ナナメの夕暮れ (文春文庫 わ 25-2)

著者 :
  • 文藝春秋
4.12
  • (444)
  • (427)
  • (227)
  • (34)
  • (6)
本棚登録 : 6798
感想 : 443
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167918057

作品紹介・あらすじ

【累計26万部突破!】
オードリー若林の6年間の集大成エッセイ
「おじさん」になって世界を肯定できるようになるまで

書き下ろし17,000字!「明日のナナメの夕暮れ」収録

恥ずかしくてスタバで「グランデ」を頼めない。ゴルフに興じるおっさんはクソだ!――そんな風に世の中を常に”ナナメ”に見てきた著者にも、四十を前にしてついに変化が。体力の衰えを自覚し、没頭できる趣味や気の合う仲間との出会いを経て、いかにして世界を肯定できるようになったか。「人見知り芸人」の集大成エッセイ。解説・朝井リョウ


人間に、変わらないことで
愛され続ける部分と
変わることで愛され始める部分が
あるとするならば、この本は、
後者の存在を強く示してくれる。
それは、どうしたって
変わりながらでしか生き続ける
ことのできない私たちにとって、
頼もしい光となる。
(朝井リョウ/解説より)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  社会人大学に引き続き若林さんの本は2冊目。普通はなかなか自分の内面の他人と違う感覚をこのように話せない。変わり者呼ばわりされそうで怖い。しかし、十人十色というのに世の中はある基準から外れると、まるで異人を見るように扱われる。私もこの世の中は生きにくいと思って生きてきた。だから、若林さんのように、自分の考えや感覚を信じてこの世を生きやすくするために努力されている姿に勇気をもらった。この本の中で若林さんが実践されていたことを取り入れてみたいと思う。

    ・「試すってすごく楽しいことなんだ。何かがうまくいく喜びには、それまでうまくいかない苦しみが必要不可欠だ。」
    ・「何より野心や欲望は衝動だから、自然に湧き上がってくるものであって、『持て!』と言われて持てるものではない。」
    ・「真実はあまりにも残酷で、あまりにも美しくて、まともに向き合うと疲れてしまうから。真実はたまにぐらいが丁度いい。」
    ・「しくじり先生の貴重な授業の数々で自分の心に一番残ったこと。それは『自分の弱さと向き合うことが一番難しい』ということである。」
    ・「人は自分の欠点と向き合うことからはよく逃げるが、他人の欠点はいとも簡単に指摘する。」
    ・「『アメトーーク!』や『踊る!さんま御殿!!』はマイノリティの意見であっても、たとえそれが暴論や極論であっても受け入れられる雰囲気がある。多様性が尊重されている(笑ってもらえると言ったほうがいいのかな)。」
    ・「『好きなことがある』ということは、それだけで朝起きる理由になる。『好き』という感情は『肯定』だ。つまり、好きなことがあるということは『世界を肯定している』ことになる。そして、それは『世界が好き』ということにもなるという三段論法が成立する。」
    ・「なんでも否定ばかりしている人は『世界を否定』していることになるから、生きているのが辛いのだ。」
    ・「僕が子供の頃から、喉から手が出るほど欲しかった”根拠のない自信゛とは、”おそらく自分は他人から肯定的に見られているだろう゛というイメージのことだったのである。」
    ・「世界の見え方は、どんな偉人であれ、悪人であれ、思い込みに他ならない。肝心なのは、”どう思いこむか゛である。」
    ・「自分の生き辛さの原因のほとんどが、他人の否定的な視線への恐怖だった。その根拠を殺すには、まず自分が”他人への否定的な視線゛をやめるしかない。」
    ・「『自分の価値観を聞き入れてくれる異性が一人もいない』と思い込みながら生きている精神的な童貞は、世界に絶望していることとほとんど同じだ。」
    ・「よく思われようと緊張することはだいぶ軽減された。だって、外のジャッジが正しいとは限らないから。」
    ・「外のジャッジに気を取られすぎると自分のジャッジを蔑ろにしてしまう。」
    ・「自分に失望している人は、希望に満ち溢れた人を妬む。」
    ・「『話を聞いてくれる人』というのは、理解者のことである。人間は、人生で理解者に何人出会えるだろうか。」
    ・「なぜかできる人は、なぜかできない人の気持ちがわからない。」
    ・「誰と会ったか、と、誰と合ったか。俺はもうほとんどの人生は『合う人に会う』ってことで良いんじゃないかって思った。」

