影ぞ恋しき 上 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2021年4月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784167916718

みんなの感想まとめ

家族愛や友情をテーマにした物語が展開され、主人公たちの生き様が心に響く作品です。雨宮蔵人と咲弥、娘の香也の関係性を中心に、彼らが直面する試練や敵との戦いが描かれています。物語は、蔵人と香也が義周のもと...

感想・レビュー・書評

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  • 「いのちなりけり」「花や散るらん」に続く三部作の完結編!
    って三部作だったの?
    前2作を読んだのがブクログの記録によると、約5年前。
    自分のレビューも紐解きながらの読書となりました。

    雨宮蔵人と咲弥、娘の香也の生き様、夫婦・親子の愛情、友の絆を描いた物語。
    敵も味方もある意味清々しい。
    前作の忠臣蔵、赤穂浪士の話からの続きになります。

    上巻では、
    蔵人と咲弥のもとに訪れた冬木清四郎。吉良上野介の息子の義周が死ぬ前に上野介の孫である香也に一目会いたいというところから始まります。
    蔵人と香也は義周のもとへ。そして死期迫る義周から託された香也と清四郎の婚儀。
    しかし、義周の死後、清四郎は仇討ちとして、江戸に向かいます。
    仇討ちの相手は?
    ここから、蔵人、咲弥、香也は将軍家をめぐる争いに巻き込まれていくという展開。

    蔵人、咲弥、香也を守る者たちとして登場する女忍の「ののう」とその棟梁の望月千代。
    当初は敵でしたが、見方に変わります。

    今回の敵は越智右近、六代将軍の家宣の実弟。
    家宣と共に「正徳の治」を実現するため、政治の闇の部分を担います。
    その闇との戦いということになります。
    さらに登場する敵側として登場する隠密の磯貝藤左衛門

    清四郎が果たした仇討ちの相手がびっくり。
    そして、清四郎は追われる身になります。

    蔵人は家族を、そして清四郎を守ることができるのか?

    それぞれのシーンで描かれる死闘、想い、に心打たれます。

  • 時は、江戸5代将軍綱吉の治世。側用人柳沢吉保が権勢を振るっていた。
    赤穂浪士討ち入り後、彼らに切腹の沙汰を下した一方、吉良上野介から家督を継ぎ、討ち入り時も奮戦し、傷を負った吉良左兵衛は、諏訪に送られ、治療も虚しく死期を悟り、上野介の血を引く、雨宮蔵人と咲弥の娘(義理)の香也に一目会いたいと願う。
    蔵人は、香也を伴い諏訪に向かう。蔵人と香也は、左兵衛から吉良家の再興を託される。また、香也を家臣である冬木清四郎と婚約し、2人で再興をして欲しいと願う。その後、左兵衛は、亡くなるが、清四郎は吉良家の仇討ちを果たすため、江戸に向かう。同じ頃、蔵人は、江戸に向かう先の関白近衛基煕の護衛に同行することになった。基煕は、天皇譲位と桂昌院一周忌にあわせ、赤穂浪士の子供たちの大赦を幕府に持ちかけようとしていた。
    一方、柳沢吉保は吉良家の監視に女忍のののうを使ったり、本流ではないが柳生一門の柳生内蔵助を使い、近衛基煕の下行を阻止するため手を尽くす。
    実は、将軍家は継嗣問題として、甲府藩主徳川家宣(西ノ丸)が継嗣に決まっていた。家宣には、間部詮房や新井白石など有能な家臣がおり、綱吉の後、家宣が将軍宣下を受ければ、柳沢吉保は立場が危うくなるのは明白で、少しでも立場を保つことを考えていた。
    中院通茂に依頼を受けた、咲弥は、大石内蔵助の妻りくと息子大三郎を鞍馬の自宅で匿ってくれと依頼をうける。しかし、蔵人は江戸におり、そこに柳生内蔵助が襲ってくるが、ののうの千代や清四郎の助けを受け、蔵人もギリギリで助けに来る。蔵人の活躍、清巌(蔵人の従兄弟)の助けで、内蔵助達を追い払うが、家を焼かれてしまう。
    一方で、仇討ちが誰なのかを明かさなかった清四郎であるが、さまざまな手を使い大奥に入り、綱吉を暗殺する。さらには、柳沢吉保をも襲うが、本懐は果たせず、今度は柳沢吉保の家臣柳生内蔵助に追われる身に。
    しかし、清四郎は、吉保の正室町やののうの望月千代に助けられ、京都島原まで来ることができた。
    そこには、蔵人がおり、柳生内蔵助と一体一で狭い茶室での勝負をかける。
    柳生内蔵助を倒した、蔵人だが急所は外していたが、一緒にきていた京都所司代松平信庸に留めを刺され事切れる。内蔵助が、色々知り過ぎていたため、吉保から京都所司代に殺せと命令されていたのだ。
    内蔵助は、清四郎を、追いかけ鞍馬へ向かう。


