侠飯9 ヤバウマ歌舞伎町篇 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2023年10月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167921125

作品紹介・あらすじ

悪を倒して飯を食う! 

専門学校を卒業したものの、就活に失敗してバイト暮らしの蓬創介。
求人サイトで見つけた企業の面接を受けに新宿へ出かけたが、
そこを運営していたのは、極悪非道の半グレ集団だった!

履歴書などで個人情報を握られて、逃げるに逃げられず、
歌舞伎町のバーで働いていると、頬に傷持つあの男があらわれて……。

シリーズ最悪の敵に、柳刃たちの怒りが炸裂する文庫書き下ろし第9弾!

みんなの感想まとめ

食と酒をテーマにした痛快なストーリーが展開される本作は、シリーズ第9弾として安定した面白さを誇ります。主人公の蓬創介が新宿歌舞伎町で半グレ集団に巻き込まれ、柳刃と火野のコンビによって救われる様子は、緊...

感想・レビュー・書評

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  • 福澤徹三『侠飯 9 ヤバウマ歌舞伎町編』文春文庫。

    文庫書下ろしシリーズ第9弾。安定の面白さ。次々と描かれる食と酒に関する蘊蓄と食べたことのない簡単料理のレシピ。そして、何よりも痛快なストーリーが面白い。シリーズがこれだけ続く理由も解る。


    山口から東京に出て、専門学校を卒業したものの、就活が上手く行かずバイト暮らしの蓬創介は、求人サイトで見つけた企業の面接を受けるが、そこを運営していたのは極悪非道の半グレ集団だった。履歴書などで個人情報を握られ、逃げるに逃げられず、言われるままに日給6,000円で歌舞伎町のバーで凛花と2人で働いていたある日、買い物に出掛けた時にトラブルに巻込まれる。それを救ったのは、あの柳刃竜一と火野丈治のコンビだった。

    歌舞伎町で、でかいヤマを追っていると話す柳刃と火野は度々、創介と凛花の働くバーに顔を出し、食に関する蘊蓄を語りながら、バーの食材で絶品料理を作ってみせる。

    柳刃と火野の追うでかいヤマとは……

    本体価格720円
    ★★★★★

  •  警視庁特務部捜査官の柳刃竜一と火野丈治が、潜入捜査のかたわら料理の腕を奮って、悩める若者のリスタートを援けるヒューマン × グルメ小説。シリーズ9作目。

     なお主人公は人生に行き詰まった若い男性で、物語は彼の視点で描かれる。
               ◇
     山口県でタクシー運転手の父親と2人暮らしだった蓬創介。進学のため憧れの東京に出てきたまではよかったが、努力せずに入れる専門学校に入学したのが失敗の元。

     卒業しても就職先がなく、彼女には速攻でフラレた。カラオケボックスのバイトで食いつないでいたが、3ヶ月前にそこも閉店してしまった。以後、正社員目指して中途採用の求人先を当たっているのだが、返ってくるのは軒並みお祈りメールである。
     まもなく12月を迎える。創介の心も懐も冷え込むばかりだった。

     そんなある日、ある会社から面接の連絡がきた。創介は喜び勇んで出向いたものの、面接はなぜかファミレス。
     個人情報を詳しく聞かれ、保険証の写真まで撮られたうえ、翌日アパートに送られてくる荷物を指示された場所に届けるよう頼まれた。

     不審に感じつつ迎えた翌朝。
     受け取った宅配便は送り主が匿名になっている。その時スマホに着信があり、荷物の受け渡し場所に指定されたのが新宿大久保公園の公衆トイレ前。
     ここに至ってようやく怪しいと思った創介が、その荷物を持って警察に向かおうとしたところ……。 (「プロローグ」) 全7話とプロローグ及びエピローグからなる。

          * * * * *

     本作には3人の若者が登場します。
     創介以外の2人、凜花と鱈夫は家庭環境の悪さがあり、とにかく家を出たかったというのは理解できます。 ( 特に鱈夫は命名からして誕生を歓迎されていなかったことがわかります。)
     主人公の創介が、もっとも甘えた考えの持ち主だったと言えます。 ( シリーズのいつものパターンです。)

