出世商人(三) (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2021年5月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167916916

みんなの感想まとめ

商売の厳しさと人間関係の複雑さが描かれる物語が展開されます。主人公文吉は、亡き養父の店を継ぎ、借金を背負いながらも、医師が調剤した『元気丸』を売ることで道を切り開こうと奮闘します。しかし、大店の営業妨...

感想・レビュー・書評

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  • 〈出世商人〉シリーズ第三作。
    亡き養父の店〈三川屋〉を継ぐと共に多額の借金も背負うことになった文吉。医師・手塚良庵が調剤した『元気丸』を売ることで借金返済への道筋が出来たかと思われたが、大店の薬問屋〈福江屋〉と〈越前屋〉による営業妨害で度々売上は落ち込んでいく。

    今回は樽をいくつも重ねながら乗っていく樽芸をやる娘ナオと助手役の祖父・作造が何者かに襲われることから始まる。
    ナオと作造が樽芸を行っていた場所の元締めは文吉がかつて借金していた〈相馬屋〉。〈相馬屋〉は借金の取り立ては厳しいが、借金している者の窮地を救ったり情報屋の熊を通じて様々な事情を教えてくれたりと義侠心もある。
    ナオと作造が襲われた理由には〈相馬屋〉の縄張りを奪おうとする同業者の思惑があるようだが、そこに文吉が売る『元気丸』の営業妨害も絡んでいるようだ。

    前作でも思ったことだが、読売やらサクラやらを使って『元気丸』の評判を貶めたり破落戸を雇って文吉たちや樽芸芸人を襲わせる知恵や手間隙やお金があるなら、『元気丸』より良い薬を作ったり商売に身を入れたりすれば良いのに…と思うのだが、それが出来れば苦労はしないというところだろうか。
    今回は更に人を傷付けたり火付けまでしてエスカレートしている。バレれば重罪は免れないのにそこは考えないのが浅はかだからだろうか、それとも意地になっているのだろうか。

    文吉側は今回も熊や宗助、与力の渋谷らと共に闘っていく。
    一方でナオの存在が文吉とお邑の距離を近付けた感もある。襲われたショックで樽芸が出来なくなったナオを慰め励ましてあげるお邑を、文吉はあることがきっかけで女性として意識してしまう。お邑の方もまんざらではない感じで今後に注目。

    この三作を以て、文吉の借金問題や営業妨害問題は一旦道筋がついたようだ。
    手塚良庵は大坂に行くが『元気丸』は残った家族が作るらしいのでこれまで通り売ることは出来るらしい。
    これからが本当の『出世』の道。どんな道が展開するのかに期待。

  • 202208/シリーズ1~4巻まとめて。商人モノで、危機→解決→危機…というわかりやすい展開で面白く読めた。ただ、主人公文吉は頑張っていないわけじゃないしいいやつではあるんだけどちょっと必死感が薄いというか、すぐ人に頼り過ぎじゃない?すごいのはアドバイスくれる周囲の人達で。基本的に、飛び込みの聞き込みでみんなすぐペラペラ話してくれるので、それで色々わかり物事が進むという展開の仕方も物足りない。

  • 2021年5月文春文庫刊。書下ろし。シリーズ3作目。文吉は切羽詰まった状態にあるにもかかわらず、元気丸の振り売り中に事故にあった曲芸師の娘とその祖父を助ける。成行きとはいえ、家に引取って面倒をみるというところが面白い。これが、情けは人の為ならずそのものの展開に繋がり、元気丸売りへの妨害や曲芸師達への悪巧みへと進み、はらはらどきどきです。バランスの取れた楽しい筋運びはさすが。次巻も楽しみです。

  • ひと段落。さて次の出世は。
    (うまくいきすぎの感もあるが、まあそんな話を楽しめばよいということ)

  • 出世商人 ニ巻は、21.7.28に、読んでいた!
    忘れていたのは、もう歳かな?(笑)
    気づかずに、再読してしまった。
    一巻を読んで無かったせいだろうか?
    そんな訳で、続けて三巻目も読み出した。

    商いの嫌がらせも、連鎖反応が、あるのか?
    元気丸も順風かと思っていたら、次々と事件が起きる。
    樽乗り芸人の祖父と孫娘が、演技した時に、石の礫で、孫娘が落下、祖父は怪我をするのだけど……
    類似の薬が出たり、偽の商人が、偽の薬だけでなく毒入り薬も売り出すなどしていたのが、今度は付け火まで発展する。
    江戸の町は、長屋で、紙と材木での建物が、、縦横に、並んでいるから、ひとたび家事に、なると、導火線の如く燃え上がる。
    今回の話では、小火で済んだから良かったけど!
    妬み、嫉妬の渦巻く中、文吉は、樽乗り芸人を助けた事で、一時は、薬も売れなかったが、孫娘ナオと、文吉が、姉のように慕うおぶんの努力で、樽乗りが、成功!!!
    薬の売り上げも良好!
    そして妨害していた犯人も捕まり、ちょっとホットした気分!
    始め詠み出して、ニ、三巻と立て続けに、詠んでしまった。

  • 2023.03.10

  • 借金返済の追われるただの振り売り文吉が、これでもかと窮地に陥れられ、暴力と殺意に晒されながらも、犯人探しを仕事をしながら地道に行って黒幕を突き止めて、というミステリー時代小説

    人情ホロりほのぼの小説っぽい装画なのに、振り売りを妨害され、瓦版で嘘をばら撒かれ、襲われてズタボロにされ、闇討ちで殺されそうになり、家は燃やされる寸前、というハードな人生を送る文吉なのに、淡々としている所に味があります
    時代劇ドラマで、天秤棒担いで商品売り歩くスーパーモブ主人公!

    主人公の設定とか性格とかが平凡で、文面も淡々粛々としているのが特徴
    そこが私は好きです(笑)

  • 借金返済の目処がたった?次はどういう展開に?

  • この子は私のお腹の中にいた。そんなことありっこないが、そう思うことにした。

  •  千野隆司「出世商人(しゅっせ あきんど)(三)」、2021.5発行。今回は、作造64歳と娘ナオ7歳が行う、樽をいくつも重ねた上に乗る曲芸の話です。薬・元気丸を売る文吉16歳に妨害をする者たちが、曲芸をする二人にも妨害をし・・・。

  • 60

  • 【借金完済を前に、新たな試練が男を襲う!】新薬の元気丸が好評となり、借金返済の目途がたってきた文吉。商売敵からの悪辣な妨害は依然として続くが……。シリーズ第三弾。

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著者プロフィール

1951年、東京生まれ。國學院大学文学部卒業。90年、『夜の道行』で第12回小説推理新人賞を受賞し、選考委員から“第二の藤沢周平”と賞賛される。以後、時代小説を中心に活躍中。「入り婿侍」シリーズは、評論家の縄田一男氏から「著者の新たな頂点」と絶賛を受けた近年の代表作。他の主なシリーズに「おれは一万石」「出世侍」など。

「2023年 『新・入り婿侍商い帖 お波津の婿(三)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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