陰陽師 女蛇ノ巻 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2021年10月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167917593

作品紹介・あらすじ

今日も安倍晴明と源博雅は
京の怪異に奔走するーー昭和・平成・令和と愛され続けて祝・35周年!
目次:
傀儡子神・たのしげに踊る男の話
竹取りの翁・目の痛み治らぬ女の話
さしむかいの女・三日間目を覚まさない男
狗・仲悪い女の童と狗の話
土狼・西洞院大路の怪事
墓穴・哀しき夫婦の情愛
にぎにぎ少納言・夢で手を噛んでくる美女
相人・人の死を予見する人相見
塔・塔を築いては壊すように命じられる兵士たちの話
露子姫・姫の見る不思議な夢
月を呑む仏・薬師如来が水面の月を掬う
蟬丸・音曲愛でる秋の夜

みんなの感想まとめ

多様な怪異と人間の心模様を描いた物語が展開され、安倍晴明と源博雅の友情が深く描かれています。12編から成るストーリーは、美しさと哀しさが交錯し、読者に心の余裕をもたらします。特に、芦屋道満のユーモラス...

感想・レビュー・書評

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  • お久しぶりの『陰陽師』の文庫化、待ってたよぉ。いつも図書館の新刊コーナーで単行本を借りては、首を長くして文庫化を待っているシリーズなんだよね。

    第16巻「女蛇の巻」に収録されているのは12話の短篇。ほっこりしたり、哀しかったり、美しかったり、どの物語も愛おしい。
    いつも『陰陽師』シリーズを読むと私は癒される。そのことについて今まで心のまにまに受けとめてきたのだけど、今巻を読みおえたとき、無性にその心の流れを手ですくいとり、なんだか確かめてみたくなったのだ。
    ああ、そういうことなのか……と。
    気づいたのは、私のなかで眠る「自然(じねん)に回帰したい」という気持ち。それを博雅の笛の音がいつも疼かせ、芽吹かせ、そして癒し、また眠らせてくれてたんだな、と。

    さて物語は、今回も蘆屋道満には楽しませてもらった。開いた口がふさがらない道満のやんちゃな部分は健在。どんなに場を引っ掻き回されても全然憎めないんですよね、道満て。
    困ったお方じゃ。
    晴明のように笑って許してしまう。
    「晴明のところへでもゆくか……」
    仕事のお礼にもらった酒を持って晴明のところへ向かう道満の背を想像するのは楽しい。
    なんやかんや言って晴明のこと大好きだもんね。きっと心のなかではウキウキしてるんだろうな。

    そしてむしめづる姫君、露子姫の登場にもワクワク。
    露子の父、橘実之との月に一度は交わされるという「結婚」についてのやり取り。親子関係がギシギシしそうなテーマなんだけど、露子と実之にあってはそうはならない。賢い露子の明るい性格が、ふたりの応酬を微笑ましいものにしてるよね。
    「それは、お父さまが、なにかにだまされているのよ。女の幸せなんてもの、どこにもないのよ。あるとすれば、女の幸せじゃあなくて、わたしの幸せなんだから。お父さまの言う女の幸せが、わたしの幸せと同じだなんて、どうか思わないで下さいな」
    実之も結局のところ露子の意思を尊重して(言い負かされて)いるようでもあって、この時代の父親としては珍しいタイプなんじゃないかな。呆れながらも露子の正論にタジタジとなってしまう、そんな実之だから露子が露子として生きていけるのかも。まっすぐで正直な生き方を正々堂々と貫く露子の魅力は、春の陽のようだと思う。

    あと「瀧夜叉姫」の巻でも登場し、近江の三上山の大百足とも戦った藤原秀郷─別名、俵藤太の名が晴明の口から出たのも嬉しかった。同時に、あの出来事からこぼれ落ちた残骸が、こんなふうに繋がってしまうとは、ぞわりとするとともに悲しかった。
    長編「瀧夜叉姫」は、『陰陽師』シリーズのなかでいちばん大好きな物語。また『陰陽師』の長編が読みたいな。でも夢枕獏さんのあとがきを読んじゃったら、なんか無理にはお願いできない……

