ロッキード (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2023年12月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (656ページ) / ISBN・EAN: 9784167921491

感想・レビュー・書評

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  • ロッキード事件の謎を追う!
    田中角栄は「本当に」悪人だったのか?
    〜史実と新たな視点から紐解く
     昭和の最大疑獄事件〜
    真山仁氏『ロッキード』

    【はじめに】
    真山氏は、日本の現代史に大きな影響を与えたロッキード事件に新たな光を当て、多くの疑問を掘り下げています。

    田中角栄は
    ①ロッキード社から、本当に5億円を受け取ったのか?
    ②総理の権限を乱用し、運輸省に圧力をかけ、ロッキード社に便益をはかったのか?

    この二つの核心的な疑問を、史実と新たな視点から検証しています。

    ------------
    1.『5億円』をめぐる検察の主張
    検察は、田中角栄が航空機「L-1011トライスター」導入に便宜を図るため、ロッキード社から5億円の賄賂を受け取ったと主張。

    極秘会計文書「コーチャン・ファイル」や関係者の証言に基づき、裁判でもこの主張が認められ、角栄は受託収賄罪で有罪判決を受けました。
    ------------
    2.揺るぎない「無罪」の主張
    しかし、田中角栄は生涯にわたり金銭の受け取りを断固として否定。「私は潔白だ」と主張し続けました。

    もし本当に金銭を受け取っていなかったとすれば、検察の主張には盲点があったことになります。
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    3.政治家の矜持と五億円
    真山氏の『ロッキード』は、田中角栄が外国企業から直接金銭を受け取るという行為が、彼の政治家としての矜持に反するものではないかと考察しています。

    外国からの献金は、当時も違法です。
    また、それ以上に、彼には国の主権を売る行為と見なされかねないというプライドがあったのでは?と、書籍には推察として記述されています。
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    4.運輸省への「口利き」は圧力か、助言か?
    もう一つの論点は、総理大臣の権力を背景に、角栄が運輸省に圧力をかけたかどうかです。

    検察は、トライスター導入を強く促したことが「職務権限の乱用」にあたるとしました。
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    5.国益を追求した政治家のビジョン
    一方で、この「圧力」には別の見方も存在します。トライスターは当時、高い技術力を持つ機体でした。日本の航空産業の将来を考え、最先端技術の導入が国益に資すると判断した、という側面もあったかもしれません。

    角栄が単なる口利きではなく、日本全体の発展というビジョンに基づいて行動した可能性も否定できません。
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    6.思考の訓練としての歴史
    ロッキード事件は、検察の捜査や報道が国民の認識をいかに形成してきたかを考える上で、貴重なケーススタディとなります。

    多くの情報に触れてその根拠を確認し、過去の事件に触れてみることは、現代社会における批判的思考を鍛える良い訓練になるかもしれません。

  • 『ロッキード事件』
    小学生のころの事件だっただけに、断片的な記憶しかない。

    ロッキードの贈収賄事件により、田中角栄首相、フィクサー・児玉誉士夫が逮捕された…

    が、真相は違ったんだと。

    田中角栄にロッキードのトライスターに便宜を図ることのメリットもなかったし、もっといえば、全日空にとっても、安全面からみてもトライスターを選ぶことになっていたのだから…

    当時の検察の捜査も⁇だが、角栄の弁護団も何をやっていたのか⁇
    検察側の証拠に対して、徹底的に矛盾をついていけば問題はなかったはずなのに。
    世論がそうはさせなかったのだろうか⁇
    角栄が悪者にされてしまったような気がしてならない。

    裏にはアメリカが。
    ニクソン、キッシンジャーという『グレートアメリカ』という思想の持ち主たちが。
    まるで今のトランプのようだ。

    そして、佐藤栄作、中曽根康弘が裏で動いていたような気がする。
    今となっては明らかにはできないが…

    いずれにしても、アメリカ、日本のロッキード事件の真相が明らかになっては困る人たちによって、田中角栄はスケープゴートにされてしまったのだと…

  • 「ハゲタカ」の真山仁が当時の資料や関係者へのインタビューをもとにロッキード事件の真相を追ったルポ。中曽根元首相や児玉誉士夫など田中角栄以外にも怪しい人物が見え隠れするが、ロッキード社からニクソン大統領への献金隠蔽のために日本の関係者が利用されたというのが最も腑に落ちる。様々な疑惑が提示されるが、いずれにせよアメリカ政府の都合で、当時疑惑の多かった田中角栄がスケープゴートにされたのは間違いないだろう。
    冒頭で元最高裁判事が述べた「フワフワとした事件」がロッキード事件の本質を突いている。

  • 「田中角栄」
    なんとなくは知っている
    リアルタイムで知らない
    何故そこまで
    カリスマ性があったのか
    急な転落があったのか
    ...冤罪⁉︎
    そしてもっと深い疑惑...
    ドラマじゃなくて現実に
    あったことなんだよなぁ...
    今の政治家サンは
    お金の集め方だけ
    学んだのかしら?

