本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2022年11月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167919634

作品紹介・あらすじ

世界は7億人以上が、日本でも6人に1人が貧困にある。貧困は自己否定感を生み、心のガンとなる。それは社会全体の困窮にも繋がっていく。自己責任では済まされない。私たちの社会の何が貧困を生み出しているのか。人生を切り開くには、何が必要なのか。社会のリアルを見つめ、輝かしい未来を手に入れるための熱い講義。

みんなの感想まとめ

貧困の実態を深く掘り下げ、私たちの社会が直面する問題を明らかにするこの書籍は、特に若者に向けて分かりやすく構成されています。日本の貧困層の現状や、世界で7億人以上が直面している絶対的貧困についての具体...

感想・レビュー・書評

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  • 17歳を対象にしているため、非常に分かりやすく読みやすい。17歳は遠い昔であるが、読んでよかった。大人も読むべきだと思う。

    まず、日本における相対的貧困、世界における絶対的貧困について。日本国民の1/6が貧困層であるということ、世界には7億人が絶対的貧困に陥っているという事実。

    貧困と犯罪が密接に結びついていることが、いくつかの例を挙げながら述べられていて、とても分かりやすかった。まともな教育を受けられなかったり、自己肯定感が著しく低下した結果、悪い大人たちに騙されて犯罪に走る子たちがなんと多いことか。また、私たちがこのような貧困を「無関心」により放置した結果、増税や犯罪増加などそのしっぺ返しを受けていることも書かれている。

    さらにはいまだに衝撃的で記憶に残っている川崎の中1男子生徒殺害事件を例に挙げて、貧困と孤立、犯罪の関係を紐解く。

    貧困とセックスの関係についても、詳しく解説されている。貧困だけではなく虐待など(性的虐待、教育虐待含む)から居場所をなくした女の子たち。自暴自棄になった彼女たちが辿り着くセックスとドラッグは密接に関係している。

    こういう子たちが自暴自棄にならずに前向きに立て直していくためには、周りの善い大人たちの手助けが必要だ。

    昨今のニュースを見ていると、善いお面を被った鬼畜もいるので、どこを信頼していいのかわからない・・・と諦め半分の気持ちになりつつも、やはりどこかで著者の言葉「人々の無関心は核ミサイルと同じくらいの暴力だ 」を意識して、自分には何ができるかを考えていかなければならないと思った。

  • 石井光太『本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式』文春文庫。

    小学生から大学生を対象にした貧困に関する講義をまとめたノンフィクション。

    日本の賃金は先進国の中で唯一、年々低下している。その上に増税が重くのし掛かるのだが、日本政府は社会保障費を削減し、年金支給額も減額し、防衛費という名の軍事費は増額するというのだから狂っている。カルトの旧統一教会と創価学会に操られている与党の自民党が国民をさらに困窮させ、より国民を洗脳し易くしようとしているとしか思えない。

    世界は7億人以上が、日本でも6人に1人が貧困にあるという。貧困の連鎖から脱け出し、希望に満ちた未来を手に入れるためにはどのように生きるべきかを講義する。

    今の世の中を見る限り、希望に満ちた未来は無いだろう。そもそも少子高齢化で、未来のある若者は少ないのだ。この状況では日本が世界の最貧困国になるのは目に見えている。

    本体価格760円
    ★★★★

  • #本当の貧困の話をしよう
    #石井光太
    #文春文庫
    #読了
    貧困問題は人ごとではない。誰だっていつ病気や事故で仕事できなくなるかわからないのだから。少しでいい。財産や労力を自分だけに使うのではなく身近な人のために使うのだ。少しなら誰にでもできるはず。そうやって未来をつくっていきたい。

  • 貧困が子どもに与える影響、貧困がどうやって生まれるのか、貧困の連鎖、海外と日本の貧困の違いが統計や著者のインタビュー経験などから、数値・事実をもと説明・解説がなされており、非常に分かりやすかった。本書の対象は学生だが、30代の自分が読んでも勉強になった。全世代が読むべき本だと思う。
    特に印象的だったのは、貧困は当事者だけの問題ではなく、回り回って結局は社会全体、つまり貧困ではない者にも影響を与えるということ(税金負担や犯罪の増加など)が国内外の実例をもとに分かりやすく説明されており、そういう意味でも全ての人が関係する問題である。
    全体的に数値やインタビューなどの事実に裏付けされた説明が多く、もちろん著者の意見も随所に挟まっているが、押し付けがましくなく、こういう題材本にありがちな左系のとりあえず社会が大人が悪いというスタンスでもないところが読みやすくて好感が持てた。1日でスラスラ読めた。

