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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784167922467
作品紹介・あらすじ
【第165回 芥川賞受賞作!】
彼岸花を採りに砂浜にやってきた島の少女・游娜(ヨナ)は、
白いワンピース姿で倒れていた少女を見つける。
記憶を失っていた少女は、海の向こうから来たので「宇実(ウミ)」と名付けられた。
この島では、〈ニホン語〉と〈女語(じょご)〉、二つの言語が話され、
白い服装のノロたちが指導者、歴史の担い手、司祭だった。
宇実は游娜 、その幼馴染の拓慈(タツ)という少年に〈ひのもとことば〉を教え、
〈女語〉を教わって仲良くなるが、やがて進路を選ぶ時期がくる。
「成人の儀」にのぞむ3人それぞれの決意とはーー
国籍・言葉・性別などの既存の境界線を問い直す世界を描いた問題作。
文庫解説:倉本さおり
文庫装画:高妍(Gao Yan)
みんなの感想まとめ
言語や性別、国籍といった既存の境界線を問い直す物語が展開されます。記憶を失った少女ウミが、島で出会った友人たちと共に成長していく様子が描かれ、彼女の心情が丁寧に表現されています。特に、ウミが直面する言...
感想・レビュー・書評
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考えさせられる。なんていう安易な言葉で片付けたくないし欲しくない。
嘗ての記憶を無くし、島に流れ着いた語り手は、<ニホン語>を話す女の子ヨナに助けられ、ウミという名を与えられる。ウミが話すことができるのは<ひのもとことば>のみであるため、うまく会話が成り立たないかと思われたが、その言語は島で使われる<女語>と酷似していた。そして島では、<女語>を巧みに操る女性に、島の歴史を語り継ぐための、ノロという役職が与えられることを知る。ウミは、ヨナや男ながらノロになりたいと願うタツと共に島での生活を送る。島の歴史に潜む真実。そして、ウミの記憶を取り巻く現実とは———
ノロという役職は、島の歴史を語り継ぐことや、今後の島の存続のために身を粉にして動く必要がある。ウミは島の外からきた自分よりも、ずっとこの島で暮らしているタツにこそ、ノロになるべきだと考える。しかしながら、タツは男性であるため、本来であればノロになるどころか、女語すら知ることがない。言語や性別によって作られる壁は高く、そう簡単に打ち崩す事が出来ない。
私が思う本書最大の魅力は、ウミの心情を示す文章であると感じた。それは、島に流れ着き意識を取り戻した時、大きな壁にぶつかった時、島の歴史を知った時、自らを取り巻く現実を悟った時。それぞれの地点で、私たちはウミの行動から彼女の気持ちを追体験することになる。ウミは島に来る前の記憶を断片的にしか覚えておらず具体的なシーンは何ひとつとしてはっきりとしていない。だからこそ、そんな彼女が抱く心情には常に魅力を纏っている。記憶にないながらも、深層心理に染み付いた感性というものはなかなか抜けておらず、節々から彼女のこれまでを想像させられることにも、また魅せられる。自然を語る文章も美しく、目の前に広がる景色を安易に想像させ、物語へより深く潜り込ませてくれる。
まだいっぱいは読めていないけど、これまで読んできた芥川賞受賞作の中でも読んだことない作品に感じた。なんとなくだけど芥川賞っぽくないというか、社会派ミステリ的な要素も含まれていて、万人におすすめしやすいなと感じた。めちゃくちゃ面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
近未来デストピアSFの設定だが、琉球の島を舞台にした小説。普段文学とか一般小説を読まないSFの人にも大丈夫だと思う。文庫になって電車読みにも最適。ジェンダーや国籍などの背景はデストピア舞台だが当然今に通じるものがある。
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ニホン語、女語、ひのもとことばが入り混じり、はじめは読みにくさも感じるが、次第にスムーズに読めてくる。それこそがこの物語の主題とも繋がるのだろう。
言語は思想と繋がる。ジェンダー、国、歴史、様々な力の配分が物語世界を築く。
「小説」の力を思い知らされた。 -
芥川賞受賞作。ふと目に入ったときとか、受賞作予想とかを読むことがあるんだけど、これはそんな中で興味を惹かれたんだったか。もしくは、単にタイトルが心に残っていただけか。たまには芥川賞も、ってことで入手・読了。彼岸花に対する勝手なイメージで、何がしか、ホラー寄りの作品かもとか思いながら読んでみる。でも実際には、八重山地方の小島を舞台にした物語。その中に、ジェンダーとか国籍とかについてあれこれ考えさせられるヒントが散りばめられていて、中編なんだけど、読み応えあり。
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ファンタジー系?とも言い切れない、なんかいつか何処かであったのかも、と
思わせられるお話だった。
この島のシステムは、成り立つのだろうか?
