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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784167921958
作品紹介・あらすじ
第165回直木賞受賞作!
巨星・河鍋暁斎の娘として、
明治大正の動乱を真っ直ぐに生き抜いた
女絵師・暁翠の一生。
不世出の絵師・河鍋暁斎の娘・とよは
暁翠の画号をもつ女絵師。
父亡き後、仲がよいとは言えぬ
腹違いの兄・周三郎(暁雲)と共に、
洋画旋風の中、狩野派由来の父の画風を守ろうとする。
明治大正の激動の時代、家族の生活を担いつつ、
絵師として母として、
愚直に己の生を全うした女の一代記。
解説・東山彰良
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
女性絵師の生涯を通じて、明治から大正にかけての日本画の歴史や家族の葛藤が描かれています。主人公の暁翠は、巨星・河鍋暁斎の娘として、父の影響を受けつつも自身の道を模索する姿が印象的です。兄との複雑な関係...
感想・レビュー・書評
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河鍋暁斎が好きなので読んだ。
天才絵師河鍋暁斎の娘の絵師河鍋暁翠こととよの話。
タイトルの星とはこの父親のことなのかどうか。
絵師として万能すぎる父の亡き後の兄弟や父の弟子たちとの関係など。
暁斎の長男周三郎との関係性に緊張感があって面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「星おちて、なお」澤田瞳子
一冊にぎゅっと、女絵師の人生、日本絵画の歴史、明治から大正にかけての日本の歴史がつまっている。
明治22年から大正13年にかけ、河鍋暁斎の娘とよ(河鍋暁翠)の半生が描かれる。
不世出の絵師といわれた河鍋暁斎。
どんなものでも、想像力と画力で自由自在に描きあげ、見る人を喜ばし驚愕させた天才。
おとよは、父である前に師匠であった暁斎を超えられない無力さを感じ、絵師であるゆえの苦難に直面するたびに、絵師の家に生まれた自分の人生を「獄だ。」と恨む。
終始、静かだけれど力強い文章で、絵師として生きる苦労、作品を生み出す苦悩、時流に取り残され流派最後の1人として悩みもがきながらも進む、おとよの絵に対する真っ直ぐな生き方が伝わってくる。
絵画や美術作品に癒される時間が好きで、まとまった時間があると美術館や博物館に行くのですが、
「星落ちて、なお」を読んで、作品に取り組む人達が命懸けで一筆一筆を重ねる作品だからこそ、心震え癒されるんだと改めて気付かされました。
読んで良かった。 -
2021年の直木賞受賞作品。祝文庫化。天才絵師•河鍋暁斎の娘「暁翠」の伝記。兄妹の、複雑ながらも揺るがない絆が良い。達観は天才にだけ与えられる境地ではないと思えた。
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画鬼・河鍋暁斎の娘、とよ。
彼の弟子でもある彼女は異母兄・周三郎と反発し合い、競い
ながら、絵師として父の画業を追い、明治・大正期を生きる。
蛙鳴く 明治二十二年、春 かざみ草 明治二十九年、冬
老龍 明治三十九年、初夏 砧 大正二年、春
赤い月 大正十二年、初秋 画鬼の家大正十三年、冬
解説 東山彰良
とよが22歳のとき、父は亡くなった。それは河鍋暁斎。
様々な画風を自在に操り、奔放な画巧の稀代の画家。
絵を描くことが父との紐帯であり、異母兄・周三郎も同様。
赤い血でなく黒い墨で結び合わされたようで、お互い反発し、
競いながらも、父の画風を守るために画技を磨き合う。
偉大な星が落ちても、その画業を追い、行き着こうとする二人。
だが、時代の変化、画壇の変遷の波。明治は遠くなりにけり。
その中で、とよは多くの出会いと別れを体験する。
父の弟子たちの姿、彼らの家族、結婚と離婚等々。
長い年月の歩みは葛藤がありながらも、とよ自身を変えてゆく。
人は喜び、楽しんでいいのだ。苦難を乗り越えた清兵衛の
言葉がとよの心に使命を示す。父と兄のことを話すのが務めと。
とよの真っ直ぐな生き方が印象的な作品でした。
若い頃の、もがき苦しむ画業。兄の技巧への嫉妬。
でも徐々に変化し、達観していく彼女自身の姿が良かったです。
とよ・河鍋暁翠の絵が見たくなりました。 -
巨星 河鍋暁斎の娘として一人の絵師として明治大正の激動の時代を生き抜いた とよ(暁翠)の一代記。
とよにとって絵を描くということは父や兄とのつながり、そしてそのつながりへの屈託を再認識する作業だった。
父のようになれるわけもなく、兄のような才もなく、さりとて絵から離れることもできず…
しかし終盤 以前 暁斎の弟子であった
