119 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2022年3月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167918415

みんなの感想まとめ

消防士たちの等身大の苦悩と成長を描いた短編集は、彼らのドラマを通じて共感や尊敬を呼び起こします。9つの物語は、消防署のメンバーたちの生活や人間関係を深く掘り下げ、時に厳しい現実に直面しながらも希望を見...

感想・レビュー・書評

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  • 単にヒーローの活躍物で終わらない、等身大の消防士達の苦悩や迷いとその生活。
    9つの短編が描き出す消防士達のドラマ。
    同じ人間として、共感と尊敬を感じます。
    良書。

  • 長岡弘樹『119』文春文庫。

    消防署を舞台にした9編収録の短編集。相変わらずの読者を少し突き放すかのような伏線とミステリーの謎解きという長岡弘樹らしい短編が並ぶ。いつものように納得出来る短編もあれば、納得し難い短編もある。人により受け取り方は様々だろう。

    『反省室』『救済の枷風』『フェイス・コントロール』の3編が良かった。

    『石を拾う女』。消防署員の今垣睦生は増水した川で入水自殺しようとしていた高槻三咲季という女性を助ける。鬱病を苦にした自殺で妻を亡くした今垣と付き合うことになった三咲季だったが、何故か再び自殺を図る。今垣が理由を知った上で、三咲季に生への希望を与える。★★★★

    『白雲の敗北』。新人消防署員の土屋崇文が出場した火災現場。何とか現場で昏倒した男性を救助するのだが……現場で先輩が取った行動への疑念。確かに伏線は回収されたが、少し混み入っている。★★★

    『反省室』。全ての伏線が一つの事実に繋がる。最後の最後まで全く気付かなかった。脱帽である。女性消防署員の志賀野安華がバードウォッチングの最中に山間の集落で火災を発見する。しかし、民家の住人の失火による火災は納屋へも広がり、近所の子供が亡くなる。その後、その集落は地滑りに襲われるのだが……★★★★★

    『灰色の手土産』。ちょっとブラックなミステリー。弁護士に彼女を奪われた消防署員の大杉洋成。彼女を奪った弁護士が公園でピットブルに襲われる。手土産のケーキ……★★★

    『山羊の童話』。酔って友人のアパートに泊まった垂井柾彬。夜中、友人のアパートが火事になり、友人は死亡。失火原因が垂井の過失によるものと断定されるが……解ったような解らないようなミステリー。★★★

    『命の数字』。タイトルの『命の数字』は3150ヘルツという人間が一番聞き取りやすい周波数。友人の家のトイレに閉じ込められた老人はどうやって119番に通報したのか。このトリックは解った。成る程ね。★★★★

    『救済の枷風』。バスケスが猪俣威昌に向けて話した最後の一言に愕然とした。正解はそれだったのか。日本のレスキュー技術を伝授するためにコロンビアに派遣された猪俣威昌は反政府軍ゲリラに拉致される……★★★★★

    『フェイス・コントロール』。同期の土屋崇文と大杉洋成の10年後。家業を継ぐために退職をすることになった大杉が土屋に残したもの。まさかの結末に驚愕。さらに驚いたのは『灰色の手土産』がこの短編の伏線になっていることだ。★★★★★

    『逆縁の午後』。親子の消防士。息子の吉国勇輝を火災現場で失った吉国智嗣が息子のお別れ会を開く。そこで語られた息子の死の謎は……まさかの真相。★★★★

    本体価格720円
    ★★★★

  • 短編集だが、消防署のひと部隊のメンバーを時間を進めながら綴ってある作品
    そして最後の話しがズドンとくる
    この作者の作品はやっぱハズレがない

  • 『119』をかけるのは
    火事・救急・レスキュー
    どんなときも、すぐに駆けつけてくれる。
    時には命がけで私たちを守ってくれる。

    消防署で過酷な任務で働く人たちの
    様々な事情や、家族や日常を垣間見たようなストーリー

  • ――怖がるなとは言わない。だが、恐怖を他人に感染させるな。 消防学校時代の担任教官が、たった一度だけ口にしたそんな言葉がいまでも忘れられない。(「白雲の敗北」より)。ベストセラー『教場』『傍聞き』の短篇の名手が贈る、心震える9つのミステリ短篇。人を救うことはできるのか――和佐見消防署消防官たちの9つの物語。雨の翌日、消防司令の今垣は川べりを歩く女性と出会う(「石を拾う女」)。新米の土屋と大杉は「無敗コンビ」だった(「白雲の敗北」)。女性レスキュー隊員の志賀野が休暇中に火事を発見(「反省室」)。西部分署副所長の吉国は殉職した息子のお別れ会で思い出を語るが……

  • ヒーローものではなく、現実味を帯びている短編集。

  • 消防官のリアルな感情だったり、
    現場だったりで面白いけど、
    シリーズものじゃないのに短編ごとに主人公が変わるのは好かん◝(๑꒪່౪̮꒪່๑)◜
    感情移入しづらい

  • 消防士大活躍、というものではなく、様々な消防士の重く暗い話。教場イメージすると肩透かし。

  •  警察に比べ、意外と少ない消防を舞台にしたミステリー短編集。それぞれ内容は独立した9話を収録してあるが、1話から順に読んでいくと、時間が流れていることがわかる。そういった意味では、連作短編集とも捉えられる。
     本作の特徴とも言えるのが、命を救うはずの消防士が、意外にも自殺の思いに囚われている場面が多いことだ。なぜそのような思いに至るのかという謎を解くミステリー的な要素もあるが、犯人がどうというよりも人の内面にスポットを当てているところが、本作の真骨頂だと感じる。

  • 警察学校を描いた小説『教場』で有名な著者の作品。

    この作品は、タイトルからも分かる通り、警察ではなく消防を描いている。ただ、その内容は、『教場』と同じように単なるヒーローものではなく、消防官を一人の人間として描いており、日々の葛藤に深く切り込まれていることが興味深い。

    消防官を描いたヒーローものなら、他にもありますが、そうではなく、人間として消防官を描いたというところが良かったです。

  • 石を拾う女/白雲の敗北/反省室/灰色の手土産/
    山羊の童話/命の数字/救済の枷/
    フェイス・コントロール/逆縁の午後

    消防署員をめぐる九つの物語
    要救助者の命も自分の命も同じ一度しかない いのち
    その重さにどうやって折り合っていくのか……

  • 【『教場』で話題の著者が贈る、9つのミステリ短篇】女性レスキュー隊員の志賀野が休暇中に火事を発見(「反省室」)。他、短篇の名手が贈る、和佐見消防署消防官たちの9つの物語。

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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