- 文藝春秋 (2021年8月3日発売)
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感想 : 18件
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784167917449
作品紹介・あらすじ
作家・王谷晶さん(『ババヤガの夜』ほか)感嘆!
まさにシスターフッドどまんなか。
これこれ、こういうのが読みたかった!
という感動に胸躍らせながらページをめくった。
――王谷晶
ハンマーを持つ殺し屋から逃げる3人の女。
米英仏のミステリー界が推す新人が放った逃走と感動のシスターフッド・サスペンス。
私、人を殺してしまった――
言い寄ってきた老人を灰皿で殴り倒した未亡人リナは、倒れ伏した相手を前に愕然とした。マフィアの大物だった夫を亡くした彼女には、頼れるのは娘しかいなかった。だが娘の家へ駆けこんだリナを待ち受けていたのは、ハンマーを持つ殺し屋の襲撃。娘の愛人がマフィアの取引を襲撃し、金を強奪したというのだ!隣家に住む元ポルノ女優ウルフスタインと高校生の孫娘を道連れに、リナの逃避行が始まった――
気鋭のミステリー作家が女たちの絆を描く傑作。
「友情って最高のロマンス」 という言葉が、 この物語のテーマの一つなのかもしれない。(略)ドライでなおかつ熱いところもある女の友情は、 まさにシスターフッドどまんなかという感じ。 (略) とにかく
女がかっこいいのだ。ハードボイルドが男の専売特許でないことに世の中が気付き始めて久しいが、 美女スパイでも私立探偵でもない街のそのへんに居る女同士のハードボイルドが一番しびれる。
これこれ、 こういうのが読みたかった! ――王谷晶(本書解説より)
感想・レビュー・書評
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言い寄ってきた老人を灰皿で殴り倒した未亡人のリナ
エイドリアン(リナの娘)は愛人のリッチーがマフィアから金を強奪する計画に乗ろうとする。
助けを求め娘の家を訪ねるも
娘はリナに反発しているため、リナはエイドリアンの家から追い出されてしまう。そこにたまたま隣に住んでいた元ポルノ女優のウルフスタインがリナを家に招き入れる。
エイドリアンと愛人の計画に反発したリナの孫娘ルシアもウルフスタインの家に転がり込み…
「ウルフスタインに騙された男」や
突然現れた「ハンマーを持つ殺し屋」達がでてきて、話しがどんどん悪い方に転がっていく…
思っていたよりも暗い話に向かうかと思いきやそうでもなく、ウルフスタインのユーモアと下ネタで緩やかに進む。
マフィアのボスだった夫の悪事に目を背けてきたリナの苦悶、ルシアの自由になりたい!けどまだまだ若いので…寂しい"お金で買えるもの"しか想像のつかない自由とか、ウルフスタインの豪胆だけど過去の栄光に縋り付いてしまう…けど、負けてたまるか!みたいな強さが熱かったです。
ただ出会って「気が合いそうだから」で始まった「ドライな友情、でも熱い」物語でした。
解説にありましたが、スマートフォンが現れる前の時代に設定したことにより、全体的に逃走劇の緊迫感を緩めて「女達の友情」に焦点を当ててたのが良かった。
一人一人(リナ、ウルフスタイン、ルシア)を主人公にして書いてもいいのですが三人の視点に切り替えて全く違う考え方で物語が進んでいくのが面白かったです。スピード感は前述の通り緩めてるので「勢いを止めてしまう」みたいな感じもしなかったのが上手い。
追記:ポルノ男優の話で、ジャクソン・ポロックの名前が出てくるとは思いませんでした…
本にはミステリーって書いてあったけど、なんだろ?ルシアの親が誰か?ってことかな?
ラストシーン、良い…(お腹すいた)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ババヤガの著者の方が勧めてたから買った。
ストイックなマフィアの未亡人とその孫、気さくな元ボルノ女優が、雪だるま式ドミノ式に次々事件が連鎖する中、一緒に逃避行することになる。
クズばっかりの男性陣もみんなキャラが濃くって暴れまくり、女性陣はそこから果敢に逃げていく図式。中年女性陣の痛快活劇を期待してたらちょっと違った。
登場人物がみんな、勝手なことをマシンガントークでしゃべりまくり、人が入り乱れる。タランティーノの映画を思い出した。それを文字情報だけで混乱せずに読ませるのがすごい。著者の腕か、翻訳がいいのか。
おもしろかったけど、個人的にはもっと物理的に女性陣が大暴れしてくれてもよかったな。 -
おもしろい!
