震雷の人 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2022年6月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784167918934

作品紹介・あらすじ

★中華時代小説の新鋭が放つ、松本清張賞受賞の大河武侠小説

〈安史の乱〉により未曾有の混乱に陥った唐で、
言葉の力を信じ、戦禍の流れを変えるべく奔走した顔季明。
彼の言葉を胸に、武芸に秀でた許嫁の張采春は故郷を出奔し、
采春の兄の張永は叛乱軍との戦へ身を投じた。
袂を分かった兄妹の運命は戦場にて思わぬ形で交差する――。

約3600万人もの犠牲者が出たと言われる〈安史の乱〉を背景に、
言葉の力で世を動かしたいという一心で文官を志す名家の青年と、
理不尽な理由で世間からつまはじきにされてきた地方の兄妹の
運命の出会いが唐の歴史を大きく動かす。
手に汗握るアクション、ハラハラする謀略、
そしてかけがえのない友情と愛情……。
そのすべてが詰まった、圧倒的スケールの武侠小説登場!
(解説 三田主水)


第27回松本清張賞受賞作。

みんなの感想まとめ

歴史の渦中に翻弄される人々の物語が描かれています。舞台は唐の時代、安史の乱という歴史的事件を背景に、地方の兄妹と文官を目指す青年の運命が交錯します。武術に秀でた妹・張采春、武官の兄・張永、そして彼らの...

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は中国唐の時代、政治の中心は楊貴妃の一族が台頭するなか、節度使の安禄山の勢力が対立し叛乱を起こす、世に言う【安史の乱】が物語の背景にある。

    ・安禄山は平家物語の冒頭にも遠い国で叛乱を起こした人の一人として挙げられている。
    ・安史の乱は安禄山とその部下の史思明が起こした叛乱とされている。

    その程度の知識しかありませんが本書を手にしました。


    物語の主人公達は【安史の乱】の中心にいた人達ではなく【安史の乱】の影響を受ける地方の人々の話です。

    主人公の張永は平原の武官、妹の張采春は危なっかしいけど そこそこの武術の達人、張采春の許嫁の顔季明は名家の御坊ちゃまではあるが芯があり文官を目指す好青年!

    この3人が安史の乱に巻き込まれ時代に翻弄されていく・・・

    本作を読むきっかけは、書店で同作家の【戴天】を手に取り、戴天の前に本作を書き上げている事から読もうと思いました。

    武術の達人が出てくる歴史小説は面白いと思いました!!!
    それと、三国志や水滸伝以外の歴史を埋めていきたいと改めて思いました!!

    本作の注目部分は安史の乱に対して市井の人々が何と思っているか、地方の人々が何と思っているか?官僚達の思いと地方公務員の思いと市井に生きる人々の思いの差が注目の部分です。

    今後、政治に携わろうとする人達には読んでほしいと思いました。


    それと、安史の乱でとんでもなく人が死んでいる事に驚きました!!!

  • 乱世に鳴り響く、悲しき悲願の物語。
    私は私の言葉に信に突き進む。

  •  実は文庫化する前の単行本が積読になってまして。

     しかし文庫版を読み始めたら止まらなくて一気読み。

     この時代に生きている人々の切ない苦しい戦火の中で生き様は胸を打つ物語でした。

  • 【書評】『震雷の人』千葉ともこ著 スリリングな古代冒険譚 - 産経ニュース(2020/9/20)
    https://www.sankei.com/article/20200920-2KVWMITEGZM25FZABRQ4PIM3DY/

    物語で救える感情ある 「震雷の人」で松本清張賞 県職員の千葉ともこさん:東京新聞 TOKYO Web(2020年7月28日)
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/45230

    文春文庫『震雷の人』千葉ともこ | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167918934

  • いやぁ〜!おもしろかった!
    安史の乱に巻き込まれた兄妹を描く、まるで大河ドラマをみているかのような作品…
    松本清張賞受賞作にしてこれがデビュー作
    私は中国の歴史には疎い
    安史の乱についても、巨漢のコスプレおやじの安禄山が部下の史思明と共に反乱を起こしというくらいの知識しかない…(変な知識だけはある…
    まぁとにかくそれでも十分に楽しめる作品!
    もちろん何言ってんのよ!中国史なら任せておいて〜っていう人なら100倍は楽しめるのは間違いない…
    しかしすごいよね!
    史実のなかに架空の人物があたかもそこに実在したかのように生き生きと描かれる
    歴史のしっかりした知識の上に人間ドラマがある!
    読者はそこから知識も得られて、ちょっぴり賢くなった気になれる…(笑)
    だから史実に基づく作品なんてのは大好きよ
    まぁ、とにかく安史の乱について難しい参考書を開かなくても、映画を鑑賞しているように学べる上に、極上のエンターテイメントを味わえる…
    安史の乱に巻き込まれた心優しい武人の兄・張永と男以上に剣や弓を操る女傑の妹・張采春、その婿となるはずだった文人の顔季明
    この3人を中心に物語は進むのだが
    (兄妹は架空の人物)
    彼らは唐という国の荒波に揉まれていく…
    そして、兄妹にとっては憎き安禄山の息子、安慶緒の描き方がこの作品の要!
    「一字は、天地を揺るがすほどの力を持つと」…

