いわしバターを自分で (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2022年3月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167918477

作品紹介・あらすじ

いつ、なにが起きるかわからない-――

緊急事態宣言⁉ それならばと余った牛乳を大量に煮詰め、「日本版チーズ『蘇』」に挑戦。巣ごもりの気晴らしには「ふきのとうの春巻き」「山椒の実の牛すじ煮込み」、知人から届いた新鮮なほやで「ほや飯」を作ってみる-―

コロナが変えてしまった世の中でも、人の信頼、味を守る工夫をみつめ、
考えながら進む人は強い。食べる現場はここにある!

気になる「いわしバター」って?
「クッキングパパ」も絶賛した平松さんオリジナル傑作レシピ「パセリカレー」
ってどんな味? 

美味しいレシピ満載!「週刊文春」人気連載最新刊  
 

解説・石戸論

みんなの感想まとめ

食に対する深い愛情と探求心が詰まったエッセイ集で、コロナ禍の巣ごもり生活を背景に、日常の中での料理や食材へのこだわりが描かれています。著者は、普段なら味わえない長時間の料理に挑戦し、余った食材を使った...

感想・レビュー・書評

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  • あ、コロナ禍ってたしかに必死だったよな
    暮らしも食も、制限されてしまい、苦しかった
    エッセイストの方々はとくに生きるを文章化して、暮らしの糧にしているだろうから辛かっただろう
    そんななかでも、あえて普段ならやらなかった長時間かかる料理をしてみていたり、こだわって取り寄せしてみたり、人生を楽しむってこういうことなんだと感服した

  • 平松洋子『いわしバターを自分で』文春文庫。

    『週刊文春』連載エッセイの最新刊。連載は2019年12月から2021年9月。いつもと趣が違うことに驚きを隠せない。コロナ禍による巣籠もり生活のためか、いつものような外の店で仲間や友人、知人とワイガヤの食事場面が殆ど無いのだ。

    『いわしバターを自分で』というタイトルからして巣籠もり生活を象徴しているようだ。気になるいわしバターとはそういうことか。

    それでも平松洋子のエッセイは美味い。コロナなど何するものぞと言わんばかりに様々な食材を使いこなし、新たなレシピにも挑戦。ほや飯とパセリカレーは一度食べてみたいものだ。

    本体価格670円
    ★★★★


  • 食べ物に関する短いエッセイがたくさん。
    この趣を理解するにはもっと知識も経験も積まなければ……!と悔しいような気持ちになるものもあった。

    食に対する造詣の深さや探究心には恐れ入るし、わたしももう少し美味しいものを食べることに労力や時間をかけようと思った。

    料理の際の表現も面白い。
    「にんにくを懐柔する」「にんにくってこんなに性格がよかったのね」

    表題の「いわしバターを自分で」はコロナ禍初期の日々を日付順に綴った日記形式になっていたものの一部。
    いわしバターの作り方の所に思わず付箋を貼った。美味しそうすぎます。絶対いつか作る。
    飲食店が次々に閉まっていって、お気に入りの店を思ってもどかしくなる気持ちが切なく懐かしい。
    最初はこんなだったよなあ、と、過去の話みたいに思えていることがちょっと嘘みたい。

    おなかがすくエッセイでもありつつ、こういう風に歳をとりたいと思わせられる平松さんの魅力がたっぷりでした。
    食べることは生きることだなあ

  • エッセイは、少し苦手、、、。

  • 「サンドウィッチは銀座で」など、これを食べにあそこへ、というタイトルでずっときたシリーズ。新刊は「いわしバターを自分で」。このタイトルだけで、コロナ禍の日々のことだ、と気付く。
    あのなんとも息苦しかった日々、毎日怯えたように、萎縮して暮らすしかなかった期間。
    2020年5月半ばだったろうか、スーパーでカゴを持ったまま、売り場に立ち尽くしたことがあった。なんにも思い浮かばない。何を食べたいのかわからない。何を作ればいいのか、何を買えばいいのか、皆目見当がつかない。外食がほぼ不可能で、ちょっとした息抜きもできないから心に余裕が生まれない。
    あの絶望感は忘れられない。