    最後にもうひとり、『陰陽師』の世界で大切にしたい人、蝉丸。
    蝉丸の琵琶の音が嫋嫋と、闇の中に溶けてゆく。
    唐の国から渡ってきた、琵琶の秘曲「流線」。
    虫が、風が、大地の心音が、もののけが。たくさんの擬音となって紙面を舞っている。
    ああ、自然(じねん)の音というのは、楽の音のようだ。
    蝉丸と博雅が出会ったのは、この世の必然なんだろう。
    蝉丸の琵琶の音と博雅の笛の音。
    人間が鳴り響く……。
    その意味が通じあえるふたりだからこそ、天地が鳴り響き、天がほどけてくるのだ。
    なんて荘厳な物語。

    ──琵琶の音とともに、自分の肉体がほどけ
      てゆき、庭へと溶けてゆくのである。
      森とひとつになってゆくのである。
      自分は、虫であった。
      自分は、草であった。
      自分は、石であった。
      自分は、草に宿った露であった。──

    きっと自然(じねん)というのは、こういうことなのだろう。森羅万象。私もこの宇宙に存在しているあらゆるものの一部、ただただそこに身をゆだねればいい。
    それが私にとっての『陰陽師』であり、癒しなのだ。

  •  陰陽師安倍晴明と源博雅の活躍を描く陰陽師シリーズ第16弾。

     12編からなる、美しく、哀しいお話を今回も堪能することができました。
     
     今回も二人の友情は変わらず、深い安心ともに、微妙な嫉妬を覚えつつ、二人の活躍を見届けました。

     今回は芦屋道満の登場がいつもにも増して多かったような印象でしたが、やはりこのおじいちゃん、憎めません。

     最終話の蝉丸と博雅の音曲を通した掛け合いも、とても味わい深く、心に沁みました。

     本作を読んだのが年度の切り替わりの時期で、心に余裕のない中だっただけに、ほっと一息つけたように感じました。

  • 今回は、12編も入ってました。
    道満、虫姫も登場。「狗」という題の話が、前世が絡んでくる話だったんですが、前世は前世なわけで今世は関係ないわけで、前世の人が今生きてる人の人生の邪魔をするのはどうなのかとふと思いました。多分、今世が可愛い女子と人懐っこい犬だったせいで、そんなこ思ったのかも。
    「墓穴」も好きでした。

  • 短編シリーズ14冊目。道満の出番が多め。あと露子姫も。

    「傀儡子神(くぐつがみ)」
    伊豆守になった男が、目代(※副官みたいなもの)を探していると、信濃国の丹という男を紹介される。これが大変有能で欲のない男だったので、重宝してずっと片腕として働かせていた。ある日、二人が仕事をしていると、庭に傀儡師の一行が闖入してきて踊り始める。しばらく眺めているとやがて丹も立ち上がって一緒に踊り出した。一行を率いていた老人が丹に触れると、丹はみるみる縮んで木偶人形の姿に。

    いつものように晴明と博雅が酒を飲んでいると蘆屋道満がやってくる。奇妙な木偶人形を持っていて、実はこれは50年も前に、いつか酒の相手でもさせようと造って、芸人たちに預けていたが、それがいつのまにか役人になって仕事をしていたのを連れ戻してきたと言う。博雅の笛に合わせて人形の丹が踊り、三人は楽しく酒を飲む。


    「竹取りの翁」
    嵯峨野の奥に住む竹取の青盛という男は老母と暮らしていたが、小竹という女を妻にした。ある日、母親が竹を取りに行ったきり戻らず行方不明に。だが高齢だったため、10日ほどで探すのを諦めた。数年後、小竹が急に目が痛いと言い出し、血の涙を流すようになる。晴明が相談を受け…。