  • 予想通り、面白かった。多少展開に疑問な点がないわけでもないが(特に中盤辺り)、デビュー作にしてここまで書けるのは凄い。『戴天』も楽しみ。

    「永」の字や顔真卿など、千葉さんは書道にも造詣が深いのかな。「祭姪文稿」、感情を込めて書いてみたくなった。

  • 地の文がしっかりとして読みやすい。

  • 面白い。文章もいい。スピード感が心地よい。ストーリーも半分以上知っているはずが、それでも引き込まれる。
    震雷の人とは、文字によって人を動かす人のこと。この本でその筆頭は顔季明だ。顔真卿の甥。そうあの「祭姪文稿」の宛先ではないか。最後の最後を読むまで気づいていなかった。不覚。あの人の魂を揺さぶる書はこういう場面で、こういう人に対して書かれたものであった。それにしても季明は、作者の想像の人物造形だろう。素晴らしい。でも惜しい。本書の半分で死んでしまうとは。
    ただこの本にはあと何人も面白い人物が続くのだ。最後まで一気読み。

  • 教科書では1行で終わる反乱も、実際には沢山の犠牲があって、それぞれの人生があったんだと考えさせられた。
    この本を読むまでは安禄山、史思明、顔真卿の3人しか知らなかったけど、あえて最後まで史実に基づくのは誰か調べず読んだから、最後の1ページでへええ、となったし、そこに書かれてた作品もすぐ調べた。

  • 世の中を動かすものは暴力でなく、言葉の力。
    一時的には暴力で動かされてしまうけども、普遍で不変の力を持って世界を動かし変えてゆくのが、言葉の力。
    それを信じ行動した顔季明の生き様に共鳴し、激動の安史の乱を戦い抜いた張兄妹の物語。

    顔季明は戦乱の中で命を落としますが、彼の目指したものを張兄妹がそれぞれの生き方でつなぎ残すことで、少しずつ変わっていこうとします。
    その歩みは遅く劇的な変化が見えないために、軽んじられがちな言葉の力ですが、多くの人々の中に確実に残り変えてゆく。それを信じて己の信念として戦い続ける二人の兄妹の生き方は美しく誇り高い。
    武侠の生き様とはこうであるもの、という心地よさをラストまで読み進めれば味わうことができる物語です。

    安慶緒が変化してゆく様がとても良い。彼の結末は史実で明らかなのですが、暴虐無尽から変化しようともがいている様子が窺えるのがよいです。
    史実から、それが途中で挫折するであろうことも予想できます。それを踏まえた上で、彼が変化しようとしているのがいいのです。
    長く困難な道であろうとも、理想を目指して進もうとする姿。まさか、安慶緒にそれを見せられるとは。

  • 中国唐代の安史の乱を舞台にした武侠小説。
    地方の軍隊長の兄と武芸に秀でた妹、文官を目指す青年、三人の怒涛の物語。運命という濁流に飲み込まれるも流されず、悪い流れに抗い、己が道を見つけ出し進んでいく。
    とてつもない面白さ。采春(妹)のカッコ良さに痺れる!

  • ☆4.0

    文庫化で大量に加筆修正しているらしいので、単行本より文庫で読むのがおすすめ。
    一つの石を投げ入れた波紋はただ消えるのみにあらず。
    その波紋に触れたものの中に何かを生み出し何かを変えることだってできるのだ。
    安史の乱のこともう少し勉強してまた読みたいな。

  • 大河歴史小説。安禄山の乱は全く知らない身でしたがとても面白かった!
    敵も味方も一筋縄ではいかない人間臭さがあります。

    ページをめくったとき、采春、の2文字が目に飛び込んできたときのワクワク感といったら!女の子が魅力的!

  • 時間潰しに、たまたま入った本屋で手に取ったものだったのに、こんな凄い物語に行き当たるなんて、まさに、宝くじに当たったような気分だ。それも、僕より20歳以上も若い女性が書いたとは、驚きだ!

  • めちゃくちゃ面白かった。久しぶりに読んだ中国歴史もの。唐の時代、安史の乱の庶民サイドから見た物語で先の展開が見えないのとたまに出てくる有名人におお~となりながらの一気読みでした。
    まず釆春がとにかくすごいです。あの時代で、女性で、規格外。女性でも己にまっすぐに生きていいんだと周囲にも勇気を与えてる気がする。
    そして全体を通してのテーマは、戦乱の時代において、書や言葉は意味がないように見えて実は一番力をもつ。「一字、震雷のごとし」
    感動しました。

  • 松本清張賞受賞。唐の時代に起きた安史の乱を題材に、兄妹と妹の婚約者の文官との出会いが大いなるうねりを生むことに。歴史大河ドラマとしても骨太で、争いの凄惨さに心が痛い。今も世界で起きる戦争、内紛、その他大なり小なりの争いで多くの人が死んでいる。新型コロナからの戦争、嫌な流れを止めることは、この世界で生きる者として何ができるのか考えていかなくてはならない。

  • 凛々しいヒロインが活躍する様が、現代のアクション映画のようでした。

  • 【運命に抗う兄妹! 清張賞受賞の大河武侠小説】「世を動かしたい」。唐を揺るがす未曾有の大乱によって大切な人を失った兄妹は、運命に抗うため過酷な戦へと身を投じる。

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