侠飯 やみつき人情屋台篇 (8) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2022年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784167919191

作品紹介・あらすじ

旨さも男気もテッパン! 
任侠×グルメの人気シリーズ第8弾


底辺ユーチューバーの葉室浩司は
伸びない再生回数と、最近つれない彼女に悩んでいる。

彼女がバイトするフードフェスを撮影にいったら、
なぜか頬に傷持つ男の屋台を手伝いはめに。

男がつくるまかないは絶品だが、彼女との仲はますます悪化。

さらに隣人トラブルと無差別テロ事件に巻きこまれて人生最大のピンチ。

義理と人情がほとばしる、文庫書き下ろし人気シリーズ。
シリーズ累計35万部突破の第8弾!

みんなの感想まとめ

人生に悩む青年が、任侠の世界で成長する姿を描いた物語は、読者に深い感動を与えます。主人公は、ユーチューバーとしての厳しい現実に直面しながら、義理と人情に満ちた人々と出会い、彼らから人生の大切な教訓を学...

感想・レビュー・書評

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  • 就活中の大学生、ブラック企業の従業員、見習いヤクザ、議員秘書、ペンションのアルバイト、ニート、刑事と続いてきた狂言回しを今作で務めるのはYouTuber。
    今回も、人生に悩める誠実な青年が、柳刃達をヤクザじゃないかと疑いながらも胃袋を掴まれ、人生訓を学び、最終的に性格の良い女子と良い感じになり、ついでに悪者は退治されるという安定のフォーマットに則っている。これは現代の水戸黄門である。

    柳刃兄貴の説く任侠道はどれも胸に沁みる。
    弱気を助け強気を挫く。他人の為に損ができる。他人の幸せを己の得と考えることが出来る。
    親ガチャだとか、自分の境遇は他人と比べて恵まれてないとか言うのは自分のことばかり考えている。他人の役に立つのが幸せだと思えたら、人生に手遅れはない。
    将来を気に病んで、今を粗末にしてはいけない。今を充実させられなければ、将来もずっと悩んでいる。

    本当に全てその通りだ。胸に刺さった。今を大切に、そして他人の役に立って幸せになろう。料理のレシピだけじゃなく、人生のレシピも学べる作品だった。

    今回の狂言回しの浩司はインタビューが上手な印象だったから最後てっきりジャーナリストとかそっちに行くのかと思ったら、意外な結末だった。彼らがその後どうなったのか、今から次作のエピローグを読むのが楽しみだ。

  • ユーチューバーとか、親ガチャとかすっごく今どき!でも「配られたカードで勝負するしかない」って言葉に痺れた…!今が一番若いんだから好きな事、やれる事を後悔しないうちにやれと柳刃さん・火野くんに背中を押された気分。

  • シリーズ第8弾
    今回は稼げてない系ユーチューバー
    …いるだろうね、たくさん

    親ガチャ
    時代ガチャ
    会社ガチャ…
    なんだかんだ言って
    悪いのは自分以外の何かなんだって
    漫然と言い訳しながら暮らしている
    このシリーズ、
    ダメダメさんオンパレードだよね(笑)

    しかし、
    彼らがやってくる
    黙々と作業をし、自分たちの仕事をこなし
    これでもかっ、てほどのおいしい料理を
    お腹いっぱい振る舞ってくれる
    そして皆のなかに新しい感情を呼び込み
    そしてまた次の現場へと去ってゆくのだ

    今回も、
    あー私も会いたい
    この屋台行きたい
    妄想しつつ読んだ
    夜中読んではいけない(笑)

  • シリーズ第8段。
    今回はフードフェス会場前の屋台を拠点に事件の解決を図る流れ。
    毎回、胸に沁みるフレーズがあるとともに、紹介される料理を作りたくなる。
    自我を追求していたらいつまでも幸せを感じることはできない。他者貢献こそが真の生きる道。
    自分もこうありたいと思わせてくれます。

  • 任俠道とは、人のために損をとれることというフレーズに痺れる。
    自分の偏見に気づかずに発する言葉が他人を傷つけることがある。
    将来への不安に囚われて今を粗末にするなということと、自らの経験、知見を踏まえて心構えを構築していくことなど、胆力の大事さを伝える。
    前時代的な価値観かもしれないが、その大切さをエンタメのフォーマットで伝えてくれる小説也。

  • 今回の主人公、葉室浩司(はむろ こうじ)は、売れないユーチューバー。
    大学を出て大手のホテルチェーンに就職したが、コロナ禍で配属先ホテルが休業となり、同期全員と共に希望退職に応じてしまった。
    安定しないバイトで食いつなぐ日々。

