飛ぶ孔雀 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2020年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167915957

作品紹介・あらすじ

三冠達成!傑作幻想小説が待望の文庫化。

・第69回芸術選奨文部科学大臣賞受賞
・第39回日本SF大賞受賞
・第46回泉鏡花文学賞受賞

ジャンルの概念を超えた驚くべき物語。

* * *

シブレ山の石切り場で事故があって、火は燃え難くなった。
シブレ山の近くにあるシビレ山は、水銀を産し、大蛇が出て、雷が落ちやすいという。
真夏なのに回遊式庭園で大茶会が催され、「火を運ぶ女」に選ばれた娘たちに孔雀は襲いかかる。
――「I 飛ぶ孔雀」

秋になれば、勤め人のKが地下の公営浴場で路面電車の女運転士に出会う。若き劇団員のQは婚礼を挙げ、山頂の頭骨ラボへ赴任する。地下世界をうごめく大蛇、両側を自在に行き来する犬、男たちは無事に帰還できるのか?
――「II 不燃性について」

みんなの感想まとめ

奇妙で幻想的な世界観が広がる物語は、読者を迷宮のような体験へと誘います。火が燃えにくくなった不思議な設定の中、登場人物たちが唐突に現れ、場面が次々と切り替わる様子は、まるで夢の中にいるかのようです。連...

感想・レビュー・書評

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  • 一言でいえば、奇妙奇天烈摩訶不思議。
     
    とある本屋で印象的な表紙に目を止め、帯を読むと、「泉鏡花文学賞 日本SF大賞 芸術選奨文部科学大臣賞 三冠達成!!」と、あった。
     
    これは買わねば!
    買った。
    読んだ。
    失敗だった。
     
    まず、意味が分からない。
    誰が誰で、どこでどうした、のかが分からない。
    ストーリーらしきものも感じられない。
    読み解けない。
     
    だから誰かに読んで欲しい。
    「あれはこうなんだよ」と、未熟な私に解説して欲しい。
    なにせ、巻末の解説さえも意味不明瞭だったのだから。
     
    いや、それにしても西島伝法さんの「皆勤の徒」もえらく読み難く苦労させられたが、本書の「飛ぶ孔雀」に比べたら、おそろしく分かりやすく思える。読みやすい。
    どちらも日本SF大賞受賞作。
    もう止めようかな日本SF大賞受賞作読むの。辛すぎる。
    いったん開いた本はできるだけ投げ出さずに、最後まで読むようにはしているが、今回はつかれた~。

    • shintak5555さん
      ワクワク(´∀`)ワクワク
      ワクワク(´∀`)ワクワク
      2025/04/10
  • 面白かったけど、意味が分からなかった。

  • 火が燃えにくくなった世界。
    登場人物も場面が唐突に入れ替わりまた現れる。連作短編的だが、脈絡のあるストーリーで繋がっているわけではなく焦点を結ばない。一つ一つの場面はスリリングな緊張感を持つ。夢を見ているような幻想的な物語。
    金井美恵子さんの解説にあるように「ただ心して、読むべし。」ゆっくりと。

  • なんとも妙な本を読んだものだ。
    その濃密な文体に、はじめ散文詩なのではないかとはじめ思い、毎日少しずつ読んだのだけれど、なかなか一読者として受け入れてもらえなかった。
    がある日時間をかけて読んでみたらいつの間にか迷宮世界に引き摺り込まれていた。とはいえ物語は全然把握できていない。
    ただ火が使えなくなったという設定と、乱舞するイメージと登場人物の名前がぶつかりあう火花に圧倒されるうちに最後のページにたどりついた。
    読後感では、これはやはり小説としいか言いようがないのではないか。とても映像的な作品だけれど、絶対に映像化は不可能だ。人間の想像力だけが作り出せる幻燈世界。

  • 幻想的な庭園で繰り広げられる機械な風景。文体や断片的なイメージの連続を掴みきれなかった。幻想小説をよく理解してから再挑戦したい。

  • 題名は聞いた事あったけど、内容全く知らずに読み始めたので初めはとまどった。話の筋を追うのを諦めてからは、ただ起きてることを受け止めて湧き上がるイメージを楽しむ感覚で読んだ。何が起きてるのか最後までよく分からないけど、流れるようで妙に引っかかる文章が印象的だった。少し読むと脳が揺れる感じになるので、細切れになってしまったのが悔やまれる。これを一気に読める人はすごいなあ。

  • 山尾ワールド全開の幻想小説。綴られる光景、文章は美しいのだが全体を通して理解するには難解。
    泉鏡花文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞は分かる…がSF大賞は「??」という気も(SF?)

