正しい女たち (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2021年5月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784167916879

作品紹介・あらすじ

不倫に悩む親友にわたしがしたこと(温室の友情)、同じマンションに住む女に惹きつけられる男(偽物のセックス)、残り少ない日を過ごす夫婦の姿(幸福な離婚)ーー。偏見や差別、セックス、結婚、プライド、老いなど、口にせずとも誰もが気になる最大の関心ごとを正しさをモチーフに鮮やかに描く短編集。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人間関係や正しさについて深く掘り下げた短編集で、偏見や差別、セックス、結婚、老いなど、誰もが抱えるテーマが描かれています。登場人物たちのエゴや葛藤がリアルに表現され、特に友情や夫婦の絆、そしてその中に...

感想・レビュー・書評

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  • 女って怖い、ってまとめられてしまいそうなお話たち…(男って怖い、というパターンも少しあった)
    自分の中での正しさを押し付けちゃうと急にエゴになってしまう。
    共感してしまう箇所は数多くあるが、友達だとしても家族だとしても、自分と他人の線引きはしっかりしないとずぶずぶと沼のような関係になることも多いよなと思う。
    なんていうんだろう…ずぶずぶ感?なんとも言えないエゴ?をなんとも言えない形のまま書かれている感じだった。
    おもしろいけど、個人的には読後感がずんと重たいかも。

  • 友達から面白いよと貸してもらった本。

    短編で繋がってなく一つ一つの物語なのかなと思って読んでいたら繋がってる話があってその人かっ!となりながら読んでいた。

    その中で「海辺の先生」・「描かれた若さ」がよかった。
    海辺の先生は母親がそういう仕事してるから噂たってるのに、勉強教えてもらってら中二人でいるからと決めつけて先生を責める。
    状況が分かっても家庭教師代は稼がせ、その町から出て行っても母親がやっていたお店はその子のものだと呪いのように送ってくるのがヤバいなぁと感じてしまった。
    そう感じるのは私が恵まれてるからなのかもしれないけれど。
    でも先生もその子に暴露してそうなの?となってでも先生にも幸せになって欲しいなと思う。

    「描かれた若さ」は最初はなんなんだこの仕打ち?お代とってるのにこの対応は何で?となったけど最後まで読んでスカッと出来た。

    ミステリーではないけど自分では見つけられないジャンルを貸してもらえて新たな発見ができてよかった。

    ついついミステリーにはしってしまうから他のジャンルも探すのも楽しいだろうなぁ

  • この作品を読んでいる時に、瀬戸内寂聴さんが亡くなった。

    彼女の生き方を嫌う人もいる。
    けれど、亡くなることで人は、一気に手のひらを返し、すべてを美談にする。
    彼女の不倫を否定も肯定もせず、事実として伝える報道機関。そのことへの違和感が強い。
    だったら、彼女が生きている間に、なぜそうしなかったのか。

    わたしは正しさを肯定してほしくてこの作品を選んだのか、正しさを否定してほしくてこの作品を選んだのか。
    一つ言っておくと、わたしは最近、正しくない。
    しかし真面目さ故、その正しくなさはわたしを苦しめる。
    同時に心の中にある醜悪さは隠せる状態ではなくなっている。
    掘り下げていくたびに明かされるわたしの醜悪な心の中。
    クズをクズと断罪できないのは、自分がクズと同じ人種だからだ。
    自分がされて嫌なことは人にしないをモットーにしておきながら、自分がされて嫌なことを人にしていることがある。
    自己中で傲慢。
    でも、それを責める友人は少なくて、責めているのは、わたしが正論を心の中で擬人化して飼い慣らした、正論人だ。
    自分の中にある醜悪さに気付くこと、つまりそれは自分の本心が明かされるということだ。これまで正論人によって蓋をされていた醜悪さが顔を出すことで、どんどんどんどん、本心とずれたことをすることになる。そのことに、とても疲れてしまったのだ。
    他人の正しさが、時々すごく億劫。
    だって、その他人の言う正しさの方が正しい、ってことくらいわかってる。
    でも。そんなにうまくいかないから困ってる。
    どこかで自分の正しさは正しいって保証がほしいから、その想いは時々他人を巻き込むことがある。
    でも。自分の正しさが、他人の正しさとイコールとは限らない。
    こんな傲慢で自己中でクズで正しさの軸がぶれている自分が、教育機関で正論ばかり吐いてていいのだろうか。
    こんな自分が、また新たに国家資格を取ろうと思っている。
    時折自分でわからなくなる。
    何が正しいのか。