  • 世界は7億人以上が、日本でも6人に1人が貧困にある。貧困は自己否定感を生み、心のガンとなる。それは社会全体の困窮にも繋がっていく。自己責任では済まされない。私たちの社会の何が貧困を生み出しているのか。人生を切り開くには、何が必要なのか。社会のリアルを見つめ、輝かしい未来を手に入れるための熱い講義。




    とても考えさせられる
    洋画で観た光景が浮かぶ
    フィクションのように思ってしまうが これが現実なんだな
    自分の年齢や収入と見比べてました
    年齢や体力的にこれ以上働くのは無理なので これ以上の収入は望めないけど それならそれでそれなりに自分のやりたい事を割と出来てる自分はこれでいいのだ!と思っている
    けれど、自分だけ良ければいいという事ではないんだな
    何が出来るんだろう?と考えさせられました

  • 貧困の問題は先進国と途上国で課題の相違がある。
    支援団体が介入しても一筋縄で上手くいくとは限らない現状があることを知った。
    身近なところから自分が出来ることを少しずつ積み重ねていくことが大事。

  • 17歳に向けてという体で進むので言葉が易しく大変読みやすい。
    貧困問題は社会問題と近隣諸国問題に紐づいており、無関心こそが貧困を招くということが国内外の例を元に具体的に描かれている。
    日本は安全だと思っていたが、貧困ビジネス、高齢者への詐欺、貧富の差が広がる現状は、対岸だと思っていた治安の悪い貧困国に緩やかに近づいているのを感じた。

    本書では周囲の人を助けよう、と導かれるが助けても砂を掛けられることは経験済み。根気よく他人を助けるとなるとその人自身にも余裕が必要だよなあと思ったり。故に現実問題は難しい。しかしできることを無理なくやっていきたい。

  • 貧困についてわかりやすく、読みやすくまとめられています。

    大人の貧困、子どもの貧困、女性の貧困。
    日本の貧困、世界の貧困。

    貧困によって起きてくること。

    暴力。性被害。トラウマの再演。犯罪。
    ストリートチルドレン。児童労働。少年兵。

    そして、人生を切り開いていった人の物語。

    豊富な内容が、ぎゅーっと凝縮されています。
    「貧困」について学び直す、よい機会になりました。

  • 『本当の貧困』って貧困の程度問題じゃないのよ。それじゃ貧乏自慢になっちゃうからね

    『本当の貧困』とは、
    貧困が、当事者・社会に何をもたらすのか?
    その結果どういう未来が透けてみえるのか?

    ということを17才に語る文体で書かれている。

    難しいよね。同じ貧困のなかで育っても逆境をはねかえして大成するひともいるし、犯罪に走るひともいるわけで、資本主義を選んだ以上格差は仕方ないともいえるし、じゃあ社会主義はあんなだし。

    あとは、前澤さんにじゃんじゃんばらまいてもらうしかないよね

  • 貧困って自分の中でどこか当事者意識がなかったなってこの本を読んで気付かされた...
    前、教育はお金を生まないと思われがちだけど、高水準な教育が犯罪を減らし、刑務所の運営費や犯罪者の矯正費を減らすことで結果的に経済的な効果があるって学んだことを思い出した。生活保護等もしかりだけど、貧困は社会全体の問題なんだよね。
    貧困の解決って、ただ貧困層にもお金が行き渡るように均一化することじゃなくて、貧困が社会問題を引き起こす前に貧困者が困っていることを解決する・自己肯定感を取り戻せることが大切なのかなって思った。
    日本の貧困は途上国と比較したらマシなのかと勝手に思ってたけどそれも違うと思った。日本の貧困は見えにくくなっているだけだった。精神的な面でおうハンディキャップが大きい、つまり自己否定感が育ちやすい。(心の"がん"っていう表現は少し気になったけど...)
    今まで私は自助・公助の考え方しかできてなかった気がする...。"共助"や"地域支援"の視点でこれから社会を見ていきたいし、貧困に限らずいろんな社会問題において大切な視点だと思った!

