声なき蟬 下 空也十番勝負(一)決定版 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2021年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167917326

作品紹介・あらすじ

坂崎磐音の嫡子・空也。
名を捨て、厳しい武者修行の旅に出た若者の前に待ち受けるものは――。
長編時代小説の金字塔「居眠り磐音」に続く「空也十番勝負」シリーズ、〈決定版〉として刊行開始!


いざ薩摩へ――「一番勝負」!

外城衆徒(とじょうしゅうと)との死闘の末、若者は狗留孫(くるそん)峡谷の滝壺へと落下した。
大河を漂流するところを、薩摩藩前藩主・島津重豪の重臣、渋谷重兼と孫娘の眉月に命を救われた。
重兼の麓館(ふもとやかた)で心身を癒した若者は、血気盛んな野太刀流の遣い手・薬丸新蔵と猛稽古に励む。
やがて、外城衆徒の背後にある藩内抗争が明らかとなり、若者は再び闘いの地へと向かう!

感想・レビュー・書評

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  • 魅惑的な高麗の血の入った美しい眉月への想いを秘めて…。
    声なき蟬(下) ー 空也十番勝負(一)シリーズの2作目《決定版》
    2021.08発行。字の大きさは…大。2022.05.24読了。★★★☆☆
    寛政七年(1795)、師走。江戸は神保小路の直心影流尚武館道場、十代目道場主・坂崎磐音50才の嫡男・坂崎空也16才は、父親の故郷である九州の豊後関前から、薩摩に東郷重位(しげかた)が創始した御家流示現流を修めるために薩摩へ向かいます。

    空也は、薩摩へ入るために薩摩の国境を守る外城宗徒と争い川内川の上流である狗瑠孫(くるそん)渓谷の滝つぼに落下した。下流で大隅国菱刈郡に私領八千石を持つ渋谷重兼(しげかね)と孫娘眉月(まゆつき)に助けられ重兼の麓館で修業します。
    渋谷重兼は、八代目薩摩藩主島津重豪(しげひで)の御側御用として長年仕え、重豪が齊宣(なりのぶ)に藩主の地位を譲ったのを機に自らも隠居し、薩摩の所領地に孫の眉月とともに戻って来ていた。
    寛政九年(1797)、九月。薩摩藩の示現流と同根の野太刀流薬丸道場の薬丸新蔵から野太刀自顕流を修得した空也は、眉月と別れ薩摩を出て行きます。そして薩摩を出る時に久七峠で御家流示現流の師範、酒匂兵衛入道と尋常な武芸者同士の勝負が待ち受けていました。
    一番勝負。御家流示現流の筆頭師範、酒匂兵衛入道を下す。

    【読後】
    読みやすく、字も大きく、テンポもよく、殺陣も多くて先々が楽しみです。そして美しくて魅惑的な高麗人の血が入った眉月が今後彩を添えて行きます。
    【再読】
    2017年1月から2018年12月まで「青春篇」で発行された7冊を「決定版」で再読していますが、はっきり覚えていない部分が多くて、楽しく読んでいます。

  • 「居眠り磐音」の続編シリーズ「空也十番勝負」、1巻の下巻であります。

     上巻は、物語の舞台が薩摩周辺に移ったうえに、空也の旅もなかなかスムーズにいかないため、話のテンポがいまいちつかみ切れずにいたのですが、下巻に入ったとたんググッとおもしろくなりました。

     東郷示現流を学ぶために薩摩に入ろうとする空也ですが、国境付近で暗躍する無法集団外城衆徒との戦いにより、狗留孫峡谷の滝壺に落ちてしまいます。意識を失い川内川に流されているところを、薩摩藩前藩主島津重豪の重臣だった渋谷重兼と、その孫娘眉月が乗った船が通りかかり、彼らに助けられます。年が変わり17歳になった空也は、渋谷重兼の麓館で野太刀流の稽古を始めます。

     いやぁやっぱりおもしろいですね! 渋谷重兼じいじがすごく良い。いざという時のじいじがね、カッコいいのですよ。優しいしね。ああ眉月ちゃんがうらやましい。

    「終章」ではめっちゃ泣いてしまいました。磐音とおこん夫妻の気持ちを思うともう、込み上げるものを抑えきれず、ヒックヒックとしゃくり上げて泣いちゃいました。磐音シリーズからずっと読んできてこんなに泣いたの初めてだわ。

     そして「あとがき」と「決定版刊行によせて」がとてもすばらしい。佐伯さんのいろいろなお気持ちを知ることができてうれしかった。〈やはり「居眠り磐音」と「空也十番勝負」の二つのシリーズは、父と子の長大なひとつの物語であり、この父子ふたりを描ききることがひとつの作品として完全なる「了」へと導く〉と書かれており、ファンとしてはヒャッハーな喜び、そして今私がこの決定版を読んでいることはとてつもなく幸せなことだと思いました。

     最後にもうひとつ、舞台が薩摩なのでセリフがちょくちょく薩摩弁なのですが、数年前に林真理子さんの『西郷どん!』を読んだのを懐かしく思い出しました。「〜もはん」とか「〜もす」とか、ちょっとかわいらしくて薩摩弁好きなんですよねぇ。

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著者プロフィール

佐伯 泰英(さえき やすひで)
1942年福岡県北九州市八幡西区生まれの小説家、写真家。日本大学藝術学部映画学科卒。当初は冒険小説や国際謀略小説を中心としたミステリー小説を執筆していたがヒットに恵まれず、編集者からの勧告に従って時代小説家に転身。初の書き下ろし時代小説『瑠璃の寺』がヒットし、以後作家活動は軌道に乗っていった。
代表作として、『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』のタイトルでドラマ化された『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズ、『吉原裏同心』シリーズなど。

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