とり天で喝! ゆうれい居酒屋4 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2023年12月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167921415

作品紹介・あらすじ

ゆうれい居酒屋に幽霊が出た!? 
ますます好調なシリーズ第4弾。

新小岩駅にも再開発の波が訪れ、町の姿は日々変わってゆきます。それでも南口商店街の路地裏にある居酒屋・米屋では今夜も女将が変わらぬ笑顔で客を迎え、料理の腕をふるいます。
時には心に底に抱えた悩みまで、おかみさんの人柄で癒されていく。 だがしかし、このお店にはとんでもない秘密があった!
今日も悩める一見さんがご来店。元ボクサーや若手歌舞伎役者、ホストに入れ込む女子大生から季節外れの幽霊まで!?
時短レシピも大好評の人気シリーズ第4弾!

【収録作品】
第一話 冷や汁でパンチ
第二話 歌う深川飯
第三話 レンチン囃子
第四話 とり天で喝!
第五話 居酒屋のゆうれい

みんなの感想まとめ

心温まる短編が詰まったこの作品は、居酒屋を舞台にした物語が繰り広げられ、登場人物たちの悩みや人生が描かれています。特に第二話と第三話は感動的で、多くの読者が心に響くストーリーとして楽しんでいます。シリ...

感想・レビュー・書評

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  •  そこは新小岩ルミエール商店街の裏通り。現在では整骨院になっている土地には、かつて米屋という居酒屋があった。その米屋をたった1人でやっていた女将が亡くなって、もう30年になる。

     ところが今でも、夕方になり悩みを抱えた人が通りかかると米屋は忽然と現れ、悩める人は誘われるように暖簾をくぐる。
     さて今夜、女将の心づくしの酒とアテに邂逅する客の抱える屈託とは …… 。

     東京葛飾の新小岩にある居酒屋が舞台のオカルトファンタジー。『ゆうれい居酒屋』シリーズ4作目。
              ◇
     渋谷ハチ公前。待ち合わせ時間に少し遅れてきた秋穂は、人の多さに驚きながら恋人の姿を探す。ようやく正美らしき背中を見つけて声を掛けたところまったくの別人だった。
     慌てて頭を下げて詫び、今度こそ正美だと思った後ろ姿の肩を叩いてみれば、またしても別人。そんなことが続いたため、秋穂はたまらず「正美さん、何処にいるの!?」と叫んだところで目が覚めた。どうやらまたうたたねしていたらしい。

     ほっとしながら腰を上げた秋穂が開店準備をしていると、隣のスナックの優子ママが入ってきた。遅めの昼食を米屋で摂りがてらその日のオススメメニューを聞くのが優子の日課だ。スナック「優子」は料理を出さないので、軽く食べたい客には米屋から出前をとってくれる。
     どうも食欲がないという優子に秋穂が勧めたのが「冷や汁」だった。
      ( 第1話「冷や汁でパンチ」) ※全5話。

          * * * * *

     シリーズ4作目です。
     図書館の都合で先に読んだ5作目のあとがきに、「シリーズものは4作目で打ち切りになることが多い」と山口さんが書かれていたのを思い出しながら読みました。

     この4作目から、米屋が客を受け入れる枠が緩やかになっているのですね。3作目までとは違ったパターンで物語が展開するので、新鮮な気持ちで読むことができました。

     例えば第1話は、常連の音二郎たちが晩酌を楽しんでいるところに入ってきた男性客が悩める客なのではなく、その客に電話をかけてきた姪っ子が悩める人だったというパターンです。
     また最終話では、なんと一見客の幽霊が登場。幽霊だったとわかって、秋穂をはじめ常連客がゾッとするという笑い話仕立てです。

     個人的なお気に入りは第3話「レンチン囃子」で、歌舞伎界のしきたりや研修生の悲哀がわかりやすく盛り込まれていて、興味深く読むことができましたし、話もよくできていたと思います。

     ほかの話でも山口さんの小説らしく雑学知識も豊富で、第2話「歌う深川飯」では小松菜が新小岩の青菜が発祥で、名付け親は徳川吉宗だったことや、最終話「居酒屋のゆうれい」では『四谷怪談』で有名なお岩・伊右衛門譚の真相が紹介されています。

     それまでの3作よりも仕掛けや豆知識が盛りだくさんで、続巻が決まったのも納得できる出来栄えの4作目でした。満足です。

         * * * * *

     先日、所用で京都に行きました。

     益田ミリさん御用達の宝泉で白小豆ぜんざいを楽しんだのはもちろんですが、ふと入った居酒屋さんで、メニューに「ホッピー」があるのを見つけました。
     この『ゆうれい居酒屋』によく出てくるほか原宏一さんの作品などにも登場するホッピーですが、私は今まで目にすることがなかったので思わず注文してしまいました。

