わかれ縁 狸穴屋お始末日記 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2023年3月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167920081

作品紹介・あらすじ

いつの時代も家族円満は難しい⁉
『心淋し川』で直木賞を受賞した、
人情時代小説の名手が描く江戸の離婚模様

夫婦となって5年。
定職にもつかずに浮気と借金を繰り返す亭主に絶望した絵乃は、
身ひとつで家を飛び出し、離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」に流れ着く。
夫との離縁を望むも依頼できるだけの金を持たない彼女は、
女将の機転で狸穴屋の手代として働くことに。
果たして絵野は個性豊かな狸穴屋の面々とともに
一筋縄ではいかない依頼を解決しながら
念願の自身の離縁を果たすことができるのか⁉

【狸穴屋に持ち込まれた依頼の一部】
「二三四の諍い」……狸穴屋にやってきたのはまだ10代の兄妹、彼らの望みは両親を離縁させることだった。
「双方離縁」……嫁と母の仲が悪い。家格も絡んでなおややこしい、武士を悩ませる江戸の嫁姑問題。
「錦蔦」……才能ある息子を引き取るのはどっち? 職人の家のあいだで起きた大岡裁きの結末。


文庫解説 大矢博子

みんなの感想まとめ

主人公が自らの離縁を望む中、江戸時代の公事宿「狸穴屋」で手代見習いとして働く姿を描いています。彼女は浮気と借金を繰り返す亭主に絶望し、離縁の権利が夫にしかない厳しい現実に直面しますが、狸穴屋の仲間たち...

感想・レビュー・書評

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  • 自身も離縁したい主人公が離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」(まみあなや)の手代見習いとなる話

    公事とは、訴訟のこと
    公事宿(くじやど)とは、訴訟のために地方から江戸に出てきた人が泊まる宿のこと

    江戸時代、原則として離縁する権利は夫側にしか認められていなかった。妻が別れたいと思ったときは、夫から「三行半」(みくだりはん)と呼ばれる離縁状をもらうことが必要となる

    主人公は、狸穴屋を訪れる人々の様々な離縁問題を解決しながら自身の離縁にも向き合っていく

    主人公が、打ち込める仕事や、信頼できる仲間との交流を通して変わっていく様子が描かれていて、この時代の女性が自分の人生を決断することの大変さがよくわかる。
    そして長く心の中にあったわだかまりが溶け、不甲斐ない亭主との離縁もうまくいき温かく締めくくられる。

  • 浮気と借金を繰り返す亭主に愛想をつかすも、離縁する権利は亭主側にしかなくいいように使われてしまう絵乃。
    そんな絵乃が出会ったのが、離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」の手代椋郎。
    その出会いにより、絵乃は狸穴屋の手代見習いとして住み込みで働くことになる...。

    江戸時代に弁護士事務所のような役割を果たす公事宿というものがあったなんて、初めて知った。
    妻の方から離縁をすることができないということも知らなかった。

    西條奈加さんの作品はいくつか読んでいるが、「人情味溢れる江戸時代」という分かりやすい括りにせず、
    身分、格差など、あの時代の生きることの厳しさについてもきちんと描かれているところが読む者に響くのだろうと思う。

    絵乃と狸穴屋のこれからが気になる。
    続編もあるのかな...

  • まずブクログで記録している本では祝2000冊完読!

    それが西條奈加さんの時代小説というのはらしいなぁ(笑)
    やはり時間がかかりますね。

    で、肝心の本の感想を今回は公事宿(離縁を扱う公的機関)が舞台。

    今も昔も離婚は大変ですよね。三行半くれない男もいるわけだし、呑む・打つ・買うをするろくでもない男と結婚してしまった絵乃。

    彼女が離縁するためには大金が必要。そのために縁ができた狸穴屋で働くことに、さて、この始末はいかに。

    今回も楽しく読ませてもらいました。こうした作品が増えることを本当に思いますね。

    • 松子さん
      ロカさん、こんにちは(^^)
      2000冊完読!おめでとうございまーす!
      *・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。...
      ロカさん、こんにちは(^^)
      2000冊完読!おめでとうございまーす!
      *・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
      2000冊ってすごい数ですねぇ。
      たくさんの感動と出会ってこられたのでしょうか。
      素敵な記念ですね。
      2023/03/13
    • ロカさん
      松子さん、こんにちは。自分でも驚いてます。2千冊まで行くとは思ってませんでしたから(;^_^A
      コメントありがとうございますヽ(^o^)丿
      松子さん、こんにちは。自分でも驚いてます。2千冊まで行くとは思ってませんでしたから(;^_^A
      コメントありがとうございますヽ(^o^)丿
      2023/03/13
  • 偶然の出会いから公事宿で働くことになった女性と公事宿の面々、持ち込まれる問題のお話。
    もっと続きがよみたいと思ったら、シリーズ化されているようで嬉しかった!さすが西條奈加の世界という感じでオススメ。短編連作。

