ゆうれい居酒屋 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2021年12月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167918002

作品紹介・あらすじ

気の利いたおつまみとおかみの人柄が売りの小体な居酒屋・米屋。
だけどこの店には、とんでもない秘密があるんです!

東京の下町・新小岩にある小さな居酒屋・米屋。釣り好きだった亭主亡き後も、ちょっと気が利くおかみさんが一人で切り盛りしている。
近所の常連さんのほか、一見のお客さんも美味しいおつまみにと酒に舌鼓を打つ。
時には心に底に抱えた悩みまで、おかみさんの人柄で癒されていく。
だがしかし、このお店にはとんでもない秘密があった。

ミシュラン二つ星のイタリアンの跡取り息子は父ほどの料理の才能がないことを自覚し、憂鬱な日々を送っていたが。(「イタリアンの憂鬱」)。
広告代理店でバリバリ働き、愛する女性と結婚したが、どうしても二人の生活に馴染めない男。(「親しき仲にもディスタンス」)
グルメレポーターとして売れ始めたが、じつは極端な偏食のため限界を感じているジャーナリスト志望の女性タレント。(「偏食のグルメ」)
などなど。

みんなの感想まとめ

悩みを抱えた人々が訪れる小さな居酒屋で、女将の優しさと美味しい料理が心を癒す物語です。居酒屋「米屋」は、亡き亭主の思い出を胸に、一人で切り盛りする女将・秋穂が魅力的。お客たちは、気軽に美味しいおつまみ...

感想・レビュー・書評

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  • 『食堂のおばちゃん』シリーズを連載で読んでいるので、ブックオフで3冊纏めて購入。本当に幽霊の話しだった。ちょうどお盆で良かったかも知れない。
    30年前に女将が亡くなって居酒屋も消えてしまった。悩みを抱えた人達が、この居酒屋で美味しい料理を食べて、色々なアドバイスもあり立ち直る。その感謝の気持ちで数日後に居酒屋を訪ねると消えて無くなっている。近所の焼き鳥屋で聞くと30年前に閉店となっている事が判明する。5話もあると、そのゆうれい居酒屋に常連さんがどんどん増えて来て、焼き鳥屋にもその子供や孫が居て、懐かしむ、というパターン。
    30年前の情勢と現在の乖離、常連さんと子孫が絡んで頭が混乱してくる。ただ1話毎にスッキリと解決して行くので読みとしては悪く無い。

  • 新小岩にある「米屋」という居酒屋の女将・秋穂のもとへ悩みを抱えた客がやってくる。

    気取らないけど美味しい手料理に心を開いて話すお客にじっくりと悩みを聞いて気持ちを楽にさせる女将。
    こんな居酒屋が、あれば通いたくなる。

    そして、お腹の具合を見ながら頼める料理も気の利いたものばかり。
    サッと作れるものなのに美味しいとわかるのは、文章の巧みさなのか…。

    全5話あるが、さくさくと読めて料理も手軽に作れるものばかりだから試してみたくなる。

    「シャボン玉ホリデー」の話が出てきて、これを知ってる人って少ないだろうなぁ…なんて思ってしまった。


    なるほどそういうことで、ゆうれい居酒屋なんだ、とわかる。

    時短レシピ集もあるのが嬉しい。


  • ☆4

    悩みを抱えた人達が訪れる居酒屋「米屋」。
    女将さんである秋穂さんの優しさと美味しそうなお料理の数々に、読んでいてほっこり温かい気持ちになりました❁⃘*.゚

    「婚活食堂」や「食堂のおばちゃん」シリーズでもそうなのですが、山口恵以子さんの作品に登場するお料理は、どれもとっても美味しそうなのですが、自分でも作ってみようかなぁと思えてしまう所が素敵だなぁといつも感心しております!
    ご丁寧に巻末にレシピを載せてくださっていることも多いので、挑戦してみたいと思います。

  • 悩みを抱える人だけが辿り着く居酒屋。
    そして女将さんは幽霊。なるほどのタイトル。
    でもいつも女将さんが”うたた寝”から目を覚ます時から始まるので、女将さんは自分が死んだと思っていないのかな。
    女将さんと悩みを抱えるお客さんとのやり取りがいい感じで重くなく、何とか良い方へと流れを変えれるのは、作中に登場する料理のおかげかも。
    どの料理も美味しそうだった。しかも簡単!
    本の最後にはレシピ集も。塩昆布のスパゲティ、とろろ昆布の餡かけおかゆは食べてみたい。

