跳ぶ男 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2022年1月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784167918118

作品紹介・あらすじ

切り立った岩の上で独り稽古を積む、藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男・屋島剛(やしまたける)。15歳の剛は、急逝した藩主の身代わりとして江戸城に送り込まれた。「能」を使った秘策によって、貧しい藩は生き延びることができるのか。
藩の命運を握った剛は、「想いも寄らぬことをする」決意をした――。

武と芸、美と醜、生と死。
天保年間の土地も金もない弱小藩を舞台に、ひとりの少年武家が辿る過酷な運命が、圧倒的リアリティを通して描かれる。研ぎ澄まされた文章と壮大なる謎、唯一無二の武家小説。

「弱冠十五歳の少年が、柳営の棟梁たる将軍に対して、己の能の技量のみを武器に文字通り徒手空拳で命がけの闘いを挑む。しかも与えられた期間は、わずか七ヶ月しかない。これぞまさにミッション・インポッシブル 」 
――川出正樹 (解説より)

みんなの感想まとめ

主人公は、貧困に苦しむ弱小藩の道具役(能役者)として生まれ、数々の試練を乗り越えながら成長していく少年です。彼は母の死や父の再婚、師の自裁といった辛い出来事を経て、藩主の急逝を受けて身代わりとして江戸...

感想・レビュー・書評

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  • 「能」の蘊蓄が9割方あり、難解な内容。
    ただ、筋としては面白いので、難解な部分は読み飛ばして拾い読みした。
    貧困で苦しむ弱小藩の道具役(能役者)の長男として生まれた主人公の屋島剛。母親が死亡し後妻に次男が生まれたことから後継を諦める。兄がわりを師と仰ぎ、野墓の原で「能」に励むが、師が事件を起こし自裁する。一旦全てを諦めるが、再度「能」を一人稽古する。
    殿様が突然死し、藩を救うために殿様の身代わりとなる。「能」が藩を救うということで、江戸で頭角を表す。
    「自分の国をちゃんとした墓参りができる国にする」という師からの言葉を自分の命題とした屋島剛は最後の手段に出る。これが衝撃的な内容だった。最後にこれは無いのではと思ってしまう。

  •  石高わずか二万二千の藤戸藩道具役に生まれた屋島剛。道具役といっても能役者。母に死なれ、後妻を娶った父に見捨てられ、野の石舞台でひたすら稽古に励む。目付鵜飼又四郎によって、藩主の身代わりになるように告げられる。能役者であるが故に見出されたのである。
     能の蘊蓄をうざいと感じるむきもあるでしょうが、能の背景の説明がなくなれば物語の体をなさないので、我慢して読み進むとようやく面白さに辿り着けます。最後はどう締めくくるのかとドキドキしながら読み進むことができました。青山文平という時代もの作家の静かなすごみを感じさせてくれるよい作品だと思います。

  • 学生時代に縁があり能に多少関わって、沢山の舞台や演者の方を観させて頂いた事を思い出しました。江戸時代の「能」を通して、見事過ぎる武士の生き方を描いた傑作と思います。小説の筋とは関係ないですが、能には色々なものがあり、例えば佐渡ヶ島には沢山の能舞台が残っているのですが、そんな農村で演じられたお能なども、機会あれば観てみたいなどと思いました。

  • 主人公の剛(タケル)は能を生業とする道具役(能の役者)の家に生まれた。能の師でもあり、兄のように慕った保は武士として死んだ。
    貧しくて墓に埋葬する土地もない台地の国では遺体は川に流される。「ちゃんとした墓参りができる国」にするために、剛は身代わりの藩主となって、能の力で御当代様へ働きかけようとするが・・・・。

    なんとも壮絶な物語だった。能のなんたるかを解き明かそうとする文章が後半にあるのだが、能の真実はわからないながらも引き込まれた。そして剛の衝撃的な決断・・・。いや、極めるのはそっちじゃないだろう、勿体無いと思うのは、能だけに囚われていた自分だから。能が、それほど魅力的なものに映った。

    以下ネタバレになるけど、

    保の鵺の能を見たかった。それを見ている剛。
    だんだん一体化していく2人。
    映像が浮かんでくる(でも誰がやるの?)

  • 江戸時代を舞台にした能の役者の子どもが主人公。時代小説で、自分に能の知識はほぼないことと、主人公の考えごとの細やかさに、油断すると何言ってるかわからなくなるので気も抜けず。
    主人公の剛が、又四郎、八右衛門に知識を授けられていく様も心地よい。
    終盤の剛の案には、ハテそううまくいくのかと思つつも、最後のシーンの余韻がすさまじかった。
    読み応えのある小説でした。

  • 会話を通して語られる能の世界の知識等が多くて読み疲れることもありました隙のない文章で綴られる青山文平文学を堪能しました。

  • 1人の男が能と直向きに静かに向き合って生きていくお話。
    最後私は切なく感じてしまったけれど、彼は後悔もしていないし辛いとは思っていない。
    こういう生き方が出来る人は多くはいないんじゃないでしょうか。とてもかっこいいと思いました。

  • 能とはが感じた。わかったとは言えないのですが。江戸時代は自分を通して生きることが大変な時代!!
    でも、女性が出たかなかったよ。

  • 何故か練習とか一人で悶々としているときのほうがじっくり尺をとって描かれて、本番の描写があっさりという不思議な構成だし、前と同じ話を繰り返していることも多くて「うーん…?」と思っていたけど、最後の展開で全部持っていかれた。これは確かに思いもよらぬことだ…。きっちりと能と国の現状を結びつけてきた…いやラスト辛いな…将来有望な若者が取った道がこれなのか…

  • 能役者という新しい世界に出合わせてくれる

  • ラスト三行が震わせる
    そしてじわじわくる
    なんだかもう
    …尊い

    え?終わり?
    とか
    結局その結末?
    とか
    そう思う人はいると思うので
    オススメはしない

    個人的にはかなり好み
    さっきは迷うことなき
    星4つだったが
    今は5つでもよくねーかな
    と思っている

    ひたすらくどい部分があって
    わかっとるっちゅーの!
    しつこい!って感じてたので
    ギリギリ5つに届かない4つ

  • 【弱小藩に生まれた少年の激烈な運命! 感動の武家小説】能役者の家の長男・剛は15歳で藩主の身代わりとなる。弱小藩の決死の謀策、友の遺した言葉の謎とは?大感動、唯一無二の武家小説。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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