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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784167916411
作品紹介・あらすじ
作家・北村薫が、父の死後に遺されていた膨大な日記を考証、再生。
ミステリ作家・本の達人としての腕を存分にふるい、無名の一青年の目を通して、大正から昭和初期にかけての時代を愛惜込めて甦らせた三部作の完結編。
ドイツではヒトラー内閣が成立し、三月には東北三陸地方に大津波が押し寄せた昭和8年、父は慶応義塾大学を卒業するが、不景気の波が押し寄せる時代に就職口はない。出版社の試験にも不合格になり、大学院に進むものの家の経済は苦しく、定期を買う金もない。師事する折口信夫から満足な評価を得る事もできず、国文学への情熱も断ち切るしかないのかと懊悩しながら東京、横浜をさまよう父。
一方、文学史上の有名人物と折口信夫が敵対し、批判しあった数々の事件の真相に迫る著者の筆はスリリングかつ感動的。
文献、日記、関係者の随筆に散見される該当箇所を読み解き、つき合わせることで、折口信夫の底知れぬ大きさと怖さ、師弟関係に潜む複雑な感情、国文学に生涯をかける人々の熱情と嫉妬があぶりだされる。
横山重、佐佐木信綱、池田弥三郎、父、学友たち-ー
あの時代を歩んだ有名・無名の人々の姿を捉える、感動の昭和史。 解説・桂島浩輔
みんなの感想まとめ
この物語は、著者の父が遺した日記をもとに、昭和初期の日本を生きた人々の姿を描き出します。主人公の父は、就職難や経済的苦境に悩みながらも、文学への情熱を捨てきれずにさまよう姿が共感を呼びます。特に、民俗...
感想・レビュー・書評
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「いとま申して」シリーズの完結編。圧巻の大団円である。著者の父上が遺した膨大な日記を基にストーリーが構成されると聞くと、極めて私的な物語で、北村薫のファン以外には響かない作品であると思ってしまう。ところがさにあらず、父 演彦氏は物語の舞台に上がったり上がらなかったりする。少なくとも、唯一無二の主人公ではない。これは彼と、彼の周辺で生きた人々の暮らしの再現である。かつて確かに生きていた人々の記録である。
前作に引き続き、今回も折口信夫が物語を牽引する。この比類なき民俗学者の人間的な一面や凄みは読者に強い印象を与える。そしてもう一人、折口に負けず印象的なのが、横山重である。私は本書でこの人のことを初めて知った。この人の校正した岩波文庫にお世話になった人もいるだろう。すごい人がいたものである。私たちは、こういう巨人たちの背に乗っている。
歴史小説と読むこともできるが、やはりそこは北村薫、僅かな手がかりや齟齬から謎解きを展開していくのはミステリ作家ならでは。当然、古典や本に関する該博な知識や愛は本編に満ちている。本を読み、深く愛することの果てしなさを思う。
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北村薫氏の父親、
まさに高等遊民じゃないか。
もう現代じゃ絶対有り得ん。
舞台見たいのにお金がない、
じゃあ、本を売ればいいじゃないってわけには、
いきませんよ、マジで。
周りの人達が、本当にすごい。
でも、ここ父にして、北村薫氏誕生。
なら、感謝しかないな。 -
40手前にして人生迷子状態なせいか主人公演彦に妙に共感して「お前、呑気に歌舞伎観て天麩羅食っとる場合じゃないぞ。」と声援?を送りながら読む。
二・二六事件はじめ、昭和史の重大事件があっても、普通の人の日常は流れていくという感覚も面白い。
しかし、それ以上に、やっぱり折口信夫のキャラが強い。ちょっと勉強してみたくなった。 -
言葉にして考える父と子。お互いに認め合っていてお互いが大切だったのだろうと感じる。
日記の中の父と父の世界を書き起こした子。奇跡のような親子だと思う。そして昭和の男たちの姿がほんのり見える。 -
2021年2月16日購入。
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【日記から復元された昭和の青春】作家の父は折口信夫のもと慶應の国文学徒として図書館に日々足を運び古典を次々と読破、しかし就職難に悩む。ある昭和の青春の記録。
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