- 文藝春秋 (2023年9月5日発売)
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感想 : 12件
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784167921057
感想・レビュー・書評
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医学の進歩の歴史の裏で、人の不安や恐怖心を煽ってインチキな商売で大儲けする人達の話が面白い。
現代でも痩せるだの綺麗になるだの健康になると言って、かなり怪しい商品が売られているのを思うと、医学が進歩しても騙す人と騙される人は後を絶たないのだとつくづく思う。
100年後の時代にも、こんなノンフィクションが書かれていたら、今、思うのと同じように100年後の人達も今の私達を気の毒に思うのだろうな。
人の本質は変わらないものだ。 -
実際に起きていたという事実が怖い。ロボトミーとか。20世紀初頭なんて割と最近。こんな無茶な治療が行われていた事が怖い。どの治療法も拷問みたいで、これなら受けない方がマシだと強く思う。この時代に生まれて良かった、ほんとに。
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金儲け目当てのインチキから、当時は一般的に受け入れられていたものまで、現在からすれば噴飯ものの“トンデモ医療”のオンパレードである(それにしたって、出血多量の症状にも瀉血が有効、とか本当に誰もオカシイと思わなかったのだろうか?)。現在の「○○に効く!」と謳っている健康食品やら健康器具やらにも、同じような臭いを若干感じるが、現代医療だって証拠(エビデンス)をもって有効・有用とされていても、これも新たな知見や技術で、時代遅れ、無効~寧ろ有害とか認識が改まってしまう可能性があるのかも、と思うと、遙かな将来、本書に載っている“医療”たちと同列にされない事を祈るのみ、である。
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歴代のインチキ医療をユーモアのある文章でまとめた本。内容に対する冷静なツッコミでちょくちょく笑った。 第一部の元素と第二部の植物と土までは怖くもなくシンプルに面白かった。過去に薬として使われていた事自体は知っていたが、どういう理論と経緯を元に使われていたのかは知らなかったので興味深く読めた。 第三部の器具から第四部の動物は面白いのは同じだけど、読んでて滅茶苦茶ゾクゾクした。特に器具。 ロボトミーがノーベル賞取ってんの怖すぎんよ。 第五部はよく聞くタイプのインチキ医療に近くなってきてバカバカしく軽く読めた。
現代ファンタジー物でローヤルタッチ使えそうだな。 -
普通に面白いのだが、想像力が豊かなのですぐ想像してしまって気分が悪くなり、一度にたくさん読み進められない。治す方法がわからないと効くかどうかわからない怪しい療法に頼ってしまうのは今の時代も同じよね。
あと、この本を読んでから古めの本を読んでると、「瀉血をして…」とか「アヘンを…」「水銀を…」とかが出てきて、「あ、本当にやってたんだ」と実感できて面白い。 -
ほんの数十年前〜数百年前に、効能があると人々が信じて実践していたトンデモ医療の数々が紹介されている。
これを読むと「現代はマトモな医療が受けられてありがたいな」と感謝の念を抱くこと間違いなし。
ただ、現代でも、あれやこれやトンデモなダイエットが乱立してもてはやされているので、数十年後には「世にも危険なダイエットの世界史」という本が執筆されるかも。 -
衝撃的な内容が盛りだくさん。
拷問とも言える治療の数々。でも真剣なんだよな。
その時はそれが正解だと。
今も昔も変わらないものは、人間は健康の為に必死なのだ。そしてそこに漬け込み一儲けしようと企む輩。
現代の治療も正解なんて分からない。奥が深い世界だ。
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【爆笑と恐怖が交互に襲い来る強烈な歴史書】梅毒には水銀風呂! 夜泣きする子にはアヘン! 水難事故にはタバコ浣腸! かつて人類の常識だった残念すぎる医療の全てがここに。