    晴明が作った式神の案内で、竹藪の奥で母親の遺体がみつかり、その頭蓋骨の目の部分を筍が貫いていた。小竹の目が傷む原因はそのせいだと推測され、母自体は竹を取りに来て具合が悪くなりそのまま亡くなったのだろうと晴明たちは帰るが、数日しても小竹の目は良くなるどころか悪化。再び晴明が呼ばれ、ついに小竹は姑を殺したのは自分だと白状する。


    「さしむかいの女」
    例によって、お酒を飲みながらいちゃいちゃしていた晴明と博雅(「からかっているのではない。そういうおまえが愛しうて、こういう眼になってしまうのだ。博雅よ」)そこへ黒猫沙門に乗って賀茂保憲登場。こちらも例によって自分で片づければいい案件をいちいち晴明に持ち込んできてただの構ってちゃん(笑)さて保憲が持ち込んだ案件とは、橘忠治が三日前に眠ったきり起きず、日に日にやせ衰えていくという。晴明と博雅は忠治の屋敷を訪問。妻の音子の様子が不審なことに気づいた晴明は…。

    実は忠治が別の女のところへ通うようになったのを音子が咎め、忠治は通うのを止めたように見えたが、なんと、眠っているあいだに魂だけが抜け出してその女のもとに通い続けていた。音子から相談を受けた蘆屋道満が、魂が抜けている間に体の向きを変えたりして魂が戻ってこれなくなる方法を教え、音子がそれを実行したため忠治の魂は体に戻ってこれなくなっていたのだった。


    「狗(いぬ)」
    信濃国で、孤児になった親類の娘・多弥子を引き取った大伴連忍勝、しかしその娘に、隣の家の白狗がやたらと吠え掛かり、隙あらば襲い掛かろうとする。もとは大人しい犬なのに、常に多弥子を付け狙っているようなので、村にやってきた占い師(蘆屋道満)に理由を占ってもらうと、どうやら前世から多弥子と狗の間には因縁があるらしい。道満は多弥子を遠くにやった方が良いと助言するが、忍勝はたいして深刻に考えず放置。やがて多弥子が病になったので少し離れた知人の家に、狗にばれないように牛車で連れていき養生させていたが、狗は多弥子の居場所を見つけ出して…。多弥子は前世で人間だった狗(男)とその妻子を殺したらしい。二人は闘い、ともに息絶えていた。


    「土狼(どろう)」
    西大路三条あたりで、謎の獣に一瞬で足を噛み切られる被害が相次ぐ。同じころ平広盛にも異変が起こったと、家の者が晴明に助けを求めてくる。広盛は豪放な人物で、以前盗みに入った賊を斬り捨てて、家の者が気味悪がるのも聞かず庭の松の木の根元にその死体を埋めさせた。しかしその後急に人が変わったようにイライラ短気になり、ささいなミスを咎めて使用人女性を斬殺。同じ木の根元に埋めさせていた。

    晴明は知り会いの猟師に猪の死体を持ってきてもらい、件の松の木に吊るしておくと、なんと土の中から獣の鼻と口だけが現れて猪を食らい始める。その正体は「土狼」というもので、広盛が死体を埋めたせいで悪い気が滞り生じてしまったものだった。


    「墓穴(つかあな)」
    郷里に帰る途次、近江国篠原で日が暮れたので、やむをえず山中の墓穴で一夜を明かすことにした男きよひよ。しかし真夜中に何者かが墓穴に入ってきたので息を殺していると、相手は何かを食べ始めた。空腹のあまり唾を飲み腹が鳴ってしまったきよひよが相手に声をかけようとすると、むこうがギャッと叫んで逃げていった。そのときに落としていった食べ物をきよひよは食べてしまう。夜が明けて自分が食べた物を確認するとなんとそれは人間の腕だった。きよひよは高熱を出して寝込み、親切な漁師・鯉麻呂に助けられる。彼が千手の忠輔の友人だったため晴明のところへ話が来る。晴明と博雅はきよひよのいる村に出向き…。

