コモンの再生 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2024年3月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167921910

作品紹介・あらすじ

いつの間に、日本はこんなに生きづらい、貧しい国になってしまったのか?
なぜ、こんなにデタラメな政治がまかり通る世の中になってしまったのか?

その答え、実は「コモン」ですべて説明できるのです。

AIによる大量失業、富の一極集中、アンチ・グローバリズム、人口減少による高齢化と過疎化……
いよいよ限界を迎え、音を立てて軋んでいる資本主義。
その背景には、昔はどこにでもあったコモン(共有地)の喪失がある。
今こそ分断を超え、新しい共同幻想を立ちあげるときだ。
絶望の果てに光を見出す希望の書。

巻末に文庫版特別付録として、
東京大学大学院准教授・斎藤幸平との対談
「心地よい、新しいコモンについて語ろう」全17頁を収録!

21世紀の新たな「囲い込み」を警戒せよ!
そこには、ディストピアしかない──。

・西部劇「シェーン」は「コモンの消失」という悲劇を描いていた
・「貧困は自己責任」と切り捨てる心理
・「青年」も「旦那」も消え、子どもおじさん・おじいさんが出現
・「一罰百戒」で委縮するテレビ局や大手メディア
・ディープ・フェイクの時代を生き抜くために

みんなの感想まとめ

現代社会の複雑な問題を深く掘り下げ、共有地の喪失がもたらす影響を明らかにする一冊です。著者は、資本主義の限界や社会の分断を背景に、失われた「コモン」がどのように私たちの生活を変えてしまったのかを考察し...

感想・レビュー・書評

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  • 昔は下水工事の土管が置かれ、"原っぱ"と呼ばれた"共有の土地"は沢山あった。
    こうした「コモン」な土地は、地価が上がると資本主義的な考えで「私有地」になった。
    資本家たちの土地買収で、"原っぱ"は柵で囲まれ、「私有地につき立ち入り禁止」の看板が立った。

    だが今、高齢化や過疎化が進んだ地方では、土地を私有財産として維持し難くなり「コモンの再生」が始まっている。
    都心でも空き家問題が進んでいるが、私有財産ということで行政が手を出せなくて困っている。
    土地の私的所有はやめた方がいい時代が来ていると感じる。

    世の中の出来事にモヤモヤを感じた時「この人の見解を知りたい」と思う人は、池上彰さん、佐藤優さん、養老孟司さんくらいだったが、内田樹さんが加わった。
    内田樹さんを気に入った点は、自分の考えをはっきりと言い切る事。
    あとで間違いと分かったら、言い分けせずに誤りを認める事。
    誰も正解を知らない未来予測は難しいですからね。

    内田樹さんの基本的な考えや価値観は自分と重なる部分が多いと感じた。
    受け入れがたい意見がほとんどないので、反論できないと言うのが正しいかもしれない。

    例えば、こんな意見。
    ・人にして欲しいことは、自分が率先して楽しそうにやればいい。
    ・「目先の損得にこだわって巨大なリスクを看過する」傾向が強まっている。
    ・今の日本は、「希望を語れば噓になり、不安を語ればなじられる。」だからしかたなく昭和懐古の過去を語っている。
    ・健康な人は健康のことをあまり気にしない。健康に対する不安を煽る社会は不健康だ。「健康」の範囲を狭めて「不健康」な人を増やしている。
    ・「選択と集中」がもてはやされた結果の「○○ファースト」は、集中先を狭め、集中先に属する人の私利私欲を増長させることになっている。
    ・「自由」と「平等」は相反するので共存しない。自由は強者の思想で、平等は弱者に手を差し伸べる思想。

    天皇制や憲法については、
    ・今の制度で起きている具体的な被害事実がどれだけあるのか列挙せよ。
    ・学術的に原理的に誤っているとかいう話には興味がない。
    ・修正することでどれだけ住みやすい社会になるのかを定量的に示してくれ。
    というスタンス。
    何を議論するのかも定まっていないので、改正自体に切迫感を感じていないようだ。

    その他、
    「グローバル資本主義」と「新自由主義」は、パンデミックのせいで大幅な軌道修正が図られることになった。
    コロナ禍ではっきりしたのは、生活に必要なエネルギーや食糧を輸入に頼っているだけでなく、マスクや消毒液も自給できない国になっていたという事実。
    でも皆精一杯働いているではないか。
    安価なものは海外で作らせて、日本の国民は何で生活費を稼いでいるのか。
    何をしてるかと言うと、富裕層に金を使わせる(つまり富裕層の満足度向上の)ために働いている人が増えている。

