播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2023年12月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167921446

作品紹介・あらすじ

美しく、時に切ない新たな“陰陽師”ものの誕生!
医術の才に恵まれた兄の律秀と物の怪の姿が見える弟の呂秀は、庶民の病を診て薬を方じ、祈祷で禍を退けながら暮らしている。村に流れる物騒な噂を聞き調べる中で、呂秀は「新しい主」を求める一匹の鬼と出会い――。室町時代の自然豊かな播磨国を舞台に、陰陽師の兄弟が様々な怪異に迫る。珠玉の連作短編集。(解説・細谷正充)

みんなの感想まとめ

物の怪と人間の関わりを描いたこの作品は、室町時代の播磨国を舞台に、兄弟の絆や妖怪との心温まる交流を通じて、ほのぼのとした雰囲気を醸し出しています。医術に秀でた兄・律秀と物の怪が見える弟・呂秀の関係性は...

感想・レビュー・書評

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  • 新年1発目はこちら。
    物の怪話なのでちょいとおどろおどろしいモノなのかなと思ったけれど全然そんなことはなく、逆にほのかな暖かみを与えてくれる作品でした。

    呂秀と律秀の関係性が非常に心地良い。
    あきつ鬼も見た目は異形だけどそれに反してなんともいえなない優しさも持っていて、呂秀とのやり取りは微笑ましく感じる。

    八島の亡霊が現れた理由がクスッとせずにはいられなかった。

    新年を穏やかに迎えるのに相応しい作品

  • 面白かった。
    もっと道満の式神との絡みがあるかと思ってたのに、意外と赤鬼の出番はなく少々がっかり。
    でも兄弟がとても良くて続きも気になる

  • 地元の物語、「播磨」の文字に興味を惹かれて手にとった、読み進めるとこれがしっくりくる、地元ならではの地名や歴史も反映されて親しみが溢れる、私が先週末に訪問した広峰神社、現地に着くと不思議な気分になり今後の展開に興味が湧く、著書の内容についても興味深い何処か心地よさを感じてしまう。時は室町時代、怪異や妖のものが登場、派手な退魔や戦闘などは一切なく、どちらかというとほのぼのとした進み方、童話で覚えている「泣いた赤鬼」や多くの昔話しに出てきそうな「神」の描き方、自然と人間との共存などこの世界観を楽しめた、登場人物や関係性にも注目、「安倍晴明や蘆屋道満」陰陽師を基にそれぞれ特異の能力を備えた二人の兄弟、「うしおととら」を思わせる人と怪とのつながり、ホラーというより美しいファンタジーという印象が強い、今後の展開に注目し追いかけていきたい。

  • 京都に近い播磨國に、安倍晴明と戦った蘆屋道満の子孫であるという2人の兄弟がいた。2人は地方で庶民のために働く、法師陰陽師である。(中央で政としての陰陽師とは異なる)兄の律秀は医学に長けており、弟の呂秀は薬草園の世話をし、兄を手伝いながら暮らしている。律秀は優秀な医師であったが、妖を見ることができるのは、なぜか弟の呂秀のみ。
    呂秀は、蘆屋道満の式神であった赤鬼を得て、「あきつ鬼」と名付けた。
    呂秀は妖の力を借りながら、兄律秀と共に人々を助けていく。
    式神を暴れさせて事件を解決させる痛快な妖怪退治の話かと思ったら、そんな荒唐無稽なだけの、薄っぺらい話ではなかった。
    ある時は山神の頼みを聞き、荒ぶる亡霊を相手に、激しい戦いを繰り広げる。いやこの時は式神もかなりの力を発揮するが。
    「人は鬼のできぬことをする。鬼は人のできぬことをする」
    とあきつ鬼は言う。人の持つ心と、式神の力が、バランスよく発揮された、なかなか深いお話になっていると思う。
    登場人物たちのその後がとても気になるが、続編があるのでそれも楽しみに読みたい。

  • 兄弟が暮らしている様が美しくて、読んでいるだけで癒されます。

  • 単行本で読んで気に入っていた作品が文庫化したので再読。やはりイイなあ。念願の続編刊行も!嬉しすぎる♪

  • とても好き。
    物の怪の姿は見えないが陰陽師としては優秀な薬師の兄と物の怪が見える為とある鬼を式神とした僧侶の弟。
    二人が人々の病気や悩みを癒していく連作短編集。
    どの話も優しくてほんわかした気持ちにさせてくれた。
    思ったほど鬼の出番はなかったけど、出て来た時はしっかり活躍してくれる良い鬼。

  • ■第1話
    弟の呂秀は怪異を見る力があって、兄の律秀は全く見えないけど法力はあるんだね。
    兄は怪異は全く見えてないし信じてないけど、弟のことを受け入れてるのがいいね。
    道満の血筋なの、強いな。
    道満の式神だった鬼を呂秀が式神にしたの、エモい。
    まあ、それも式神となったあきつ鬼がおびき寄せる真似したからだけど(笑)

    ■第2話
    紅扇と白扇の友情、尊い…!
    正確は真逆なのに、舞の息はピッタリとはエモイ。
    紅扇の方が技量が上だったけど、白扇がそれに追いついて、一緒に見事に舞えるようになったのエモすぎない?
    白扇はそりゃクソデカ感情抱えるよね。

