耳袋秘帖 南町奉行と餓舎髑髏 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2022年6月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167918569

作品紹介・あらすじ

浅草橋近くにある海産物問屋〈三陸屋〉が、朝になるのに戸が開かない。
もしや、押し込みが入って皆殺しにでもされたのではと騒ぎになり、同心・土久呂凶四郎が戸を破って入ると店の中は血まみれ。
奥に手代が一人倒れていて、壁に「がしゃどくろ」と血文字で書かれている。
店にはまだ十名ほど人がいたはず。
奥にある巨大な蔵から、がしゃがしゃという奇妙な音がする。
鍵を破って戸を開くと、遺体の判別がつかないほどのむごたらしい有り様だった。
そして隣家の旗本までも血塗れで昏倒していた。
これは餓舎髑髏の仕業なのか?
「耳袋秘帖」好評の南町奉行シリーズ第3弾!

みんなの感想まとめ

緊迫感あふれる事件とキャラクターの魅力が交錯する本作では、海産物問屋〈三陸屋〉での凄惨な殺人事件が描かれています。十人以上のバラバラ死体が発見され、血文字で「がしゃどくろ」と書かれた現場は、シリーズの...

感想・レビュー・書評

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  • 〈耳袋秘帖・南町奉行〉シリーズ第三作。第二作は図書館になかったため飛ばして第三作を読んだが特に支障はなかった。

    今回は海産物問屋〈三陸屋〉で一家や奉公人たち十人以上がバラバラ遺体となって発見されるという凄惨な事件で幕開け。現場には『がしゃどくろ』という血文字が残され、遺体のほとんどが押し込められていた蔵からは『ガシャガシャ』という奇怪な音が。
    犯人が逃げ込んだと思われる隣家の旗本・高瀬家でも主が襲われ、天井には大きな穴が開いている。
    更には両家の裏手にある常信寺では断食修業中に疫病に罹って死ぬ者が続出、彼らが化けて出るという。

    人間の仕業とは思えない凄惨さやそこに至る様々な噂話から、事件関係者や周囲の人々どころか評定所ですら化け物の仕業だと結論付ける。
    だがもちろん根岸はそうは考えない。
    『魑魅魍魎のしわざにしたかったのだろうな…それと、ああまでしたのには、ほかにもわけがあるのかもしれぬな』

    「耳袋秘帖」なる奇妙な話を集めている(集まってくる)根岸だが、彼は常に物事をフラットな目で見ている。亡き妻・たかの幽霊とも普通に話しているし、一方で魑魅魍魎の仕業としか思えないような奇妙な出来事も表面上に見えているものだけに振り回されず、物事の根本を見ようとしている。

    そんな根岸をサポートする部下たちも今回は大部分が活躍。
    凶四郎・源次コンビは三陸屋を、雨傘屋は遺体の骨を検分、しめさんは例によって聞き込みテクニックを発揮、椀田は常信寺を、宮尾は高瀬家を担当。残念ながら栗田・坂巻コンビは出てこなかったが、代わりに松平定信が大いに役立ってくれた。

    事件の様相としては予想できた部分もあったが、それ以上におぞましい話でもあった。魑魅魍魎とは人間の中にあるものなのか。
    最後の根岸の、歌舞伎で言うところの見得のような言葉が全てだったし気持ちよかった。

    個人的には雨傘屋の頑張りは嬉しい。被害者の遺骨の検分という辛い仕事だが、一時挫折しそうになりながらも根岸の励ましにより辛抱強く続けた結果、真相に至る一つのきっかけになった。今後もこうした立ち位置で根岸をサポートすることになるのだろうか。

    ところで表紙の女性はもしかしてしめさんか? 作中ではおばあさんのように描かれているし、ばあさんと言われているが表紙の女性は若い。もう一人は凶四郎? こちらもずいぶん美形で、これなら川柳の師匠でなくとも好意を持たれそうだ。

    ※耳袋秘帖・南町奉行シリーズ作品一覧
    ★はレビュー登録あり
    ①「南町奉行と大凶寺」★
    ②「南町奉行と深泥沼」
    ③「南町奉行と餓舎髑髏」★