    世の中の仕組みを変えていく時期にきていると感じる。
    そのためには、政治の力が必要なんだけど、、、

  • なぜ日本は自発的に「貧困化」へと向かうのか? 内田樹が語る“日本再建のビジョン” | 文春オンライン(2020/11/08)
    https://bunshun.jp/articles/-/41352

    「コモンの再生」まえがき - 内田樹の研究室(2020-07-20)
    http://blog.tatsuru.com/2020/07/20_1520.html

    『コモンの再生』文庫版のためのまえがき - 内田樹の研究室
    http://blog.tatsuru.com/2024/01/17_1447.html

    文春文庫『コモンの再生』内田樹 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167921910
    (単行本)
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163912929
    ------------------------------
    (Marcieさん)marcie's booksの本棚から

  • 定期的にこういった時事エッセイ的なものを取り込みたい。栄養分を身体に取り込むのと同様に。
    思考のアップデートの為、咀嚼した。

  • 確かに「コモン」という単語に向き合って考えてみると、個人が人生を生きるうえで、集団がコミュニティで関係し合ううえで、とても大事な概念と思える。読んで考えてみたい

    #コモンの再生 (文庫)
    #内田樹
    24/3/6出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3uYjyxe

  • 内田樹さんの話しは難しいのに本分かりやすくて面白い。
    今回は特に「大人は楽しい」と子供に思わせる大人になる「大人になりたい」と思わせる大人になる、って大事だなぁ、と強く共感した。

  •  日本社会の目に見える部分の背後に何があるのか、どのような者たちが何を目的にそういった背後を動かそうとしているのか、いろいろ考えさせられる本でした。うがったものの見方をする習慣は必要だろう。目のきく人が書く本を読んで、よく世の中を見ることだ。

  •  コモン”共有”とは何か。
     いつのまにか日本人が失っている感覚を再生するには。

     2016年から2020年にかけての批評集。
     数年後のことを予想するのは難しい。

  • 雑誌連載を書籍化したものだから、よく言えば気軽に読める、悪く言えば予定調和で想定の範囲内。タイトルは大袈裟過ぎるかな、「内田樹の人生相談室」でもいいと思うがそれじゃ売れないか。

    それにしても著者は大分リベラル色が強くなった様に感じる。「東京ファイティングキッズ」の頃はもっとバランスを取っていた気もするが。世の中が右(右が革新、左が保守という考えもあるが)に偏り過ぎたからそう錯覚しているだけかも知れない。

    江崎書店袋井店にて購入。

  • 人類は遥か昔、土地を所有するのではなく、コモン(共有地)で生活していた。筆者はコモンの再生を新たな共産主義になぞらえる。それはソ連といった社会主義国家によるトップダウンではなく、国民主導のボトムアップを新しい共産主義を次世代の国のあり方と説いている。
    様々な読書からのざっくばらんな質問に対し、筆者の知見をまじえなごら答えていく内容で、読み応えはある。特に反抗期の娘の接し方と、家族に対する金の使い方が印象に残った。

  • 【知の巨人が語り尽くす、日本への刺激的処方箋】分断やエゴを超え、新しい共同幻想が立ち上がる希望の書。コモンの再生が活路を開く! 文庫付録として斎藤幸平さんとの対談を収録。

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著者プロフィール

1950年東京都生まれ。神戸女学院大学名誉教授、神戸市で武道と哲学研究のための学塾凱風館を主催、合気道凱風館師範(合気道七段)。東京大学文学部仏文科卒、東京都立大学人文科学研究科博士課程中退。専門は20世紀フランス文学・哲学、武道論、教育論。 主著に『ためらいの倫理学』、『レヴィナスと愛の現象学』、『寝ながら学べる構造主義』、『先生はえらい』など。第六回小林秀雄賞(『私家版・ユダヤ文化論』)、2010年度新書大賞(『日本辺境論』)、第三回伊丹十三賞を受賞。近著に『日本型コミューン主義の擁護と顕彰──権藤成卿の人と思想』、『沈む祖国を救うには』、『知性について』など。

「2025年 『新版 映画の構造分析』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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