- 文藝春秋 (2024年5月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167922207
作品紹介・あらすじ
29歳で移り住んだニューヨーク。
言葉も、これまで培ったスキルも通じない日々。
そんな中、大切な人たちと繋がらせてくれたのは
心の底にしまい込んでいた自らの美意識だった。
「本音をインターネットに置いておいて、本当に良かった」―-
世界の諸問題への視点、生活への美意識。
総フォロワー数15万人超のSNSで、独自の視点が信頼と感動を呼ぶ
文章を発信し続ける著者のデビュー作。
noteで大反響を呼んだエッセイに書き下ろし6編を加えた
新世代エッセイ集。
解説・谷川嘉浩(哲学者)。
<目次>
Ⅰ 共感、美しくあること
SNS時代の求愛方法
ニューヨークで暮らすということ
美しくあること、とは etc…
Ⅱ じぶんを生きる
「化粧したほうの私」だけが存在を許される世界で
私の故郷はニュータウン
先に答えを知ると、本質に辿り着きにくくなる
ミニマルに働くということ etc…
Ⅲ 生活と社会
晴れた日に、傘を買った話
五感の拡張こそがラグジュアリー
BLM、アジア系アメリカ人、私の考えていること etc…
Ⅳ 小さな一歩
臆病者よ、大志を抱け
「良いことでは飯が食えない」への終止符を
私の小さなレジスタンス
50歳の私へ etc…
あとがき
文庫あとがき
解説 「夜の言葉」を書く人 谷川嘉浩
みんなの感想まとめ
多様な視点と共感を通じて、自己を見つめ直すエッセイが描かれています。著者は、ニューヨークでの生活を通じて、言葉や文化の壁を越えた人との繋がりや美意識の重要性を伝え、読者に深い感動を与えます。特に、異な...
感想・レビュー・書評
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ブックオフで目が合ったので購入。
全く知らない人のエッセイをたまに読みたくなる。
冒頭のマンハッタンや家具などのオシャレな写真の数々にいきなり出鼻を挫かれ怯むw あれ?これ中年男性には敷居高すぎじゃね?読むの止めようかと思ったけど、せっかく買ったんだしとりあえず読んでみた。
結論。読んで良かったです。著者の文章に対する誠実さが感じられて、気持ちよく読めました。文章上手いなあ。
私は本を読む時、気になった所や好きな文章の所に付箋を貼るのですが、この本付箋だらけになっちゃったよw性別も年代も生き方も全然違うのに、なぜこうも共感できるのか。塩谷さんの事大好きになりました。次作も楽しみ。
塩谷さんの影響でヒオリエの8重ガーゼケット買います。凄く良さそう。茶香炉にもちょっと惹かれている。めちゃくちゃ影響受けてるなw詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大学2年生になって忙しさと焦りから毎日いっぱいいっぱいな日々。
家に帰れば疲労感に襲われて本を読む気力すらないけど、現実逃避したくて久々に手にとってみたのがこのエッセイ。タイトルの「ここじゃない世界に行きたかった」という言葉がすっと心に沁み込んできた。
夜型のわたしには、同じく夜型らしい塩谷さんの描く文章がとても心地よかった。
自分と重なる部分、自分とは違う視点からの考え方、彼女の紡ぐ想いや言葉に触れて今自分に見えてる世界がいかに一部であるか知れたような気がする。
色んな考え方を持った人がいるこの世界で、その全てを理解して肯定することはできなくても、やみくもに否定することなく、そっと「こんな考え方もあるんだな」と受け入れられる器を持っていたい。それから理解できないことを理解できる成熟さも。
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私たちは「ここじゃない世界に行きたい」といまいる場所から離れてしまいたくもなるけれど、その遠い場所では結局、別の現実の中で人々が懸命に生きている。
けれども「努力が実を結ぶのは自分の実力」という考えそのものが、自分がマジョリティ側だからこその特権でもあったのだ。それを知るだけの想像力は、持ち合わせていなかった。
世界が鮮やかであることを忘れないために、自分とは色の異なる友人を大切にしたい。いま見えている色だけではなく、できれば育った環境も含めて。
良いことでは飯が食えない、だなんてつまらない一般論には、さっさと終止符を打たなきゃいけないのだ。
もっとも、警鐘のサイレンが鳴り続ける中で、夢から醒めないでいるほうがむずかしい。 -