     ビールの風味は思ったほど強くはないけれど、揚げ物や煮付けには合いそうな感じの味でした。
     1度は飲んでみたいと思っていたホッピーとの出会い。旅先で念願かなってうれしかったです。

    • かなさん
      Funyaさん、おはようございます。
      この作品のレビューに対してではないんですが
      つい、コメントしたくなりました(^O^)/

      京都...
      Funyaさん、おはようございます。
      この作品のレビューに対してではないんですが
      つい、コメントしたくなりました(^O^)/

      京都に先日行かれた…!!
      羨ましいっです!
      しかも、ホッピーを飲んで??
      楽しいひとときになりましたね♡
      ちょっと前に、京都の紅葉をニュースでみました。
      なんか、京都の紅葉って、
      すごくいいですよねぇ(人´∀`).☆.。.:*・゚
      うちの方のとは上品さが違う…とつい思いましたよ^^;
      2024/12/01
    • Funyaさん
      かなさん

       おはようございます。お久しぶりです。
       秋もかなり深まりましたね。お風邪など召されていませんか?

       京都は好きな町なので以前...
      かなさん

       おはようございます。お久しぶりです。
       秋もかなり深まりましたね。お風邪など召されていませんか?

       京都は好きな町なので以前は時々訪れていたのですが、今回は8ヶ月ぶりでした。実は3月に行ったときインバウンド客の多さに圧倒されてしばらく控えていたからです。

       寒くなってきたのでそろそろ混雑が緩和されたかなと思ったのですが、前回以上の人出でびっくり。インバウンドの勢いは増すばかりみたいです。いやまったく疲れに行ったようなものでした。

       さてホッピーですが、近所の酒屋さんや居酒屋さんには置いていないので、ホントに興味津々で注文しました。
       でも、出てきたものは (キンミヤ)焼酎割ではなくてウイスキー割だったので、厳密には『ゆうれい居酒屋』の世界に浸ったとは言えないのでした。少し残念です。

       どこに行ってもものすごい人出で、古都のしっとりした風情を味わうのが難しい時代になったなあと実感して帰ってきました。 
       黄葉や紅葉は、地方都市にあるわが家の近くでゆっくり楽しもうと思います。(こちらのも上品さには欠けるかもしれませんが(#^^#))

       この冬は去年より寒くなるそうです。かな師匠とご家族様のご健康をお祈りしております。コメントありがとうございました。
      2024/12/01
  • 『ゆうれい居酒屋』シリーズ第4弾!
    本書も、第1弾~第3弾までと同様に、とても楽しませてもらいました。
    とりわけ、第二話と第三話は心に染みるいいお話でした。
    このシリーズの良さの一つは、”短編であること”に間違いはないと思いますが、第二話や第三話のような秀抜な作品(勿論、第1弾~第3弾にもありました)になると、もっと内容を膨らませ、深堀して、(このシリーズとは別になりますが)長編に仕上げてほしいという我儘なお願いをしたくなります。
    また、第五話にも触れておく必要があります。
    このシリーズのもう一つの良さに、”パターン化”がありますが、第五話での「終わり方」が今までのパターンとは異なります。(「あとがき」でも言及されています)
    私としては、今までの「終わり方」が大好きだったので、少し肩透かしを食らった感は否めなかったものの、決して残念と思うほどではなく、良作であることに変わりはありません。
    さて、次は第5弾となりますが、残念ながら6月の刊行まで待たねばならないようですので、山口さんの別シリーズである『婚活食堂』に手を伸ばしたいと思います。

  • 今回も安定な昭和令和間を行ったり来たりの第4弾!
    秋穂さんの一言で登場人物たちの人生好転感がスッキリする。
    ラストの章、アレ?感じが違うぞと変な意味でドキドキした。
    よかった、続編はありそうだ。

  • 水戸黄門的なお決まりの展開だが、料理がおいしそうでついつい読んでしまう。

    大変なこともあっても、何とかなる。
    釣れない時は場所を変えろ。

    頑張っていれば、何もかもが無駄でなく、つながるときがある。私も仕事でそう思うことがある。

    時代小説と歴史小説の違いを初めて知った。史実ののっとって書くのが歴史小説で、史実と関係のないフィクションで書くのが時代小説。有名な「宮本武蔵」が時代小説と知って驚いた。

  • ゆうれい居酒屋、待ってましたの第4弾! 秋穂さんのうたた寝のオープニングから、米屋再訪のお客さんの驚愕、感謝…というパターンがぴたっとはまり、「いつもの」を注文するような安心感です。ところが、第5話は、お化け屋敷に祟りに四谷怪談の話題になったかと思うと…もともと主役が幽霊というこのシリーズですが、ちょっと怖かったです。

  • 食と酒と人情、下町のしょぼくれた料理の美味しい居酒屋米屋が舞台の作品。
    毎回一見さんゲストが登場して登場人物像の把握にやや混乱しがちなので食堂のおばちゃんシリーズ、婚活食堂シリーズよりやや読みづらさを感じる。でも読んじゃいます。

  • 今回もほっこり。
    秋穂さん、店開く前に居眠りして夢を見るのは何かの暗示?

