われたけど、結局は、悪の指示や関与は、越前屋や福江やの主人迄は、軽い刑だけで終わってしまった。

    まだまだ、これからの嫌がらせが、続いていくのだろうけど、少し、いじけそうになってしまいそう。
    いい事も、沢山あるような小説にして欲しいなぁ~と、思ってしまった。

  • 2020年11月文春文庫刊。書き下ろし。シリーズ2作目。あの手この手の妨害にハラハラしました。ひとまず収まり、まわりの人々ともより良好な関係を築いて、次巻へ。順調そうで楽しみです。

  • とりあえずスタート地点に立てたというところかな。なかなか出世しないのはまだまだ続くということか。(表紙の絵はなんかイマイチ)

  • 2023.03.06

  • 文吉、相馬屋に借金を返す。

  • 丸薬販売を妨害されていて、今巻では更に苛烈な嫌がらせが行われたけれど、何とか犯人をお縄に
    遺恨が残っているので今後も安心は出来ない緊張感は続く

    前奉公先の八つ年上の姉と慕ったお邑の過去が痛ましい
    文吉の変化も見所

  • 酷い嫌がらせをどうにか凌いだ。

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著者プロフィール

1951年、東京生まれ。國學院大学文学部卒業。90年、『夜の道行』で第12回小説推理新人賞を受賞し、選考委員から“第二の藤沢周平”と賞賛される。以後、時代小説を中心に活躍中。「入り婿侍」シリーズは、評論家の縄田一男氏から「著者の新たな頂点」と絶賛を受けた近年の代表作。他の主なシリーズに「おれは一万石」「出世侍」など。

「2023年 『新・入り婿侍商い帖 お波津の婿(三)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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