    さて、この作品は連作短編集でした。
    気づかずに最後まで読んでしまっても大丈夫。ちゃんと解説で説明があります。

    復讐って気持ちいい。ゾクゾクする。
    この感情に、正しさもなにもない。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      naonaonao16gさん
      また、余計なコトを書いちゃいました。スミマセン、、、
      「心だか脳みそだかが」正しい。ですから、ご自身を責め...
      naonaonao16gさん
      また、余計なコトを書いちゃいました。スミマセン、、、
      「心だか脳みそだかが」正しい。ですから、ご自身を責めちゃ駄目ですよ。。。
      2022/03/14
    • naonaonao16gさん
      猫丸さま

      こんばんは~

      いえいえ!わたしが1人で勝手に深掘りしただけなので、むしろすみません!!

      自分を責めちゃダメって言葉に救われま...
      猫丸さま

      こんばんは~

      いえいえ!わたしが1人で勝手に深掘りしただけなので、むしろすみません!!

      自分を責めちゃダメって言葉に救われました…!
      ありがとうございます!!
      2022/03/14
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      naonaonao16gさん
      にゃん
      naonaonao16gさん
      にゃん
      2022/03/15
  • 最近気になっている千早茜さんの短編集かつ、タイトルに妙に惹かれて本作を読むことにしました。本作の短編の中では、不倫や偏見、差別、セックス、結婚生活、年齢などが千早さんのテイストで描かれていて、とても読みやすい短編だったと思います。

    個人的に読んでて面白かったなと思ったのは、「温室の友情」と「幸福な離婚」ですね。以下簡単に感想を述べます。

    「温室の友情」。叶わぬ恋に悩む友人の恋愛相談に乗るお話。本作のスタートから女性特有のコミュニティでの会話シーンに魅力されるとともに、正義の押し付けを行う主人公の考えと行動に考えさせられました。

    「幸福な離婚」。夫婦間の約束で決められた離婚の時期までともに生活する夫婦のお話。離婚するとは言っても夫婦の絆が見られるのが良いです。今年刊行された「マリエ」とかに近い雰囲気で、千早さんっぽい感じが1番感じられた作品。

  • 私立中学で出会った四人の少女達。彼女達の連作短編6編。
    「温室の友情」
    彼女達の中学時代から大学、社会人へと、道が別れていく様子を。不倫している友人へ、そこから救い出したい正しい女としての行動が危うい。
    「海辺の先生」
    スナックを経営する母を持つ娘。勉強の機会を失っていたその娘の大学進学を手助けする偽りの先生。彼女の大学進学を機にその先生も研究室に戻っていく。この一冊の研究職の男性率が高く、誰かと重なっていると思うのだけど、はっきりわからない。
    「偽物のセックス」
    四人の中で専業主婦となった女性の日常生活。夫は、同じマンションに住む女性の自分の欲求に正直な女に惹かれていく。その女のポリシー婚姻を結んだ正しいセックスという意思に、妻に戻る。
    「幸福な離婚」
    妻の不倫と転勤とに、離婚を4ヶ月後に決めた夫婦。別れを決めた後の満ち足りた婚姻生活。妻の不倫相手が、温室の友情の不倫好きの男性。この夫も研究者だから、どれかと重なるのかな。
    「桃のプライド」
    四人のうちタレントとなった女性。三十を超えて自分の限界を感じる。正しい職を得た他の二人、家庭と子供を持った一人との、人生の差を見つめる。
    「描かれた若さ」
    女の年齢への不謹慎な発言と態度を、その結婚願望を逆手にとって、復讐される。ホラーっぽい。