    ユーチューバーって、昨今の男子中高生の一番なりたい職業だそうだが、私のようなおばちゃんには、漠然として、やりたいことがわからない系に感じられてしまう。
    すでに手に職や才能があり、それを発信するための手段としてユーチューブを利用する、というのなら理解できるけれど。
    主人公の浩司だって、やっぱり「やりたいことがわからない系」に思える。
    そして、イケメンでないことやセレブの家に生まれなかった事を盛んに、親ガチャに失敗したと何度も繰り返すのだが、今まで「親ガチャに失敗」というのは確かに的を射た言葉ではあるけれど、食事もまともに与えられない、毎日殴られるといった究極に悲惨な事を言うのだと思っていた。
    大学まで出してもらって、親ガチャ失敗とか、甘ったれてるとしか思えない。

    ・・・と言うことを年寄りが頭ごなしに言っても、本人が気づくまでは何も入って行かないのよね。
    柳刃さんたちはそういうことを分かっているから、別のアプローチをするんですよね。
    相変わらず火野さんは、若者視点まで降りてきて対等に話をして、本音を聞き出すのが上手い。
    犯人をはじめ、若者が生きるのに大変な社会であることは否定できない。
    年功序列で終身雇用だった昔の体制は、今では使い物にならない古い家電品みたいなものだが、能力の低い人間でもそこそこ真面目に勤務すれば生きていける制度でもあったのだ。
    今後も、何年後には存在しない職業、というのがどんどん出てきて、世の中変わっていくだろう。
    難しいな。
    とはいえ、今回の柳刃さんのプレゼントにはちょっと意表をつかれた。
    第一弾の、就活生にリクルートスーツというのが一番分かり易かったが、どんどん進化している。

  • 柳刃さん火野さん潜入捜査官シリーズ
    今回はお好み焼きの屋台編
    美味しそうなお料理、若者のたちの成長、
    水戸黄門みたいに終わりは分かってはいても、どんどん読み進められるし、終わって欲しくないし、2人にはいつまでも会いたいと思ってしまう。
    おやっさんのたい焼きも美味しそうで食べてみたい!

  • 福澤徹三『侠飯8 やみつき人情屋台篇』文春文庫。

    シリーズ第8弾。本当に面白かった。痛快無比、勧善懲悪のドラマ。最後にほろりとさせられる。今回も柳刃の様々な料理が披露され、レシピの蘊蓄が語られる。その裏で繰り広げられる悪事。侠たるもの、こうあるべきと若者に強いメッセージを残し、風の如く姿を消す柳刃と火野……

    新卒で入社した全国でホテルチェーンを運営する大手企業がコロナ禍で休業となり、希望退職を選択をし、やむなく底辺ユーチューバーに甘んじる葉室浩司が今回の準主役。

    主役は勿論、柳刃と火野だ。柳刃と火野のコンビは、美食フェスの会場出口でたい焼き屋台を営むテキヤの酒巻庄之助の隣に屋台を構え、お好み焼き屋を始める。美食フェスの帰りにふと立ち寄った屋台で柳刃と火野と知り合った葉室浩司は、柳刃と火野に料理のレシピを教える代わりにまかないだけの無料のバイトに雇われる。

    何故か美食フェスを主催するイサキフーズの社長の伊佐木が、酒巻や柳刃と火野の屋台に難癖を付けて来る。

    確かにたい焼きの一丁焼きは貴重だ。たい焼きの一丁焼きを天然物と呼ぶとは知らなかった。今や、たい焼きも大手のチェーン店に押され、天然物の店は減る一方だ。チェーン店だとたい焼きのバリを鋏で切り、成形するが一丁焼きだとバリはそのままで、所々焦げが付いているのも味がある。

    本体価格690円。
    ★★★★★

  • たった5日間の出来事だったが、濃厚な内容だった。
    主人公は、親ガチャ失敗を嘆き、再生回数が上がらない24歳ユーチューバー。
    柳刃さん、酒巻さんの言葉は今の若者に刺さるであろう。
    エピローグ、終わり方がカッコいい!

  • 今回は屋台でテキ屋に扮する面々と、売れないYouTuberの話。お決まりの展開ではあるが、柳刃さんの言葉にハッとさせられる。たい焼きが安過ぎて笑ってしまう。

  • シリーズも8作目。
    今回の主役は新卒で就職をするもコロナ禍により失職、そして底辺ユーチューバー。
    そんな彼が柳刃&日野の強面コンビと出合うことで人生の転機となるかもしれない。
    このシリーズ、もはや物語は水戸黄門的なお約束な展開。
    メインディッシュは、柳刃の手による変幻自在な任飯である。夜中に読むと完全な飯テロ小説だ。

  • 侠飯8 やみつき人情屋台篇
    著者:福澤徹三
    ナレーター:水中雅章

    今回は美食フードフェスを舞台のお話。
    お隣のテキ屋のたい焼き屋、安くて美味しいなんて最高すぎる!