  • 山口恵以子さんの作品を読んだのは、本書が初めてです。
    いつも立ち寄る本屋さんの文庫本コーナーで物色していると、『ゆうれい居酒屋』というタイトルが目に飛び込んできました。
    直ぐに手に取って、裏面のあらすじに目を通すと、
    ”ちょっと不思議でしみじみ温かい居酒屋物語”とあり、これは「ちょっと面白そうだな」と思い、次に最初の数ページを読んだところで、これは「読まねば!」とレジに向かいました。
    読む前の期待を裏切られることなく楽しいひとときを過ごさせていただき、(裏面のあらすじどおり)しみじみ温かい気持ちになりました。
    人気シリーズなのでしょう、現時点で『ゆうれい居酒屋4』まで刊行されているようです。
    次回、本屋さんに立ち寄った際には『ゆうれい居酒屋2』を持ってレジに向かっていることでしょう。

  • ほっこりでお腹のすく1冊。
    最後に出てた料理のレシピがあるのがいい!

  • 食堂のおばちゃんとはまた違う感じで、すごくおもしろい!!
    ゆうれいの秋穂さんが、今を生きている人たちにアドバイスと美味しい料理を提供してくれます

    秋穂さんが作る、とろろ昆布の餡のお粥食べてみたい!!
    塩昆布のスパゲッティも美味しそう

    続きが楽しみです!

  • 居酒屋のカウンターで話を聞いている感じ。
    ほっこりして、心温まる話。
    全部で5話あるけど、パターンが決まっていて、決まっているのに読みたくなる。最後にもう一度 お店を訪れようとして見つからず隣の焼き鳥屋に入っていく下り 、話主の驚く様子が読みたくて読む。

  • 悩みの抱えているお客の話を女将さんが色々聴いてくれ、アドバイスしてくれ、心温まるストーリーでした。女将さんは幽霊ですがね。
    短編で読みやすいです。

    しっかり耳を傾け、聴いてあげる事、話を盛り上げて話をさせてあげる事で、悩みが消えたり色々気づく事があるんだろうなと思いました。それに居酒屋の雰囲気やお酒の力も役立っていると感じました。

    家族や職場でも人の話を色々聴き出して気持ちよく話をさせてあげることが大事だとこの本から学びました。酒の席も大事だなぁって思える本でした。

  •  東京葛飾の新小岩にある居酒屋が舞台のオカルトファンタジー。5話からなる連作短編集。『ゆうれい居酒屋』シリーズ第1作。
              ◇
     米屋(よねや) は下町の商店街にあるごく普通の居酒屋さん。店を1人で切り盛りするのはごく普通の女将さん。出てくるアテはモツ煮込みなどのごく普通の小料理。常連客は商店街のごく普通の人たち。
     ただ1つ違っていたのは、女将も店も常連客もこの世のものならぬ存在だったのです。

          * * * * *

     そんなラノベ風のコメディのような初期設定なのですが、そうならなかったのは、作者ならではの仕掛けの賜物でした。

     女将の秋穂がうたたねから覚めて米屋が開店すると常連客がぼちぼち来店してきます。ここまでは冥界での話です。なぜなら現在では秋穂も常連客も故人となっているし米屋はすでに取り壊され整骨院に変わっているからです。

     ただし人生の岐路で苦悩する人が商店街を訪れると米屋は忽然と姿を現し、苦悩の人は惹きつけられるように暖簾を潜る。
     つまり冥界の扉を現世から開けられるのは一見客となった悩める人だけなのです。

