二百十番館にようこそ (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2023年8月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167920814

作品紹介・あらすじ

就活に失敗し、オンラインゲーム三昧の「俺」。親に愛想を尽かされた末に送り込まれたのは、離島の薄汚れた建物だった。考えた末、下宿代目当てでニートたちを募って“共同生活”を送ることに。新しい仲間や穏やかな島民、猫たちと交流する中で、閉じた世界が少しずつ広がっていき……。日常ミステリの名手が贈る、爽やかな読み味の傑作長編。(解説・池澤春菜)

みんなの感想まとめ

孤島に送り込まれたニートの主人公が、新たな仲間たちと共に成長していく物語です。就職に失敗し、ゲームに逃げ込んでいた彼は、伯父の遺産として相続したリゾートマンションを利用して、同じ境遇のニートたちを集め...

感想・レビュー・書評

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  • 加納朋子さんのハートウォーミングストーリーですね。
     久しぶりに加納朋子さんを読みたくなって、積ん読本を探って見つけました。

     ニートたちの再生をめざす成長物語。
     
     そもそも「俺」が、大学を卒業して就職戦線に溢れて、引きこもりのニートになった。毎日パソコンでゲーム三昧。そんなところに、父親の兄つまり叔父が亡くなって、叔父の所有の南の島のリゾートマンションを相続することになった。「俺」の親たちは、「俺」に管理をして欲しいと説得する。
     他にする事が無い「俺」は、見に行くだけでもと出掛けるが、なんと島に置き去りにされて、親たちに連絡しても繋がらない。一緒に来た弁護士からは、親たちから愛想を尽かされ捨てられたと告げられる。
     「俺」は、仕方無く島での生活が成り立つように、動き始める。島の住民は十八人、年寄りばかりだ。
     考えたのは、リゾートマンションを利用してニートたちを集めよう思った。
     こうして、集まったニート、T大卒業のマザコン虚弱体質の引きこもり、仕事に疲れたトラウマ元医者、現役の大学生で女性からふられまくって引きこもりになった筋トレ男。
     いずれもパソコンゲームで仲間になる四人と島の住民の温かな交流と事件で成長をしていくドラマ。
     自虐あり自信喪失ありネガティブになり勝ちだが、島の住民にほだされて、次第に心を開いていきポジティブに変わっていく人情ドラマにほっこりします。
     さすがに加納朋子さんの文章は説得力がありますね。久しぶりに加納節を堪能しました(=゚ω゚=)

  • ようやく今年の一冊目。

    就活に失敗しゲームの世界に逃げ込んでニートしていた主人公が親に愛想をつかされ伯父の遺産だという孤島に送り込まれたところから始まるお話。
    島に放り出されてからは、お金の問題を解決しようとニート仲間を募って共同生活をやろうとしたり、ブログでアフィリエイト収入が入るようになったり、島の人たちにもうまく溶け込むし、直近までニートしていた割にはうまく行き過ぎ。
    加えて、若い人にはああいうゲームになぞらえるのが分かり易いのだろうか、こっちは頻出するゲームの描写にイマイチ馴染めず、中盤まではさっぱり興が乗らなかった。
    終盤になって、“あいなまタン出産事件”以降、色々動いてこの作者らしいところが出てきたが、ゲームの中の人間関係がリアルの世界へ広がっていく/とつながっていたという趣向には最後まで面白みを感じ取ることが出来なかった。
    お正月なので★はお年玉ってことで。

  • 加納朋子さんの作品に期待を裏切られたことはありませんが、本書でも楽しいひと時を過ごすことが出来ました。
    帯や裏面のあらすじを読む限り、ミステリー的な要素は殆どなく、『七人の敵がいる』や『我らが荒野の七重奏』のような系統の作品なのだろうと勝手に思い込んでいました。
    読み進めていくと、予想通りミステリーと感じられる個所は全くと言っていいほど見受けられずに物語が展開していきます。(私が愚かでした!)
    後半になって物語の振幅が大きくなると共に展開もスピードアップしていき、面白さも最高潮に達して、このままハッピーエンドとなるのかなと思いましたが、そこは加納さん!そこから一捻り、二捻りされた真相が姿を現します。
    とりわけ、3**ページの一文(第一弾)を読んだときは、驚きと感動のあまり、固まってしまいました。
    ただ、これだけで終わりません。
    その後も、第二弾、第三弾の心温まる真相が待ち構えていました。
    人(親)って、ありがたいですね!
    『空飛ぶ馬:北村薫』の読後感を思い出しました。

  • とても面白かったです。
    伏線がたくさん張り巡らされていて、そこにも驚きました。
    加納朋子さんの他の本も読みたいです!

