死してなお (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2022年10月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167919436

みんなの感想まとめ

事件の真相を追い、加害者の内面に迫る物語は、静かでありながら深い感動を呼び起こします。過去の異常犯罪者、萩谷信の半生を刑事三浦が調査する中で、彼の人生の裏側や複雑な背景が浮かび上がり、読者は一面的な見...

感想・レビュー・書評

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  • 解決した事件の犯人の内面を調べるということに1冊を割いた作品に初めて出会った。
    全体の素地としては地味で静かだが、その分小さな変化にも気づきやすく作品に入り込めたな。
    信だけでなく、母親の充世にも多くの焦点を当てることによってより信をより深く理解しようと試みる点を描いているところが素晴らしい。
    このページ数でこれだけしっかりした作品なっているとは驚き。

  • 矢月秀作『死してなお』文春文庫。

    ノンシリーズかと思ったら、結局は『刑事学校』の続編という位置付けになるのだろう。

    これまでの矢月秀作作品には無かった、しっとりした趣の作品。何しろ事件自体は遥か昔に決着しており、新たな事件が起きる訳ではないのだ。

    『刑事学校』の卒業生、県警の三浦は、かつて大分県警を震撼させた異常犯罪者の萩谷信の半生を調べる。調べを進めるうちに壮絶な最後を遂げた犯罪者とは全く違う萩谷の人生が見えて来る。

    本体価格610円
    ★★★★

  • 「刑事学校」というシリーズの続きのようですね。
    知らずに読み始めてしまいました。
    前作読んでなくても、特に問題なく読み切れましたが、よんでたらより面白うよめただろうな。

    とんでもない暴虐の限りをつくし、最後は自殺した「萩谷」の生きし道を、刑事三浦が追いかけるというストーリー。


    第三者にとっては「ひどい加害者」「ヤバイやつ」がいて、「かわいそうな被害者」がいて……というのはだいたいの事件の構図だけど、当たり前だけどその「ヤバイやつ」にも生きてきた道があって、その人なりの道理があるのか、と当たり前だけど気づいていなかった(実感をもってとらえていなかった?)ことを、しっかりと見せてくれる作品。

    本作の主題と全然関係ないけど、作中に新型コロナの流行に言及するような表現がちょいちょいあって(それが、ストーリーの進行上必須というような印象も受けないので余計に)面白かった。何かへの忖度??

  • 初めての作家さん。
    犯人はわかっている事件の、犯人の過去を追っていくスタイルの小説。
    稀代の凶悪犯罪者とされる萩原の過去を追うことになった三浦。
    「犯罪者だから障害があるに違いない」「犯罪者だから幼少期から歪んでいたに違いない」「犯罪者だから普通じゃない過去があっても当たり前」そんな常識に囚われず、萩原親子の歩んできた道と真摯に向き合う姿が良かった。

    物語に大きな動きはなくて少し物足りない感じはあるかも。

    人間ドラマが好きな人にはオススメ。

  • アリだな

  • 【意味のある死】

    事件は解決し、犯人も自死。であるのにも関わらず、なにかが気になり事件と犯人の半生を追う、警察であり主人公の三浦賢太郎。

    ページをめくる事に犯人の人生や人間関係が紐解かれていくのに、当初の人物像からはどんどん離れていく。この真相から遠のいていくさまは、よんでいて焦れったくもあり、逆にそこに惹き込まれていく自分がいました。

    人間という生き物が、どんなに環境に左右されて生きているのかをまざまざと見せつけられる本作。

    ぼく自身、家庭環境、学生生活がボロボロであったならば、今作の犯人と同じような人生の最後と似たようなものに向かうこともあったのではないか……。どうにも他人事に思えない親近感のある不思議な作品でした。

    個人的に、地元である大分県が舞台だったのでより内容に没入して読めました。

    読後感も通して楽しめる1作。ぜひ手に取ってみてください。

  • 今はもう死んだ犯人の真の人物像を探るため、幼少期から本人と関わってきた人たちにあたり、事実の裏表だけでなく多面的に人物を掘り下げていく刑事の話。本人は一切出てこず周りからの証言で人物像が語られる手法は良いが、文章のボリューム、インパクトがいまいちだった。コロナ蔓延時真っ只中の描写もあと何年かしたら古臭くなるだろうに、やたらと細かい描写にも逆に気を取られる。もう少しボリューム、インパクトともにあれば宮部みゆきの『火車』のようになったかもしれないが、結果、単なる若手刑事の成長物語のような印象なのが少し残念。

  • 大分県警の若い三浦賢太郎刑事は、既に解決した事件ではあるのだが、過去に世間を騒がせた犯罪者である萩尾信の半生を再度調査し、犯行に及んだ動機などの考察をまとめろとの命を受ける。
    三浦刑事が配属されている部署は刑事部刑事企画課捜査支援室で、犯罪は何故起こったのか、動機は何にあったのかを調べ、今後の犯罪捜査の手助けとなる資料として、そして似たような犯罪の再発防止を目的として、事件を様々な角度から解析している部署だ。
    萩谷信が起こした犯罪は、全国を股にかけ、凶悪な強盗や侵入窃盗を繰り返し、荒稼ぎをしていた。
    萩谷信の特筆すべきは、子供の時からの常軌を逸した行動にあった。
    後に逮捕された仲間たちは、口々に萩谷信の非道なまでの冷酷さからか、悪魔と称した。
    犯罪グループのアジトを警察が踏み込んだ時、仲間たちは抵抗抗戦したのだが、萩谷信は激しく抵抗することもなく、拳銃で自らのこめかみを撃ち抜き、なぜかあっさりと自決する。
    三浦刑事の初動は、萩谷信の出生を辿ることから物語は始まる。
    しかしその手掛かりは少なく、犯罪の真相に迫るにはあまりにも時間が無かった。
    限られた時間ながら調査を進めるに従って、三浦刑事は萩谷の意外な本性を徐々に知ることになる。

  • 萩谷の生い立ちにスポットが当たって萩谷中心に話が進む。萩谷を徹底的に調べたあとに主人公が導き出した答えがオチになるわけだけど、ん?ほんとにそう?という感じで少し腑に落ちない。想像の域を越えないし、萩谷の泣き今、本当の理由を知ることはできない。

  • この短さでこの感じはすごい。
    小説を初めて読む人とかにもとっても良さそう。

  • 2022/11/05 137 読了

  • 3.5
    犯人の過去を辿っていく
    引き込まれてあっという間に読んだけど重かったな

  • 犯罪者の半生を調べていく過程は面白かったが、結局、この話のテーマみたいなものはよこわからなかった。

  • 【異常な殺人者となった男の半生とは――。「もぐら」シリーズ著者の新境地】かつて大分県警を震撼させた異常犯罪者・萩谷信。県警の三浦は、彼の半生を調べるため、少ない手掛りをもとに足跡を辿るのだが……。

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著者プロフィール

1964年兵庫県生まれ。文芸誌編集などを経て、小説家へ転向。「もぐら」シリーズが100万部を突破し、大ブレイク。「もぐら 新章」「D1」「ACT」「刑事学校」「警視庁公安0課」などシリーズ多数。

「2022年 『紅い塔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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