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Amazon.co.jp ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784167921606
作品紹介・あらすじ
連載中に著者が急逝、刊行時に話題を集めた遺作が、三回忌を前に早くも文庫で登場。
二〇〇四年の暮れ、北町貫多は、甚だ得意であった。同人雑誌「煉炭」に発表した小説「けがれなき酒のへど」が〈同人雑誌優秀作〉に選出され、純文学雑誌「文豪界」に転載されたのだ。これは誰から認められることもなかった三十七年の貫多の人生において味わったことのない昂揚だった。次いで、購談社の「群青」誌の蓮田という編集者から、貫多は三十枚の小説を依頼される。貫多にとって純文学雑誌に小説を発表することは、二十九歳のときから私淑してきた不遇の私小説作家・藤澤清造の“歿後弟子”たる資格を得るために必要なことであった。しかし、年が明けても小説に手を付ける気にはなれなかった。貫多に沸き起こった、恋人を得たいとの欲求が、それどころではない気持ちにさせるのだ。貫多は派遣型風俗で出会った〈おゆう〉こと川本那緒子の連絡先を首尾よく入手し、デートにこぎつける。
有頂天の貫多は子持ちの川本と所帯を持つ妄想をする。ところが、一月二十九日、恒例の「清造忌」を挙行すべく能登を訪れた貫多は、取材に来た若い新聞記者・葛山久子の、余りにも好みの容姿に一目ぼれをしてしまう。東京に戻るや否や、小説家志望の葛山に貫多は自作掲載誌を送るが、その返信はそっけないものだった。手の届く川本と脈のなさそうな葛山、両者への恋情を行きつ戻りつしながらも貫多は「群青」に短篇、匿名コラム、書評を発表していく。そして、「群青」九月号には渾身の中篇「どうで死ぬ身の一踊り」が掲載されたが、その反響は全く感じられなかった。同じころ、葛山からは返信が途絶え、川本にはメールが通じなくなる。順風満帆たる新進作家・貫多の前途に俄かに暗雲が立ち込めるのだった。
完成直前で未完となった、著者、最後、最長にして最高の長篇1000枚。巻末にヒロイン”葛山久子”による特別原稿を収録。
みんなの感想まとめ
テーマは、作家としての葛藤や恋愛を通じた人間関係の模索であり、特に主人公の心情がリアルに描かれています。主人公・貫多の成長過程や恋愛模様は、読者に共感を呼び起こし、彼が抱える不安や喜びが生々しく伝わっ...
感想・レビュー・書評
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芥川賞受賞前夜を描いた作品。
その後現在に至るまで、唯一小説家風の気分をウットリ顔で味わっていた、幸福と云えばそうとも云える時期であったかもしれぬ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
西村賢太という作家の人間そのものが溢れ出た名作です。読んでいて何度も自分にも当てはまるフシがあるなと思い、それを隠すこともなくさらけ出す私小説書きの貫多の心情に共感と賛美しかありません。喫茶店で一人読んでいて、あまりの人間味の強さに吹き出しそうになりました。葛山久子さんからの特別原稿は感動で心が震えます。もう西村賢太さんはいないのだ、という事実に寂寥を覚えます。
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根がスタイリスト。
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どうしたらここまで自分を客観視出来るのだろう?天才。
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露悪と妄執とサクセスストーリー。
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西村賢太による希望の書。改めてご冥福をお祈りします。
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最後の手紙でちょっと感動してしまった
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西村賢太11冊目
序盤、某作品は横光利一の作品をもじったとの記述があり、期せずして答え合わせができて嬉しくなる
貫多が商業誌に掲載される駆け出しの作家になるまで、内容はクズ男の日常といつも通りなのだが半分は恋愛要素となっており、しかもWヒロインの三角関係(良く言えば
背表紙には巻末には片方の女性が文章を寄せていると書いてあったがそれは盛大なネタバレじゃないか!
しかもその方、口臭とかクチクサとか書かれてますよ何回も
なぞ思いながら残りページ数が減ってきてあれ?となる
やられた!これはもはや叙述トリック!傑作
他の作品を読んだぶんだけキッチリハマるやつ!
終盤の「根は〇〇でできている」ラッシュはいくらなんでもページ稼ぎが過ぎると感じて星を減らすつもりだったが、満点をつけざるをえない
ヒロインの文章も没後じゃないと絶対に掲載されなかったであろう内容で、雨滴が続いた最後に晴れを見せてくれる
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ぶっ刺さる
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「根は○○」が見開き2ページごとに出てくるから気になってたんだけど、調べてみたらtwitterでbotも作られてたのか
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私小説というものか。なかなか面白い。
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西村さんの名前を鶯谷のルポで知り読み始めた。
私小説家が芥川賞を受賞するまでの物語。自分の才能に悩み、女に逃げ、卑怯な二股を掛ける。まあ酷い主人公なんだけど、そこが真理を抉っていて怖いもの見たさでついつい引き込まれていく。
この本が絶筆となった由。残念 -
西村賢太「雨滴は続く」(文春文庫)読了。商業誌デビューから初単行本までの顛末。未完なのが惜しいけど、最後に岡惚れの対象として登場する葛山久子さんの寄稿が収録されてて泣ける。聖俗を見苦しく反復した生き様を肯定されるような、あるいは優しく突き放されるような切なさがあり、余韻が残った。
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【芥川賞受賞“前夜”の知られざる姿を描いた遺作】完結直前に著者急逝、衝撃を呼んだ遺作が待望の文庫化。新進作家・北町貫多の奮闘を描く。小説のヒロイン葛山久子の原稿も収録。
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