ティーンエイジャーのルシアにはイライラさせられるが、そういえばこれぞティーンエイジャーだよな。ウルフスタインがとてもとても魅力的。
リナのつくる料理(ブラショーレ)が美味しそう、ラストは特に幸せな空腹感。 -
面白かった。理屈ではなく全身でこんな小説を望んでた。さすがアメリカとでも言うような活劇。
笑って憤慨して読み終えた。 -
電車時間が長かった時に一気読み。
プラトニックな友情って、一番ロマンティックかもしれないなぁなんて思いながら読みました。それこそ不要不急だけれどもだからこそ、その価値が高い、みたいな。
とは言えマフィアの奥さんは大分自分中心に動いて居ると思うし、元詐欺師は随分と行き当たりばったり過ぎない?というのが本音の所。そしてハンマーで人を殴り殺すのは、効率悪い気がするけどその辺りはポリシーだから仕方ないのか?16歳(だったかな?)のティーンエイジャーはこのままだと娘の二番煎じにならないかとちょっと心配。あの後どうなったんだろう、という辺りで終わらせるのが良い幕切れだったと思います。
まぁ色々とそれどうなの?的なエピソードも多いんですが、面白かったです。 -
2019年にアマゾンベストブックに選ばれ、フランスでスリラー賞を受賞し、米仏で絶賛された本なのに私にはグロで暴力的、粗野で訳の分からない地名や歌い手や俳優などが乱雑に並び、筋書きも単純で何も楽しめなかった本でした。
どうしてこんな本が絶賛されるのか、分かりませんし、正直、理解したくもありません。
個人の感想ですから、感動した方が居れば、人それぞれと思ってください。
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悪くはないのだけれど、いかんせん入り込めなかった。逃げる女たちと追うマフィアたち、という展開はパルプノワールっぽくて良いのだが、特筆するような捻りも伏線もなく、早々と飽きた。テンポよく読めるのだけは悪くないが、そこまで楽しめなかった一冊。
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ちょっとグロな展開に、このラストは本当に終わったのか?
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カッコいい女性たちのドタバタ珍道中かと思ったらそういう感じでもなく、巻き込まれた人々があっけなく殺されたり、主人公がジメッとしていてなんだかスカッとしない話だった。元ポルノ女優が良い味出してて、それがスパイスになって読み進められた。
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祖母リナと孫娘ルシア、リナと意気投合したウルフスタインの女三人のロードノベルになるのかと思いきや、饒舌な妄想と共に一筋縄ではいかない。死体たくさんでドタバタします。
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アラフィフ女たちのふとしたことからの逃避行の物語。きっぷがよく気持ちいいウルフスタインは元ポルノ女優で60歳。新しい友人の誕生が清々しい。
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特に謎があるというわけでもない、女性達が大暴れする小説、と思ったらそんなに大暴れでもなく、そこは期待外れ。
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マフィアの元女房や元ポルノ女優といった一癖も二癖もあるばあさん達3人と孫娘が織りなすドタバタ活劇コメディ。60代といえばばあさんというには気の毒だし、まだまだ元気がありあまっていても不思議はない。現役マフィアの間の抜けた殺し屋が追ってきても運と度胸で切り抜けてゆく。話はずいぶんすっ飛んでいて展開もご都合主義満開。警察ものんびりしているし、周囲の人間も浮世離れしている。男たちがアホすぎ最後の父親にいたっては、いやまあそういうつくりなのだから文句言う筋合いではないか。しかしもうちょっと骨のある敵を向こうに回さないと、ばあさん達も活躍し甲斐がないというものでは。
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やっと読めた。
ダラダラと退屈。 -
ラストが微笑ましすぎて癒し。
脇役も良かった(尼さんとデニス最高)。 -
【欧米各紙が絶賛、戦う女たちの感動ミステリー】ハンマーを持って迫りくる殺し屋から逃げる老婦人、孫娘、勇猛な元セクシー女優。彼女たちの勇気と家族の再生を描く傑作ミステリー。