    ・「人間に、変わらないということで愛され続ける部分と変わることで愛され始める部分があるとするならば、この本は、後者の存在を強く示してくれる。それは、どうしたって変わりながらでしか生き続けることのできない私たちにとって、頼もしい光となる。…(解説より)」

    • みきっちさん
      読魔虫さんこんばんは^_^。こちらの感想を見させてもらって、再読したくなってしまいました( ̄▽ ̄)面白い本でした!再読後は感想書けたらいいな...
      読魔虫さんこんばんは^_^。こちらの感想を見させてもらって、再読したくなってしまいました( ̄▽ ̄)面白い本でした!再読後は感想書けたらいいな^_^。
      また本棚も見させてもらいまーす!
      2023/08/26
  • 先日歳を一つ重ねて、これまでなんとかミドサーで誤魔化してきたけれど、いよいよアラフォーと言わざるを得なくなってきた。
    嫌だよ…介護保険料払いたくないよ…
    だけど、生きることを続けられなかった人もいるこの世界で、わたしはそれでもいろんなことを考えながら、生きていこうと思うんだ。
    改めて、そんな決意をする。

    『まえがき』から付箋がつきまくる。
    そして、『2009年とぼくと』の章。
    P58「理想の自分にずっと苦しめられてきた」
    P61「地点は低くても等身大の自分の方がユニーク(気楽という言い方でも良いだろう)じゃないだろうか?」「理想の自分に追いつこうとしているから、今日の自分を生きることはなく、常に未来の理想化された自分を生きている。だから、今日をずっと楽しめなかったんだ。今日じゃないな、今だな、もっといえばこの一瞬を楽しく生きてこれなかったんだ。37年もね」
    わたしの中で、何かがバチンと弾けた。
    わたしの中にずーーーっと存在し続けている、理想の自分。
    何をしててもわたしを監視し続ける、その人。
    その人によって、わたしはどれだけのものを奪われてきたんだろう。
    想像してみる。
    確かに、理想の自分が活躍している世界はシビアで「楽しい」ものではない。
    若林さんの言う通り、そんな世界よりも、今の自分がいる、今自分を取り巻いている世界のどれほど気楽なことか。
    気を張りつめなくていい、一緒にいて楽しいと思う人たちに囲まれていること。
    でも、わたしはずっと、「今」「楽しい」を選択することに躊躇いがあった。
    なぜか。
    理想の自分がそれを止めるからだ。
    でもこれじゃあつまらないばかりで、理想の自分になった時に本当に自分は幸せなのか?
    もしかしたら幸せかも。
    だけど、なんかものすごく大切な感情が欠落しているような気がする。
    それならわたしは今の自分を救ってあげたい。
    今の楽しいと思う気持ちに寄り添って、楽しくいたい。
    その後どん底が待っているかもしれない。
    そしたらそれを受け止めるしかない。
    理想の自分の「そっちに行ってはダメ」という声ではなく、今の自分の「でもさ、今しかできないじゃん?」っていう声に耳をすませたい。