多色な個性が存在する場所だが、ある時は赤と青に分かれ争いが始まる__ ニューヨークは一体どんな場所なのか。塩谷さんの視点から知る遠い異国の現実と痛み。言葉が通じないからこそ生まれる"感性の繋がり"は見知らぬ地に潜む希望のようだ。
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バスライターという本人曰く恥ずかしい肩書がある塩谷舞さんのエッセイ。以前はバズらせ方を駆使して記事を多くの人の目に触れさせる生業をしていた彼女も経験を経て、NYへと引っ越し、いつしかちゃんと自分の目の行き届くところに意識を向け始めるようになる。彼女の感性を持ってしても生きづらさや世の中の問題はやはり大きくて、それでも答えを見つけようと足掻く。この世代の方が何を考え、そして私たちが何をすべきか、立ち止まって考える良い機会になった。
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著者は私とは全然違う考え方、生き方をしていて、刺激的に感じた。羨ましくも感じた。
「ここじゃない遠くの世界に行きたい」と何度か思ったことはあるけれど、ここじゃない遠くの世界に、異国の地に実際に行ったらどういう現実が見えるのかを少し知れた。
エッセイっていいな、と思えた本だった。 -
こういう大人になりたいを体現している。
どんな遠い場所に行ってもそこで元々暮らしていた人たちがいて、
やはり本は、文字は、消費社会において一番重要かもしれない。蔑ろにされていそうだけど、きっと絶対に揺るがない。
そういえば最近電車の中で本を読んでる人がこころなしか少しだけ増えてる気がする。みんな闘っていこう。 -
今年であってよかった本最上位にランクインする本。五感とか共感とか、現代社会で蔑ろにされそうな感覚、だけどないと自分が壊れてしまう大事なもの…これを密やかに、だけどブレずに大切にされてる方なんだなというのが強く伝わってくる本。そして、エッセイという形式で自分の日々の心の移ろいの変化を見返して成長を感じるのってとても素敵だなぁとなんだか浄化された気持ちになりました。何度でも読み返したい…!
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タイトルに惹かれて読んだけど、凄く良かった、
思わず表紙を撫でたくなっちゃう感じ、笑
静かだけど、社会が見えていて、聡明で、力強く、でも弱さがある
社会の三年一昔は、まだまだ20代の自分にとって尚のことそうである。
時間を空けて読んだら、また違う感想を持つと思う。
また違う世界に行きたくなった時、そして違う世界に行く時に読もう -
終始言葉は上滑りした薄いものであるように感じるし、言葉回しはいちいちしゃらくさいし、他のすごい人と自分はこんなに仲がいいんですよと暗に喧伝するような言葉の選び方も受け付けない。
なのだけれど、自分がここまで読んでいて一貫した不快感を覚える原因を分解する必要があると感じた。
こういう「なんかこの世の問題を私はわかってますよ」感から思考の浅さを感じる一方で、自分は筆者の行動力に憧れている部分もある。なんとなくキラキラしたい、という漠然とした望みを叶えていそうに見えることへの嫉妬もあると思うし、家庭環境や環境に恵まれて育ってきたであろう筆者が大人になってからぶつかっている壁、低くない?という気持ちもある(これは「自分が感じたことのない類の悲劇に対しては痛みの感度が鈍くなる」ことに由来すると思う。自分も別ジャンルの悲劇を経験しているけれど、悲劇は酷さを争うものではないので、この自分の気持ちはあまり妥当なものではない)。
この本を鏡として自分がどのようなものに憧れているのか、その憧れに対して自分はどうであると感じているか、を確かめるのによい本だとは感じた。
noteの有料マガジンで売るには(ファンビジネスとして)良いのだろうとは感じたが、本として刊行された形で活字として読むと言葉が上滑りしているように感じるのはどうしてなのだろう。
私にとって、この本は「視点の異なる友人」となることはない。訳知り顔をして何かそれっぽい、肌触りのよさそうなことをアドバイスしてこようとするが中身はない人であるように感じた。 -
何度も手に取る本。
静かで消え入りそうな、形のない煙の尻尾のようなものを掴もうと頑張ることで、正しい(かもしれない)感情が見えてくるものだ。
書くってそういうことだなと思った。
そして、書くことで世の中を変えられることは、きっとあるのだろうなと。 -
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文章が綺麗な本だった。
30代前後の人がぶつかる、仕事や社会との向き合い方についての悩みと闘った様子が感じられた。