     だから、秋穂のカウンセリングによって心が晴れた人たちが再訪しようとしても、もう米屋は顕現しません。

     その設定のうまさに感心しました。

     あとは山口さんの真骨頂です。
     人情話はしっかり読ませるのにくどくはなく、秋穂によって供される「ざっかけない」アテも実に美味しそうです。

     お約束となった各話のラストシーンも読んでいて楽しいし、最終話の締めくくりなどは読んでいてうれし涙まで浮かんできました。

     ひとつ気になるのは、現世で人助けをしている秋穂や常連客が、自分が死んでいるのを自覚していないところです。もしかして成仏していないのでしょうか。

     いつか続編で、ぜひ「成仏」問題を解決して欲しいと思います。

     『食堂のおばちゃん』シリーズの中で名前だけ登場させる程度で済ますには惜しい作品だと思いました。

  • 婚活食堂も良かったけど、こちらの居酒屋さんの方がさらにほっとして飲める感じでいい。しかも悩めるお客様さん達にそっと背中を押すような言葉もあって、私も行ってみたい。出てくるメニューの数々が美味しそう。まずは塩昆布のスパゲッティを作ってみたい。

  • フォロワーさんにオススメしてもらった本。

    短編集だが繋がっている。
    毎回同じパターンで構成されているので読みやすかったのと人情物語として勉強にもなる本。

    途中着物の専門話が出てきて読むのに苦労しました。著者の着物好きから着物の色々な話が出てきたのでしょうけど興味のない人は読み飛ばしてもさほど影響ないかも。

    居酒屋ならではの雰囲気や居心地の良さがこの本から伝わる。
    近くにこんなお店あったら嬉しいな。


  • 素朴で美味しそうな料理と、秋穂の気持ちのよい優しい気遣い→ラストには本当はゆうれい居酒屋でしたー!となるパターンのお話の連続だけど、それが全く退屈ではなく、かえって心地よい。

    こういうお店、本当にあったらみんな救われるのに。

    続編もあるようなので読みます‪☆

  • 友人に勧められて読みました。
    家庭では料理担当なのでいくつか参考にさせてもらいます。
    居酒屋で料理を通して人と関わり救けるようなお話でした。
    連作のようなのでまた次作も楽しみにしています。

  • 酒のツマミを書かせたら、天下一品の作家さん。一話一話はまとまっているが、一冊の本とみるとラストが弱いなぁと感じる。

  • 秋穂さんがうたた寝のちゃぶ台から起きて、「米屋」は開店し、作り置き・レンチンを駆使した時短絶品メニューで、お客さんの悩みを受け止めてくれる。なんて素敵なお店! でも、お店も秋穂さんも、実はこの世のものではなかった…。後日お礼を言いに来て、隣の焼き鳥屋で知らされて愕然とする…。このパターンで繰り返されるのが、いっそ清々しいシリーズです。秋穂さんは優しいし、つまみはどれも美味しいし、巻末にレシピも付いているし、いくらでもいけます、いや、読めます。

  • 居酒屋に行けない日々が続く今、ますます行きたい気持ちが高まった。主人公の女将にグダグダ言って酔っ払いたい。とにかく料理が美味しそう。あぁ、行きたい。

  •  下町商店街の路地裏にある居酒屋・米屋。常連さんで持ってるお店だけど、フラリと立ち寄るご新規さんの悩みを、女将の手料理とお酒の力で心が軽くなっていく。たまに女将の心の声とお客さんの会話が噛み合ってない事があるけれど、実は秘密があり…

     タイトルと内容を読んで納得。
     女将に相談した人が後日又店を訪れると、米屋は跡形もなく消え去っている。きっと、悩みを持っている人だけがたどり着く事が出来る不思議な店なんでしょうね。女将の温かい人柄と美味しそうなつまみで、訪れたくなる店でした。

  • 食堂のおばちゃんシリーズからこちらへ。
    レンチン料理ばかりで、居酒屋でそんなん出されたら嫌やなーとなんとなく思いつつ、物語が骨太で満足度が高いです。料理としてでなく、物語として好き!

  • 新小岩の商店街の片隅にある居酒屋「米屋」。
    簡単だけど美味しいおつまみと、気のいい女将がいるどこにでもありそうなみせ。でもその店には秘密があった。導かれるように入った客は二度とは訪れることはない、その店はおかみの幽霊が営む居酒屋だったのだ。
    そんな店に奇跡的に訪れるのは自らの才能に悩む料理人、人気の落ちて来た女優など。
    店で女将と話し時を過ごすうちに悩みが晴れ新たな一歩を踏み出す。
    女将が幽霊だなんて面白い設定で、でてくる料理も美味しそうで、楽しめる一冊。続編も楽しみ。

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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