死者は噓をつかない (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2024年6月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167922405

作品紹介・あらすじ

【スティーヴン・キング作家デビュー50周年記念刊行、第3弾!】

この小説は、「ぼく」ことジェイミーの回想記であり、そしてこれはホラーストーリーだ。
そう、だってぼくには死者が見える――。

「死人の霊が見える」という、古典的とさえ言える設定。
それがキング流に調理されると、他の何者とも違うユニークな物語が立ち上がる。

ジェイミー少年は、ものごころついた頃から死者が見えていた。死者の世界にはいくつかの決まりがあるようだった。
死者は死ぬとすぐ、死を迎えた場所の近くに、死んだときの姿で現れる。
長くても数日で、だんだん薄れていって消える。
普通の生者にはぼんやり存在が感知される程度だが、ジェイミーだけは会話を交わせる。
そして、死者は嘘をつけない。

文芸エージェントの母。若年性認知症を発症した伯父。
母の親友のタフな女性刑事。同じアパートの引退した名誉教授。
母のクライアントの売れっ子作家。警察をあざ笑う連続爆弾魔……。

ジェイミーはその能力ゆえに周囲の人々の思惑にたびたび振り回され、奇妙な目にあいながら、どうにか成長していく。
しかしある事件をきっかけに、いよいよ奇怪な事象が彼本人の身に降りかかってくるのだった――。

少年の成長物語を書かせれば天下一品、そして言わずもがなのホラーの帝王が、両者を組み合わせた「青春ホラーストーリー」。これが面白くないはずがない。
最後の最後まで驚きを仕込んできて読者を油断させてくれず、自身の代表作のある「ネタ」をからめてくるファンサービスも怠りなし。
どこを切ってもキングという円熟の筆で心おきなく楽しませてくれる、記念刊行にふさわしい逸品!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

死者が見える少年の成長を描いた本作は、ホラーとサスペンスが巧みに融合した青春物語です。主人公のジェイミーは、死者と会話できる特異な能力を持ち、その力によって周囲の人々の思惑に翻弄されながら成長していき...

感想・レビュー・書評

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  • 死者が見えてしまう少年の成長記録… シックスセンスばりのホラー&エンタメ #死者は噓をつかない

    ■きっと読みたくなるレビュー
    エンタメ書かせたらマジで世界一すね。さすがスティーブンキング。

    序盤に興味を持たせて、中盤でのエピソードで徐々に盛り上げる。後半は緊張感とボルテージアゲアゲでラストまで一気に読ませちゃう。それにも関わらず、訴えかけるテーマは深く心に残るんですよね。

    また読んでると自然に映像が浮かんでくるんすよ。一人称視点での語り口調が絶妙で、かつて自分が書いた日記を読んでいるみたいなんです。

    しかも読者を楽しませるため、嫌味がない程度に既存映画などのエピソードやセリフなんかを入れてくる。道具に使い方も上手だし、章立ても短めでテンポがいい。ホント映画を見てるみたい。

    さて本作はホラーではあるのですが、サスペンス要素もかなり強め。油断して読んでると、えっーーという展開が待ってたりするのでご注意を。

    本作の一番の強みは、やっぱり主人公のジェイミーですね、かわちい。何故だか分かんないけど、持ってしまった能力を忌み嫌いながらも向き合っていく姿に胸打たれるんすよ。子どもの成長していくってのはいいもんすよね。

    それに引き換え、子どもにすら甘える大人の屑っぷりに腹が立って仕方がない!誰しも様々な事情がある、もちろん頼りたくないというのはよくわかる。でもそこは大人としてのプライドでやってはダメなことでしょ!何度も叫んでしまいました。まったくもう。

    終盤にかけて物語は加速していく。間違いなく手に合わせ握る展開、そして結末は…キング作品ですが、あっという間に読めてしまう短い作品。それなのに、しっかりと世界のエンタメを楽しめるんです。いつも分厚い本と敬遠している方にもオススメですよ!

    ■ぜっさん推しポイント
    子どもが主人公の物語を読むと、いつもわが身のことを反省させられるんです。本作のバーケット教授はいい人だったなぁ… ちゃんと子どもの話を聞いて、誠実に向き合ってあげるんです。この当たり前のことが自身の子どもでもなかなかできないんですよ。

    仕事、時間、経済的なことに追われる毎日で、つい後回しにしがち。親子の会話って大事だなぁと切に思ったのでした。

  •  読み終わるまで本当に時間がかかりました。(物理です、つまり積ん読の中に入ってしまい行方不明だった)

     幽霊が見えて、話をすることができるジェイミー少年が青年になって子どもの頃を回想するというキングお得意のスタイルのホラー小説です。

     その能力でいろいろ大変な目にもあっているのですが、ある出来事に巻き込まれてしまって、そこから、どうしてこうなってしまった! というジョットコースターの乗せられてしまったように物語が動いていきます。