    主人の本棚から拝借

  • ロッキード事件が毎日のようにニュースで流れていたのを思い出す。
    角栄がロッキード社から賄賂を受け取ったというシンプルなものと思っていた。真山氏の取材によるとかなり複雑に色々なことが絡み合っていたようだ。

  • 今改めて時代を遡って読むとほとんど人民裁判の様相に近いなぁ

  • 小学生の時、担任が授業中断して裁判の中継を見たのを何となく覚えている。
    担任が事件の概要を黒板に書いてたかな。さっぱりわからんかったけど。

  • 昭和史を代表する事件、ロッキード事件についての検証本。田中角栄、中曽根康弘、児玉誉士夫、キッシンジャーなど、事件登場人物や関与が疑われる人物の掘り下げのほか、当時の調査や裁判の流れ、発言の検証などにも触れられている。この本を読むまでロッキード事件については概要しか知らず、どのように立件されたのか、誰が関与したと言われていたのか等基本的情報のアップデートを含めて大変参考になった。他の検証本も読んでみて理解をさらに深めたいと思った。

  • 本当の意味での真相なんて絶対分からないだろうけど、面白い。話出来る人がほとんど生き残ってなかったのが残念。

  • 【没後30年。時代の寵児を葬ったロッキード事件の真実!】田中角栄は本当に有罪だったのか? 戦後から現在につづく日米関係の深層と特捜神話の真実を関係者の新証言と膨大な資料で剔抉する。

  • ずっと米国陰謀論ってだけ思ってきてたけど、この本に登場する政治家さんがどれも悪そう。
    特に、中曽根さん。
    でも、たどり着くのは世論か…

    田中角栄の人物紹介と事件の概要だけでなく、全日空や戦闘機についてや、ニクソン政権、その他、内容濃く掘り下げてあって、複雑で、謎な事件だなと。

    賄賂がなくてもロッキードで買ってたんでは?
    実名入りのチャートもオカシイ。
    それから、MOMIKESUも。

    かなり読み応えがあり、速読の私だけど1ヶ月かかりました。

  • まさに期待していたような内容、落とし所…!
    内容が濃くてすぐ忘れてしまいそうだけど、とても面白かったです。
    とはいえ本当に事実なら悲しいなぁ

  • 自分が生まれた頃の事件であり、恥ずかしながら漠然としか知らない事件だった。

    読み進めれば読み進めるほどに、この事件の不可解さばかりが際立つ。

    このノンフィクションが全て事実であるならば、角栄はさぞ無念であっただろうな…。
    「真犯人」は他にもいるのではないか?と思わずにはいられない。

    しかし…。令和の時代になったって、政治家は変わらず、「記憶にない」、「知らない」を連呼するばかり。変わっていないですね。

  • 力作。ロ事件関連図書をもっとよまなくては。

  • 闇深い…。
    田中角栄逮捕の裏に、ニクソンやキッシンジャーの策略が見え隠れしてて、単なる贈賄で終わらない感じがした。
    トライスター問題だけだと思ってたけど、哨戒機にも関与してたのは知りませんでした。

  • ・こうありたいという理想像になりきれば、どんな緊張感の中にあっても、滑らかに話せる
    ・捨己:己を捨てることで道は拓ける

  • 自分が生まれるよりも前だったこともあり、「トライスター」「田中角栄」などのキーワードでは知っているものの、結局どういう事件だったのかはあまり知らなかった状態で読み始めたが、月並みな感想ながらまさに「ザ・昭和」という感じで面白く、どんどんと読み進めることができた。既に鬼籍に入っている関係者も多いため、憶測の域を出ない事項も多いが、その空白を大胆かつ繊細に埋める筆力はさすがだと思った。

  • アメリカの航空・戦闘機産業が国際政治にパワーを持った事実、でも角栄はロッキードに便宜を図るインセンティブはやっぱりない、という納得感。読めば読むほど戦後政治における児玉誉士夫という人物が謎すぎて、興味深い。

  • 児玉ルートの21億円はアメリカに還流され
    ニクソンの選挙費用に。
    角栄はコーチャンたちの嘘証言と
    それを信じた検察、世論に挙げられた
    ロッキードに象徴されるアメリカの金権政治と
    正義のゴリ押しが事件の本質か
    端を発したのは沖縄返還とロッキードの購入を
    交換した佐藤の判断なのか

  • 「フワフワとした事件でした」――元最高裁判事が抱いた違和感とは。前総理逮捕という「特捜の金字塔」は神話に過ぎなかったのか。関係者多数に徹底取材。多くの新証言を得て田中角栄を葬った“真犯人”に迫る。40年の歳月を経て、ロッキード事件の真実が明らかになるーー。そして、ロッキード事件を見つめれば、この国のかたちが見えてくる。
    慣れない政治の話ということもありかなり時間がかかって読了。角栄というとロッキード事件で失脚したというイメージしかなかったんだけど、すごい人だったんだな。そして彼は体よく片付けられた、その裏に真実が葬られたのでは?というのが筆者の意見だけれど、とにかく取材も綿密で説得力がある。時間も経過しているのに、刑事並みの追跡力で恐れ入る。この事件に限らず、日本の司法は正常に機能しているのか、かなり不安になるな。死んでしまえばそこで終わりっていうの虚しい。熱しやすく冷めやすいという国民性も反省すべきなんじゃないだろうか。

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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