曙光を旅する (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2023年12月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167921477

作品紹介・あらすじ

歴史の敗者に注目し、優れた小説を世に送り出してきた葉室麟。本書は最晩年に、古代から近現代まで数多の天災・戦いをくぐり抜けてきた西国を歩いた記録だ。西郷隆盛の鹿児島、遠藤周作の長崎、石牟礼道子の水俣。絶望が祈りへと変る時に文学が立ち上がる。葉室作品への最高のブックガイド。

目次
旅のはじめに
 時代に暗雲 詩人の出番 小倉(北九州市) 

第Ⅰ部  西国を歩く
防塁は知るや 不屈の士 元寇と「正気の歌」 福岡 
覇者の晩年 愛に包まれ 大友宗麟 臼杵(大分県) 
城跡で思う 海渡る意味 豊臣秀吉と名護屋城 名護屋(佐賀県) 
「沈黙」の祈り 時を超え 遠藤周作とキリシタン弾圧 長崎 
「咸宜し」説く 淡窓の心 広瀬淡窓・旭荘 日田(大分県) 
「開明開国」夢見た薩摩 西郷隆盛と開国 鹿児島 
幕末の民主思想の代弁者 坂本龍馬 長崎 
長州の思惑語る 龍馬の裏書 木戸孝允と坂本龍馬 京都 
維新への異議 夢の如く 西郷隆盛と西南戦争 鹿児島 
近代化切り開いた信念 幕末・維新と佐賀 佐賀 
「草枕」のその後を思う 宮崎兄弟と夏目漱石 小天(熊本県) 
革命夢見た一途な人生 宮崎滔天 荒尾(熊本県) 
日米の光と影 生きた男 金子堅太郎と明治憲法〜日露戦争 福岡 
「誠」を貫いた小さき者 小村寿太郎と日露戦争 飫肥(宮崎県) 
平和求めた歴戦の名将 日露戦争と島村速雄 柳川(福岡県) 
火のように 葦のように 火野葦平 若松(北九州市) 
雨、被爆地の怒り冷めず 原爆 長崎 
南の島唄に潜む生と死 島尾敏雄 奄美(鹿児島県) 
戦の世 見つめる大先輩 古川薫 下関(山口県) 
海峡越えて夢の歌声 長州と海 下関(山口県) 
琉球の声 本土へ届くか 高江と辺野古 沖縄 
琉球の苦難 黒船から今も 琉球とアメリカ 沖縄 
  時勢に流されず―高嶺朝一 

第Ⅱ部  先人を訪ねて
被爆の光景逃れ炭坑へ 筑豊(福岡県) 
土筆摘む背中 追いかけて 
  蜩と沈黙の壺―上野朱 
暗闇の思想 新たな輝き 中津(大分県) 
天宿す母胎 近代の爪痕 水俣(熊本県) 
時代に抗し 光放つ文学 熊本 
鉱害の山あい 共に歩む 土呂久(宮崎県) 
  近代の闇 先に見たものは―川原一之 
  対談 小説世界 九州の地から 東山彰良×葉室麟 
  「垂直方向」へ赴くこだわり―東山彰良 

第Ⅲ部  苦難の先に
熊本の友へ 
希望の芽吹きを信じて 熊本 
先人が問う「国のかたち」 熊本 
苦難乗り越え静謐祈る 秋月(福岡県) 
  憲法への深い見識に驚き―南野森 

第Ⅳ部  曙光を探して
  インタビュー「司馬さんの先」私たちの役目 
「葉室メモ」―「曙光

みんなの感想まとめ

歴史の敗者に寄り添い、地域の埋もれた物語を紡ぐ著者の晩年の歴史紀行は、九州各地の人物や出来事を訪ねる旅を通じて、心温まる読後感をもたらします。各地に関連する著名な人物の足跡を辿りながら、彼らの生き様や...

感想・レビュー・書評

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  • Ⅳ部からなる、著者晩年の歴史紀行。
    Ⅰ部の「西国を歩く」は、司馬遼太郎の『街道をゆく』を意識していたそうだ。それぞれの地に関係ある人物の足跡を訪ね、単元ごとに人物あるいは出来事の解説が編集者によって記されており、著者の関連する小説も紹介されている。
    Ⅱ部以降では、石牟礼道子氏や松下竜一氏に触れ、筑豊や水俣など九州人ならではの思いが語られる。
    葉室涼子氏による「父と旅」というエッセイも掲載され、巻末には著作一覧が年代別に掲げられて参考になるし、ファンにとっては見逃せない一冊といえよう。

  • 葉室作品のファンで九州出身の人間からすると、葉室さんが九州各地の埋もれた歴史をわかりやすく耳元で語ってくれる、そんな読後感をもつ本である。
    また、自分に残された時間の中で、文章の力を信じ、「書くことがすべて」と表現することをやめなかった葉室のさんの生き様を感じることができる。

  • 2023/12/30 読了
    蜩ノ記を読んだ時にも思ったけど、とても暖かい物語を書く方だなと思った。
    人の良さが現れてるというのは、葉室さんのような方を言うんだなぁ、、としみじみ。
    すでに亡くなっておられることを知らず、とても残念。

  • 葉室麟の九州旅行記。あまり面白くない。

  • 【葉室文学、最高のブックガイド】キリシタン大名・大友宗麟の臼杵城から長崎の原爆資料館、『苦海浄土』の水俣まで、西国を巡り歩き土地・人・文学を紐解く歴史紀行。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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