著者は世間の決めた枠にはまりにいこうとせず、自分の感覚や特性を大切にしようとする。
「美しくあること、とは」「競争社会で闘わないー私のルールで生きる」「ミニマルに働くということ」が特に面白く読めた。 -
まだ見ぬここじゃない世界への憧れ。
以前いた、ここじゃない世界で起こった
良き思い出。
それらが胸を支配して、今この場所から
逃げたくなる。
しかしこの世界もここじゃない世界も
どちらにも意味がある。
そのことに気づけるか、
ちがいを本当に理解できるか。
その違いを理解しようとする中で、
自分も変化していく。
それぞれ違う世界があることを
街、夫婦、友人関係、政治などを通じて
見つ直すことができた。
「大都市を離れて」の章の、世界のどこに行ったってに続く言葉が心に残る。
筆者と同じく夜の時間を楽しむ者として、
これからも静かな時間にゆっくり読みたいと
思う本。
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かつて、ここじゃない世界に行きたかったことがあったなぁと思い出した。
地方から上京して、もうそう思うことはなくなったのだけれど。
同じ時代を生きている同世代の思考。
バズライターだけれど、なんだか「わかりやすい」バズじゃない…というのが、解説を読んでスッキリした。 -
結論、この本を読んでよかったと思った。
テレビや、ニュースでの報道や
自分の知ってる情報で
これと言ったら〇〇なイメージという
ものが出来上がると思うが、
それは自分の知ってる情報が
いかに不足してるのか
断片的なイメージなのかを
自分だけで俯瞰してみることは
なかなか難しい。
私はこの本を読むまで
知らないことが多くて、
自分の悩みは小さなものだなと
感じることもできた。
同時にこんなにもナチュラルで
変な思想の偏りないリアルが、
著者の温度感と共に書き綴ってあるので
そこがまた人間味あって心地よかった。
寒い日や季節よりも、
暖かくなってきた季節に
ゆっくりのんびり読んだらよさそう。
平和ボケしそうな気持ちを
少しシャキッとさせてくれそうな本。 -
エネルギッシュな人だなと思った。内から出る熱が溢れ出ていて、その持て余した熱量が作者に文章を書かせるのだなと。
私は色々なことに関心を抱くことができない。無関心とは少し違っていて、理由もなく惹かれることや突き動かされることがない。理屈の上でしか人や物を好きになれない。だから純粋に作者のことが羨ましかった。 -
「ここじゃない世界」に行ってしまいたい(逃げ出してしまいたい)と思うことがかつての私にもあって、気になって手に取った1冊。
目の前の現実から逃げ出したとしても、逃げた先には少し形の違う現実があることを、実体験を通して語りかけてくる。
自分と重なる部分、自分とは違う視点からの考え方、塩谷さんの紡ぐ思いや言葉に触れて今自分に見えている世界がいかに一部であるか知れたような気がする。
いろんな考え方を持った人がいるこの世界で、その全てを理解して肯定することはできなくても、闇雲に否定することなく、そっと「こんな考え方もあるんだな」と受け入れられる器を持っていたい。
それから理解できないことを理解できる成熟さも。
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「魅力的な人に囲まれていたい」と願わない人はいないだろう。
けれども、たとえ目の前にいるのが同じ人であれ、"じぶんの在り方"によっては魅力がまるで違ってくるのだから、結局は自分次第なのかもしれない。(P.92) -
表紙とタイトル買い。表紙の少しざらざらした感じが良い。写真もきれい。
LINE、Twitter、Instagram…まさに現代のエッセイ。内容や文の感じからしてネットの人だなあ。noteで確かにウケそう。短いので読みやすい。言葉使いもnote更新やライターをしているだけあって上手い。
今のネット上などでの運動も取り上げられていて良い。アメリカやヨーロッパの背景などもわかるので色々と調べて書いているのだとわかる。
ただ、周囲を下に見ているというか、私は違いますよという感じがちらつく。読む人にとっては、上辺だけきれいな文章という感想を持つと思う。
行動力はすごいと思う。
メモ
マンハッタンのイーストビレッジ「ナラタ・ナラタ」(店)
心の対話25のルール(本)
ちぐはぐな身体(本)
陰翳礼讃 谷崎潤一郎(本)
茶香炉 飲み終わった茶葉を乾燥させて焚くと良い
トオリエ 麻や綿のガーゼケット
ヒルビリー・エレジー(本)
識字憂患
雨に唄えば
ippo plus 千里ニュータウン(ギャラリー)