     将来の目標が見つからないけれど、東京に行きさえすればなんとかなるかな。だから取りあえず手近なところに進学して、卒業を目指してみよう。などと考える。
     創介もそんな、人生を主体的に生きようとしていない若者の1人でした。
     流れに身を任せるだけ。言われたことをただこなすだけ。うまい話を疑わない。
     まさに半グレにつけ込まれるような甘い人間です。

     けれど柳刃たちと出会うことによって、準備することの大切さや創意工夫の意義を身を以て知ることになりました。
     特に料理を通して、生きる上での背骨になる心構えを教わったのは大きいと言えます。
     
     毒親のもとで育ち上京後も小狡い連中に虐げられていた鱈夫。パパ活暮らしの荒んだ生活を送っていた凜花。この2人にさほどの屈折ぶりが見られないどころか、まっすぐ優しい人間性を保持していたことは少しできすぎている気がしますが、それだけに応援する気になるのも確かです。


     今回も柳刃の見せる料理の腕に魅せられるばかりでした。しかも、自分でも ( 頑張れば ) 作れそうだと思ってしまうレシピです。
     ビールの注ぎ方やスパークリングワインの定義などは ( 山口恵以子さんのおかげもあって ) 知っていましたが、やはりグルメ小説としての価値が高いシリーズだと再認識しました。 ( 実際、柳刃たちの捜査や推理の様子はほとんど出て来ないのでミステリーではないのでしょうね。)
     柳刃の蘊蓄垂れたがりの一面も、気に入っています。次作も楽しみです。

  • シリーズ第九弾。今回は新宿歌舞伎町で半グレグループの隠密捜査を行う柳刃と火野。料理は相変わらず、手間をかけずに美味しそうなものをつくる。火野さん、金属バットでフルスイング、頭に当たったらやばいです。

  • シリーズ9弾。
    今作は歌舞伎町で半グレ集団と戦うストーリー。
    柳刃さんの人生訓が毎回非常に良いです。


    今回の料理は冷凍食品のアレンジが多く、すぐに試したくなります。レシピ本出ないかな〜

  • 受け子とか本当今どき…!今回は半グレ集団でニュースにも良く取り上げられるのでイメージが湧いた。出て来た違うヤクザ格好良い。そして万事休す!って時に助けに出てくる柳刃さん・火野くんは本当に格好良い!このシリーズ好き。

  • 侠飯9 ヤバウマ歌舞伎町篇
    著者:福澤徹三

    あらすじ:
    悪を倒して飯を食う――任侠×グルメ小説の第9弾!
    専門学校を卒業後、就職活動に失敗しバイト生活を送る蓬創介。とある企業の面接を受けに新宿を訪れるが、そこは極悪非道の半グレ集団が運営していた!個人情報を握られて逃げられない創介が歌舞伎町のバーで働かされるなか、頬に傷を持つあの男・柳刃が現れる。シリーズ最悪の敵を前に、再び侠たちの怒りが炸裂する!

    感想:
    シリーズ第9弾となる本作も、安定の面白さでした。毎回同じような展開にもかかわらず、柳刃と火野の正体が分かるまでのハラハラ感は健在で、読者を物語の世界に引き込みます。そして、やはり今回も“その瞬間”に彼らが助けに来てくれる――その安心感に、何度読んでもほっとさせられました。

    このシリーズの魅力は、ただのグルメ小説や任侠物ではなく、コワモテの2人が潜入捜査をしながら、事件に巻き込まれた人々の心に寄り添いながら、美味しい料理を振る舞い、最終的には彼らを苦しみから解放していくというヒューマンドラマがある点です。そこには必ず心に残る「大切な言葉」があり、読後に何かを学び、感じさせてくれます。老若男女問わず、多くの人に届けたいシリーズです。

    次回作でも、変わらぬ緊張感と安心感、そして温かい料理と温かい言葉に出会えることを期待しています。

  • 侠飯9 ヤバウマ歌舞伎町篇
    著者:福澤徹三
    ナレーター:水中雅章

    通常の求人サイトから闇バイトの受け子になってしまう創介。蜂矢に助けられてバーで働く事に。

    ニュースで見る子達は一部除けばこんな風に足を突っ込んでしまうんだろうなと、今時だなとしみじみ思った。

    バーで料理し始める柳刃さんと火野さんだが、いつも勝手だなと思いつつも面白い。

    創介・凛花・鱈夫が仲良くなっていったのが良かった。蜂矢も出所したら美味しい料理を作れるようになってほしい。

    -------------

    サマリー(あらすじ)・コンテンツ:

    悪を倒して飯を食う! 任侠×グルメ第9弾
    求人広告は半グレ集団による罠だった!
    個人情報を握られ、歌舞伎町のバーで働くことになった創介の前に、頬に傷持つあの男が……。

    -------------

    読了日:2025/09/30

  • 任侠✖️食✖️若者=今を生きる勇気

    短いエンタメの小説の中に、現代社会の課題に対しで、生きる為の食を大切に感謝し、そして自分の足で歩いていくための言葉と、主人公の気付きと成長が、無理なくキチンと伝わる形で織り込まれている。
    読むだけで、食欲と勇気が満たされる本。

    今回も、良い刺激を頂きました。
    うつ病になって漸く気がつけた眼差しを改めて教わる。

    誰からも必要とされてないと思うのは、他人になにかを求めてるからだ
    いずれにせよ他人になにかを求めている限り、成長はない

    自分の意思で変えられないことを悩むのは時間の無駄だ。古代ギリシャの哲学者、エピクテトスはこういった
    幸福への道は、ただひとつしかない。意思の力でどうにもならない物事は悩まないことである

    作中、柳刃は、自分の意思で変えられないことを悩むな。だが、自分の意思で変えられることはたくさんある、と語る。

    自身としては、挑戦あるのみ。

    翌日改めて、思ったところだが、半グレだのトー横だの、今の日本の社会の怖さも十二分に感じられる。
    今現在、現実にそうした闇に巻き込まれている人達がいることを考えると、恐ろしく、底が抜けた状態が怖いと思う。物語のように簡単には行かないが、大人として何かをしていくことも必要なのかもしれない。

    物語の良さスカッと解決、カタルシスを得ることの心地よさと、物語の中で思考停止してしまうことの恐ろしさも感じる。

    全てを疑うことはできないが、思考停止せずに常識や物語を疑うことも必要なのかもしれない。

  • 今回の舞台は歌舞伎町のスナック。安定のストーリーで柳刃の言葉が刺さる。自分のコントロールできるものに注力する。

  • 専門学校を卒業後、就活に失敗した蓬創介は求人サイトで見つけた企業の面接を受けたが、そこを運営していたのは極悪非道の半グレ集団だった。個人情報を握られて逃げるに逃げられず、歌舞伎町のバーで働いていると、頬に傷持つあの男があらわれて…。シリーズ最悪の敵に、柳刃たちの怒りが炸裂する文庫書き下ろし第9弾!

  • 刃さん火野さんの料理好き潜入捜査官シリーズ
    今回は歌舞伎町のスナック?BAR?で美味しいお料理を振舞ってくれています。毎回とってもおいしそうな料理の他に、2人に関わった若者たちが成長していく姿にも胸が熱くなる。私はもう若くは無いけど柳刃さん火野さんにあってみたい、助言して欲しいと思ってしまいます笑 最後に前作(今回は7に出てきた人たち)の人達のその後がわかるのも毎回楽しみです!

  •  なぜか、この侠飯シリーズは好きな作品だ。ヤクザの雰囲気を持った柳刃と火野。歌舞伎町に、半グレ集団の潜入捜査をする。
     蓬創介は、山口県出身で、父親に育てられ、東京の専門学校国際ビジネス学院に入るが、卒業間際で就職先がない。その上、彼女に「蓬くんってまじめだけど、すっごく地味じゃん。いっしょにいても、あんまり楽しくないから」と言われてふられる。

     創介が就職しようとした会社が半グレ集団の東京リッパーズだった。創介は、運び屋をやらされて、失敗し300万円の借金ができた。そのリッパーズの蜂矢翼、29歳に拾われ、蜂矢のバー、ニュー来夢で働くことに。じつに昭和的なレトロなバーであるが、良心的である。そこで、創介の同じ年の闇かわいい桝賀凛花がサポートとキャッチする二人だけのスタッフのこじんまりしたバーだった。そこに、ホストクラブで働いている本間鱈夫が、仕事終わってから飲みにくる。創介、凛花、鱈夫の3人組。
     
     そこに、柳刃と火野がやって来て料理をする。コンビニで買ってきたバーの冷蔵庫にある冷凍食品を簡単な手法で、おいしくさせることで、三人の胃袋を満足させ、いろいろアドバイスするのだった。