    • 1Q84O1さん
      祭りだ!祭りだ!千早祭り!
      祭りだ!祭りだ!千早祭り!
      2023/06/20
    • おびのりさん
      単純だけど、バラバラ読んでたら、誰が何書いてるんだかわからなくなっちゃたのよ。
      五十嵐律人と貴人 さん達、実は、区別できてなかった。読んでも...
      単純だけど、バラバラ読んでたら、誰が何書いてるんだかわからなくなっちゃたのよ。
      五十嵐律人と貴人 さん達、実は、区別できてなかった。読んでも、気がついて無かった。
      反省のまとめ打ち。
      2023/06/20
    • ひまわりめろんさん
      うん、それは反省だわ
      反省文だわ
      反政府軍だわ
      うん、それは反省だわ
      反省文だわ
      反政府軍だわ
      2023/06/21
  • 自分の正しさを信じてどこまでも突き進む女性たちは、したたかだけれどどこかせつない部分もあって、恐怖さえ感じさせる。

    私立の中等部で出会った女子四人組が登場する「温室の友情」から始まるこの短編集は、実は微妙なつながりのある連作短編だったことに驚きます。

    もうあとには引けない、やめられない、元に戻れない、そんな強い女性たちの生きざまが胸に迫ってきて、映像を見ているような迫力があって、とても面白かったです。

  • 6つの短編。女性をテーマにしたお話で、どれも興味深く惹き込まれました。予想外の展開もあり、楽しめました!

  • 正しいのか、正しくないのか?
    人間の怖さをザザザッと6編の短編で重ねて見せていました。

  • /_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 
     
    いや〜、面白かったです。

    女から目を引き剥がす、、など、引き込まれる描写や、表現が多く、ほんと、女たちの世界に引き摺り込まれるような感じでした。

    連作短編集ですが、じっくり、読んで、想像力をフルに発揮しないと、繋がりがわからない感じでした。

    欲とか、性とか、そんなものを、とても近くに感じて、ドロっとした、重くて、深いものに触れたような読後感でした。ほんと、なかなかに面白かったです。


    /_/ あらすじ _/_/_/_/_/

    温室の友情で登場する女性たちの人生と、そこに関係する人たちの生き方を描いています。

    /_/ 主な登場人物 _/_/_/ 
      
    ・温室の友情 
    30歳
    遼子 会社員
    環  モデル
    恵奈 会社員、不倫生活
    麻美 結婚して子どももいる

    博之 遼子彼氏
    下マツゲ 環彼氏
    西村 50歳手前ぐらい、恵奈彼氏、既婚者、白熊

    ・海辺の先生
    向田美優
    佐倉 先生、30代(当時)

    ・偽物のセックス

    麻美 妻
    佐倉 妻 508号室
    佐倉 夫、研究員

    ・幸福な離婚
    宮原
    イツキ

    ・桃のプライド

    恵奈
    遼子
    MORI

    ・描かれた若さ
    清水
    紗耶香 婚約者
    岡田舞 昔の彼女
    津野春 画家、老婆

  • 短編集。最初のストーリーが後に繋がり、読み物としては面白い。不貞操な話が多く、共感は出来ない。何も考えずに読み進め、終わった後も特に何かが残ったというわけでもない。女心は複雑なんだなぁといった感想と、みんなが同じじゃないからなという結論に私は至りました。

  • 帯にある『心をざわつかせ、ヒリヒリさせる』というキャッチコピーに惹かれて、手に取った6編の連作短編集で、4作目の千早 茜作品。

    タイトルから、もっとドロドロとした暗い人間関係を描いた作品かと思っていましたが、いい意味で裏切られた作品でした❗️一編一編はページ数が少ないわりに、最初に登場する四人の女性達と何らかの関わりがあったりしてとても奥深く、それこそとてもヒリヒリする内容です。

    好きな話しは、『海辺の先生』と『幸福な離婚』の2編で、『偽物のセックス』は少しホラーぽっくてちょっとドキドキしてしまいました❗️

    個人的には、定期的に読み返したい作品です。



  • 男こそ読むといいかも。

  •  三十路を迎えた4人の女性が登場する短編集。      
     「横にさりげなく置かれたバッグは、恵奈はセリーヌ、遼子はプラダで、派手ではないがどちらも今シーズンのものだった。二人はすごく美人でも人目をひくほど可愛くもないけれど、自分に似合うものを知っていて、その質を年々きちんと上げていく。【桃のプライド】)
     何気ないけれど、凄みのある文章。持っているバッグのブランドからは、都内で正社員として働く恵奈と遼子それぞれのキャラクターがなんとなく想像できる。また、堅実な道を進むふたりの「普通」であるが故の屈託のなさを感じさせるし、それが、モデルという不安定な職業につく環に残酷さを与えることも伺える。
     どの話にも、同質の者が集まるグループの中にいることへの幸福や、そこから逸脱することの喜びや恐怖が、共通して描かれているように感じられた。