  • 加納朋子さんセンスありますありまくり。出だしのゲーマーを全面に押し出して自身でもこんな物語ゲーマーじゃないと嫌だよねと断言するし繋がりが全部ゲームだし、読み進めるうちに気にならないって事、住民の進化する姿と思いきやラストのラクダの謎にタピオカの正体に、謎が解ける方向性かと 生きてるだけで丸儲けの行き方は正しいと思うし逃げてもいいから。でもそれだけじゃない郵便局長になる、生きる道を広げる、とても人間らしい自然の中に入っている人々の人生を見たんだなぁ

  • 加納朋子の二百十番館にようこそを読みました。

    主人公は28歳のニート。
    大学卒業後、就職活動に失敗して自宅でオンラインゲームを遊んでいるだけの人生です。

    主人公の両親は主人公を孤島の研修センター跡に送り込み、自分たちは姿をくらましてしまいます。

    孤島に送り込まれた主人公はなんとか生きていくために他のニートを受け入れて共同生活を行っていくことを考えます。
    就職活動に挫折した主人公、高学歴だがコミュ障、挫折した医者、恋愛敗者の筋肉バカといったメンバーが集まり共同生活が始まります。

  • 全くの偶然に、屑ニートが「社会復帰」するような小説を続けて読むことに。これまた偶然にも、子供が大学を辞めてしまいニート状態だったので、とても他人事とは思えず(^ ^; 感情移入しながらむさぼり読んだ(^ ^;

    テーマも展開も、ひっじょ〜に「今風」の作品で。根底に横たわる問題の本筋も、本当に「今の日本」が抱えていつつ皆「見えない振り」しているようなことで。そして、まぁありがちではあるが、どんなに社会がデジタル化しようとも、人間関係だけはアナログの極致な訳で。

    いわゆる大学卒業→就職→出世→結婚→家庭人みたいな、昭和的あたりまえな(と皆が思い込んでいる)ルートに乗りきれない人たちも、うまくピースがはまりさえすれば、こんなにも活躍できる。分かってはいても、なかなか勇気がなくてできないことを、痛快なエンタメに昇華させながらも力強く、分かりやすく伝えてくれる本書。新卒採用〜終身雇用という昭和的モデルが成り立たなくなりつつある今、若者とおっさん世代にぜひ読ませたい一冊である。

  • 加納さんのお話は優しい。優しい小説にはすぐに泣かされてしまうので、今回も涙を流して読んだ。お話だからさ、とかありえないだろうとか言う事もあるが、それでも描かれる優しさは、まだどこかにきっとあるものだと思うし、思いたい。

  • 今までの生活を強制リセットさせられ島で生活。
    地元住民の助けを借り、仲間も増え、無能力だと思っていた自分自身も取り戻す。
    冒頭は、ずいぶん上手いこといくなあ、異世界転生もののラノベみたいだなと思った。
    でもただのご都合主義ではなかった。
    人生の先輩達に見守られていた。

    主人公もそれに答えた。
    逃げずに一生懸命だった。
    居場所ができて良かった。
    泣き虫なところも可愛かった。

    良くしてもらったから返したい。
    頑張っているから応援したい。
    人々の優しさや気遣いが、他の誰かと繋がっていくところが良かった。

    近年、過疎地や離島へのドローン物流が実現されつつあるらしい。
    母子島にも導入される日が来るかもしれない。

  • 新卒で就職せず真っ直ぐニートの道を歩むパソコンゲームESにハマる刹那君、ある日、両親から伯父が刹那君に遺した遺産、孤島で暮らすよう、強制的に家を出され両親が行方をくらませる。
    仕方なく遺産で手にした二百番館で孤島の暮らしを始めるが…
    島の住民、爺いさ婆さんとの触れ合い、二百番館での訳ありの仲間との生活、オンラインゲームを駆使して島でプレイを進める為の手段、日々の暮らしの中で頼もしくなっていく二百番館の仲間達のストーリーを面白おかしく描き時には涙を誘う、そんな物語でした。
    最後に捨てられたはずの両親が…

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/791253

    オンラインゲームに明け暮れるニートの主人公。
    親に愛想を尽かされ、いきなり離島の建物で暮らすことに。
    島民と交流したり、新しい仲間を迎え入れたり。
    辛い時をみんなで乗り越えていく、あたたかな物語。

  • 二百十番館、その名称すらも伏線で感服しました。
    初めて読んだ加納朋子さんの作品。

    ニートがオンラインゲームを通じ、リアルな仲間を増やして島暮らしを豊かにしていく物語。
    成功体験が多く、読んでいて爽快だった。

  • ウィンウィンウィン物語
    暖かい気持ちになることができました

  • 就活に失敗して逃げ込んだゲームの世界。
    親に見放されて子島へ。

  • 何もしないことの楽さと辛さを学んだ。
    ネットの世界だけでなく現実世界でも相棒のように試練をみんなで乗り越えていくのが気持ちよかった。主人公の真っ直ぐさにも優しい気持ちになる。

  • いい年したニートが再生する物語。
    島のおじいちゃん、おばあちゃんがやさしすぎて、涙しました

  • ニートが実家から島に放り出され、同じくニートを集めてまともな人間になっていく話。
    ストーリーの構成や結末はよかったが、主人公の話し方が好きではなかった。

  • 登場人物が皆優しくてしなやかで,心温まる物語。
    ニートと自分を卑下しながら,実は行動力もあるし,コミュニティを作り,生活の基盤もしっかりさせて職まで得ていく主人公。
    ニートの子どもを捨てる(と見せる)親たちの深い愛情にも泣かされた。
    オンラインゲームを通したコミュニケーションがうまく描かれていると思う。

  • 2023年8月4日購入。

  • 【崖っぷちニートの青年。島暮らしで人生の立て直し?】就活に挫折したネトゲ廃人の俺。親に愛想を尽かされ、残された唯一の居場所である離島で「ニート同士のシェアハウス」に挑戦する。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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