    あきつ鬼、すっごい力の強い鬼だね?
    呂秀の言葉を封じてしまうとは…。
    しっかり手綱を握らないとちょっと怖いね。

    ■第3話
    有傅、都の天文生だけど、根が良い人で良かった。
    従者の三郎太を気遣う優しさ、播磨の観測地の良さを認める素直さ、嫌な態度をとったことを謝罪する誠実さ。
    良い人で良かった。

    ■第4話
    やっぱり有傅の足に絡みついてた白蛇は蛇神様だったんだねぇ。
    山の神に話が伝わってて、神様同士って噂早いよね、あるあるだと思った(笑)

    あきつ鬼が優しくてホロリときた。
    かえでがちづと山の神との別れをちゃんとできるように振る舞ってて、意外な気持ちになった。
    呂秀の推測のとおり、自分も道満に置いていかれたから、かえでの気持ちが分かるのかな…切ない。

    ■第5話
    平氏の負けん気すごいな(笑)
    有傅、都人だからってだけで完全に巻き込まれ事故だよね今回。
    猿楽で平氏の勇姿を伝えるものを作ってほしいが為に。
    でも、源平合戦にも一瞬とは言え趣のある場面があったとは。
    弓の名手、与一に射られた平氏だけど腕を認めているのが武士の潔さだよなぁ。

    かえでのことは三郎太が請け負ってくれて良かった。
    薬草園のサポートをしてるーなぎさんも見てくれることになったし。
    有傅は女人の言うことにも耳を傾けてくれるんだね、やはり根は良い人。

    ■第6話
    梨の精と桜の精の友情、いいね。
    梨の木が弱っているのを心配して、桜の精が呂秀に頼む友情尊い。
    梨は弱ってたし、形がとれなかったんだろうね。
    桜と梨の精のお礼の舞を呂秀が真似て舞うことで、律秀に精達のお礼の気持ちが伝わってほっこりした。

  • タイトル(播磨)が気になって読んでみました。播磨で妖と言えば蘆屋道満よね、ってことで。案の定蘆屋道満関連の作品でヨシ!です。
    兄弟の陰陽師が人の悩みを解決するタイプのありがちと言えばありがちの短編集です。でも読みやすくて私は好きでした。最後の話が個人的には1番好きです。特に大きな盛り上がりがあるわけではないんですが、メインキャラ+αの小さな話が好きなんですよね〜。
    あきつ鬼がなんなのかまだあかされず、どうやら続編もあるようなのでそこで分かるんでしょうか?意外と主人公である主人に健気に仕えてくれていますが本当のところは…?が気になります。

  • 1439年から描かれる播磨国の式神(あきつ鬼)と薬師(⇨陰陽師?)兄弟の物語、神話の世界を彷彿させる切な系の物語、おそらく嘉吉の変に結びつくのだろう
    医術の才溢れる律秀(兄)と子どもの頃より妖が見える呂秀(弟⇨二人合わせて「呂律」)が病や変事を薬や祈祷で解決し銭を貯めている(目的がある様だ)
    呂秀が出会った鬼(あきつ鬼)と奇妙な五女関係、一巻目はプロローグ、二巻目は大中臣有傳の存在が意味を成し三巻目は・・・楽しみ

  • この作者なら物語の世界の作り込みは精緻なはず。
    読めば読むほど引き込まれるところが出てくると思う。

  • 陰陽師だけれど妖が見えない医者の兄と妖が見える坊主の弟。対称的だけれど二人が力を合わせることで、力を発揮できる。
    陰陽師としては、圧倒的な力を持たず、怪異の背景と原因を解き明かすことで、禍を祓う。
    力のある鬼はなぜ呂秀を新しい主に選んだのか?力の不均衡は、これからどうなるのか?蘆屋道満の子孫という出自も含めて、今後に期待。

  • 伊佐々王の方から読んでしまったので、戻りました。
    続きがたのしみです。

  • 2024/1/1 読了

  • 陰陽師の兄弟が怪異を倒すのではなく、解きほぐすタイプの連作。弟が使役する式神がグロテスクな化け物なのが、時代に逆らってる感じか。美形か、美形の人間体を持つのが今時でしょうが。もっとも、この化け物はいい味を出しているのだが。

  • これはSFなのか時代小説なのか?主人公と式神の関係は、昔読んだ「うしおとトラ」を思い出させた。この作品も、今後、壮大な話になっていくのだろうか?

  • 【美しく、時に切ない。播磨国で暮らす「陰陽師」の物語】律秀と呂秀は、薬草園をあずかりながら庶民と暮らす、心優しい法師陰陽師の兄弟。ある出来事をきっかけに、彼らは一匹の鬼と出会う。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。2003年『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。11年『華竜の宮』で第32回日本SF大賞を受賞。18年『破滅の王』で第159回直木賞の候補となる。SF以外のジャンルも執筆し、幅広い創作活動を行っている。『魚舟・獣舟』『リリエンタールの末裔』『深紅の碑文』『薫香のカナピウム』『夢みる葦笛』『ヘーゼルの密書』『播磨国妖綺譚』など著書多数。

「2022年 『リラと戦禍の風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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