- Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167918880
感想・レビュー・書評
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今野敏、誉田哲也、堂場瞬一、大門剛明、長岡弘樹、沢村鐵、鳴神響一『偽りの捜査線 警察小説アンソロジー』文春文庫。
7人の作家が描く警察短編小説を収録したアンソロジー。面白かったのは長岡弘樹『裏庭のある交番』のみ。連載小説の一部のみの掲載だったり、駄作と凡作のオンパレード。
これだけの作家を集めて、よくこれだけのレベルの低い作品を選定したものだ。
誉田哲也『レイン』。ノンシリーズの公安物。少し意外な展開と結末ではあったが、ストーリーは単純で捻りは無い。所轄からの要請で、公安警察の佐島賢太が大学時代の同級生を殺人容疑で取り調べることになる。★★★
大門剛明『手綱を引く』。警察犬をテーマにした珍しい短編。テーマは面白いが解りにくいミステリー。結末もグレーで消化不良。老いた警察犬が選んだ臭いが冤罪を生んだのか、それとも……★★★
堂場瞬一『手口』。新米刑事が捜査を通じて成長する姿を描いた短編。特徴のある手口の居直り強盗。犯人は住人を殺害し、逃亡する。★★★
鳴神響一『虚飾の代償』。書き下ろし。怪盗タイガーズアイと警察の攻防を描くライトな短編。最後の謎解きは面白いが……★★★
長岡弘樹『裏庭のある交番』。二人の警察官が立て続けに自殺した交番。その自殺の謎を解き明かす警察OGの非常勤相談員。見事な推理とトリックは長岡弘樹ならでは。★★★★
沢村鐵『類いまれなるランデブー』。JAXAを舞台にした殺人事件。相変わらず沢村鐵の作品はよく解らない。そして、まさかの尻切れトンボ。連載小説のごく一部なのか。読むに値せず。★
今野敏『ニンジャ』。公安外事物。連載小説の一部のみの掲載なのか。『ニンジャ』という言葉が登場しただけで終わってしまった。★
本体価格820円
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警察小説を得意とする実力派作家にて固められた警察小説アンソロジー。
一言で警察と言っても色んな組織があり、本作においても、公安刑事、警察犬担当、新任刑事、県警本部捜査刑事、交番勤務の警察官、県警本部刑事、公安刑事とバラエティ豊かな内容。
短編ならではのキレ味鋭いオチ。短編らしからぬ味のある余韻を持つもの。シリーズ化してほしいなと思えるような魅力的なキャラクターや舞台設定のもの。いずれも読み応え抜群の7作品。 -
読みやすい長さだけど読み応えがある。初めて読んだ作家もいたが好きな作風だったので、長編も読んでみたい。特定の作家に偏りがちなのでオムニバスは新境地を見つけるのに役立つ。
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【収録作品】「レイン」誉田哲也/「手綱を引く」大門剛明/「手口」堂場瞬一/「虚飾の代償」鳴神響一/「裏庭のある交番」長岡弘樹/「類いまれなるランデブー」沢村鐵/「ニンジャ」今野敏
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2023/3/18読了。
警察もののアンソロジー。
作家それぞれの個性が垣間見えて楽しい。
そしてやっぱり「誉田哲也」が私の中では一番だった。
好みって変わらない(笑) -
面白かった。やっぱり今野敏が好き。
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初読みの作家さんもいて
楽しめました。 -
警察小説アンソロジー。
知ってる作家さんは長岡弘樹氏だけだった。
”手綱を引く”(大門剛明)、警察犬ってこういうふう匂いの訓練させていとのかとか勉強になった。
この手綱を引くと誉田哲也の”レイン”とやはり長岡弘樹の”裏庭のある交番”が面白かったかな。