Black Box (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2022年3月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167918484

みんなの感想まとめ

テーマは、性加害の問題に立ち向かう勇気ある女性の実体験と、その背後にある社会の構造です。著者は、自身が被害者でありながらも、ジャーナリストとしての夢を追い続け、性暴力に対する偏見や司法の甘さに立ち向か...

感想・レビュー・書評

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  • 伊藤詩織『Black Box』文春文庫。

    各種メディアで取り上げられ、話題になったノンフィクションの文庫化。

    正直に言うと、本書を読む前には著者の伊藤詩織が本当にレイプ被害を受けたのかと疑念を感じていた。ジャーナリストを名乗る伊藤詩織のジャーナリストとしての活動成果などは全く知らないし、その洗練されたルックスからどうしても胡散臭さを感じてしまうのだ。

    自分が知り得たネットなどの乏しい情報を整理すると、ジャーナリスト志望の伊藤詩織が仕事を世話してもらうために会ったTBSワシントン支局長の山口敬之によりレイプされたと訴えるが、山口敬之が当時の総理大臣の安倍晋三の友達だったことから不起訴になったというものである。

    果たして、自分が本書を読む前に抱いていた疑念や胡散臭さは払拭されるのだろうか……

    読み始めると、ルックスの良さは幼い頃からモデルをやっていたのかと納得。

    さて、問題のレイプ事件。これが事実であれば大犯罪であるが、本書を読む限りは物証が無く、当人の曖昧な記憶や思い込みによることばかりが羅列されており、読む前に抱いていた疑念や胡散臭さは全く払拭されなかった。デートレイプドラッグの可能性まで持ち出すが、これも証拠は無く、いよいよ疑念は増すばかりであった。

    どうして事件直後に警察に訴え、相手を拘束しなかったのか。どうしてレイプした男に何度もメールで仕事の世話を依頼するのか。海外経験が長いと言う割りには驚く程の脇の甘さ。その他、自身の証言を補強するかのように取って付けたような描写の数々。疑問ばかりが残る。



    中学校生活を病気で棒に振り、日本から逃げるように海外留学。どこの高校を卒業したのか解らないが、海外の大学に修学しながらジャーナリストを目指す。

    ニューヨークで知り合ったTBSワシントン支局長の山口敬之に仕事を紹介してもらうために日本で会う。二人切りで串焼き屋、寿司屋と飲み歩き、寿司屋で日本酒を飲むと意識が途切れ、気が付いたら山口敬之が宿泊するホテルの部屋でPCのカメラで撮影されながら犯されていたと主張している。

    その後、デートレイプドラッグを用いられて前後不覚となり、タクシーでホテルに連れ込まれてレイプされたと訴えるが、物証は無く、ホテルの密室で行われたことを証明する手立ては無い。



    灰色の結末。事実は闇の中……

    伊藤詩織には触れてはいけない何やら危険なものを感じる。

    本体価格800円
    ★★★

  • 数年前にこの本を知った時、著者の伊藤詩織さんのことを知り、興味はあったのだけど何となく重い内容だし、難しいのかと思い躊躇していた。
    最近になって、性加害のニュースをよく見かけるようになり、この本の事を思い出し読んでみた。
    意外にも読みやすく、内容がどんどん頭の中に入ってきた。久し振りに夢中になって読んだ。

    まず、この本を読んで率直に感じたこと。もし、日本で自分の身や家族の身にこのような事が起きたとしても、日本の警察は助けてくれないのだということ。そればかりか示談を勧められたり、『よくあることだから』で片付けられるかもしれないということ。勇気を持って訴えても
    親身になって聞いて貰える機関は少ないと知った。これはとても怖いことだ。誰にでも起こり得ることなのだから。
    日本もいつかスゥエーデンのような国になることはあるのだろうか。


    伊藤詩織さんはとても強い人だとは思う。
    ジャーナリストを目指していた彼女は、この日本の性加害に対しての司法の甘さ、被害者に対してのシステムも確立されていないことを何とかしようと奮闘する。それは、地に這いつくばるような苦労と絶望の連続だったに違いない。

