帰艦セズ (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2023年7月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167920715

作品紹介・あらすじ

昭和19年、巡洋艦「阿武隈」の帰還兵・成瀬時夫が、小樽郊外の山のなかで
「飢餓ニ因ル心臓衰弱」で死んだ。
市役所を退職し、いまは北海道の民衆史研究会で活動をする橋爪は、
自らの過去の経験から、成瀬は‶逃亡〟したのではないか、と直感。
遺族を探し、調査をするようになる――。

長篇小説『逃亡』と合わせ鏡のようになっている表題作をはじめ、
大阪の篤志面接委員から聞いた話をもとにした「鋏」、
ある寺の墓石をつくる石材店主がもらしたことがきっかけとなった「白足袋」、
能登の岩海苔採りの遭難を報じた新聞記事がヒントになった「霰ふる」など、全7篇。

不可解な謎を秘めた人の生の、奇妙な一面を見事にすくい上げ、徹底した取材と想像力により文学作品に結実した短篇集。待望の新装版。

文庫解説:梯久美子(ノンフィクション作家)

みんなの感想まとめ

人生の重い一面を描いた短篇集で、戦中から戦後を生きた人々の死を巡る謎や過去がテーマとなっています。各編は、淡々とした語り口でありながら、深い余韻を残し、静寂の中で読むことが心地よいと感じさせます。物語...

感想・レビュー・書評

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  • 戦中から戦後を過ごした人の、ひとつの死を巡る謎、過去、生き様といった人生の重い一面を取り上げた6つの短篇集。
    戦争、事故などテーマは重く、暗いけれど、淡々とした語りが、読みやすく、各編の終わりの余韻が心にぐっときます。

  • 多くは、戦中戦後を生きた人々の話の短編を集めた本です。ほとんどの小説が人の死を扱っています。しかし、読んでいて不快なことは無く、吉村氏のほかの小説と同様に、淡々と語られる物語を静寂の中で読むことは、良かったです。ただ、戦争中、戦後をこのように苦しい日々を送っていた人々が今の日本の社会、また、世界をどのように思うのか、と感じてしまいました。もう一度、ゆっくり読みたいです。

  • 帰艦せず。こんな理由で。あまりに悲しい。戦争って恐ろしい

  • 海難事故を巡る物語が静かな文体で語られる。切ない想いが繊細な背景描写と共に描かれている。

  • 短編集
    ひとつひとつ面白い作品だけど感想を言葉にするのが難しい

  • 戦争って一体なんなんだ

  • 軍隊の規律を恐れて逃亡した兵士。しかし、決して彼を責めることはできない。誰にでもある弱さが悲しい結末となってしまった。吉村昭の実体験も綴られた短編集。

  • 【徹底した取材から浮かび上がる「事実」の重み――必読の七短篇】昭和19年、巡洋艦「阿武隈」の機関兵はなぜ小樽郊外の山で死んでいたのか? 謎を秘めた人の生の奇妙な一面を掬い上げた七短篇。

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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