    そしたらね、ものすごいことが起きたんだ。

    何を相談されても動じずに対応できる人でありたいと思った、専門家として。だけど、やっぱり内容によって動揺することはある。
    理想の自分は、どんな相談内容でも動揺せずに毅然と対応してて、かっこいい。
    一方、その時のわたしといえば。
    個室にこもって気持ちをクールダウンしないと、何も手につかないくらい動揺してた。
    だけどその時、クールダウンの時間を取らずに毅然と対応してる自分、なんか嫌だなと思ったんだ。
    こんな風に動揺して、ちょっと仕事が手につかないくらいの自分の方が、なんだか人間らしくていいじゃん、って。
    たぶんこのクールダウンの時間で感じている、うまく言葉にできない気持ちこそが、「なんかものすごく大切な感情」のような気がするんだ。欠落させてはいけない、理想の自分が削ぎ落としてしまったであろう、とっても大切な感情のような気がする。
    だからわたしは、この気持ちを大切にしながら、生きていくことにする。
    ふう…わたしも若林さんと同じ、37年かかったことになる。
    ここまで具体的に「今の自分の方が好き」って思えたのは、初めてな気がする。

    P149「死の間際、病室で親父が『ありがとな』と言いながら痩せこけた手で母親と握手している姿を見たからだ。その時にやっと、人間は内ではなく外に向かって生きた方が良いということを全身で理解できた。教訓めいたことでもなくて、内(自意識)ではなく外に大事なものを作った方が人生はイージーだとうことだ。外の世界には仕事や趣味、そして人間がいる。内(自意識)を守るために、誰かが楽しんでいる姿や挑戦している姿を冷笑していたらあっという間に時間は過ぎる。だから、ぼくの10代と20代はそのほとんどが後悔で埋め尽くされている」
    →若林さんをはじめとする「冷笑仲間」がどんどん結婚したり出産したり家族を持っていくことは、わたしにとって、「外に向かって生きて」いる「誰かが楽しんでいる姿」である。言ってることはわかる。だけどわたしは怖いのだ。ずっとずっと。若林さんのように、これほどの大きな衝撃的な出来事を前にしないときっとわたしは動けない。自分の人生を置いて、外のためだけに家族や子どもを持つ、ということが、どうしてもできない。体感なしに「言ってることはわかる」程度の理解で動くことができない。これからわたしも、何らかの出来事を前に、外に大事なものを作れるのだろうか。

    P155「他人への否定的な視点は、時間差で必ず自分に返ってきて、人生の楽しみを奪う」
    →カーーーーーーーーーーー!言われてしまいましたね…そしてもう一発くる。
    P163「ぼくが子どもの頃から、喉から手が出るほど欲しかった”根拠のない自信”とは、”おそらく自分は他人から肯定的に見られているだろう”というイメージのことだったのである」「自分の生きづらさの原因のほとんどが、”他人の否定的な視線”への恐怖だった。その視線を殺すには、まず自分が”他人への否定的な視線”をやめるしかない」
    →ヒエーーーーーーーー!!もうそれ以上言わないで!!!

    P160「ぼくのようなネイティブ・ネガティブが人生を生き抜くには、没頭できる仕事や趣味は命綱と同等の価値がある」
    →わたしがネイティブの方のネガティブなのかはさておき、フェスが大好き!音楽は没頭できる趣味の一つかもしれません。よろしければお読みください。
    それでもわたしがロッキンオンのフェスに行く理由
    https://note.com/tattychannel/n/nbb35b62cd391

    P225「誰とでも合う自分じゃないからこそ、本当に心の底から合う人に会えることの喜びと奇跡を深く感じられた」

    こうして涙をこらえながら読んできて、最後の朝井リョウさんのあとがきの一文「私は基本的に、他者の幸福を願えない」という言葉に深く安堵する。これほどの作家さんがこんなに素直にそんな言葉を言えてしまう。その度胸と勇気に衝撃を受けた。でもこれこそが、若林さんが言うP97「自分の気持ちを素直に言えるようになるための第一歩は『自分に自信を持つ』みたいなしょうもない絵空事じゃない。自分が臆病であることを認めること」なんだろうな。

    • naonaonao16gさん
      マリモさん

      コメントありがとうございます!
      ほぼ自己満のながーいレビューを読んで頂けるだけで嬉しい限りでございます!!ありがとうございます...
      マリモさん

      コメントありがとうございます!
      ほぼ自己満のながーいレビューを読んで頂けるだけで嬉しい限りでございます!!ありがとうございます!!