    お店で出てくる時短レシピが安くて美味しそう。作ってみたくなる。

  • いつもお話の最初に正美とのストーリーがあるのがいいですね。毎日、蝋燭と線香をあげて。
    第二話の構成がいつもの設定でありながら新鮮で面白かったです。
    第三話はお客さんの人生が興味深くて、その世界について少し勉強になりました。
    次作も楽しみです。

  • ゆうれい居酒屋シリーズ4巻

    冷や汁でパンチ
    歌う深川飯
    レンチン囃子
    とり天で喝!
    居酒屋のゆうれい
    の5話収録

    「レンチン囃子」で国立劇場の研修生制度のことを知ることができて、興味深かったです。
    3巻の相撲部屋の話もだけど、知らなかった世界のお話は結構面白いし勉強になる。

    毎度ワンパターンかと思いきや、「居酒屋のゆうれい」は前のお話で出てきた一見客が再訪したり(なんで来れたんだ?!)、ラストもいつもと違う終わり方でした。

  • 冷や汁でパンチ/歌う深川飯/レンチン囃子/
    とり天で喝!/居酒屋のゆうれい

    いつものように居酒屋にやってくるのは悩める羊たち
    誰の心が女将にほぐしてもらえるのかな??

  • 山口さん、「ゆうれい居酒屋」「食堂のおばちゃん」「婚活食堂」と3シリーズ毎回楽しく読んでいます。
    他愛もない話題が面白く展開されるのが嬉しい。
    人生、そんなに突飛な事ばかりじゃないし。
    平凡な事の積み重ねだと思って...

  • いつものフォーマットですすむ話もありながらパターンを崩してくる話もあり、面白かった。
    人情噺はやっぱりいいね。重すぎる作品でも無いし。気軽に読めて楽しめる。そして時短料理とは言うがどれも美味しそう。その点もいい。

  • 「冷や汁でパンチ」
    痩せるためにも。
    あまりにも不健康な状態なのであれば頑張るしかないが、そうでもないのに無理にしていたら身体に悪いだろうな。

    「歌う深川飯」
    本番前にピンチ。
    偶然薬が残っていたうえ対応が良かった結果とはいえ、何かあった時のための次の手は念のため準備するべきかも。

    「レンチン囃子」
    跡取りが産まれ。
    師匠の元で学んでいた時期など関係なく、決まってしまった関係の状態で本音をぶつけてしまってはまずいだろう。

    「とり天で喝!」
    騙されていた子。
    上手く作られた商法ではあるが、それを選別する目や話術を備えているのは使い方次第では大きな武器になるだろ。

    「居酒屋のゆうれい」
    誰にも話すなと。
    店の主人が気付いていないから知らないことではあるが、この場所自体も迷える者たちを支える特別な場所だよな。

  • 秋穂さんの人の良さに、現代の困ってる人が吸い寄せられていくお話。
    いつもながら、おいしいおつまみと困った人との掛け合い、そこから解決へ。楽〜に読めるシリーズです。

  • 新小岩駅南口商店街の路地裏にある居酒屋・米屋。毎回悩みを抱えた人がふらりとやってきて…

    今回はゆうれい居酒屋にまさかの幽霊が出没。今までにない終わり方が斬新でした。
    ほっこり良い気分の読了感のこのシリーズ。また次も期待しています。

  • 新小岩駅南口の居酒屋・米屋では、今夜も女将が
    笑顔で客を迎え、料理の腕をふるう。そんな米屋に
    季節外れのお化け騒動が持ち上がって…。温かくて
    ちょっと不思議な居酒屋ストーリー第4弾。

  • 歌舞伎の話で、師匠のおかげで道が開けた、と言っていたけど、師匠はお詫びの意味でそれぐらいするのは当然では?
    子供が生まれたから跡を継がせたいのは仕方ないにしても、息子がミスをしたなら注意した弟子に「注意しづらいのに、ありがとう」と思うのが人の上に立つ人間の姿じゃない。息子を注意すると師匠から怒られるのじゃ、誰も注意してくれなくなるじゃん。
    だから、弟子が辞めたくなったんだし。

  • 毎回同じパターン、ちょっと飽きてきた。
    同じ描写が多くて、もうこのシリーズはいいかな。

  • Audibleで
    今回はちょっと違った感じのお話も入っていたので、自分的なマンネリ化からはちょっと外れたかな。

  • 毎回、型どおりのお話ですがほっこりします。
    特に今回は、これは作者のこと?と想像しながら読んだり。
    それから、真似したい料理が多かったです!

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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