  • 南町奉行シリーズ、第3弾、読みました。
    これまでと登場人物は、変わらず、今回はしめさんはあまり出ず、椀田、宮尾、雨傘屋とともに根岸奉行が中心です。
    筋は全て最後に一つに帰結しました。
    最後は、遠山の金さんみたいな、大団円でした。三つの悪事、悪党が出て来て、少し分からなくなりましたが。
    また、次巻に期待ですね。
    特に雨傘屋は、鑑定を主にするようにでもなるのかなあ。

  • 耳袋秘帖シリーズ「南町奉行」編・第三弾。

    海産物問屋〈三陸屋〉の蔵の中で、十人以上ものバラバラ死体が見つかります。
    さらに、ただ一人店内で殺されていた手代のかたわらには血文字で「がしゃどくろ」と書かれていて・・・。

    長年耳袋秘帖シリーズを読んできて、様々な風変わりな事件がありましたが、今回の現場はトップクラスに入る凄惨さでしたね。
    この度も“チーム根岸”の面々・・凶四郎さん、椀田さん、宮尾さん、雨傘屋、しめさん等々の、役割分担がしっかりできていて、各人の成果を根岸奉行がまとめ上げるという鉄板の流れで、安心して読めました。
    個人的には今回の敢闘賞は雨傘屋かなと思います。バラバラになった骨から個人を割り出すという、気が遠くなるような、そしてメンタルが削られるような、何気に一番大変な仕事だったと思います。雨傘屋、お疲れ様でした。
    “ご近所三悪党”の身勝手な利害で、とんでもなくおぞましい事件が起こってしまったわけですが、今回は寺社奉行・脇坂淡路守(『閻魔裁き』の人と同一とみて良いのかな?)が協力的だったのも良かったですね。
    “チーム根岸”といえば、前巻で栗田さんがチョイ出演していましたが、坂巻さんの再登場も心待ちにしております。

  • 安定の面白さ。気軽に読めて、心地よい読書体験を提供してくれる。

  • 2022年6月文春文庫刊。書き下ろし。耳袋秘帳南町奉行シリーズ3作目。長編。稀代の妖物餓者髑髏による陰惨な殺人事件を南町奉行所の精鋭が解き明かす。ラストの謎解きが見事でした。評定所で謎解きする根岸肥前守のあっはっは笑いが陰惨さを吹き飛ばしてくれました。

  • 根岸ファミリー全員登場!話もよくできていて面白かったです
    馬が合う寺社奉行脇坂淡路守ってあの人ですね~
    最後の雄叫びはいつもの根岸らしくない。まさか遠山の金さん路線に変更?

  • こんな隣同士で悪党が揃うとは、これこそが悪夢。

  • エンタメ時代劇。ホラー要素たっぷり。こういう時代劇をドラマでまた見たいです。

  • 風野真知雄さんは、人情の機微豊かなほっこりした物語にも魅力はあるが、この耳袋シリーズの不思議で大きな謎解きを含んだ物語はまさに風野ワールド!

    今回も冒頭から、妖の恐ろしい事件が始まるのだが、のめり込んで引き寄せられるように読んでしまった。
    流石である。

  • 【江戸最恐のあやかし登場! いったい何人が食われたのか?】浅草橋の海産物問屋で十人を超える大量殺人が発生。隣家の旗本も血まみれで昏倒。現場の屋敷の壁には「がしゃどくろ」の血文字が。

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著者プロフィール

かぜの・まちお
1951年生まれ。’93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞してデビュー。主な著書には『わるじい慈剣帖』(双葉文庫)、『姫は、三十一』(角川文庫)『大名やくざ』(幻冬舎時代小説文庫)、『占い同心 鬼堂民斎』(祥伝社文庫)などの文庫書下ろしシリーズのほか、単行本に『卜伝飄々』などがある。『妻は、くノ一』は市川染五郎の主演でテレビドラマ化され人気を博した。2015年、『耳袋秘帖』シリーズ(文春文庫)で第4回歴史時代作家クラブシリーズ賞を、『沙羅沙羅越え』(KADOKAWA)で第21回中山義秀文学賞を受賞した。「この時代小説がすごい! 2016年版」(宝島社)では文庫書下ろし部門作家別ランキング1位。絶大な実力と人気の時代小説家。本作は「潜入 味見方同心」シリーズの完結作。



「2023年 『潜入 味見方同心(六) 肉欲もりもり不精進料理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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