      今資格の勉強してるんですが、それはまさに「理想の自分」を追い求めてる時に決めたことなんで、今更どうしよう、なんてちょっと思ってはいるんですが爆
      まあそれでも、自分で決めたことだし、持ってて損はないし…という感じでなんとか頑張ってます汗

      今の年金やら保険やら住民税でしんどいのに…さらにそこに介護保険だなんて…
      どんどん若返っていくのいいですね!笑
      わたしは生きづらさがもう少し減ってほしいなぁ(これも後ろ向き)
      理想の自分をそれなりに壊せたとはいえ、なんかまだまだひっかかってるんですよね…
      2022/06/04
    • moboyokohamaさん
      「付箋がつきまくる」って聞いて読みたくなりました。
      「付箋がつきまくる」って聞いて読みたくなりました。
      2022/06/26
    • naonaonao16gさん
      moboyokohamaさん

      こんにちは^^
      お久しぶりですー!

      是非是非読んでみてください!
      若林さんのエッセイ、自分探し的なエッセイ...
      moboyokohamaさん

      こんにちは^^
      お久しぶりですー!

      是非是非読んでみてください!
      若林さんのエッセイ、自分探し的なエッセイの最終章のような印象があったので『社会人大学人見知り学部~』から読んで頂くのがオススメです!
      もしもつ読んでたらすみません…
      2022/06/27
  • 『性格が丸くなっている!人って変わるんだな。』
    と思いながら読みました。

    オードリー若林さんの"社会人大学人見知り学部 卒業見込 "の続編となるエッセイ本。
    前作は著者の若くとがった視点からの世界観を楽しめたが、本作はおじさんとなった著者の丸い視点からの世界観を楽しめる。

    『絶望に対するセイフティネットとして、趣味は必要である。』
    『"好きなことがある"ということは、それだけで朝起きる理由になる。』
    という言葉はすごく共感して、心に響きました。

  • オードリー若林という「生きづらい」男の
    苦悩や葛藤、気付きそして成長していく過程が
    とても面白く描かれていて一気に読んでしまった。

    若林ほど繊細でもないし、細かいことを考え続けて頭痛になる事もないけども、
    どっちらかといえば自分も若林側の人間なんだと思う!
    あとがきに出てきた言葉で
    「学校の文化祭の終わりに感動して泣けて、
    会社の飲み会で見事に上司の機嫌を取り、彼女とイルミネーションを何の疑いも持たずに見に行けて、
    ハワイで結婚式を挙げて両親を喜ばせる人は自分など探さなくてもいいだろう。」

    自分探しをしてたつもりはないけど、
    こういったことが普通に出来る人達が信じられなかった…気持ち悪いとも思っていた、と同時に
    こういう人達だったら楽に生きられるんだろうなぁという気持ちもあった。
    今、この歳になって(40半ば)みると
    どちらも受け入れられるようになってきたのかもしれない…完全には受け入れられませんが

    20代の頃はサブカルクソ野郎だったので
    スタジオボイスを読んだり、単館映画しか観にいかなかったり、UKロックしか聴かなかったりと
    かなりの拗れた嫌なヤーツでした…
    今ではマーベル映画も見るし、ヒットしてる曲も聴くし、鬼滅の刃も大人買いしちゃうような
    ただのおじさんになりました!
    成長したのか後退したのかよくわかりませんが

    今現在二十代で拗らせてる人が読んだら
    共感できるところもあるだろうし
    それを通り越してきたおじさんが読んでも
    昔の自分のクソなところを思い出しながら
    苦笑しながら読める一冊だと思います。

