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本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167919085
作品紹介・あらすじ
★学長選挙に暗躍するダーク・ヒーローあらわる!
『月まで三キロ』『八月の銀の雪』など
科学をテーマにしたエンタメ小説の書き手として注目の高まる
伊与原新が放つ異色のミステリ登場。
舞台は学長選挙の迫る地方国立大学。
候補者をめぐる怪情報が飛び交い、
権謀術数のうずまく学校に赴任してきたのは
准教授の〝フクロウ〟こと袋井。
昼はいつも眠たげで無気力なのに、
夜になると活動を始める〝夜行性〟のフクロウは
学内で次々と起こるトラブルに首を突っ込み、
思わぬ方法で有力教授のスキャンダルを暴きだす。
果たして彼の目的とは――。
袋井の暗躍によって選挙のゆくえは二転三転。
ラストまで油断厳禁!
あなたは何回ダマされる?
感想・レビュー・書評
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「袋井がゆっくり首を回した。獲物をさだめた猛禽の目が、不気味な光を宿す。
『ーほう』フクロウが鳴いた。
これまで聞いたことのない、深く響きわたる鳴き声だった」
夜にならないと覚醒しない袋井凖教授
大学の学長選挙をめぐる
あーだこーだの中で
誰もが考えもつかないことで
皆を丸め込んでいく
が、しかし実は‥‥
おもしろ、おかしく読めた!
一見ぼんやりとしている袋井の
なんとも、気の抜けた活躍
『ほう』と鳴く姿が浮かぶようで
爽快でした♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
伊与原新さんの作品は初めて読みました。
これは、大学の学長選挙をテーマにした話で、いろいろ陰謀渦巻き面白かった。実際の大学でもこんな感じなのかなと思うとゾッとするけど。
フクロウ准教授がてっきり主役だと思うけど実はそうではない、ミステリアスな一存在なところが、斬新。 -
舞台は地方国立大学。
学長選挙が近づくこの大学に赴任してきたのは、昼夜逆転生活を送っている袋井准教授。
影では"フクロウ"というあだ名で呼ばれる彼が、学内の問題を解き明かしつつ、各学部の学長候補の不正を暴いていく…
研究分野によって学内でも力の強い弱いがあるし、集団の利益のために動く者も、個々の利益で動く者もいる。
大学生の立場ではなかなか体感できない学内政治のあれこれが描かれていておもしろかったです。
大学の側にある喫茶店のママが情報通…というのもありそう。
フクロウは切れ者ではあるものの、周囲からは奇人扱いされる掴みどころのない人物なので、彼の目的や一体どんな人物なのかを見届けたくてぐいぐい読んでしまいました。 -
伊与原さんの本が好きな人には、物足りなく感じてしまうかもしれない…私も含めて。
大学の派閥争いというテーマが作風に合わなかったのか、フクロウ准教授という人の掘り下げが足りなかったのか。もう少し膨らませることが出来たなら、面白かったかもしれない1冊。 -
大学の学長選が近付き陰謀が張り巡らされる中飛び回るフクロウの話。大学の裏側から闇を見て、各々の思惑に奔走する。吉川さんが不憫で応援したいし袋井の掴めさなとフクロウっぷりが面白い。地学系の話じゃなかったけど大学ミステリって感じで好きだった。
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昼は居眠りばかりだが、一晩中研究室の明かりがついているという……袋井准教授、通称「フクロウ」が解き明かす?仕掛ける?大学ミステリー。
大学ミステリーって何だよ、と思いながら……学長選挙を前に、学部長たちが暗躍する大学の構図を、吉川という一講師の目を通して、うまく描いている。
何より、何も知らない吉川先生と、全てを見通すフクロウ准教授のバランスが良くて、どっちにも肩入れし過ぎることなく、最後まで楽しく読めた。 -
伊与原さんは地学とか惑星などを絡んだお話が多いと思っていましたが、こちらは大学の学長選挙に纏わるお話。
キャラが立っていて面白かったです!フクロウはもちろんのこと、カラスも… -
前情報なしで書店で出会って購入した本。
最初の一遍を書店でざっと読んで好きかもと購入したんですがその時に想像してた展開とは全く違ってビビりました。
勝手に思い込んで違っただけで面白かったです!登場人物が多いと名前覚えられない人なので大変でしたね。名前だけじゃなく大学職員の役職に生徒まで出てくるので何度戻ったか! -
面白かったが、最近の作品の方がやはり洗練されていてすきかも。文庫化なだけで、作品自体は2015年。そうと知らずに勝手に新刊かと期待したのがよくなかった。
大学の次期学長選を控えた地方国立大に現れた袋井准教授。昼夜ひっくり返った生活で朝からアルコールの匂いがすることも…あだ名は、フクロウ。猛禽類のように鋭い三白眼で獲物を捕らえ、失脚させていく。
その様子を専任講師、吉川が翻弄されながら最終的には准教授になりながら関わっていく。
スペインの建築学専門、奇抜な変人のフクロウの設定は面白い。 -
2023.8.10
フクロウとカラス
学長選挙を前にした地方の国立大学。思惑渦巻くなか准教授が赴任してくる。(スペインから、わざわざ)名は袋井、渾名はフクロウ。
上司にあたる教授は、出世レースからとうに外れている。渾名はカラス。
何のために?誰のために?
頭の中に"?"をたくさん浮かべながら読み進む。
ほぼ大学内で進行する話のアクセント的存在が、大学近くにある喫茶店クローバー。
"若い頃は美人だったはず"の50代のママが一人で切り盛りしている。情報の集積地。キーパーソン。
刑事ドラマに出てくる小料理屋ってとこかな
少しバタバタとしたエンディング。
それでも、カラスがカラスたる本当の理由と、ママとカラスの昔話は心にジュワっときて、悪い気はしなかった。
著者プロフィール
伊与原新の作品