    同著者の「ラピスラズリ」が回転し上昇するイメージを持つ幻想ならば、今作は回転しつつ地底深くへ落ちゆくイメージが湧く。漱石の夢十夜、宮沢賢治の世界観、ブリューゲルのバベルの塔、エッシャーのアナザーワールドを混ぜ合わせて文章にしたような…回転し落下を続ける最中、現れた場面に身知った顔を見つけてもするりと離れ変化し消えてゆく。追いつけないまま再びきりもみ回転して別の場面へ…難解さもありすっかり酔ってしまう。途中途中で見えた場面は夢か現実に触れた文章か…

  • 中編が2つ。1つめは、石切り場の事故で火が燃えにくくなり、火を運ぶ娘が大茶会で孔雀になる話。もう1つは、事故現場近くのラボへ送られた男が戻ってくるまでの話。と、いうことなのですが、あまりに難解でよく分かりませんでした。日本SF大賞や大臣賞を取ってますが、審査員はちゃんと理解できたんでしょうか....

  • 文体に慣れなくて読むのにものすごく時間がかかってしまった。
    ジャケ買いした今年の夏読書やったんやけど、夏終わってしもたやんけ。

    これは子育てしながらちみちみ読むもんじゃなかった。人物も時空も入り乱れてるので(章ごとにじゃないよ。一文ごとに入り乱れてるからね)腰据えて読まんとわけわからんなる…実際この話の半分も理解できとるとは言えない…でも世界観に圧倒されて思わず高評価…すごい…
    舞台はSFで、手法は幻想文学なんかな。夢の中みたいな世界だよ。

    最後みんな山に集結するとおもうやん。実際みんな山に来たやん。それでみんなの話が最後繋がるんやなあと思わせといて絶対に世界が交わらないという展開にすごい衝撃を受けた。

  • すみません。これっぽっちも理解できませんでした。

    まず、情景が全く頭に浮かんでこない。いや、浮かばないんじゃなくて、浮かんでも、空間的にも時間的にも繋がらない。人物も、名前が同じ人が出てきているので、たぶん同じ人だと思うけど、顔も性別も容姿も想像できませんでした。女性と書いてあっても、その女性がその人に繋がらない。そして、人間でさえ想像できなくなって、なんか、生き物とか静物の話じゃないのかと思えてくる始末でした。そして、解説さえも難解でした。

    辛かった。読み終わるのに1か月かかってしまいました。
    これは、完全に詩だなーと思いました。

  • 単行本で既読だが、内容は頭に入り切っていないのでいずれ文庫で再読を。
    しかし皆川博子「U ウー」と同じ日に文庫化されるとは。嬉しい。

  • 祝文庫化!

    寡作の天才作家が描く“素敵滅法界”これぞ泉鏡花文学賞!〈トヨザキ社長のヤツザキ文学賞〉 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/559604

    「幻の作家」山尾悠子さん1万字インタビュー 幻想小説というレッテルなら作家でいられるかも |好書好日
    https://book.asahi.com/article/11640318

    文春文庫『飛ぶ孔雀』山尾悠子 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167915957

    空犬通信 愛読者は驚愕必至……山尾悠子さんの新刊が文春から
    http://sorainutsushin.blog60.fc2.com/blog-entry-2922.html

    『飛ぶ孔雀』山尾悠子 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163908366

  • 岡山出身の幻想文学作家、山尾悠子さんの最新作品集。
    豊かな文体と世界観が見事に均衡を保つ名品。

  • 時間が一方向に流れているわけではなく、複数の空間が明確に区別されずに侵犯しあっている感じ。それでいて、登場人物やエピソードといったパーツ単位で見れば、伏線が回収されるような必然性がある。この非論理性と、論理を超えた必然性の同居というのは、まさに夢を見ているときの感覚に近いのかも。その分、筋は掴みづらかったが、部分ごとの照合と、文体の鮮烈さを拾うように読んだ。