    • naonaonao16gさん
      絶賛二日酔い…

      やっぱりこの作品、そんな感じなんですね~
      今月読みたいと思ってる本がどんどん増えてきちゃってどうしよう…
      なのに二日酔いで...
      絶賛二日酔い…

      やっぱりこの作品、そんな感じなんですね~
      今月読みたいと思ってる本がどんどん増えてきちゃってどうしよう…
      なのに二日酔いで何もできない…笑
      2022/01/08
    • sinsekaiさん
      バングオーバーですな…
      そんな時もありますぜ
      今、本読んでも頭に入ってこなさそうだから
      酒が抜けてから、ゆっくりペースで行きましょう!
      バングオーバーですな…
      そんな時もありますぜ
      今、本読んでも頭に入ってこなさそうだから
      酒が抜けてから、ゆっくりペースで行きましょう!
      2022/01/08
    • naonaonao16gさん
      思ったよりグロッキーでした(爆)
      そんな日もありますよね…!
      でも生きてこ!
      思ったよりグロッキーでした(爆)
      そんな日もありますよね…!
      でも生きてこ!
      2022/01/08
  • ふふふと笑える、肩の力を抜いて読める本。

    鍼の効能
    お悩み相談
    ぼくは紅茶を「飲みたい」か?
    おっさんはホスト
    耳に痛い話
    逃げる正論
    ナナメの殺し方
    偏頭痛2
    体力の減退

    とくに偏頭痛2お気に入りです。

  • この本は若林のエッセイの3作目だが、飽きることなく面白く読めた。そして、ただ面白いだけでなく、若林の人生観のようなものが表れていて若林の考え方や生き方に納得させられることもあった。これからもリトルトゥースとして応援し続けたい。

  • 共感されている方が多い一冊
    著者の「ナナメ」ではないグルグルしてるけどその向こうをまっすぐに見つめて生きている姿に
    オーオー若者がんばって!
    とエールを送る婆さんです
    もうこんなに自分を見つめることを放棄して
    時間に流されています。
    でもたまにはこういうエッセイで刺激を受けています
    世界を肯定できるようになった著者に拍手

    ≪ わからない だから追いかけ たどりつく ≫

  • 本音を云うと、解説が朝井リョウ氏と有り購入した。
    結果、内容がかなり面白くて、正解だった。

    2015年8月から2018年4月までの
    雑誌「ダ、ヴィンチ」に連載されたもの、とある。
    真っ正直に本音を吐き出す男子のエッセイ。
    いつも いつも、考えて考えて居たんだろうなぁ。
    自分のことも、周りのことも。
    連載だから一章の長さは決まっていて、その最後の一行のオチ、さすが一流芸人!

    2021年文春文庫新刊あんない……より
    極度の人見知りを経て、著者はいかに立派なおじさんになったのか。
    文庫用に新たな書き下ろしを追加。
    これにて自分探しは完全終了!

  • 若林さんの繊細な部分が文章に色濃く表現されていました。不器用な人にぜひ読んでもらいたいです。ちょっと泣けます。

  • 沁みた、

    私事にはなるし詳しくは書かないけど、ここ1〜2年生活する中でずっと苦しくて、悩んで悩んで涙が止まらず生きることに絶望を覚えていて(いくらなんでも大げさと思われるかもしれないけど)体感的にその緊張状態がふっと途切れたのが先月だった。
    もちろん悩むことはあったけど、悩む気力も無くなって、当たり前のように開いていた大好きな本を開かなくなった。
    そしてつい1週間ほど前に自分の環境を変えるきっかけがあった。
    そんなタイミングで読もうと思い一昨日読み始めたのがこの本。

    若林さんが感じる疑問や生きづらさ、片頭痛まで全てに勝手に共感して読み進める手が止まらなかった。
    若林さんが生きていく中で疑問を持ち導き出してきた答えは、人には考えすぎだよと一蹴され、他人が当たり前に出来ることが出来なくて無駄に高いプライドを傷つけられ、いつしか世界を拒絶するようになっていた私のことを許してくれているような、心の底に溜まっていたものを掬いとってくれたような気がした。