    晴明はきよひよの症状を見てそれが百足の毒であることに気づく。近隣で近ごろ尻を隠している者はないか尋ねたところ、どぜう婆と呼ばれる老婆が浮かび上がり…。長編の滝夜叉姫でも登場した俵藤太が退治した琵琶湖の大百足、あいつの尻尾の棘が川底に落ちて沈んだままになっていたのを、どぜう婆の連れ合いの諸魚爺が踏んでしまったのが事の発端だった。しかし諸魚爺とどぜう婆の互いを想う気持ちはちょっと泣けた。


    「にぎにぎ少納言」
    少納言・坂上彦麻呂がある晩、真夜中にふと目覚めると金縛りで動けず、見知らぬ女が現れて、彦麻呂の右手に噛みついてがじがじとかじる。夢だったかとも思うが手は傷だらけ。それが幾晩も続き、いよいよ手は傷だらけ血まみれで腫れあがり動かせないほどに。毎度、お酒と引き換えに道満が助けて進ぜようということになり…。

    なんかタイトル可愛いけど、少納言がにぎにぎしちゃったのは蛇なので可愛くない。実は数日前に牛車で蛇を轢き殺してしまい、その蛇のつれあいの女蛇が復讐していたのだった。


    「相人(そうじん)」
    登照という人相見の得意な僧がいた。人の死相がわかり、あるとき朱雀門あたりで大勢の人に死相が出ているのをみとめ、もしやと思い人々に門から離れるよう声をかけると、まもなく門が倒れてきて何人も下敷きになって亡くなった。その登照がある晩、通りから聞こえてきた笛の音に死相を感じ取る。しかし笛を吹いている人間はそのまま行ってしまった。あくる日、同じ笛の主が通りがかったので、死ななかったことに驚き呼び止めて話を聞くと、昨夜は観音堂の普賢講に出かけ伽陀に合わせて一晩中笛を吹いていたのだと言う。その功徳のおかげで死相が消えたのかと登照は納得した。

    ここまでは今昔物語にもあるエピソード。しかし笛を吹いていた男が誰かとなれば、本作ではもちろんそれは博雅以外にありえない(笑)博雅から件のエピソードを聞いた晴明は、不信に思うことがあり、登照のもとへ赴く。なぜなら博雅に死相など出ていたら晴明が気づかないはずはないし、にも関わらず、今日の博雅には何者かに呪をかけられ解けた形跡がある。だとしたら犯人は…。

    まさかの登照、自覚のない超能力者(という言葉はあれだけれども)でした。死相が見えるのではなく、まったく悪気なく、門が倒れたらみんな死ぬかもって思ったら、門を倒しちゃうという…。博雅にちょっかい出されたわりに晴明、穏便に済ませてましたが(登照自身は悪人ではないので)登照は…。


    「塔」
    比叡山の玄珍という僧が夜ごと奇妙な夢(黒い胴をつけた兵士が15年前の約束を果たしてくれと言ってくる)を見るので晴明に相談してくる。玄珍は元は平貞盛の家臣で、15年前に平将門の乱で活躍したが、その戦いで多くの命を奪ったことで思うところがあり、文殊菩薩を彫って太秦広隆寺に納めた。その滞在中、不思議な夢を見た。黒い胴をつけた兵士たちが、赤い胴の兵士たちに使役され、ひたすら石や土を積み塔を建てさせられている。だがその塔は、完成したらまた壊して建てなおさねばならない。玄珍が出家すると聞くと黒い胴の兵士はいつか立派な僧になったら自分たちが救われるよう祈ってくれと頼み玄珍はそれを約束したのだった。

    さて今回は、虫めづる露子姫が同行している。晴明は玄珍に文殊菩薩の化身である大威徳明王に祈るよう指示し、その翌日、広隆寺では牛が暴れて寺の中にある蟻塚を壊してしまった。実は、この蟻こそが、赤い胴と黒い胴の兵士の正体。露子姫がそれぞれの蟻の生態を解説。赤いほうの蟻は他の種類の蟻を侵略して奴隷化する習性がある。玄珍はそれを救ってやったのだった。

