桜の木が見守るキャフェ (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2024年4月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167921996

作品紹介・あらすじ

満開の桜も素晴らしいけれど、散り際にも楽しみはある――。

『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』『伝言猫がカフェにいます』の著者が贈る、かけがえのない人生の物語。

庭にヤマザクラの大きな古木がある〈キャフェ チェリー・ブラッサム〉。祖母と母から受け継いできた洋館で、緋桜(ひお)は、季節の和菓子と茶を提供している。

訪れるのは、犬を連れて散歩にくる老人、長年連れ添う国際結婚の夫婦、保育園からの帰り道に通りがかった親子、自分が進むべき道に迷う少女……。

桜の木は、今日もゆったり、行きかう人々を眺めながら、各々が抱える悩みや秘めた思いに耳を傾け、静かに寄り添う。

四季の移ろいと人々の交流を、優しくゆったりと描く再生の物語。

文庫書き下ろし。

みんなの感想まとめ

人々の人生と季節の移ろいを優しく見守るヤマザクラが象徴的な物語が繰り広げられます。代々受け継がれてきた洋館「キャフェ チェリー・ブラッサム」では、主人公の緋桜が和菓子とお茶を提供し、訪れる客たちの心を...

感想・レビュー・書評

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  • 素敵なお話の数々。
    人生いろいろ。

  • 『キャフェ チェリー・ブラッサム』の庭で枝を広げている古い大木のヤマザクラが、静かに語りはじめます。

    祖母の八重が始めた宿から、その娘櫻子が洋食レストランへと業態を変え、さらにその娘の緋桜がキャフェの支配人として、この古いお屋敷のあとを継いでいます。

    『キャフェ チェリー・ブラッサム』で出されるのは、お茶と和菓子。
    物語にはとてもゆったりとした空気が流れています。
    移ろいゆく季節の中で淡々とルーティンをこなす様子を、年老いたヤマザクラの目線が優しく、キャフェに集まる人々の人生を温かく見守っているよう。
    自分の進むべき道に、時に迷うけれど、人はみな知らないうちに支え合って生きているのです。
    少し立ち止まって人生を見つめ直したくなるような優しい物語です。

  • シンボルツリーのヤマザクラがあるお店「キャフェ チェリー ブラッサム」
    落ち着いた空間で頂くお茶と季節に合わせた和菓子が美味しそうで、お客さんが癒やされていくのも納得。
    一つ気になったところは、語り手が短い間隔でどんどん変わっていく点。
    あまりに細切れで変わっていくので、気を抜くと「???」となってしまった。

  • ☆4

    祖母(八重)、母(櫻子)、娘(緋桜)の3代続く洋館を舞台にした物語。
    今は娘の緋桜が支配人として受け継ぎ、「キャフェ チェリー・ブラッサム」という店名で季節の和菓子とお茶を提供している。
    その洋館の庭には、桜の大木(ヤマザクラ)があり、桜の木の目線で物語が進んでいくのも面白かったです❁⃘*.゚

    特に事件が起きたりする事もなく、ゆったりとした時間が流れていくようなお話ですが、読んでいてとても心地良かったです。
    疲れている時にオススメしたい1冊です!

  • 寒川神社の大祓の神事に行く時にお供してもらいました。
    山桜を語り部にした四季折り折りのカフェを訪れる人々の物語。
    癒されました。そして、おいしいお茶と和菓子が恋しくなった私です(笑)

  • 標野凪さん7冊目。今回は古い桜の木がある洋館で営まれるカフェが舞台。カフェの店主は30歳の緋桜。料理人の父とその妻である母が営んだレストランからバトンタッチし1人でカフェを経営している(両親と緋桜は洋館の裏の離れで暮らしている)。さらにその前の祖母の代は洒落た宿泊施設だったとのこと。ナイーブな言い方になってしまうが、採算度外視で素晴らしい環境&職住隣接でカフェを営なむ生活を羨ましく思った…。
    カフェのメニューはお茶3種、その時々の季節の和菓子というシンプルなもの。部屋も3部屋。常連のお客さんをはじめ、静かな時間が流れている。花屋の都子やカバン職人の可奈、和菓子職人の母娘といった仕事を通じてできた仲間も素朴で良かった。
    四季折々の花を室内に飾ったり、お客様へ提供する和菓子を調達したり、なんとなく森下典子さんの『日々是好日』のような雰囲気だった。
    これまで読んできた標野さんの作品と異なり本作はファンタジー要素は薄く、古い桜の木が緋桜たちを優しく見守っているとても温かいストーリーだった。時節、元料理人の緋桜のお父さんが季節の食材を用いて作るご飯もストーリーのメインではないのだが、なんだか幸せで美味しそうだった。とても好きな雰囲気の物語。

  • 一本の大木、ヤマザクラが目印のカフェが物語の舞台。
    季節のお茶やお菓子、店内に生けられる季節のお花。移ろう季節の中で人々の優しく穏やかな交流が描かれていた。

    舞台設定やお茶、お菓子、お花と好きなものばかりだったけれど、何だか読みにくかった。
    ヤマザクラが語ったりするところがあったり、何かを伝えようとするのに言葉が多いように感じでしまいました。
    結局、最後まで作風に慣れることが出来ないまま読み終えてしまいました。
    残念です。