     私はキング大好きですし、今回も面白かった! と満足ですがラストの不穏な空気が気になりますかねぇ、くふふ。

  • 死者が見えて話すことができる少年・ジェイミーの青春ホラー作品。
    ジェイミーは様々な出来事に巻き込まれ、最終的に危機的な状況に追い込まれてどうなるのか?という展開はハラハラしながら読みました。
    ジェイミーが少年から青年に成長していく課程での葛藤がとても良いです。『大人になるうえで最悪なことは、口を閉ざすことではないか』というセリフがあり、無邪気になんでも話せた幼い頃の自分と、大人になりかけている自分の葛藤を感じる一文でした。
    キング作品にしては短いストーリーなので、少し物足りなさを感じましたが、コンパクトにまとまっていて読みやすかったです。

  • 死者の霊が見える少年ジェイミー。死んだ時の姿で現れるからなかなか壮絶だったりするし、危険な方へと導かれていくからどんな恐ろしい結末になるかと期待したけど、特に盛り上がらず。主人公もこれはホラーストーリーであると再三言っていたけどホラーではなかった。驚いたのは、死んだ人は嘘をつけないが故の最後にサラッと明かされる衝撃の真実。

  • キング健在!アピールしているよう。一時期は不安な作品があったが(私個人の感想)作品のままに蘇ったよう。霊が見えるって、こういうことなんよって、先に読んだ作品に言いたい。まじでもっと作品を読ませて欲しい。

  • 少年の持つ死者の声を聞く能力は,大人達にとって都合よく便利(探し物,遺稿書)。死んだ爆弾魔から爆弾の隠し場所を聞いてから不穏な状況に。知りたくない秘密を知ってしまった少年が気の毒。

  • 2021年3月刊のLaterを翻訳して、2024年6月文春文庫刊。訳し下ろし。死者と話ができる少年。死者は嘘がつけないという設定が、面白い。その異能のせいで、事件に巻き込まれた少年が、その能力で無事を勝ち取って行く展開は爽快。

  • 2024/7/13読了
    ホラーストーリーを謳っているものの、怖さはそれ程ではない。セリオーに取憑いた悪しきモノの正体は、〈死の光〉〈チュードの儀式〉というフレーズもあって、名作・大作の『IT』の“それ”と関連ありそう(本文中にも“IT”というワードが登場するし)だが、詳細は不明なまま。元々、キングはそういう説明的なことをゴチャゴチャ書かないもんね。にしても、齢80に近いながら、子供の視点で大人の世界を描写する、キングの筆力・視点の広さには驚いてしまう。

  • キングデビュー50周年で最近キング祭。

    死者が見える少年、死者は嘘が言えません。そのルールのため事件に巻き込まれピンチに陥る少年。短いので展開早かったけど、後半ドキドキした。
    いつも長編すぎてちょっと小粒感、でも楽しめました!

  • まあいつものキング作品、って言ってしまえば簡単なんですけどやはり面白いです。
    主人公が回想しながら語る作りなので全編気持ちに余裕のある物語だった印象です。
    といいつつ主人公母親の元恋人の悪徳警官や爆弾魔のくだりは流石にキング、肝を冷やす、嫌な気持ちにさせる描写が上手いと思いました。

    全体的には怪談のような雰囲気でした。

  • I see dead peopleな少年とシンママの話…といえばあの映画ですが、さすがキング。すらすら読めてキャラに説得力があって、成長を爽やかに描きながら少し恐怖を残したエンディングで。こういうのでいいんだよー、夏は! まあ、これがほかの作家だったら、さっぱりしすぎだろうとか文句をつけそうだがw

  • 開幕から語り手を務める主人公による堂々とした“ホラー宣言”がなされてはいるが、ページを捲るたびに物語の色合いが少しずつ変化していくプロセスを楽しむことのできる作品だった。

    本書に関して「スティーヴン・キング入門としてもおすすめ」との惹句を見かけたが、なるほど確かにこれはキングの得意とする要素(少年の内面描写。善と悪の戦い。超自然的な展開)がいろいろと入った構成になっている。本作は文春文庫から刊行された文庫オリジナルの長編で、単行本で上下巻として刊行される場合が多い他のキング作品と比べても短いため、初めての人が読むにはうってつけだろう。

    「幽霊を見ることができ、さらには会話をすることもできる主人公」という設定に、(タイトルにもなっている)「死者は嘘をつかない」というルールを加え、それを活かした展開の中に前述したキングお得意の要素が並んでいる。“生者”と“死者”の両方が並び立つ光景を見ることのできる能力を持つ主人公が、人間の“善”と“悪”の両面に触れる体験をすることになる。