  • とても評価が難しい作品。私自身 “幻想小説” も “山尾悠子“ さんの作品も初めてなので尚更困惑しました。普段一番読むのがミステリなので、つい伏線とか繋がりとかを意識して読み始めますが、間もなく「もしかしたら伏線回収とかされないのでは?」から「そもそも意味や理由すらなく幻想的な世界を楽しむ本なのでは?」と分からなくなってきます。
    要はどこまで本気で登場人物や地理を具体的にイメージしながら読み進めるべきかがはっきりしないので不安なのです。更にその判断を遅らせるのが登場人物の名前で、似た名前の人がでてきたり、同じ名前なのに別人として登場したりします。
    なので挫折しそうになる度にネットで ヒントを探しますが、やはり難解に感じる人が多いようですっきりする解説や考察はなく、モヤモヤしたまま読み終わりました。
    実は読了後に山尾悠子さんが本作について語ったエッセイが紹介されているサイトをみつけました。評価の★4は、それを読んだ上でのものです。しかし作者の解説を知る前に読んだ方が幻想小説としては楽しめると思いますので、未読の方は注意して下さい。

    ―――以下ネタバレ含む―――

















    山尾悠子さんのエッセイには “火が燃え難いというイメージがどこから来たのかもはや覚えていない。前半は思いきり濃厚な和風テイスト、後半はそれとは対照的な架空の世界、というつもりで書き始めたのだが、後半の架空度は思ったほど絶対的なものとはならなかった” や “ 我ながらまったく妙な小説を書いてしまったので、筋道だった解説文など本人も書けないのである” 、また “この本で作者が真面目に気に入っているのは、ラスト2ページほどの〈付け足しのエンディング〉の部分。ロープウェイの青い照明のゴンドラが夜間飛行のように街の中心へ降りていき、ビルの屋上に着地するところ。ラストの女の子の(特に何ということもない)セリフ” などと書かれており、作者自身も意味や繋がりよりもイメージを大切にしていることが分かります。
    それを踏まえた上での感想ですが、時々悪く言えば「煙に巻いてやろう」というのが透けて見えるような所かあると感じてしまい手放しで共感はできないのですが、1度挫折というか離れた時間があっても不思議とまた読みたくなる魅力がありました。また忘れちゃったから初めからという時も苦ではなかったです。以上から★4とさせて頂きました。

  • 俯瞰で世界を見渡しているうちに
    ピントが合った景色に入り込むようで
    次々に切り替わる場面の目眩く様と
    溢れ返る表現に取り込まれる感覚が
    不思議で面白くて
    自分の想像では達する事が出来ない世界を本を通して見るって楽しいな、と思う

  • トマス ピンチョンは未読なのですが、ことによるとピンチョン的作品なのかもと思いました。
    音楽で言うと、フリージャズやアンビエント系の様な抽象が中心をなしている。
    合わないと苦痛かも知れません。散漫の美学、中央の無いカオスの美学かもと思います。

  • 読み返したら、もう少しわかるのかなぁ。
    イメージはなんとなく捕まえられますが、時空を行ったり来たり。非常に脳髄をゆすられながら読んでいる感じになりました。たまには、よいのかもしれません。

  • わからない…正直に言って…わからない…。
    一章ごと、あるいは一小節、時には一文ごとに様々なパラレルワールドが展開され、自分が今何処にいるのかが、わからなくなる…。
    読み終えた今も、作品のどこかに留まったままのような気がする…。

  • シブレ山の石切り場で事故があって、火は燃え難くなった。
    シブレ山の近くにあるシビレ山は、水銀を産し、大蛇が出て、雷が落ちやすいという。
    真夏なのに回遊式庭園で大茶会が催され、「火を運ぶ女」に選ばれた娘たちに孔雀は襲いかかる。
    ――「I 飛ぶ孔雀」

    秋になれば、勤め人のKが地下の公営浴場で路面電車の女運転士に出会う。若き劇団員のQは婚礼を挙げ、山頂の頭骨ラボへ赴任する。地下世界をうごめく大蛇、両側を自在に行き来する犬、男たちは無事に帰還できるのか?
    ――「II 不燃性について」

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著者プロフィール

山尾 悠子(やまお・ゆうこ):岡山市生まれ、小説家。同志社大学文学部国文学科卒業。1975年、「仮面舞踏会」(「SFマガジン」早川書房)でデビュー。2018年、『飛ぶ孔雀』で泉鏡花文学賞、日本SF大賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。小説に『ラピスラズリ』、『増補 夢の遠近法』、『歪み真珠』、『山の人魚と虚ろの王』、『仮面物語 或は鏡の王国の記』、『初夏ものがたり』(酒井駒子と共著)、エッセイ集『迷宮遊覧飛行』、歌集『角砂糖の日』など。

「2026年 『山尾悠子偏愛アンソロジー 構造と美文』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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