- 文藝春秋 (2021年6月8日発売)
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感想 : 55件
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784167917081
作品紹介・あらすじ
土木作業員の祐一は、出会い系サイトで知り合った佳乃が山奥で置き去りにされているのを助けようとして殺害してしまう。時を前後し、同じサイトで出会った祐一と光代は互いに惹かれ合い、逃避行の旅に出る。加害者と被害者、その家族や友人。一体誰が悪人なのか。交差する様々な思いを克明に描いた不朽の名作!
みんなの感想まとめ
人間の複雑な心理と道徳を問いかける作品で、登場人物たちの思いや葛藤が深く描かれています。主人公の祐一は、過去の苦労や人との接し方に悩みながらも、他者を思いやる心を持っています。彼の行動が引き起こす悲劇...
感想・レビュー・書評
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暗い気持ちになりました。
祐一は子供の頃から苦労して、人との接し方がわからなくて。でも他の人のことを思いやる気持ちはちゃんと持ってた気がする。
殺された佳乃とか、濡れ衣を着せられかけた増尾の方が個人的には悪人に思えた。
法律を犯した者が悪人なのか。。
法律は犯していなくても悪人と呼べる人間はたくさんいると。。
祐一と光代を、もっと早く出会わせてあげたかった。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2021.9.16
11年前に読んだこの作品をあらためて読了。
上下巻になっていたのが、今回は1冊にまとめられていた。
覚えていたところ、朧げだったところ、そして忘れていたエピソードがあったけれど…
読み直してみてもやはり「傑作」だと思う。
「人間」って側から見えるほど単純じゃない。
ただ自分が11年分歳をとったせいか…
前に読んだ時は同情的な気持ちでいた主人公?2人に対して、今回はかなり冷めた目でしか見られなくなっていて、我ながら驚いた。
「悪人」は「他」にいる…と思っていたのだけど。 -
後半は命をなくす人が増えてしまうと嫌だなとドキドキしながら、踏みとどまってと思いながら読みました。
根っからの悪人なんてあまりいないと思うけど、増尾と祐一の母親は、この作品の中では悪人に括ってしまう。佳乃も親不孝すぎるなあ。
祐一の人生って何ともやりきれない。光代は本心ではまだ祐一を好きでいてほしいし、好きでいてくれるのではないかと思う。 -
親と子の繋がり、姉妹の繋がり、祖父母と孫の繋がり、友人との繋がり、職場の繋がり、愛するもの愛されるもの、そのように思わせる何かの繋がり。人の繋がりとその連鎖に狂いが生じた時の副反応について深く考えさせられました。誰が悪で誰が善なのかも曖昧になるストーリー展開。登場人物達の苦悩は生々しく、目にしている世界の描写がその感情をリアルに伝えてくれます。人とはなぜもこのように脆いのか?愛や性はなぜに人を狂気にしてしまうのか?感情が強くぶつかる内容に心を奪われ、一気に読んでしまいました。大好き度❤️❤️❤️❤️
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映画化もされているが前知識なしに読んでみた。本当の悪人は誰か、というテーマなのだが、ステレオタイプがきついキャラクターがおり、苦手だった。
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私はこの『悪人』の映画版が大好きで、これまでに何度も観てきました。そして読もう読もう思いながらも、映画の世界観が壊れてしまうのが嫌で、ずっと原作を読むのを避けていました。
うまく言葉に表すことができませんが、原作もひたすら寂しい内容でした。
私も寂しい人間だから、きっとこの作品が大好きなのだろうと思いました。 -
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上手く言葉に出来ないけど、私はこの小説が苦手だった。微かな嫌悪感を常に抱きながら読み切った。この小説には、休息がないことが恐らく1番辛かった。一息つける場所、落ち着いた気持ちで読める場所がなかった。ずっと、眉間に皺を寄せながら読んでいた気がする。やっぱり言葉にするのは難しいけれど、私はこの小説が苦手だ。初めから終わりまで、ずっと苦手だと思いながら読んだ。にも関わらず、途中で読むのをやめることもできなかった。
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映画化されたよね。
寂しさや悲しさを心に持っていてそれを自分で見いだせない人。
世の中にはいろんな人がいるを
皆、寂しいんだね。
幸せになって欲しい。
真っ直ぐな言葉を正直に伝える事って本当は難しいことなのかな。。。
って考えさせられるた -
一気読み。
最後に救われる人がいて、本当によかった。
善人も賢い人も出てこないけど、この混沌を理解させ、共感までに引きずりこむ作家の手腕が見事。 -
出会い系サイトで知り合った佳乃を、思いがけず殺害してしまった祐一。その祐一と同じサイトで知り合い、逃避行を共にすることになる光代。
そしてそれを取り巻く人々の物語。
読後に押し寄せる余韻の波がすごい作品です。
人間は1人では生きていけません。
人との関わりの中で(それが取り返しのつかない事だとしても)イヤな思いをさせたり、させられたり。
一方、ささやかではあれ幸せを与えたり与えられたり。
その人との関わりの中で“悪人”の捉え方も変わってくる訳で、とんでもなく切ない話でしたが、ほんのりと温もりも感じる物語でもありました。
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光代への感情移入が止まらなかった。
30年生きてきて、初めて愛せる人に出会って
ウキウキワクワクな1番楽しい時期に、
その相手が犯罪者だったなんて…
母性本能爆発しますよそりゃ。
守りたい、離れたくない
1日でも長く一緒に居たい。
と思う気持ちがめちゃくちゃ分かる。
祐一が言っていた
「もっと早う光代に会っとればよかった。」
ほんとこれに尽きる…
光代は選り分けられたら必ず悪い方になると
言っていたけど、祐一も同じやったんやろなぁ。
犯罪者=悪人なのか…
当事者にしか知りえない事を、
何も知らずに憶測で報道したり、
罵倒するような人が
善良と言いきれるんやろうか…
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「悪人」は誰なのか?事件の犯人が「悪人」とは言い切れず、事件の関係者は、被害者も含めて誰もに「悪人」の側面が見える。単純に「悪人」と「善人」に分けることができない。
誰もが誰かにとっては「悪人」なのかも知れない。
なかなか重たい話でした。 -
読んだ本 悪人 吉田修一 20230830
読み始めたら先が読みたくて仕方がなくなるようなお話しでした。ある女性が殺されるのが物語の発端なんですが、殺されるまでの描写で、同情できない被害者と犯人らしいけど犯人じゃないようにと願ってしまう加害者が作り上げられます。そして、愛に乏しい犯人と同じく愛に乏しい女が出会って逃避行。って話なんですが、周りの人間が語られることで、主人公たちが描かれていく。そんな話の進め方に夢中になりました。だけど、最後に残酷でもいいから美しいもの、救いを求めて読んだのに・・・。でも、小説って書いてないことも想像できるんで、自分だけの結末を作っちゃいました。
悪人、善人、弱者、登場する全ての人たちの個性が明確に描き込まれてる。人ってこんなに簡単にタイプ別に分けられるのか、って錯覚するくらいサラリと、行動や思考で性格を描写している。もちろん簡単なことではないんでしょうが、読者には簡単に伝わってくる。だから、一人一人への愛情や嫌悪が湧いてくるんですね。物語だけじゃなく、一人一人のキャラクターも魅力的な一冊でした。
映画も観てみようかな。
著者プロフィール
吉田修一の作品