    平松さんも同じように迫り来る閉塞感を味わっていた。店から消えるマスク。閉まってゆく飲食店。破綻していくあれやこれや。負けじと見つける細々した楽しみ。
    読みながら「そうそう」とうなずきまくった。
    蘇、作った作った。応援したくてテイクアウトもたくさんした。
    八百屋のおにいさんの声のところで、「素晴らしい、こういう人はちゃんといたんだ」と涙が出た。そしてそれをちゃんとキャッチする平松さんもやはり素晴らしい。

    あの日々が遠くなりつつある今、生活者の視線と確かな筆力で淡々と綴った(しかも「生きる」ことに直結する食にまつわる)エッセイは、もはや現代史に遺るであろうあの日々のことを後世に伝える歴史書だ。生活のことは歴史に残りにくい。けれどあの右往左往と、そこををくぐりぬけたことは確かに記録されねばならぬ、と思う。
    灰色のような日々だからこそひとしおに嬉しく感じる、旬の野菜や到来物のまぶしさと共に。

  • この人の文章力や取材力に魅せられて、最近時々読んでいる。
    本書はコロナ禍の、特に最初の緊急事態宣言の頃に書かれた文章を多く載せる。

    鰯バターや、パセリカレーのレシピも魅力的だが。
    きゅうりが干せるということも目からうろこだが。
    やはりあの頃の閉塞感がよみがえって、ちょっとつらくなった。

    いや、自分など、失職の心配もなく、今思えばのんきな身分だったと思う。
    本書で取り上げられている生産者や町の食堂の経営者をはじめとする食に関わる職業の人たちが、その間どんな苦労をしていたか、どんな知恵を巡らせていたか。
    そのことに思い至って、改めてため息が出た。

    本書で紹介されている枝元なほみさんの「夜のパン屋さん」の試みは、最近新聞記事でも見かけた。
    協力してくれるベーカリーから閉店間際で売れ残った商品を集め、夜の街頭で売るという試みだ。
    売るのは、ビックイシューを売っていた人たち。

    ということは、コロナ前後から、このプロジェクトはずっと継続していたということだ。
    なんというパワフルな人だろう。
    自分の場所でできることを探して、着実に前に進んでいる人がいる。
    世の中にはすごい人がいるものだなあ、と思う次第だ。

  • 食に関するエッセイストによる、エッセイ集。週刊文春で19年12月から21年9月にかけて連載されていた。途中から新型コロナ禍真っ只中となり、当時の飲食店関係者の苦闘が描かれつつも、何とか前向きに明るく食についての想いが綴られる。

    豪華な食材よりも、身近なものや自分でも簡単に作れるものが中心。コロナ禍も含め、生活と人に根ざしたエッセイで、非常に読みやすい。

  • もうすっかり忘れかけていたコロナ禍独特の空気感とか息苦しさを思い出してクッと胸の奥が痛んだ。それと同時にそんな中で楽しみをと思い、おうち居酒屋をやったりパンケーキを作ったりした細やかな日々を思い出した。

    今度、いわしバターを自分でやってみようかな。

  • 「いわしバターを自分で」のタイトルだけでコロナ禍ってわかってる方がその人の感想読んでそういうことか!ってなった。
    「サンドウィッチは銀座で」も読んだけど考えてみれば今回はどこかに食べに行くというのじゃなくて、外では食べにくい状況だから自分で作らないといけない。みたいに受け取れる。
    コロナ禍にちょうど大学通ってたけど、友達の家での宅飲みが多かったなぁ〜