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社会的な顔を持つことは人生をうんと進めやすくする一方で、本来の顔をずっと奥に追いやってしまうこともある。しかも周囲の期待にちゃんと応えようとする人ほど、社会的な顔の方に自分自身を矯正していくから、本来の顔がちっとも出てこなくなったりする。
「うちの3Dプリンタは耐久性が低いから品質の低いものしかできない。それに俺は美しいものをつくることで、社会に貢献したい。今この瞬間、地球上から美しいものをつくる人が消えたら、それはとても悲しいことだから」
コロナ禍で、人の役に立つことをしろと言われた旦那さんの言葉。息が詰まる日々で娯楽は必要。自分にできることをして、品質の悪いものを作って(余計なことをして)迷惑をかけない。
憧れの欧米に囲まれて、疲れて、素朴な日本人の自分に、これでいいのかと納得する。美しさとは、自分が持って生まれたものに馴染むものを、美しいと思うものを集めていくこと。自分が生まれてきたことを肯定するセラピー。周囲に決められ、流されるものではなく、自分が良いと思って決めたもの。
偏愛を極めて極めて極めて生きた方がずっと、出会うべき誰かと強く惹かれ合う。
美しくあること=どう生きるか。自分が自分だけに与えてあげられるギフト。
美しさは自愛。ナルシストは自己愛。
私の考えは正しく、間違っていない。そう思ってしまうことが、一番こわいことだよね。
そう思いそうになったら乳首解放運動のことを考えよう。その考えは受け入れられるが、そのパレードに自分は参加できない。勝手に解放してくれ。
正義感は罪悪感を伴わない分、タカが外れやすい。他者は敵に、攻撃することに快感を覚える。
ここじゃない世界に行きたいと今いる場所から離れてしまいたくなるが、その遠い場所では別の現実の中を人々が懸命に生きている。
話の聞き方次第で相手の魅力が変わってくる。上手に魅力を引き出すことができ、聞き手の自分のことも話さずとも好印象を残せる(相手が話に満足するので)。
毎日が同じではないので正解はない。お茶と向き合うことは自分と向き合うこと。答えがあらかじめわかっていてはそこから先に進みにくいからもったいない。
先に答えを知ると本質に辿り着きにくくなる。
外国人とルームシェアをして家にトレーニングマシンを置くことで、ジムに通う時間や語学学校に通う時間や費用をカットするなど、効率的に生きる。
事務仕事が苦手なのでFacebookで得意な人を40人集め、契約を結ぶ。その中で経度の違う地域に住んでいる人が何人かいれば、誰かしらは昼に活動しているわけで、24時間体制となり、仕事を急に頼んでも誰かが引き受けてくれる可能性が高くなる。
どうしたら50%で生きていけるか、諦めずに済むか、効率的にできるか、苦手を回避できるか、それがミニマルに生きるということ。
自分の不調、環境による不調、人それぞれできない事情がある。ルール自体が間違っていることもある。自分を責めず、工夫して生きていく。周りも事情があると理解する。
日本から離れても、小さな小さな「日本」はお腹の中に保っている。
事実なんてつまらなくっても構わないのだ。
働く選択肢を知っているということは、そのまま自由度に比例する。
5分で理解できることを前提に作られたニュースから、その先の鮮やかさを知ることは難しい。
ボランティアだから無料で、はやめる。
継続させるためにも、価値あることをしているのであれば経済的にメリットがある形にしなければならない。
ボランティアに限らず、仕事や私生活などでも人の価値ある行動を安く買い叩いたり、やって当たり前にしてはいけない。それ相応の対価や対応をしなければならないと思う。
古着の寄付は寄付先では有り余り、現地の産業は価格崩壊、古着は放置され異臭を放っている。
なんでも寄付はダメ。
消費の仕方を考えないといけない。無駄に買わない。広告に流されない。
真面目が一番。真面目にやってたら人生、そう間違いは起こらへん。
インターネットはインフラや水道や水と同じ。
つまらなくしていたのは自分。諦めるのではなく理想郷は自分で作る。そうすればここじゃない世界は向こうからやってくる。 -
散文が続いた。でもこの著作は推敲を重ねたでもない、求められることを提供する彼女なりの能力があればこその1冊、良く書けている。
見えない世界への憧れは人を前へと駆り立てる。旅に出るのも新しい挑戦をするのもきっとその延長線上にあるのだろう。
世界は広く可能性は尽きない。大人になってもその好奇心を忘れずにいたいものだ。
実現している、隣町に住んでいたのか!?
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