  • わかれ縁/二三四の諍い/双方離縁/
    錦町蔦/思案橋/ふたたびの縁

    繋いだ縁を解く仕事を、江戸の請負人が勤めます。
    新しい縺れが無いように、するりと解けたらスッキリしますねきっと

  • ちょうど出張中に読み終えた。わかれ縁、皮肉にも縁が有って一緒になった人を別れさせる内容だが、別れたくても事情が有って別れられない同僚の話を聞いたばかりだったのでこの小説に不思議な縁を感じた。主人公の絵乃を素敵な人達が取り囲むように物語は展開される。親子の繋がりも優しく強い表現で描写しており折れそうな心を支えてくれるような暖かい一冊でした。続編が出たらまた読みたい。

  • 面白かった!江戸時代の公事宿ってこういうものだったんだと、時代小説読んで知識が広がる。
    主人公のお絵乃が一途で可愛らしい。シリーズと知り早速続編を図書館でリクエストしました。

  • 尊敬する人が西條奈加さんを好きだというので、読んでみる。軽く読める人情噺という感じ。狸穴屋、は「まみあなや」と読むよ。

  • 離縁の調停を扱う公事宿。
    確かに時代小説を読んでいると夫に離縁されて――という描写に出くわすけど、それは立場の弱い妻が三行半を言い渡されて家を追われる、だから調停のような場なんて存在しないとばかり思っていたけど、まさかこんなものがあったとは。
    (三行半も本当にそのままの意味なんだと知ってびっくり!)
    今回のお話のように女性に寄り添ってくれるようなものではなかったかもしれないけど、おもしろい取り組みだなと思った。
    そこへ自身もろくでもない夫との離縁を望み、手代として働き始めた絵乃の物語をうまく組み合わせて、読み応えのある1冊に仕上がっていた。
    色んな縁が重なり、こんがらったものはきれいに整えられ、正しい方向へ。
    どんな風に終わるのかなとドキドキしていたけど、こんなにきれいに大風呂敷を畳むとは!やっぱり西條奈加さんのお話が大好きだと再認識した。そして、これまでの人生別れるばかりの縁だったけれど、繋がる縁もあったと気付く絵乃の心情がとても良かった。
    なんだかシリーズものとして続きそうなお話だけど、どうなんだろう。キャラクターもみんな魅力的で、是非また次のお話で再会したいなぁ。

  • くっつくのは簡単だけど
    別れるのは難しいものなんですね

  • 20241008

    いつも現代の本しか読まないので、違うジャンルにチャレンジ。

    手放すとまた新しいものが入ってくるという話で最後締め括られていたが、まさにその通りだなぁ。必ず手を差し伸べてくれる人が周りにいるし、自分の力って思わぬところで開花したりするから人生は面白い。

    所々、登場人物で迷子になったり、読めない漢字が出てきたりでまだまだじっくり読みこめてないな、と実感。

  • 道程は色々あれど、最後があたたかいのは良いですな

  •  女たらしで仕事もせず借金まみれの夫と別れたいが、夫に離縁状を書いてもらわなければ別れられない時代。そんな絵野に救いの手を伸ばしたのは、離縁の調停を請け負う狸穴屋。
     そこで働きながら、自分の生きる道を切り開いてたくましくなっていく絵野。さらに、自分たちを捨てて行ったと恨んでいた母との再会と真実を知り和解する。
     こういう人情ものは、読んでいて心地よく、読後感もよい。

  • ダニみたいなダメ亭主の借金に追われてこの世の終わりに遭ったかの如く絶望していた絵乃が公事宿に拾われて他所のもめ事に関わっていくうちに経験値を上げて逆にダメ亭主を陥れる話。女性の敵はことごとく滅びよ。

    江戸時代の離婚したい妻って縁切寺に駆け込むしか方法が無いのかと思っていましたが、公事宿なんてものもあったんですね。お金かかるけど。今と比べても割と合理的な調停の仕組みが揃って機能していた事も知れてなかなか興味深い一冊でした。



    なお、「西加奈子って時代ものも書いてるんだ」と完全に著者名を読み違えて手に取ったことはナイショです。

  • 「二三蔵、おまえ、嫁をとりなさい」

  • 姫路大学附属図書館の蔵書を確認する→https://library.koutoku.ac.jp/opac/opac_link/bibid/BB00003891

  • 自立する女性を描かせたら、やっぱり西條奈加さん!
    お絵乃さんが成長を見ていきたいです。

  • 202303/さすが西條奈加!

  • 続編も読みたいです

  •  西條さんの作品は、女性たちが逞しく生きていくものがやはり好きだ。絵乃の素直さと賢さが良い。離婚・再婚歴も仕事に生かす、理想の上司みたいな桐や、退職した志賀の活躍も気持ち良い。
     公事に関わる職業や色々なことが詳しく書かれおもしろい。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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