    『低底YouTuber』や『親ガチャ』など今どきのお話だな〜と思いつつ、ハムローの友人への当たりがやたら強いのが気になった。

    『お前!』と責めていたが、自分もやらかしている立場なのに自分の事は棚に上げて友達は責めるの??と。

    多分、心のどこかで見下してる相手だったんだな〜と話とは違う観点で読んでしまった。

    犯罪者がハムローと彼女に目を付けたのも納得できた。読んでいて2人とも性格悪いな〜って思ってたから。笑

    柳刃さんの言葉は毎回ハッとさせられて、スッキリする!

    -------------

    サマリー(あらすじ)・コンテンツ:

    任侠×グルメの人気シリーズ第8弾。
    底辺ユーチューバーの葉室浩司は伸びない再生回数と、最近つれない彼女に悩んでいる。
    彼女がバイトするフードフェスを撮影にいったら、
    なぜか頬に傷持つ男の屋台を手伝いはめに。
    男がつくるまかないは絶品だが、彼女との仲はますます悪化。
    さらに隣人トラブルと無差別テロ事件に巻きこまれて人生最大のピンチ。

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    読了日:2025/09/28

  • 今回も安定の展開で、悩める若人の人生相談を格安激うまご飯で胃袋掴みながらさとすシリーズ。
    コロナ禍でリストラされてからYouTuberに転身した24歳(男)さんが、今回の相談者さん。
    美食フェスで長蛇の列に並んで、高額フードチケットで買ったパックのご飯が不味かったらショックやなぁ。。。それで、フェス近くに100円のお好み焼きと鯛焼きの屋台があったら、そっちに行くわなぁー。。。
    コロナ禍でストップしてたフェス等が、少しずつ復活してきてるとはいえ、読んでてフェスの雰囲気が懐かしく感じた。

  • シリーズ第8作。今回の主人公は底辺ユーチューバー。舞台は鉄板焼きの屋台。まかないが美味しそう。話の内容はいつも通り。マンネリと言うより、水戸黄門的パターン化です。

  •  警視庁特務部捜査官の柳刃竜一と火野丈治が潜入捜査のかたわら料理の腕を奮い、行き詰まった若者のリスタートを援けるヒューマン × グルメ小説。シリーズ8作目。
     
     なお、主人公は人生に行き詰まった若者(男性)で、物語は彼の視点から描かれる。
             ◇
     今回の主人公は底辺ユーチューバーの葉室浩司。
     浩司は三流大学を出てなんとか就職はできたものの、コロナ禍を理由に退職勧告を受けて失職。 
     多くない貯金を取り崩しながらユーチューバーに活路を見いだそうとしているが、全く鳴かず飛ばずの状態だ。

     そんな葉室が思いがけす出会った相手は、コワモテながらかなりの料理の腕を持ついかつい男たちだった。

         * * * * *

     近頃よく耳にする「親ガチャ」。現在の不遇の原因は、持って生まれた家庭環境にあるという考え方です。
     貧富格差の拡大もあり、確かに同情を禁じ得ないケースも少なくありません。

     ただし、自分の準備不足や認識不足が不遇な現状の原因であるのは明らかなのに、家庭環境に託ける輩の方が多い気がするのです。
     主人公の浩司もその1人でした。

     そんな若者の甘えを正面から突き理を説く柳刃に今回も魅せられました。 ( 柳刃が諭すのが若者に限られるのは、いい歳した大人はもう手遅れだからなんだろうな。)

     それにしても口数は少ないながら弁の立つ柳刃の至言とも言える言葉。相変わらず見事のひとことです。
     その人生の本質を突いた柳刃の言葉は、彼によって繰り出される料理の数々とともに、シリーズの魅力だと改めて感じました。 ( ベーコンプレス、欲しくなった! )

  • これも安定のおもしろさ。主人公は売れないユーチューバー。ひょんなことから、いくつものやばい事件に関わってしまい、窮地に立たされる。

    最後はいつものように柳刃たちが助けてくれるとわかっていても、ドキドキしてしまう。だからおもしろい。
     
    そして、悩める若者に対して、柳刃が与える教訓もいい。

  • 2022年出版。シリーズ第8作。ユーチューバーを軸にして屋台飯と賄い (鉄板で調理可能なメシ) で展開。社会的な底辺とか、親ガチャやら○○ガチャで負け組と自認してヤサグレる20代やらが、認識を新たにする的な展開。何やら設定がバタバタして無理くりな印象が強いけど、登場するメシが旨そうで評価が引きずられた。バタくさいけど何やら浪花節的なインパクトがあり、結構楽しめてしまったので、正直に「4」としました。

  • 「配られたカードで勝負するしかない」
    不平不満を言ってもキリが無いですね。
    ハムローには、日本一のテキ屋になってもらいたいですね。

  • 任侠いいな…今が一番わかい、自分のためでなく人のために、それが心から出来たらかっこいいよなぁ

  • 2025.03.29
    難しいことは考えずおいしそうだなと思って読む作品

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著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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