満月珈琲店の星詠み〜秋の夜長と月夜のお茶会〜 (文春文庫)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167921385

作品紹介・あらすじ

淡路島で母を看取った百花。満月の夜、散歩に出かけると、閉まっているはずの遊園地に見知った猫が入っていき……。花巻の祖父母の家で療養する少年、宮島で姉妹関係に悩む女子、人生に迷う人々の近くで、満月珈琲店が開店する。星遣いの猫たちのあたたかな言葉と、美しいイラストが共鳴する大人気書き下ろしシリーズ、第5弾!

感想・レビュー・書評

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  •  満月珈琲店の星詠みシリーズの第五弾、秋の夜長と月夜のお茶会のサブタイトルがついています。この独特な世界観がいいんですよねぇ~♪表紙も、見開きカラーページのデザートもさすがの桜井千尋さん、何だか癒されるぅ!満月珈琲店には決まった場所はなく、そしてお客様に注文をうかがうこともしない…大きな三毛猫のマスターが、とっておきのスィーツやフード、ドリンクを提供するというコンセプトです。そして、今回の作品は読書好きにはたまらない作品になっています。

     ストーリーの方は3編の短編にエピローグを加えた連作短編集になっています。
    第1章)木星と銀河のカッサータ
    母一人子一人であった百花が母を看取り、今までの人生とこれからの人生について考える作品。
    第2章)水星のお茶会とベテルギウスのプリン
    百花と母違いの総悟、母の過去を知りショックを受ける。その直後に知り合った人と同じ職場に勤務することに。
    第3章)金星と三日月りんごのアップルケーキ 
    総悟の従姉妹姉妹、松浦果歩・沙耶の恋愛…妹の沙耶の恋人を好きになってしまった果歩は…。
     エピローグ)総悟のこれから…。

     印象に残ったのはやっぱり、松浦姉妹のお話…姉妹で同じ人を好きになることってあるのかな??ちなみに私にも妹がいるけれど、同じ人を好きになった経験はないけどなぁ…。各章に共通していることは、主要登場人物がみな、生きにくさを感じているということです。でも、満月珈琲店に立ち寄れたことがいいきっかけにになり、前向きにこの先の人生を考えていけるようになるということだと感じました。やっぱり、満月珈琲店、好きです(*'▽')

  • 星詠みシリーズ5作目。

    今回は、『惑星年齢域』が表になっていてとても見やすい。

    ついつい今の年齢域を見てしまう。
    土星(56〜70歳)今までの実績から、成果を生み出す。
    ムムム…実績など⁇成果期待できるだろうか⁇


    物語の内容としては、〜秋の夜長と月夜のお茶会〜とあるようにテーマは、「読書」で知っている本も出てきて思い出すことも…。

    淡路島で母を看取った百花は、45歳になっていた。
    島から出ずに母と2人で生きてきたことに縛りつけられた感から逃れられずにもやっとしていた。
    母の部屋で沢山の蔵書を見つけて…
    満月珈琲店との出会いから自分の好きなように生きようと。

    真中総悟は、少年時代に身体が弱く岩手の祖父母宅で療養をしていた頃を思い出す。
    母の愛情を感じられずに辛い思いをしていたこと。
    母の妹である叔母から母の過去を聞いたことで…。

    宮島で結婚式をした従姉妹のこと。
    その姉妹の恋愛事情は、なんとも悩ましいというか…。
    心の声に耳を傾けることが大切。だということ。
    結婚式の日、妹が姉に渡した手紙は良かった。


    なんとなくまだ続きありそうかな…。



  • 満月珈琲店というだけで星が多くなるわたし・・
    某大学のXに教えてもらい、秋の夜長、月夜にかけて中秋の名月の日に読む(読み終わらず、長月のうちに何とか読み終える)。

    母子家庭で育った彼女の母の死、そこからの再生物語。北海道の彼が、彼女とあんなふうに繋がっていたとは。そして、妹にコンプレックスを抱く姉の話。望月先生の別の物語でもこんな設定があったな。(そちらも読んだばかり。)

  • シリーズ5作目。
    今回は舞台が淡路島、花巻、宮島と好きな場所ばかり。そして好きな作家さんの本もたくさん登場。
    短編連作3編とも、主人公に感情移入して読んだ。
    特に第三章がよかった!果歩ちゃんに幸せになって欲しい。

  • シリーズ5作目。
    このシリーズ、今出ているものは読み切りました。
    今回は天体の年齢域について書かれています。

    ホント、占星術って奥が深い。
    読み解きに決まりはないので、自由に読み解くことができます。
    自由だからこそ正解がないのです。
    なので、星詠みする人の感性や考え方が恐ろしく反映されるとも言えます。

