- 文藝春秋 (2022年5月10日発売)
本棚登録 : 2011人
感想 : 119件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784167918828
作品紹介・あらすじ
すべての幸福は食から始まる。世界一のレストランの殺気に満ちた食事に、味に表情がある学食のカレー。平和なフルーツサンド界を脅かす圧倒的存在や、想像力を逞しくさせる嫌いな味。スーパーマーケットの目を引く陳列に、真剣勝負のメニューなど、愛と希望と欲に満ちた、ミレニアル世代の傑作味覚エッセイ。解説・三浦哲哉
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
食をテーマにしたエッセイは、単なる味わいを超え、食べることの楽しさや価値を深く掘り下げています。著者は小学生の頃から食日記をつけており、その情熱が文章に表れています。彼女の言葉選びは魅力的で、食べ物の...
感想・レビュー・書評
-
今まで人より食に興味が薄かった私は平野紗季子さんのpodcast「味な副音声」を聞き始めて以来、平野さんの言葉選びの虜になってしまったし、食は楽しくて素敵なことだと実感できるようになった。
食べることは単なる行為じゃなくて楽しむこと。
食の楽しみ方は「美味しい」と感じるだけじゃなくて「感じたことを言葉にして共有する」とか「ありがたがる」とか色んな楽しみ方があることを知った。
食べ物の価値は食べられることで、無くなることに意味があるというのは何ともへんてこだと思う。
食べ物を口に含んで感じた一瞬の尊さを言葉に当てはめていく平野さんの華奢な感性がとっても魅力的。
平野さんが小学生のときに書いていたレストランへの感想を読むと、この人は幼いときから半狂乱的に食に取り憑かれていたんだ……と感じられて面白かった。
美味礼賛からの引用部分とか、めちゃくちゃ面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小学生の頃から食日記をつけ続けたフードエッセイストさんによる一冊。
食に関するエッセイというと、結構年配の方が書いたものしか読んだことがなかったのですが、こちらはミレニアル世代の作家さんという事もあるのか、文体も感性も瑞々しく軽やか。実際の店名・書名を出した紹介も多く、写真もふんだんに使われていて、ぱらぱらと眺めているだけでも楽しいです。
かといって軽いだけではなく、食という刹那の快楽に真剣に向き合っている様子は好感が持てます。食や味覚、未知の快楽を愛する自由で真面目な食エッセイ。
現在は、本書で紹介されているお店も閉店しまっている所が多いのが少し悲しい部分です。 -
カオスな感覚。一瞬の輝き。食べ物の生を感じさせる表現。それに出会った時の感情。刺激的な本でした。
-
今まで読んだ食エッセイとは違っていて、味のある写真と詩的な言葉の並びが新鮮でした。次はどんな話かなとページをめくる瞬間は、コース料理が運ばれてくる前とどこか似ている。ロイヤルホストの小林さん(仮)観察記録は物語のようで好きでした。
-
あなたのおかげで/せいで、わたしの食の価値観に動揺が走っている。
おいしい!の四字でこれまで済んできた感想が、もこ、もこと増殖する。
軒を連ねる飲食店の波間でいつまで経ってもココ!と決めかねる。
やっと入った店でトンデモない大枚を叩いて、美味を礼賛する。
ふだんの昼食が粗食だったのかもしれないと悲しげに振り返る。
来月給料が入ったらフレンチレストランに行こうかなーと夢想する。
そんなことは今まで絶対になかった。
禍福はあざなえる縄のごとし。
空腹は飽き足らぬ雛のごとし。
平野という化鳥をわたしは親と判断してしまった。 -
平野紗希子さんというフードエッセイストのおいしさに溢れた本。
NHKでも「連食テレビエッセー きみと食べたい」という番組をやってるのを見た。門脇麦さんと島原へ、上野樹里さんと富山へ橋本愛さんと余市へ、食の扉を開きに行ってた。各地の地のものを活かした料理を、女性2人で目をつぶって味わう。平野紗希子さんは本当に食べること、食が大好きなんだ、と感じた。
子供の頃から「食日記」をつけていたという平野さん。食を愛して、愛してやまない。そんな彼女の食を中心とした、様々な愛のカタチを綴ったエッセイがこの本だろう。
“食べ物が身体に入った時とかお店に入った時に心揺さぶられることの中毒なんだよね”
と言う彼女の食への愛やワクワクがてんこ盛りの本を読んでいたら、たまにはレストラン、という風情の店で食事したくなった。 -
この人のポッドキャストであったり文章は、なにか理由を言語化できないのだけどなんとなく調子の良さ的な部分に生理的な苦手意識がある一方で、ところどころ光る感性の表現部分が刺さるところもあり、自分の中で評価が両極端で同時に混在している。
ただ、他の作品の紹介であったり、業界関係者との関わりが広そうで、ここから起点に興味を広げていくのはよさそう。 -
-
エッセイというのか評論というのか。表現力と観察力、発想の豊かさに脱帽した。なんと言っても人に見てもらうことを意識していないように思える書きぶりがいい。出会って良かった本だ。
-
フルーツサンドは喧嘩をしない。フルーツサンドには平和がある。
食をめぐるエンタメ?のひとつとして、食べ物狂の平野さんのエッセイを楽しく読むのはもちろん、個人的には、味な副音声をはじめその類稀なるワードセンスに魅力されて読み進めてしまう。dancyuの見出しがどうしてもエロいとか、1000円ランチに申し訳ていどについてきたグリーンサラダで東京のコンクリートジャングルを埋めるんだ〜(不確か)みたいな独特の視点は、モノの見方としてとても勉強になる。 -
食べることに対する探究心。宝石のようにきらめく表現力。好きだ。
新刊が出たので再読。 -
味な副音声から平野紗希子さんのことを知り、
大好きすぎて著書にたどり着く。
なんとも柔らかいお声が感じられつつも
強いこだわりと独自の世界観…おもしろかったです。
どうやったらこんなこと感じられるんだろう? -
面白かった!
巻頭の「食べ歩きダイアリー」がよかった。
文章じたいは、中学生が思ったことをそのまんま書いたようなものだが、イラストや写真も多く、自由帳に近い。
楽しめた。
-
もはやエッセイを超えて詩、スケッチブック。
-
旅のお供に最適な本だった。
新しい感性の食にまつわるエッセイ?お風呂パピコは夢がある。あげられていた他の料理にかんする本も読んでみたい -
自分の欲望と嗜好にとことん忠実な著者の文章は、鋭く、美しい。出版物だからと言って誰に忖度することもなく、美味しいものは美味しい、まずいものはまずいと言いきるところに彼女の潔さと食への深い愛を感じた。
-
最近、文庫の新刊エッセイとなると食べものに関するものがとても多いなあと感じていました。
しかしこの本は「食べる文化」をこよなく愛するガチのエッセイです。かなり勉強になりました。
しかし堅苦しい本では全くありません。
気軽にさくさくと読めます。
もう閉店してしまったお店も多いですが、写真も素敵でパラパラめくるだけでも楽しいです。
著者プロフィール
平野紗季子の作品