    それにしても露子姫がいても平気でいちゃついてる晴明と博雅よ(笑)「博雅よ、おまえが、この世にあるそのことが、それだけで意味なのじゃ。それが、この晴明にとって、何ものにもかえがたいものなのだよ。」


    「露子姫(つゆこひめ)」
    露子姫の夢に、毎夜同じ少女が現れるようになる。少女は大きな重そうな笠をかぶっており「雪のうちに 春はきにけり 鶯の こほれるなみだ いまやとくらむ」と歌を詠んでいなくなる。晴明と博雅に相談すると、歌は二条后(藤原高子)が詠んだ古今和歌集のものとわかり、さらに晴明は、鶯=酉の方角を探してみよとアドバイス。露子姫が庭のその方角を探すと、大きな黒い石があり、菫の花の小さな芽がその下敷きになっていた。夢の少女は菫の花の精だった。可愛らしい小品。


    「月を呑む仏」
    毎度、月の綺麗な晩にそぞろ歩きに出て、神泉苑で笛を吹くのにはまった博雅。すると池の前に金色に光り輝く巨大な薬師如来が現れ、手に持った薬壺で水面の月を掬い、それを飲み干してしまった。怖くはなかったので翌晩も出かけて笛を吹いていると同じ事が起こる。それが数夜続いたある日、博雅の夢に女性が現れて、助けてほしいと訴える。目覚めると枕元に水たまりが。晴明に相談し、一緒に神泉苑に出かけると…。

    神泉苑には、かつて空海が雨乞いをして善女竜王を召喚したときに、彼女を池まで案内した鯉がいた。その鯉はこの働きの褒美として、毎年この季節に、水面に映った月を14夜飲み干すことを100回達成したら龍にしてやると約束されていた。今回がその100回目だったのに、邪魔をしてきたものがいる。なんとそれは蘆屋道満。藤原兼家の屋敷から盗んだ薬師如来を使って、鯉より先に月を飲み干し、それを人質にして鯉を使役しようと目論んでいたが、こうして晴明にバレてしまったので諦めて月を鯉に返してやる。鯉は龍となり空に昇っていった。


    「蟬丸(せみまる)」
    かつて博雅が、蝉丸法師の琵琶の秘曲を聞きたさに蝉丸をストーキングしていた頃のお話。盲目の蝉丸に世界はどのように聞こえ(見えて)いるのか。たしかこれ朗読劇用に書かれたものでしたっけ。

  • まあいつもの陰陽師。
    ものすごく印象的な文章というわけでもないし、そもそもほぼ一行ごとに改行しているのなんて「……」となるし、話自体もワンパターンなのだけど、まあなんとなくスーッと読んでしまう陰陽師。全部、夢枕獏はこうなのだ……と獏スタイルとして受け容れるしかない。
    今回は「相人」がいちばんよかった。晴明にわからなかったことがわかってしまう、という展開からどう着地するかと思ったら……という話。なかなか予想外。
    好きな露子姫も出てきた。道満はどうもいいおじいちゃんになっている。
    ただ、もうそろそろいいかな……という気もしている。あと一冊買ってあるのでそれを読んだらもう……というか。
    ただ、たまに、ふと読みたくなるのが陰陽師なのだ。

  • 一度この世界に行ってみたいものです

  • 安心して読める箸休めシリーズ

  • 傀儡子神(伊豆守の目代はデキる男)/竹取りの翁(竹取りの青盛の母が行方不明)/さしむかいの女(橘忠治が目覚めないという話を賀茂保憲が持ってきた)/狗(よく気のつく娘と人懐こい犬の敵対)/土狼(連続して脚を食われた事件が)/墓穴(墓穴で鬼に出会った?)/にぎにぎ少納言(夜中に謎の女が腕を噛む)/相人(死相をみることができる僧)/塔(塔を作っては壊しまた作らされる苦行)/露子姫(露子姫に夢で何かが訴えかけてくる)/月を呑む仏(神泉苑で夜ごと薬師如来が月を呑む)/蟬丸(自然の音の中、蝉丸と博雅の出会い、音楽で語り合う)。