    すっかり若林さんと自分を重ね合わせて読みすすめた私は、若林さんが「社会が地元にありつつある」と書いてくれた時点で別に何を成し遂げたわけでも、現状が変化したわけでもないけれど「人生捨てたもんじゃないな」と思えた。

    若林さんが自分のもやもやを全て言語化してくれているように感じて、さらには私より先にそれに向き合って社会を歩き続けてくれている。
    若林さんが先に、社会ってこういう風に歩けば少しは歩きやすい、かも。みたいなことを教えてくれているように思えて。
    なんだか感謝を覚えずにはいられなかった。
    私にとって少し人生が歩きやすくなるコツが書かれているガイドブック的なものになるだろうな。

    もちろん若林さんの味わってきたであろう苦しみやもがきと自分のちっぽけな悩みなんて比べ物にならないし、まず人生の濃さが違う。
    共感することですら烏滸がましいのも分かってる。
    オードリー若林に共感できる自分に陶酔してるんじゃないかとかそう思われてもしょうがないけど。
    そうです。オードリー若林に共感出来る自分のことを誇らしく、そして愛おしく思っています。
    そう思わせてくれたのもこの本。
    性別、年齢、向き合ってきたものの多さ、全てが違うけど、それでも痛いほど共感したし救われた。

    共感する部分も多くあるからこそ感想を細かく書こうとするとかなり私のパーソナルなことを書くことになるしそれは別に本書に全く関係の無いことだから感想はここら辺でやめる。
    正直この本を読んで生まれた新たな悩みの種もあるし、現実の私自身の生きづらさとか悩みも無くなってはいない。
    感想の冒頭に書いたつい最近の環境を変えるきっかけだってこの先の自分の人生にどう作用していくか分からない。
    それでも今、このタイミングでこの本に出会えたことでほんの少し気持ちが楽になったのは確か。
    この先の人生何度も若林さんの言葉に支えられていくんだと思う。
    私はまだ社会や人生への1歩を踏み出せていない段階なので、その1歩を踏み出すまでの葛藤が書かれているであろう若林さんの1冊目も読もうと思った。

    結局私自身の話を多く同じようなことをつらつらと書いてしまった感想でごめんなさい。
    きっとこの本に救われる人はこれからも多くいるはずだから。

    • Tomoyukiさん
      私もこれ読んで心に響くものがありました。

      苦しくても自分の内面を見つめ続けたら、そこは実は外側の世界に繋がっていて、、、自分のままでいいん...
      私もこれ読んで心に響くものがありました。

      苦しくても自分の内面を見つめ続けたら、そこは実は外側の世界に繋がっていて、、、自分のままでいいんだって気づけた。っていう感じで救われますよね。

      『表参道のセレブ犬と〜』も感動しました!
      2024/02/03
    • 犬のかたちさん
      Tomoyukiさん、コメントありがとうございます☺️

      Tomoyukiさんの仰るように、等身大の自分を肯定する強さのようなものをこの本か...
      Tomoyukiさん、コメントありがとうございます☺️

      Tomoyukiさんの仰るように、等身大の自分を肯定する強さのようなものをこの本から学んだ気がします。
      自分が思っているよりも案外傍で世界は寄り添ってくれているんだな、とも思いました。

      若林さんの書かれた本を他にも読みたいと思ったところなので、「表参道のセレブ犬と〜」早速読みたい本リストに追加しました!
      お勧めして下さりありがとうございます!
      2024/02/03
全443件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1978年9月20日生まれ。テレビ朝日『しくじり先生 俺みたいになるな!!』、日本テレビ『スクール革命!』、NHK『マサカメTV』、ニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』等テレビ、ラジオで活躍中。ダ・ヴィンチの好評連載を単行本化した『社会人大学人見知り学部卒業見込』を2013年に刊行。

「2017年 『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

若林正恭の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×