  • この物語は、なんと樹齢100年以上の桜の木(ヤマザクラ)が語り手となって、話が進みます。

    この桜の木のそばに、もう70年を越す、古い洋館が建っています。現在は、緋桜(ひお)が、和菓子とお茶を出すキャフェを一人で経営しています。その前は、母親がレストランの支配人として、父親がシェフとして腕を振るい、又その前は、祖母が小さな宿泊施設を営んでいました。その移り変わりを、ずーっと桜の木は、温かい目で見守ってきました。

    小さな事でクヨクヨする人間たち。他人と比べて、何て自分はダメなんだろうと、落ち込んだりもする。そんな時、桜の木は、みんな違う一人一人の人間、比べることなんてないのよ、と声をかけてくれます。風で葉っぱを揺らして、声が届く様に願いながら。そして、100年も生きていると、そろそろ、自分の寿命のことも考えます。私はいつまで生きて、ここに住む人間たちを見守れるのか?とても切ない気持ちになります。

    この本を読むと、桜は満開の花盛りの季節だけでなく、散った後からすでに、来年の花を咲かせる準備をしているのだなぁと、改めて思います。春以外の、夏、秋、冬と、桜は一体どんな状態なんだろう?そんな疑問にも、この本は答えてくれます。

    静かな場所で、ゆっくりページをめくる。そんな読み方が似合う本です。

  • 喫茶ドードーの作者さんでホッコリした気持ちになりたかったので期待して購入したけど、あまりホッコリもできず、じんわりすることもなかった(⁠*⁠_⁠*⁠)
    残念。

  • 感想書き忘れ。
    半分くらい忘れてしまっているけど、桜の木の側から見た人間模様に温かみを感じたのは記憶に残っている。

  • 最近、続けて標野凪さんの本を読みました。
    その中で…いや、標野さんの今まで読んだ中で一番好きでした。しっくりと自分の中に溶け込む感じがしました。
    自分の生き方を信じて大切にしていこう…と素直に思えるお話しでした。

  • こんなふうにゆったりと、自分だけの大好きな空間を持てたら良いなあ、と思った。そこに大切な人だけを招き入れられたら最高!

    桜が春の短い期間に盛大に花を咲かせるためには、ずっと夏も秋も冬もずっと準備して努力してるんだね。

  •  確かブクログスタッフおすすめの記事を見て本棚登録したと記憶しています。
     庭に桜の大木があるカフェを祖母、母、と受け継いだ娘を桜の木目線で見守る物語です。
     はっきりとしたストーリーはなく季節の移ろいや、和菓子や花木にまつわるカフェの日常を、訪れる人々とのふれあいを交えながら優しく描いています。
     読む側の心も穏やかになりますが、もの足りないと感じる読者と分れる作品かもしれませんね。

  • 三代の女性が引き継ぐ古民家キャフェ。
    樹齢100年の桜の木の視点や、それぞれの、視点で描かれていて、大きな何かがあるわけではないけれど、穏やかに過ぎる一年のお話。

  • 標野さんの書く喫茶店やキャフェは、どうしてこんなにも魅力的なのだろう……!
    ヤマザクラの視点からみるお話もすごくおもしろかったです。
    描写もですが、日本語の美しさも、再確認できる作品だと思いました。

  • 絵本のような文庫本。
    こんなキャフェがあったら素敵だな、温かい気持ちで読み進めた。ページをめくるたびに花々やお菓子、主役の桜の木が浮かんでくる。想像をかき立てられる。ゆったりした時間で満たされている本

  • 読み始めは、可もなく不可もなくと思ってたけど、読んでると日本の四季の美しさ、季節の花や植物、和菓子がすごく素敵で夢中になって読んだ!

    丁寧な暮らしがしたくなった!

  • ゆっくり、まったりと読みました。
    山桜を鑑賞しながら過ごす穏やかな時間、最高ですね。

  • 標野さんお得意の擬人化がついに植物に。桜と家族を取り巻く物語にほっこり、というより桜の気持ちにどうも憑依できず、やや消化不良。

  • 自分がすっかり興味がなく過ぎ去っていく、季節の移ろいや花々のこと、その時期の旬を改めて感じた。こんな美しい四季の中に生きていること気づかなかったなぁ、と。きれいな、ゆったりとした時間を感じる本。その中に出てくる登場人物のそれぞれの想いや考え、悩みながら自分なりの答えと支え合いながら進む姿が、読み終わったにすっきりと残り、日々の自然の変化や自分自身の成長を、愛でたり感謝したりしたくなる。

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著者プロフィール

静岡県浜松市生まれ。東京、福岡、札幌と移り住み、現在は東京都内で小さなカフェを営む現役店主でもある。2018年「第1回おいしい文学賞」にて最終候補となり、19年『終電前のちょいごはん 薬院文月のみかづきレシピ』でデビュー。その他著書に、『終電前のちょいごはん 薬院文月のみちくさレシピ』『占い日本茶カフェ 迷い猫』『伝言猫がカフェにいます』『本のない、絵本屋クッタラ おいしいスープ、置いてます。』等がある。

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