    史実の中に、主人公達、架空の人物を組み込んで物語を展開させる作者の技術に感心します。
    また、紀貫之や中院通茂などの美しい和歌が出てきたりするのが素晴らしいです。
    さらに、京都島原の由来や綱吉の死の謎など知らなかった事も知れて、勉強になりました。
    早いうちに下巻も読みたいと思います。

  • 小城鍋島藩浪人である雨宮蔵人シリーズの三部作の最終作である。葉室麟さんが生きていれば更に続くのか?わかりませんが、話の流れは第一作である『いのちなりにけり』、第二作である『花や散るらん』を読んだ方がわかりやすいと思うが、そうでなくても良いかも知れない。これから読む下巻が楽しみである。

  • "赤穂事件"と絡んだ三部作で、この前の2作品『いのちなりけり』『花や散るらん』どちらも読んでいる記録は確認できたんだけど…
    蔵人と咲弥夫婦の最初すら覚えてないの残念な自分。
    下巻も読み終わったら、改めて前の2作品を借りて読んでみようかな…と思うくらい、気になってきた。

  •  葉室麟の雨宮蔵人シリーズのほぼ10年ぶりに書かれた最終巻。というより病に倒れた著者最後の作品なのだそうだ。不器用であるが筋を曲げず清新闊達に生きる雨宮の生き方のこちらも最終章。前作から続く赤穂浪士の討ち入り事件の余波が尾を引く中、徳川綱吉から家宣への代替わりにからんだ近臣たちのどろどろした暗躍に巻き込まれる。吉良家の忠臣を助け、孤軍奮闘すんでのところで危地を脱するのだが、そこには幕府方であったはずの隠密や信濃の巫女の影となっての助勢があった。都合のよい筋運びといえなくもないが、これも雨宮の人徳というものだろう。ともあれ、時の権力者に徒手空拳で立ち向かう正義漢、まさにこの著者畢生のパターンで、絶筆にふさわしい。

  • 葉室作品の中では比較的珍しいシリーズものなので、蔵人と咲弥夫婦だけでなく周りにも魅力的な人がたくさんいて、彼らの心情や関係性の変化もまた面白い。
    時代ものの定番である悪役も、田沼意次と並ぶ悪役界の超大物 柳沢吉保だけに、一筋縄では行かない陰謀を繰り出してきます。
    柳生、ののう、磯貝藤左衛門と隠密系の面々がかなり重要な役割を果たすところは葉室作品の中でも異質な面白みもあり、これは下巻も目が離せない。

  • やっぱり間違いない面白さですね。新しいキャラクターも登場。千代と藤左衛門。この二人、いいですねぇ! 下巻でも期待しています。 歴史に絡めながら、これだけ多くの人々が絡むストーリーを作っていく葉室先生の手腕に今回も感嘆しています。 次で雨宮蔵人シリーズも最後かと思うと、ちと、いや、かなり悲しいです。

  • 【文春文庫 著者最後の小説!】京都で咲弥と上野介の忘れ形見の香也と静かに暮らす雨宮蔵人の許に信州高遠から密使が訪れる。幕府の暗闘に巻き込まれる彼らの運命!

  • これまで出てきた人が仲間となって加わる
    蔵人の安心できる強さと、咲弥の芯の通った強さ

    ののうの存在も面白い
    ひょうひょうとした藤左衛門との関係はどうなるのか
    下巻の展開が楽しみ

    歌で伝える文化は本当に素晴らしい
    自分はできないけど^^;

  • 三部作の第1作目の上巻と思って読んだ
    上巻を読み終え、影ぞ恋しきが完結編であることに気がついた
    どうしようか迷ったが、下巻を読もうと思う
    江戸時代の大事件のその後なのかな
    ということは三部作は大事件の前後かな?

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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