    手堅くまとまっている作品なので、気軽に取って欲しい作品なのだが、文庫にしてはページ数に対して値段がかなり高い(税込1,650円)なのがネックか。

  • スティーブン・キングは久しぶりに読んだけど、やっぱり面白いなあ!読み出すと時間を忘れて読んでしまう。
    これは文庫1冊でキング的には短いし、読んだことない人にもおすすめ。

    死者が見え、会話もできる主人公の、6~15歳の間に起こった”事件”を、22歳の現在に語る構成。
    子供が死者と向かい合わないといけない状況にハラハラするし、身勝手に利用しようとする大人には腹が立つ。
    そして回顧録なので、原題のLater、”あとになってわかったけど”のような記述が頻出する。
    もう戻ることのできない子供時代を思い起こさせて、怖いだけでなく背後にせつなさもあってとてもいい。

    最高級のホラーエンタメ。キングはやっぱりすごい。

  • 初スティーブン・キングは邦訳最新作から。死者と会話が出来る子供という設定は決して目新しくないが、今作には【死者は嘘がつけない】という追加要素が加味されており、その設定の妙が物語の牽引力であると同時に、ラストの悲壮的な決意表明に効いてくるし、青年になった主人公が当時を振り返る回顧録というスタイルは、心を落ち着けて作品に没頭出来る不思議な安心感がある。アメリカならではのジョークや固有名詞が頻出するので少々面食らった部分もあれど、今更ながら他の作品も読まなければと思った次第。まずは積読している「ミスト」から…。

  • 映画とか実写化されるのが想像できるようなイメージしやすかった。シックスセンスみたいな
    長さもちょうどよかった

    原題は『Later(後になって)』だそうで、それだと本全体のイメージがちょっと変わるかも
    先にそれを知ってて読みたかったな

  • 今年、作家生活50年を迎えた帝王の文庫オリジナル作品。とはいえ、税別1,500円と単行本並の値段なので、あまり有り難みはないが……。
    主人公のジェイミーは死者を視ることができる“能力者”だ。彼らと話すこともでき、死者が「嘘をつけない」ことを知っている。この2つをキーにして組み立てられたゴーストストーリーだ。
    本人は(一人称なので)「ホラーだ」と言っているが、別段怖くはない。キングらしい、よくできた話ではある。
    ただ、やはり小粒感は否めないし、よくわからないねで逃げてしまう無責任さも感じる。まあ、それが御大の持ち味でもあるのだが。

  • 初めてのスティーブン・キングの本。映画ではいろんなのを見たけれど、文章だとまたイメージががらりと変わる。まずシリアスな展開が続く中にもユーモアが溢れていて、海外の作品の濃さを強く感じる。そして、この文章の繊細さが今までに無く面白い。この話は20代の主人公が幼少期を回想しながら進む物語りである。成長を重ねるにつれ、母親の言葉や近所に住んでいたおじいさんの言葉遣い等に影響を受けた様子が見られ、小説でありながら自伝を読んでいる気にさへなる。また、作中に何度もでてくる「後になって(later)」だが回想シーンでは振り返って考えた際に使われている。だが最後の「later」はこれから起こるであろう事に対する思いも含まれていて、それが今後何が起こるか分からないということを私に印象づけた。
    まぁとにかく面白く読ませていただいた。

  • 2025年2月12日読了。死者が見える力を持つ少年ジェイミー、他人に隠してきた能力を使ったことから…。特別な力を持つ繊細でタフな少年・問題のある家族・脅威をもたらす死者・小説家・理解者となる老人男性、とキングの得意技を盛り込みまくった物語。キングにしては短い小説で、少年の一人称視点の効果もありサラッと読める。最初の「力」の使用シーン、読者を混乱に巻き込みつつ読んでいるうちに「あ、そういうことか」と得心させる構成がうまい。過去の引き出しを使ってこの程度の小説ならまだまだ量産できる、というのが現在のキングなのか。うらやましい限りだ。

  • おもしろかった!ジュブナイル小説でありながら、しっかり重厚感のある物語だった。かといって決して語り口が重くないところがさすがだなと。ミステリーであり、ホラーであり、ヒューマンストーリーであり、さまざまな表情をもつ小説だった。

  • S.キングが楽しんで執筆しているのが伝わってくるような そんな感じ
    ジェイミーの語り口に、妙にわくわくさせられてしまうからかもしれない
    ホラー要素は少量、うやむやに終わる感もあるけれど嫌いじゃない 
    セリフに違和感を感じ現実に戻される事は皆無、逆にそのセリフから色々と調べてしまう
    4に近い3

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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