  • 【不倫も、おそらく夫婦も、きっとすべては演技だったのだ】
    6つの物語で構成された連作短編集。千早茜さんが紡ぐ言葉は、いつも私の心に響く。どこか身に覚えがあって、一度は頭の片隅に置いてきたはずのかつての自分自身の記憶が蘇るような感覚に陥るのだ。本作もその1冊。全ての短編の内容が濃密で、読み応え◎だが、特に『幸福な離婚』が好き。その文中で離婚を決め離婚届を提出するまでの期間を「結婚の死を看取る」と表現する作者の感性にも魅了される。「正しさ」の価値観は人それぞれで、時として凶器にもなりうる取扱注意なものだと思う。

  • 「女たち」と複数形になるとなんだか不穏な空気になってくる
    いろんな女の感情が蠢いていて最初読むのが怖そうでなかなか積読から手に取れなかった連作短編集
    最後の短編が女を若さでしか見ない「ババア」と見下す男が仕打ちを受ける話がスッキリした
    女は「ババア」て言葉に傷ついてるのよね

  • 千早さんの文章は、文学的だけど硬くはなく、読み始めると話の中に吸い込まれてつい読み耽ってしまいます。立場の違う主人公たちの、心の動きを言葉にするのがとても上手いなと思います。
    個人的には「海辺の先生」と「幸福な離婚」が好きです。

  • 短編集を読んで、それぞれの女性が自分なりの「正しさ」を持って行動しているところがよかった。自分の信じる道を選べるのは、とても勇気のいること。

    印象に残ったのは「もうすぐ死ぬとわかっていれば優しくできる」という言葉。終わりが見えたとき、人はようやく相手に優しくなれるのか。結婚の終わりを「死」と捉え、それを静かに見送ろうとするミヤとイツキが潔くて好き。

    ーーー

    もうすぐ死ぬとわかっていれば優しくできる。死は別れだ。そうだとしたら、イツキはこの結婚の死を看取ろうとしているのかもしれない。

  • 浸ったー。印象的な作品をピックアップ。

    「温室の友情」
    なんでも話し合える女同士の友情、なんて存在するだろうか?(「桃のプライド」である種のアンサーが見える気がしているけど)

    一方で女同士だから出来る暗い仕打ちは、なんとなく分かる気がする。「嘘」は分からなければ「嘘」足りえない。そういうの、好きだけどな。

    「海辺の先生」
    お気に入り。
    スナックを営む実家に嫌気がさして、東京の大学を目指す美優。一度はお客さんとしてやって来た「先生」との、夜の勉強会。

    もっとドロドロとするのかと思いきや、母と娘の対峙は爽快で、良かった。
    そういえば「温室の友情」でも「分かってないのに分かった気でいる」母の呪いが描かれていたなぁ。

    女に変わる母も怖い。
    娘と化す母も怖い。

    「幸福な離婚」
    これも好きー。
    息がピッタリと思うのに、お互いがそこにいるように思うのに、すれ違いきった二人は、目の前に別れの日付を置いている。

    あと四ヶ月半。

    二人はどうなるだろう。どうもならないだろうか。
    漫画を読んでいるように、切なくなる。
    いなくなると分かって、切実に大切に感じることは偽物の気持ちなんだろうか。

    「描かれた若さ」
    これが最後に収録されているのが。すごい。

    オジサンが女子高生に罵られながら、見られ、描かれ、知り尽くされる。なんだこの、世界。でも、描かれることの真実さ、怖さが、よく伝わってくる。
    ふと『騎士団長殺し』が蘇った。やっぱ怖い。

  • いかにも身近なありそうな話で、自分も一緒に輪の中に入って話している感じでした

  • 【幸福な離婚】が一番すき~
    【描かれた若さ】の清水さん、むかつく!!(。・`з・)ノ
    なんでそういう考え方になったんだろう……

    いつまでも若いと勘違いしてちゃいけないよな……
    歳を重ねた自分が想像つかない。
    考えが成熟してて、日常に散らばってる小さな幸せに気付けるような人でありたい.。o○

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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