    柳刃はいう
    「勉強とは、自分がいかに無知かを知ることだ」
    「食事は生きる源だ。食事をおろそかにすれば、自分のこともおろそかになる」
    「目標が見えねえ森のなかじゃ登りようがねえが、てっぺんが見えるなら、そこを目指せばいいだろ」
    「本物の料理人は客を幸福にする。料理とは空腹だけでなく、心を満たすものだ」
    「誰からも必要とされてないと思うのは、他人になにかを求めてるからだ。他人ではなく、自分に求めるんだ」
    「結果がどうなるかよりも、そこへ至るプロセスが重要だ。なにを考え、なにをやったか、どれだけ真剣に取り組んだかが自分の知識と経験になる」
    「幸福への道は、ただひとつしかない。意思の力でどうにもならない物事は悩まないことである」

    ヤクザ風の警察官が、吐く言葉じゃないなぁ。それが、侠飯の言葉のご馳走だね。

  • 任飯はいつ読んでも本当に面白い小説です。
    今回は、自分の意思の大切さを学べます。
    今回もやってみたい料理のオンパレードでした。

    料理の知識もそうですが、最終章に向けてのストーリの展開などとてもよかったです。
    また、前回の登場人物が出るのもいいですね。

    次回の新作が出るのがとても楽しみです。

  • 勧善懲悪は気持ち良い。
    展開もわかってるのに、スラスラっと飽きもせずに読めちゃうのがすごいよね

    2025.1.11
    10

  • 俠飯第9弾!
    今回はハードボイルド強め。
    求人誌からアルバイトを応募しただけなのに
    闇の世界へ引き摺り込まれる。
    恐ろしい世の中だ。
    ラストに第8弾の「一丁たい焼き」登場!
    うれしい♪

  • 悩める若者主人公と、潜入捜査官の柳刃竜一&部下の火野丈治のシリーズ。
    もう9弾?!
    ここまで来ると、ああ、この捜査をしているのねとすぐに分るが、それは面白さをマイナスする物ではない。
    本業の傍ら、行きがかり上、生きづらい若者を助け、教え導き、支援する・・・そんな感じになっている柳刃さんたちだが、今回は個人的にちょっと深刻に感じた。
    主人公は、専門学校を出たものの就職浪人中の、蓬創介(よもぎ そうすけ)
    求人の募集に応じたところが、反グレ集団の活動の被害に遭ってしまう。

    毎回、若者の抱える問題に寄り添っている作品だが、今回は巻き込まれたら最後、地獄を見る、闇バイトからの半グレ集団との関わりである。
    創介のように真っ当に生きていても、うっかり面接に行って、こんなことになる。
    美味しい食べ物がたくさん出てくるお話だけれど、うまい話には気をつけよ!ということ。

    居場所がなくて家を出てきてしまう青少年が転落してしまうのは昔々からだけど、最近は大きな犯罪の手先に使われてしまうことも多いという。
    「家に居られない」若者たちを、本当は行政がなんとかしなくてはいけないのだけれど。

  • 今回もオモロい。

  • このシリーズはだいたい主人公がダメダメなやつで
    柳刃たちと料理を通して関わっていくうちに成長するというパターン
    今回も例外ではない
    今は就活にまで危険がつきまとう時代なんだなと
    うすら寒い思いをしながら読んでいた
    今回の主人公は就活で半グレ集団に引っ張り込まれそうになるという不幸にみまわれるが
    今回の構成では味方になる人物がやや多すぎるように思えた
    そのせいかハラハラドキドキする要素が少なかった気がする
    このシリーズ
    なぜかだんだん火野がカッコよく思えてくるのが不思議
    そして読んでると腹が減ってくるのが困り者
    柳刃のレシピは試してみたくなるし
    食欲倍増するから
    ダイエット中の人にはお勧めしない

  • 「病は口より入り禍は口より出ず」まさにそうですよね。どちらも、気をつけようと思いました。

  • 安定の柳刃さんと火野さん、絶対最後は悪いようにならないとわかっているので安心感があります。望まずとも歌舞伎町なんて所にいたら巻き込まれることもあるのでしょう。ちょっと軟弱な主人公も安定。捨てる神あれば拾う神あり。お料理のコツも相変わらずでとても美味しそうな描写に惹かれました。前回までの主人公もちらっと出てきてこちらも安定安心の読後でした。

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著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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