清兵衛の「─この世を喜ぶ術をたった一つでも知っていれば、どんな苦しみも哀しみも帳消しにできる。生きるってのはきっと、そんなものなんじゃないでしょうか」「─とよさんもまたその年まで絵を続けているのは、そこに少しなりとも喜びがあったためではないですか。暁斎先生や周三郎さんへの引け目のせいで、ご自身の中にある喜びに顔を背けちゃいませんか」という言葉に とよはハッとする。
物語の最後 自身の役割を真摯に愚直に果たそうとする とよがいた。
とても生真面目で繊細で強い人。
褒め言葉になるかどうかわからないが
きっと そういう絵を描く人なのだと思った。 -
江戸末期から明治にかけて活躍した絵師・河鍋暁斎の娘の物語。
お恥ずかしいことに、私は河鍋暁斎を知らず、架空の人物かと思っていて、読み終わってから検索して知りました。
物語の描写のとおり、彼の絵は生き生きとして迫力のある作品でした。
この人の家族はさぞ苦労しただろうなと思うほどに。
読みながら、絵を描く運命から逃れられず苦しむ娘の生き様が、苦しくて苦しくて。
芸術って、その人自身の才能なのに、子供だからって跡取りにされたらつらいだろうな。
関東大震災のところも、東日本や能登の震災を思いつらくなり、読むのがずっと苦しかったです。
最後に
「人は喜び、楽しんでいいのだ。生きる苦しみ哀しみと、それは決して矛盾はしない。いや、むしろ人の世のが苦悩に満ちていればこそ、たった一瞬の輝きは生涯を照らす灯となる。」
という言葉で、やっと救われた気持ちです。 -
澤田瞳子らしい、訥々とした流れの中にも
葛藤や強い思い、一本筋の通ったテーマがあり、人それぞれ楽しみをもった人生でよいというシンプルな言葉も重要なところで出てきたところなど好感がもてる作品でした。 -
おとよさんの葛藤が凄く良かった。
ぽん太怖い。
「顧みれば父と自分や周三郎は、赤い血ではなく、一滴の墨、一本の筆で互いを結び合わせていたのかもしれない」 -
絵が表現される場面がたくさんあって
想像しながら、読んでいくのが
面白かった。
実際の絵をネットで見たりするのは
反則かなと思いながらも
つい確認してしまいました
本筋には関係ありませんが
「まんじゅう切手」なるものがあったとは
驚き! -
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とっても素敵な物語
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天才絵師の娘として幼い頃から絵を仕込まれたトヨ。父は厳しい師であり、決して超えられない存在。自分より才能がある腹違いの兄とはライバルであり、反目しながらも、同志であった。父の死後も父の存在に縛られながら絵師として生きる道しかないトヨは、娘には絵師の道に進んでほしくないと思っている。
登場人物が多くて、関係がよくわからなくなった。でも、トヨたちの、明治時代の日本画の絵師としての誇りや辛さや意地がよくわかった。 -
直木賞
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直木賞受賞作。
不世出の絵師を父に持った娘が主人公。父から絵を仕込まれながら、父ほどの才がないのを自覚し、亡き父に反発しながらも絵と離れられず、絵師として生きる女性のお話。
亡き父や絵というものへの思いや理解が、生きていく中で変わっていく。 -
さすが賞をとっただけあるな。文章上手いし読ませる。
ぽん太嫌な女だったなぁ。八十五郎、人って変わるもんなんだよねぇ。 -
暁斎の弟子ジョサイアコンドル著の”河辺暁斎”(岩波文庫)を通して、とある方から教えて頂いたのが澤田瞳子の本著。
河辺暁斎の娘とよ(河鍋暁翠)の物語であるが、非常に読み応えがあった。
暁斎自身が江戸末期から明治初期の激動の時代を生きた人であるが、暁翠も父暁斎と師暁斎とのつながりに苦悩しながらも明治から昭和初期の時代を生きた女性である。
欧米の文化が入りこれまでの価値観が崩れ去り(狩野派が古いと判断されたり、美人画が表面的な美しさを讃えるようになるなど)、それでもなぜ絵から離れなかったのだろうか?終盤に清兵衛が語る言葉もあるが、二度三度読むことでさらに味わえる部分が出てきそうだ。
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画鬼の娘として生まれた河鍋とよの生涯を描いた作品。たくさんの苦悩があったんだなあというのと、それでも気丈に生きた姿に感銘を受けました。
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河鍋暁斎亡き後の、娘とよ(河鍋暁翠)の物語。
江戸から明治大正へと時代が変わり、暁斎の絵は古臭いと言われるようになる。狩野派は維新で落ちぶれ、これも過去のものとなる。 -
一般人よりは才能もあり努力もできる人物が、女性であること、そして才能があるからこそ自他の才能の位階もわかること、この2点で暗いものを腹に抱えてそれでも生きる、という話だった。
著者プロフィール
澤田瞳子の作品
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