    伊藤詩織さんについては色々な意見が世間からもあるようだけど、私は彼女のことが好きだし、尊敬する。
    ジャーナリストを目指しているからと言って、ここまでのことを成し遂げられる努力が出来る人はなかなかいないのではないか?しかも、自分も被害者だというのに。精神的にも大変だったはずだ。
    そして、彼女の努力の甲斐あって、
    山口氏の性加害については認められた。この山口氏、会見で伊藤さんの事を嘘つき呼ばわりしていた。
    本当に卑劣な男である。

    そして、更に少しずつではあるけれど日本の性加害に対して声を上げられる女性も出てきたこと、法律についても進んできている。

    声を上げなければ何も変えられない。彼女の勇気ある行動によって、前を向いて生きられるようになった女性も、きっと多い事だろうと思う。

    彼女のこれからの活躍も応援したい。

  • 【社会を変え続けるジャーナリスト、渾身の手記】「そうは言ってもあなたも悪かったんじゃないの?」社会システムの隅々まではびこる性暴力被害者への偏見。立ち上がり闘う魂の記録。

  • ずっと読みたい、読まなければと思っていた本。
    何度も挫けそうに、心が折れそうになりながら、涙を流しながら、この本を書きあげた伊藤詩織さんの姿が想像でき、私も何度も涙が出た。
    彼女が受けた被害を綿密に書き記すというよりも、「あの時、私はどうすればよかったのか」、「日本にこんな制度や機関があればいいのか」など、今後この本を手に取る読者に向けた情報が至る箇所に盛り込まれており、「もし自分がこの状況に陥ったら」と想像しながら読み進めた。私が伊藤さんの立場になっても、震える足で警察に電話したり、緊急外来に駆け込んだりなんてできない。ましてや、汚された服、傷ついた身体を放って他人に助けを求めるなど、できるはずがない。何も知らない状態だったら、多くの被害者が伊藤さんと同じように行動するだろう。
    そんな、彼女の「後悔」が、今後も多くの被害者の手助けになるだろうと思った。

    また、実際に被害者として受けてきた偏見や批判、理不尽な圧力なども丹念に描かれている。加害者が、政界と密接に関わる大物だったことも関係しているのか、捜査は難航を極めた。伊藤さんはその度に、幾度も心が折れそうになりながら、食らいついた。時には膝を折り、動けなくなる日々もあったという。私は、彼女と同じ仕事に就く身として、この話を絶望的な目線で読み進めた。自分が入る世界は、こうなんだなと思い知らされ、打ちのめされた。正直、自信がなくなった。
    同時に、伊藤さんのように闘い続ける女性を、もっと知りたい、聴きたい、書きたい、そしてできることなら支えたい、力になりたいとも思った。
    これからの私の人生にも大きく影響する本だった。
    伊藤詩織さんを、今後も陰ながら応援しています。

  • 女性に読んで貰いたい、切実に。

    ってな事で、伊藤詩織の『Black Box』

    ジャーナリストに成りたいと夢見た伊藤詩織さんが、TBSのワシントン支局長の山口敬之にレイプされた事件。

    ちょっと前にニュースにもなってたけど、権力に押し潰された感が満載な出来事。

    レイプや痴漢等々の性犯罪で泣き寝入りせざるを得ない人々をもう出さない為に、世の中を変える為に立ち上がった伊藤詩織さんが自分の心と身を削りながら戦って来たノンフィクション。

    起こってはいけんけど、万が一もし被害にあった時の対応、未然に防ぐ対策の参考になるはずなんでマジで読んで欲しいものです。

    2018年76冊目

  • 1警察が捜査に消極的
    2山口氏、当日の行動の不自然さ、整合性のなさ
    3社会的地位があれば逃げたりしない?
    4行為があったか、合意があったか
    (noと言わないとyes?)
    5デートレイプドラッグによる記憶の健忘
    6恐怖による擬死、精神的解離

    メアリーFカルバート
    ジョンクラカワ-

  • 開発目標5:ジェンダー平等を実現しよう
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50278893

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著者プロフィール

1989年生まれ。ジャーナリスト。「アルジャジーラ」「エコノミスト」「ロイター」などの映像ニュースやドキュメンタリーなどの制作を行う。著書『ブラックボックス』(文藝春秋)

「2018年 『しゃべり尽くそう! 私たちの新フェミニズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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