  • あの時期がひしひしと追い出される。息苦しさも、小さな連帯も、良かれと思ってうまくいかなかったことも。

  • 「週刊文春」に連載しているエッセイ。定期的に文庫になっているが、今回はコロナ禍での連載分。
    コロナの中でも日常のちょっとした感情や思いをいつものようにキレの良い文章で著している。
    未だ出口が見えそうで見えない現状を無視するわけでもなく、しかしそれに強い思いを吐き出すのではなく、何気ない出来事や周りの人々との関係を綴る。いつも「今」を大切に生きているのだと感じさせてくれる。

  • 連載が文庫にまとまるたびに読んできた
    このシリーズにもコロナの影響が。
    ちょっと食事に…も行けない中
    ご自宅で過ごす日々と料理のことを日記風に。
    でも、そこは平松さん流。
    読んでいると食欲をそそります。

    出歩けた前後には、いつものエッセイ。
    美しい切り口を見てみたくなった「初めての巻柿」
    ぴりりと爽快な「緑のツブ」
    寒い時こそ「蒸し寿司を京都で」などなど。
    帰り道の読書に、とってもハラヘリの一冊です。

  • ちょっとした美味しいものの記憶。

    コロナ禍の頃を含めた食べ物エッセイ。どうやら旅に出たり出かけたりして見つけた美味しいものを語る連載だったようだ。ここで語られる美味しいものはどれも背伸びしすぎない味。表題作のいわしバターをはじめ、レシピを自分で考えたり、知り合いから送られてきたり教えてもらったりした、日常の延長線上にあるものだ。それがなんともほっこりする。

    もっとも共感したのは「極道すきやき」だ。宇野千代の本にあったという、極上のお肉にブランデーと割下と溶き卵をかけたものを焼く、お肉だけのすき焼き、それが美味しそうでやってみたいと思いつつ、この先もやらないだろう、本の中で輝いているのが一番似合う、という著者。私も美味しそうと思うし、食べてみたいけど、きっと永遠に夢のまま。宇野千代の境地には至れず、憧れの味としていつまでも夢見ていたい。

  • お腹空くなぁ(笑)
    あさり飯とか牡蠣飯とか巻柿とかウニ弁当とか山椒とかいわしバターとか!
    いわしバターは作ってみようかな

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1309689

  • これこれ。こういうのが読みたかった!
    最初は細かいことが気になるちょっとめんどくさい人かなと思ったけど
    ほやとか食べたことないものが素敵においしそうに書かれてるので食べたくなる…
    シリーズ化されてるのも最高。

  • 普段あまり馴染みのない食材も上手にお料理されており食べてみたいという気持ちになった。お友達から色々食材が送られてきて楽しそう!

    コロナ禍の街の様子など、ああそんなこともあったなと懐かしく思えた。

  • 平松洋子作品で初めて読んだ本。
    一つ一つが短く、電車の中で読むのに向いてる。ご飯の描写が多い。とても読みやすいが、一気読みするべきではないと思う。一気に読むと途中で飽きる。毎日少しずつ読むのが良い。

  • コロナ渦前後のエッセイ。オイルサーディンを豪快にコッペパンに挟むあの人が忘れられない...。暑い日の台所事情や、日本各地の美味しそうなものなど、家にも外にもわくわくするエッセイが詰まっている。

  • ★大好きな渋谷のVIRONとBunkamuraが出てきた!嬉しい

    ★にんにくのピュレ美味しそう〜〜〜バゲットにステーキにつけて食べたいいい

    ★この前深大寺行った時「TOM」行けばよかったなあ。ジジロアたべたい。

    平松さんの描写力ほんとうにすごい、牡蠣嫌いだけど牡蠣ごはんおいしそう

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著者プロフィール

平松洋子=1958年、倉敷生まれ。東京女子大学卒業。エッセイスト。食文化、暮らし、本のことをテーマに執筆をしている。『買えない味』でBunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。著書に『夜中にジャムを煮る』『平松洋子の台所』『食べる私』『忘れない味』『下着の捨どき』など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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