ちょっとその辺りが納得しかなかった。
全体的には特に問題ない物語。 -
2021年上半期芥川賞受賞作
彼岸花が咲く島に流れ着いた字実とその島の同世代の女の子ヨナとタツの物語
ヒノモトコトバや女語といった『言葉』
女性が統治し家族という概念があいまいな『風習』
ノロという指導者が導く不思議な島
邪馬台国ってこんな感じかなーなんて気持ちで読んだかな…
芥川賞受賞作にしては読みやすかったかも -
この話は沖縄と台湾の間の島を想定して書かれた話だろうと思いながら、読み進めるも「芥川賞」受賞作品だよな、と難解さに途中で投げ出したくなる。
ところが、半分を読んだあたりから、俄然面白くなる。
漂流した少女がたどり着いた島は、現代の有り様をことごとく否定した上に成り立つ理想郷であった。こんな奇想天外な島の行末を見てみたいと思ってしまう。
性別に関係なく自由に恋愛をし、妊娠したら産むかどうかは自分で選ぶ。子どもが生まれたら学校に預け島全体で育てる、などなど。また、すべてを率いるのはノロになることのできる女性だけである。 -
島物語の表と裏、すごく嫌な想像をしてしまった女性島
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架空の島のお話。色んな言語が出てきたり島の設定があったり、後半は島の歴史や主人公の生い立ちが明かされる。
が、正直ストーリーそのものが退屈すぎて、かと言って深い心情描写などがある訳でもなくどのキャラも優しくて悪くいえば薄っぺらい、それらのことから色んな設定や謎が気にもならずに結局最後までダラダラ続くだけだった。そもそもなんで周りの世界はこの島に攻めてこないの。
多様性とかLGBTとかフェミニズム的なことから芥川賞受賞したのかな、とか感じちゃった。今まで読んだ芥川賞、ストーリーは基本退屈だけど描写はどの作品も深く、作者の心情や見えてる世界を感じられたけどこの作品は合わなかった。 -
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図書館OPACへ⇒https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50366142
他校地の本の取り寄せも可能です -
オーディブルで聴いた。
内容は凡そSF系でいいのかな。
かなり強いジェンダー系の話になっていったことに驚いた。
これが芥川賞受賞を取っていることは、不思議に感じた。 -
重い作品を読んだ後だったのでちょうど良い長さだった。島の自然と、女性が力強く生きている様子があって好感を持った。表現も嫌味を感じない。
彼女の中にはマイノリティの隔たりという大きなテーマがあって、読者に伝えたい事が明確であると思った。 -
記憶を失い目を覚ますと、微妙に通じるようで通じない言語を操る人が住む、見知らぬ島だった という出だし。自分のルーツを思い出すことを求めながらもそれを知ることで今の生活が脅かされるのでは、とうっすらと恐怖を抱きながらも進んでいく年月。歴史と制度とその理由は全て繋がっていること。何が正解かはどんな長老にも分からないが、真実を知り、よく考え、正しいと思うことをすることで歴史を紡いでいってほしい。家父長制へのアンチテーゼもあり、もろに現代日本の話をしていた。物語の中で拓慈と和解できなかったのが惜しい気がした。
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⚪︎文化の細かい描写より、「ここはどこ?」「いつの話?」「どんな社会?」など、どんどん疑問が浮かび、想像力が掻き立てたれる。
⚪︎主人公の選択を見ながら、自分の未来へ責任をもつには、過去を知り、現状を知る事が大切だという事を学んだ。人生において、どう生きるかは正解や不正解がなく、迷いながら、自分自身が責任をもって選択していく事だと感じた。
⚪︎最初は読みにくかったが、想像すればするほど種明かしを期待する自分がいて、読み進めることができた。最後に種明かしをされるので、ミステリー小説のようなスッキリ感が感じられた。 -
エックスツイッターで著者が自身の発言からバッシングされていて著者のことをしりました
どんなひとか検索すると外国人で日本語で本を書いて芥川賞をとったひとだとしり読んでみることにしました
あっさりとしていて読書初心者でも読みやすそう
可もなく不可もなく外国語(日本語)でここまで書けるのはすごいとおもいました
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