    ■この巻の簡単なメモ

    桜は人の心をよく映すということだ(p.11)

    博雅よ、おまえが、この世にあるそのことが、それだけで意味なのじゃ。(p.238)

  • 露子姫が登場。
    やんごとなき姫君なのに晴明と博雅に酌をする様子が姫の心の自由さを物語っている気がします。
    露子姫にはいつまでも今のままの純粋さで居て欲しい。

    今巻は『相人』の無意識の恐ろしさにぞくりとし、蝉丸と博雅の出会いを蝉丸目線で見た『蝉丸』の調べに惹かれて現れる世界の美しさにうっとりとしました。

  • 特に好きな話が多かった巻。「相人」のいつもとテイストが違う感じの話が特に印象的で面白かった

  • 2023年10月29日購入。

  • 切ない話や不気味な話、心温まる話など、バラエティに富んでいて、毎夜一遍ずつ読んでいくのが日々の楽しみだった
    「墓穴」はお気に入りのひとつ、前半は不気味さ全開なのに、物語が進むにつれて何ともせつない気持ちになるのが癖になる

  • ずうっと読んでます。
    長いシリーズですね。寝る前に、読んで楽しんでいます。

  • 陰陽師の十六巻「女蛇ノ巻」。

    「さしむかいの女」冒頭でいつになく恋話に話を咲かせる晴明と博雅の二人。なんかいちゃいちゃ度が増しているように思えます。基本、陰陽師は二人のいちゃいちゃから始まることがほとんどですが、今回は微笑ましかった。博雅を称して「自然の人」というのは、こういう純粋な面があるからでしょう。

    「狗」と「にぎにぎ小納言」がよかった。というか怖い。
    祟りの怖さがあった二つ。「狗」の方は多弥子になんの落ち度もないのが、祟るという執着の強さを感じてしまって怖い。どちらも肉親の情が強いからこその怪しき事。
    情の強さは強さということか。
    「つよさ」で「こわさ」と読むのは、表裏一体が事実であるという証明な気がする。

  • 今作で16巻目という。毎回、摩訶不思議なことが起き、それを解決していくわけだが、最近は、蘆屋道満や蝉丸といった、サブキャラも立ってきて、楽しい。

  • 相変わらずの安定感。久しぶりだけど、改めて晴明さまー、です


  • 夢枕獏さんの陰陽師シリーズは読んでおり、このアプリで文庫本が出たということを知り翌日購入しました。
    作品としては、いつも通りとても面白かったです。ただ、短編ということもあり、やや先の展開が読めてしまうものが多く長編・過去作に比べるとハラハラ感は少なくも感じました。あと!晴明と博雅のBL展開を期待させるような腐女子向けを意識しているのではという点が残念だなと思いました。
    色々と良くない点を書いてしまいましたがとても面白く1日で読んでしまいました。おすすめは月を呑む仏です!

  • もうそろそろいいかなと思う。

  • お待ちしておりました、安定の晴明・博雅。
    でも一日で読み終わってしまった・・・
    露子ちゃんがちょっとでも出て嬉しい。

  • 待望の文庫化。

    晴明の庭を始め、自然の情景の涼やかさが心地よい。
    目で読んでるけれど、この書き始めで、聴覚や嗅覚、身体全体の様々な感覚が呼び起こされる感覚がある。

    これがあるから、毎回待ち遠しい。

    晴明と博雅、露子姫に蝉丸、道満。

    新鮮味はなくなったけれど、変わらず、この世界はあり、日々何らかの刺激はあるんだという安心感。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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