    天体の年齢域って何??
    と思う方はP76~77の表を見てみるといいと思います。
    夫に年齢域の話をしたら、「ズバリ当たっている!」と驚いていました。
    (占いとか全く信用しない人間のせいか、半端ない驚きでした)

    ホロスコープを学び始めて人間も自然とか宇宙の一部なんだなぁ、思うんですよね。
    「私たちの生活ってめっちゃ天体の影響受けてるじゃん!!」って事がわかってくるのです。

    今回もストーリーよりも星の読み解きの方に重点を置いて読んでしまいました。
    星詠みの勉強にはものすごく参考になる小説です。

    続きはあるのだろうか??
    登場人物たちのその後が気になるところです。

  • シリーズ第五弾。

    悩める人達に極上メニューと、星の導きを与えてくれる〈満月珈琲店〉。
    桜田千尋さんの美麗なイラストと共にお送りする、様々な人生ストーリーを堪能頂けます。

    今回のテーマは、家族・恋愛・読書といったところでしょうか。
    登場人物達の、言いたいことがいえずに、勝手に自己犠牲のようになってしまいがちな不器用さが愛おしいです。
    淡路島で、母親の為に生きてきた百花さんが主人公の第一章。百花さんの“母親違いの弟”の総悟さん(シリーズ四作目にも出てきましたね)がメインの第二章。そして総悟さんの従姉妹の果歩と沙那の物語の第三章・・・それぞれのお話がリレーのようにリンクしていく様は、さながら星と星とが繋がって一つの星座を描き出していくようですね。
    星座といえば、このシリーズではお馴染みの「西洋占星術」ですが、この巻では“惑星年齢域”にスポットを当てて取り上げていました。
    例えば、0歳から7歳は月・・・26歳から35歳は太陽、36歳から45歳は火星・・と、いうように年齢域で対応している惑星が移り変わっていくらしく、その惑星がどの星座にあるかで、その期間の過ごし方がわかるのだそうで・・・本書内に解りやすい表が載っているのも親切ですよね~。
    そして、今回は“読書”もテーマの一つなので、皆さまご存じのあの作品名、この作品名が登場するのもウキウキですね。
    特に第二章は、舞台が岩手県の花巻市・遠野市ということで宮沢賢治三昧でございます。
    そうそう、今回は各章で舞台となる土地も魅力的で、個人的に数年前に一人旅で訪れた〈宮島〉が出てきて嬉しかったです。(めっちゃええとこですよね~。ここの鹿さんは、のんびりしていて可愛いのです。)
    勿論、お話の内容も心にじんわりと染み入る、ハートウォーミングな展開で(ただ、総悟&百花さんの父親に関してはモヤるものはありますけどね・・)、とりわけティルと総悟さんのシーンはウルっときてしまいました。
    総悟さんと小雪さんが上手くいくといいな~。
    てか、私の前にも〈満月珈琲店〉が現れて欲しい!三毛猫マスター、お待ちしております~♪

  • 第5弾も面白かった!とくに最後の話は涙が止まらない。読み終わったあと、心がほっこり温まった。イラストも素敵。

  • シリーズ5作目。
    やっぱり癒されてホッコリできる作品です。
    今回のイラストもとても素敵で美味しそうなものばかり。

  • 今回も良かった☆親子、夫婦、きょうだいの関係が描かれている。いつも思うが、満月珈琲店のスイーツやカフェが素敵

  • シリーズ第5弾。
    『満月珈琲店の星詠み』シリーズは、星遣いの猫たちの言葉にいつも癒されます。

    「立ち上がって前に進むために、涙は必要なのよ。なんでも外に出さないと、自分の中の心の水が淀んでしまうのよ。」

    「縁を結ぶというのは、かけがえのないものを生み出すということ」

    「月はすべての始まりで、内側の自分だから常に自分の人生に影響してくる。内側の自分の言葉を蔑ろにしてしまっては、何もかも上手くいかないものよ」

    「月は心。心の声に耳を傾けることが大切。外側の宇宙では、太陽の光が月を輝かせているけど、あなたの中ー内側の宇宙は逆。月を満たすことで、太陽が輝く。太陽はあなたの表看板。人生が輝くということよ。」

    星遣いの猫たちの印象的な言葉。心に優しく響きました。一緒に出てくる満月珈琲店のメニューも美味しそうです。

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著者プロフィール

北海道出身、現在は京都在住。2013年にエブリスタ主催第二回電子書籍大賞を受賞し、デビュー。2016年「京都寺町三条のホームズ」で第4回京都本大賞を受賞。「京都寺町三条のホームズ」「京洛の森のアリス」「わが家は祇園の拝み屋さん」「満月珈琲店の星詠み」「京都船岡山アストロロジー」シリーズなど著書多数。

「2023年 『京都 梅咲菖蒲の嫁ぎ先』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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