  • 2023.01.03 #001

    貧困と騒がれる中、本当の貧困とはどのような事を指すのだろうか?と思っていた中で少し理解するキッカケになった。ただ最近思うのはお金のあるなしではなく、心が貧困な人が増えたと特に思うのは私だけだろうか。

  • イメージがしやすい。
    社会に生かされてる感覚がなく、親ガチャだとか、人生をハックとかいう言葉が流行ってて、自分1人もしくは最小単位で生きていけると思ってる、そうするしかないと思ってる人たちが多すぎる。
    自分が社会の底に埋もれてしまった時、助けられたいから助けたい。自助努力クソ喰らえと思う。
    治安や税金の予算などに繋がってること。
    国や団体だけでは解決できないことがあること。

    まずは1人を助ける、でいい。
    クリスマスはブックサンタしよ。

  • 子供が読んでもわかりやすく書かれていると思った。
    日本の貧困は海外の貧困とは違ってもやはり自力でどうにかするのは困難なんだな。

  •  ある種、石井光太さんの集大成のような一冊。彼が長年書き続けてきた貧困にまつわるルポを、未来を担う子どもたちに向けてわかりやすくぎゅっと濃縮させて編み直している。語り口がやさしくてとても読みやすかった。理想論に留まらず必ず実例を挙げるので説得力もあり、格差という世界的にも歴史的にも大きく難しい問題を自分ごととして切実に感じることができる。高学年〜中学生くらいから読めると思います。もちろん大人にとっても世界の一員として身につまされる良書。石井光太さんの書き手としての使命感を受け、さて私には何ができるんだろうと立ち止まる。

  • いい本だった。
    鬱病と所得の関連、反社会より非社会性の子が増えている現在、日本の刑務所には、知的障害者が約2割いることとか、知らなかったことがあった。
    特に鬱病は、年収400万以上と100万未満で比べたときに、約7倍も開きがでるとか。
    出来ることをしたいと思った。
    コロナ下で、頑張ってた人たちには、頭が下がった。

  • 著者のルポルタージュは以前も読んだことがありますが、いずれもイメージしやすいです。

    本書についても、貧困層が陥っている生活やそれが社会に与える影響など、貧困を取り巻く問題についてわかりやすくまとめられている良書です。

    「心のレベルアップ」というワードが本書では提唱されていますが、解決を目指す上で非常に良い言葉であると思います。

    なぜ子供の貧困は解決されなければならないのか、解決するためにできることは何かなど、平易な言葉で語り掛けてくれるので、社会問題への関心の扉を開けようとしている方に特におすすめしたいです。

  • 日本における貧困と海外の貧困(スラム街)の違いの考察がまず勉強になりました。

    日本は福祉制度が整っているため、スラム街などもなく国全体は安定している。一方「ごちゃまぜ」であるが故に貧困者は常に富める人と競争を強いられたり、格差を見せつけられたりすることで自己否定感を抱きがち、という点はなるほどと納得。

    貧困を他人事と捉えず自分にできることを考えていきたい。

  • 貧困について日本と世界両方についての講義形式のルポ

    自己否定感をキーワードに貧困を生み出していく仕組みを解説。
    17歳向けの講義という体裁で優しい語り口で、温かく希望を残しながら、問題に対する熱さと、実際に観てどうしようもなくなった無力感も伝わってくる。
    内容としては現代を生きる社会人としては必須の教科書に近いものだと思う。
    まずは知ることから。

  • 貧困から世の中の問題を考える
    貧困からその人の人生や社会を変えてしまうのだと分かった。一人一人が身近なこととして考えたいと考えさせられた。

  • 国内外の貧困についてあらゆる面から書かれているから、改めて考え直す為になった。

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著者プロフィール

1977年東京都生まれ。作家。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材・執
筆活動をおこなう。著書に『物乞う仏陀』『鬼畜の家』『43 回の殺意』『本当の貧
困の話をしよう』『ヤクザ・チルドレン』『ルポ 誰が国語力を殺すのか』『ルポ ス
マホ育児が子どもを壊す』など多数がある。2021年『こどもホスピスの奇跡 短い
人生の「最期」をつくる』で新潮ドキュメント賞を受賞。

「2025年 『最期は一日中抱っこさせて(叢書クロニック)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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